木村恵吾「やっちゃ場の女」若尾文子叶順子宇津井健藤巻潤清川玉枝信欣三

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン51・若尾文子」モーニング特集。62年・大映東京。
e0178641_2081224.png 未見の若尾文子ものだ、わーいわーい、と見に行ったら、すべてのシーンに既視感あり(泣)。それでも楽しめるのは、ぼくの記憶力もさることながら、映画が面白いから。
 先の若尾モーニング「東京おにぎり娘」と同工異曲のプログラム・ピクチャア。
 東京の下町の商売やの長女で、妹が叶順子で、父親(今回は信欣三)のいい年こいた浮気癖に悩まされたり、親戚のおばさん(今回は村田千栄子)にお見合いを勧められたり(今回の相手は宇津井健)ませた中坊の弟(今回はなかなか達者な手塚央、親父の信にタメ口を利くのがうまい)に手を焼いたり身近な二枚目が気になったり(今回は本当に好青年な藤巻潤)。
 もちろん木村恵吾演出は、「東京おにぎり娘」より上等で、築地の青果市場、隅田川沿いの若尾の家、佃の父親別宅、と当時の実景ロケもこのましい。
 いつものメンバーがいつもの役を演じる安定感。母に岡村文子(母娘でダブル文子!)同業組合の世話役に大山健二、戦前松竹蒲田・大船プログラム・ピクチャアの安定感を戦後引き継いだのは、まさしく大映東京なのだ。
◎追記◎岡村文子は、清川玉枝の「ケアレス・ミス」。似ているから、ついつい混同しちゃう(笑)。

 何かと注目される若尾文子は、増村や川島らの問題作の、くろうと系・水商売系だが、こういう何気ない映画での、素人系いき後れ系というのも、とても楽しいし、うまいんだよね。だらしない親父や、ませガキの弟を扱わせたら、言うことなし。まあ、お色気過剰の妹・叶順子には手こずるんだけどね。で、また、この叶順子もいいんだよ。似たもの同士、ベスト姉妹賞。ああ、似すぎて、相性は悪いんだけどね。
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by mukashinoeiga | 2010-02-03 01:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

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Commented by Bill McCreary at 2016-06-20 07:10 x
はじめまして。

この映画を検索していてこちらにたどり着きました。

この映画について、これといった予備知識なく見たのですが、なかなかいい映画だったと思います。

ご指摘の通り、いわゆる素人さんを演じる若尾文子もいいなと思いました。信欣三その他もいいし、宇津井健の健全さもこの映画にはフィットしているなと思います。

ところでラストは、若尾主演の「永すぎた春」と同じ趣向ですね。ただ「永すぎた春」では若尾が譲られる側で、この作品では譲る側というのが、彼女の年齢の推移を感じました。それで村田千栄子が2つともキーパーソンを演じているのも面白いというものです。

それにしても、このような作品がソフト化されていないようで見る機会が限られているのは残念ですね。商売にならなければソフトにならないのは仕方ないですが、でもこのような映画は、その時代の息吹をうまくとらえているので、そういう意味でもいろいろな人に見てもらえればと思います。

それではまた。たぶんまた遊びに来ます。
Commented by mukashinoeiga at 2016-06-20 23:29
木村恵吾「やっちゃ場の女」へのコメント、 Bill McCrearyさん、ども。
 大映プログラム・ピクチャアは、何気ない通常品でも、実に面白い。本作も同様で。
 役者もいい。あややはいつもながらの良さ、宇津井健も絵にかいたような好青年の好ましさに、涙か出る(笑)。

>このような作品がソフト化されていないようで

まあ、これをソフト化したら、あれもこれもそれもなぜソフト化しない、という抗議が、山のように押し寄せるでしょう(笑)。それくらい大映は、豊富なので。
 でも、若尾全作品くらいは(笑)ソフト化してほしいですね。

>いろいろな人に見てもらえればと思います。

 大映は、宝庫、ですからね。ではまた、よろしかったら、どうぞ(笑)。  昔の映画
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