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清水宏「母のおもかげ」淡島千景根上淳見明凡太郎村田知栄子

 池袋にて。「芸能生活70年 淡島千景の歩み」特集。59年・大映。
e0178641_0261956.png 清水宏の遺作。未見の清水宏だ、わーいわーい、と駆けつけたら、すでに見ていた作品だった(笑)。ぼくのお粗末な記憶力のせいだが、しかしこのお粗末な記憶力のせいで初見同様楽しめるのだから、災い転じて眼福となる、のはいつもどおり。
 ああ、いいなあ。戦前の華やかな人気監督も、戦後は不遇のままだった、というのがこれまでの映画史における清水の扱いであるが、実際に見てみると戦後の清水も外れのない佳作ばかりだということがわかる。確かに大ヒットでもないし、目立つわけでもないお決まりのプログラム・ピクチャアの枠内の映画ばかりではあるが、小学生の息子を残して妻に死なれた根上淳が、同じく女の子の連れ子がある淡島千景と、コブツキ同士再婚するという、つつましい物語とは裏腹に(いや、しかし、その物語も誠実に語られる)狭いはずの日本家屋の室内や、給食のまかない場などを、急速に横移動するシーンの鮮やかさ。いくらセットとはいえ、和室の急速横移動なんて、清水のはるかあとの後輩鈴木清順くらいしかそんな酔狂はしないのではないか(違っていたら、ごめん)。清水は縦移動のみ多く語られるが、そういえば戦前作でも華やか鮮やかな横移動も得意だったなあ。
e0178641_041480.png 男の子と、まだ小学生にならない幼い女の子、この二人がめっぽううまくて、泣かせる。さすが子供好きの清水だ。女の子が、わからないなりに大人の会話に、じっと目を注ぐ、その目の注ぎ方が、いかにも子供の立ち位置で。今のように大型船化する前の、ぽんぽん蒸気並みの浅草の水上バスの風情も泣かせる。
 二人の仲人、見明凡太郎と村田知栄子ももちろんいい。

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by mukashinoeiga | 2009-07-12 21:24 | しぃみず学園清水宏おぼえ書 | Trackback | Comments(7)

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Commented by taisukez1962 at 2016-05-12 00:51
やっぱり淡島さんいいなぁ〜。
子役もほんとに巧いですね。
陳腐なドラマだと徹底して新しい継母に抵抗するか継母にいじめられるかっていうパターンが多いなか、大人の事情も勘案しながら迎合しきれないやるせない心情がよく表現されていたのでこちらも思わず引きずり込まれました。

淡島さんと根上さんが寄席に行って落語を聞いてるシーンがあり(先代の)三平さんが高座に上がって一席やってるんですが声だけで映像には出て来ませんが、やはりセットなんですかね?
写っていたら貴重だったんですが….三平だけに肖像(正蔵)の問題なんでしょうか?

悪ガキが「どうせ弁当に毒でも入ってんだろ」とか言ってましたが、そういうこと子供の時分よく言いましたな。あんな台詞が個人的には郷愁を誘われましたが…。

若い頃の根上さんも今の沢村一樹(だったか?)に似ていて格好良かったですね。
Commented by 昔の映画 at 2016-05-15 04:15 x
清水宏「母のおもかげ」へのコメント、taisukez1962さん、ども。

>大人の事情も勘案しながら迎合しきれないやるせない心情がよく表現

御意。いい映画でした。
落語家は、誰でもよかったのかも。
誰か、録音で、入れといて、という感じかな。 昔の映画
Commented by PineWood at 2016-05-15 12:28 x
子役の女の子も佳かったが、小津安二郎監督作品にも出て来る毛利充宏君の感じが実にいい!トリュフォー監督作品のデビュー当時のアントワーヌ・ドワネル君(ジャンピエール・レオ)みたいでもあるしねー。家庭内の横移動のカメラワークかあー♪。横移動では(花形選手)の軍事教練シーンも凄かったけれどもー。本編の根上淳の影のあるコブ付き男、此は中々なものー。淡島千景もいいし、さんぺい落語も懐かしいし、打ち解けて笑う二人のリアクション等は、最早演技では無いのかも…。
Commented by mukashinoeiga at 2016-05-15 22:56
清水宏「母のおもかげ」へのコメント、PineWoodさん、ども。
女の子も男の子も、よかったですね。
よく、清水宏は、プロの演技者を好まなかった、という「ヘンな意見」が映画史に流通していますが、根上、淡島はじめ皆いいのですから、そんな「馬鹿な俗説」は、取り除いてもらいたいもの。
今、なぜかピロスマニとか、ロメールとか、ほかにもいろいろぼくの若いころに流行っていたミニシアター系の名作が、東京の映画館で盛んにリヴァイヴァルされていますが(それだけ今の映画が、広がらないわけか)清水もその一環か、ぼくの流行らないブログでも、清水は記事ランキングの半分を独占する始末。
 清水宏は永遠のヌーベルバーグだなあ。 昔の映画
Commented by PineWood at 2016-05-17 09:01 x
エリック・ロメールや洪サンス監督等の演出の自然さはどうも、その演じ手に合わせて状況や台詞を書いている事にある様です。清水宏監督の自然さが何処から来るのかは創作の秘密なんでしょうけど。ただ、子役に対しても相当にダメ出ししたみたいだから観察力の鋭かった清水宏監督の繊細さと一番恐い監督だったという定評と出来上がった作品への拘りと優しさがあってー。俳優陣からの出演希望も多かったとも。
Commented by mukashinoeiga at 2016-05-17 23:53
清水宏「母のおもかげ」へのコメント、PineWoodさん、ども。
 まず、二重投稿と思われるので、ひとつは消しました。
パラジャーノフやらゴダールやら、バベットの晩餐会やら、なんか、単館洋画系は、昔の映画花ざかり。異常やろ。
 ロメールと清水のコラボ特集も面白いかもしれませんね。  昔の映画
Commented by mukashinoeiga at 2018-12-28 00:56
清水宏「母のおもかげ」へのセルフコメント。
 清水宏の映画がランキングに上がってきたが、ここにコメントを寄せてくれたPineWoodさん、taisukez1962さんも、最近とんとご無沙汰で。うーん、さよならだけが人生だ(笑)。 昔の映画
 
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