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浦山桐郎「非行少女」

e0178641_045447.jpg 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン54・和泉雅子」モーニング特集。63年・日活。
 監督のしごき演出に耐え切れず、「ウラ公を殺して、オレも死ぬ」と、和泉雅子が思いつめたという、伝説の映画。
 やっぱり、<ウラ公>としては、会社から与えられた主演女優が、あまりにアイドルアイドルした、可愛い女優だったので、こんな美人じゃ<オレの非行少女>にならない、と、いささか理不尽にしごきにしごいて、たぶん、その可愛い和泉雅子の顔を、心底、ゆがませたかったのだと思う。
 不幸の釣瓶落とし、転落人生の<オレの非行少女>が、和泉雅子クラスの可愛い娘だったら、みんなにちやほやされて、非行には、走らないだろう、という<ウラ公>なりのリアリズム。一方、日活は、やはり主役は、可愛い美人のアイドルでなきゃあね、と。リアリズム映画を撮りたい<ウラ公>と、商売だいいちの会社側との、妥協点が、この可愛らしいアイドル女優・和泉雅子、というわけで。
 うん、やっぱり、こんな可愛い娘は、ふつう、みんなから、ボロクソの扱いは、されないよね、というわけで、いつもよりは、やはり、1.5倍比で顔をゆがませるものの(当社比)、もともとそれなりにうまい和泉雅子としては、そんなに演技の質が変わるわけではない。だいいち相手役の浜田光夫も、通常運転の演技。その他、浜田の旧友・杉山俊夫、兄・小池朝雄、和泉の父(ダメなオヤジといえば、この人・浜村純)、学校用務員・小沢昭一と、脇役の方たちも、ご同様。しごきにしごいて、この有様、<ウラ公>のしごき、意味がなかったね。
 やはり役者を追い詰めることのある、溝口、成瀬には、及ばないということか。まあ、小娘を思いつめさせる効果程度ということか。
 ラスト、金沢駅で、とりあえず、大阪でひとりでがんばって人生を切り開こうとするヒロインに、あまりにうざく邪魔立てする浜田が、うっとうしくて、腹が立つが、その浜田の心理を、ピントボケボケの情景描写で表現。
 ま、いまいち。きれいなモノクロ・シネスコ・サイズでは、あるが。
 駅での別れ、列車が隔てる運命、というときに、この当時の、列者の乗降口に、ドアがない、だから走り出した列車にも、初動スタート時徐行運転中には、若者なら、らくらくと飛び乗れる、このアクションの格好よさ、安全第一で、ドアをつけてしまった、現在からは想像できない、映画的な趣向。やはり、ため息。まあ、オジンには、ドア、やっぱり必要ですが(笑)。
 冒頭クレジットに<方言指導>佐々木守。なお、佐々木守は、同年の大島渚「小さな冒険旅行」では、<幼児指導>クレジット。よほど指導好きの佐々木守なのであります。 
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by mukashinoeiga | 2010-06-22 22:06 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)