タグ:松竹(蒲田・大船・京都) ( 133 ) タグの人気記事

架空映画妄想キャスティングを特集新設しました

当ブログの特集(カテゴリ)を、また一つ増やしました。
 ま、内容はそのまんまなんですが、もっと妄想していたはずなのに、意外と少なかったなあ。
 特にヤマサツなんて、もっといっぱい妄想していたはず(笑)。ニフティ時代だったのか(泣)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2017-05-08 19:50 | 架空映画妄想キャスティング | Trackback | Comments(0)

ベスト・オブ傑作・快作の森ほんとうの傑作はなんだ(予選)

 当ブログの特集(カテゴリ)の一つに、傑作・快作の森というのが、ある。
 いま現在、99作品が登録されている。
 これからベストテンを選んで見ようという、まあ酔狂ですな(笑)。

 しかし日本映画の傑作・快作は、おそらく何百作もあるだろうに、なぜ99作なの? と、疑問に思わる向きもあろう。
 まず、それについてエクスキューズしたい。

1 まず、当然ながらすべての傑作・快作を、一個人が、見切れるわけはない(笑)。

2 当ブログは、2009年に開始された。当然ながら、それ以前に、いわゆるスタンダードな傑作は、かなり見ているので、再見しない限り、当ブログには、書けない。つまり、基本となるような大傑作、具体的に言うと、小津成瀬黒沢の傑作などは、まず登場しない。
 小津成瀬黒沢ほどでない傑作も、再見しない限り、登場しない。

3 さらに言えば、監督別特集(カテゴリ)を新設するたびに、傑作・快作の森や旧作日本映画感想文から、どんどん引っこ抜き、移設されているので、むしろ増えるというより、減っていると思う。

4 つまり、2009年以降に初見・再見した傑作・快作のうち、監督別特集(カテゴリ)になるほど鑑賞作品数のない監督の作品がが、結果的に99作というわけだ。

 じゃあんまりたいしたリストじゃないじゃん、ともいえるわけだが(笑)。
 ではまず、99作品を、半分程度に、絞ってみよう。

e0178641_2138717.jpg佐伯清「色事は俺にまかせろ」上原謙高峰三枝子風見章子田崎潤
[ 2017-03 -15 03:30 ]
深作欣二「資金源強奪」欣也梅辰室田川谷喜和子明香松方山城名和今井天津敏
[ 2017-02 -17 23:21 ]
牛原陽一「邪魔者は消せ」赤木圭一郎
[ 2017-02 -10 01:53 ]
江崎実生「七人の野獣 血の宣言」
[ 2017-01 -09 01:18 ]
斎藤武市「白い悪魔」森雅之
[ 2016-10 -30 09:37 ]
石田民三「花つみ日記」高峰秀子
[ 2016-10 -09 10:59 ]
鈴木英夫「その場所に女ありて」司葉子
[ 2016-07 -20 04:16 ]
中平康「あした晴れるか」いづみ裕次郎
[ 2016-02 -24 02:20 ]
木村恵吾「花嫁のため息」「新妻の寝ごと」
[ 2016-01 -09 10:17 ]
田坂具隆「陽のあたる坂道」
[ 2015-11 -01 14:28 ]
松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」
[ 2015-05 -23 00:00 ]
工藤栄一「大殺陣」
[ 2015-05 -22 09:14 ]
内田吐夢「黒田騒動」
[ 2015-04 -10 04:35 ]
野村浩将「野戦看護婦」
[ 2014-11 -14 16:21 ]
野村芳太郎「最後の切札」
[ 2014-07 -11 21:00 ]
野村芳太郎「張込み」
[ 2014-06 -01 09:47 ]
曽根中生「㊙極楽紅弁天」
[ 2014-04 -25 10:16 ]
大庭秀雄「花は僞らず(偽らず)」
[ 2014-03 -08 08:25 ]
中平康「現代っ子」
[ 2014-03 -06 00:49 ]
中村登「男の意氣(意気)」
[ 2014-03 -02 07:33 ]
番匠義彰「のれんと花嫁」
[ 2013-12 -05 23:34 ]
中川信夫「虞美人草」
[ 2013-11 -15 02:05 ]
野村芳太郎「素敵な今晩わ」
[ 2013-11 -11 23:43 ]
村山知義「初恋」
[ 2013-11 -09 00:49 ]
村山知義「恋愛の責任」
[ 2013-11 -05 23:34 ]
森永健次郎「美しき抵抗」
[ 2013-09 -30 00:03 ]
福田純「血とダイヤモンド」宝田明水野久美石立鉄男はデヴュー作
[ 2013-09 -19 23:07 ]
島津保次郎 「隣りの八重ちゃん」
[ 2013-07 -06 21:44 ]
中村登「日も月も」
[ 2013-06 -09 09:25 ]
牛原虚彦「進軍」
[ 2013-05 -16 21:49 ]
中川信夫「ひばりが丘の対決」
[ 2013-05 -06 20:34 ]
三池崇史「藁の楯」+「極道戦国史 不動」
[ 2013-05 -03 23:49 ]
阿部豊「大出世物語」
[ 2013-04 -11 02:37 ]
古川卓巳「逆光線」
[ 2013-02 -13 09:59 ]
川崎徹広「陽のあたる椅子」
[ 2013-01 -12 01:33 ]
川島雄三「女は二度生まれる」
[ 2012-12 -12 23:32 ]
鷹森立一「君たちがいて僕がいた」
[ 2012-10 -19 23:54 ]
長谷川安人「集団奉行所破り」
[ 2012-06 -12 01:07 ]
川崎徹広「豚と金魚」
[ 2011-12 -26 23:41 ]
吉村公三郎「自由学校」
[ 2011-10 -30 09:46 ]
成瀬巳喜男「なつかしの顔」
[ 2011-10 -23 00:44 ]
島津保次郎「兄とその妹」
[ 2010-09 -06 23:10 ]
村山三男「続・鉄砲犬」
[ 2010-08 -10 21:50 ]
衣笠貞之助「十字路」
[ 2010-08 -10 21:47 ]
望月優子「海を渡る友情」
[ 2009-12 -15 00:21 ]
島津保次郎「男性対女性」
[ 2009-11 -08 08:02 ]
柳瀬観「北国の街」
[ 2009-10 -11 22:04 ]
山中貞雄《パラパラ漫画アニメ》
[ 2009-09 -26 00:26 ]
石田民三「花ちりぬ」花井蘭子
[ 2009-09 -20 09:39 ]
石田民三「むかしの歌」
[ 2009-08 -09 20:13 ]
山村總「鹿島灘の女」
[ 2009-07 -12 21:28 ]
川島雄三「明日は月給日」
[ 2009-07 -12 21:26 ]

