堀内真直「四万人の目撃者」

 神保町にて。「男優・佐田啓二」特集。60年・松竹大船。
 超満員の野球場、ファン注視のなか、スター選手が三塁打、三塁に滑り込んだまま、立ち上がらず、こときれた。きわめてトリッキーな出だしからして快調な、佳作ミステリ。
 真っ先に疑われたのが、死んだスター選手の代わりにレギュラー入りした杉浦直樹選手。ぬぼーっとした感じが野球選手にあっている。その恋人で(死んだ選手の妹)という、なにやら裏のありそうな女に、岡田茉莉子。ぼくが見た数ある岡田出演作でも、最高に美しい。この二人の濡れ場が、この当時としてはかなりすごいディープ・キス。終わったあとの杉浦の唇の周りがつばで光っている(笑)。やろうと思えば、出来たのね。
 事件を追及する検事に佐田、でも佐田検事が執念を燃やす理由がいまいち希薄で、そこが弱い。相棒の刑事に伊藤雄之助、って、同年の同じ松竹映画「いろはにほへと」(本特集でも同じ今週上映)では、佐田の悪を追及する刑事を好演していた伊藤、役者はなんでもありです。
 ラストの落ちも決まって、うれしい映画。なお、本特集の今週上映作「丼池」は、隠れた名作、未見の方はぜひ駆けつけるべし。
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by mukashinoeiga | 2009-09-07 00:25 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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