 これを、さらに、半分程度に、減らしてみよう。

佐伯清「色事は俺にまかせろ」上原謙高峰三枝子風見章子田崎潤
深作欣二「資金源強奪」欣也梅辰室田川谷喜和子明香松方山城名和今井天津敏
江崎実生「七人の野獣 血の宣言」
斎藤武市「白い悪魔」森雅之
石田民三「花つみ日記」高峰秀子
鈴木英夫「その場所に女ありて」司葉子
中平康「あした晴れるか」いづみ裕次郎
木村恵吾「花嫁のため息」「新妻の寝ごと」
田坂具隆「陽のあたる坂道」
松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」
工藤栄一「大殺陣」
内田吐夢「黒田騒動」
野村浩将「野戦看護婦」
野村芳太郎「最後の切札」
野村芳太郎「張込み」
曽根中生「?極楽紅弁天」
大庭秀雄「花は僞らず(偽らず)」
中村登「男の意氣(意気)」
中川信夫「虞美人草」
野村芳太郎「素敵な今晩わ」
村山知義「初恋」
福田純「血とダイヤモンド」宝田明水野久美石立鉄男はデヴュー作
島津保次郎 「隣りの八重ちゃん」
牛原虚彦「進軍」
三池崇史「藁の楯」+「極道戦国史 不動」
古川卓巳「逆光線」
川崎徹広「陽のあたる椅子」
川島雄三「女は二度生まれる」
鷹森立一「君たちがいて僕がいた」
長谷川安人「集団奉行所破り」
川崎徹広「豚と金魚」
吉村公三郎「自由学校」
成瀬巳喜男「なつかしの顔」
島津保次郎「兄とその妹」
村山三男「続・鉄砲犬」
衣笠貞之助「十字路」
島津保次郎「男性対女性」
柳瀬観「北国の街」
山中貞雄《パラパラ漫画アニメ》
石田民三「花ちりぬ」花井蘭子
石田民三「むかしの歌」
山村總「鹿島灘の女」
川島雄三「明日は月給日」

 泣きの涙で(笑)約40作品に、減らした。
 今回の調査(笑)で成瀬巳喜男「なつかしの顔」が、いわゆる成瀬部屋に移行していなかったことを知る。
 これを成瀬部屋に移行して、一作品、減りました(笑)。

 さらに減らしてベストテンにするのは、また次回(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2017-03-27 21:41 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

「聖女と拳銃」は「セーラー服と機関銃」の原点か(笑)

鰐淵晴子特集モーニングが、2/12~4/15に、ラピュタ阿佐ヶ谷で開催される。
 モーニングショー「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第84弾 鰐淵晴子」特集。
 なかでも個人的に注目しているのが、

e0178641_22552381.jpg2.12[日]-18[土]聖女と拳銃 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1959年(S34)/松竹大船/白黒/66分
■監督:野崎正郎/原作:水沼一郎/脚本:光畑碩郎/撮影:鶴見正二/美術:浜田辰雄/音楽:加藤三雄
■出演:大木実、田代百合子、三井弘次、明石潮、諸角啓二郎、永井達郎、磯野秋雄
花売娘の真心が、暗い過去をもったヤクザ者の胸にほのぼのとした愛の灯をともす──。助監督部発行のシナリオ集に掲載された水沼一郎のオリジナル『人殺しのバラッド』をもとにした異色メロドラマ。

 無垢な少女と、男根の直喩というべき銃器を、対比させるというタイトルは、はるか後年の相米慎二「セーラー服と機関銃」を、思わせる。
 つまりこれこそ映画だ。セックスこそエンタティンメントだ。
 寄る年波で(泣)朝が嫌(や)と化している阿佐ヶ谷モーニングだが、ぜひともこれは見てみたい。

 他にも、
2.26[日]-3.4[土]明日はいっぱいの果実 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1960年(S35)/松竹大船/白黒/88分
■監督・脚本:斉藤正夫/脚本:山田太一/撮影:荒野諒一/美術:岡田要/音楽:木下忠司
■出演:三上真一郎、杉浦直樹、姫ゆり子、桂小金治、山下洵一郎、小坂一也、大泉滉、左卜全、伊藤雄之助
田舎で弾丸拾いをしていた少女が兄を頼って上京。大人たちの思惑に巻きこまれ、危険と騒乱に満ちた大都会をめいっぱい体感する──。鰐淵晴子が快活な魅力を発揮!とびきりファンキーでキュートな風俗喜劇。

 なんてもの見てみたい。
 一方既見作の五所平「猟銃」野村芳太郎「春の山脈」酒井欣也「晴子の応援団長」桜井秀雄「この空のある限り」などの、当時の松竹新人監督の作品も、みんなウェルメイドな秀作で。
 川頭義郎「伊豆の踊子」番匠義影「三人娘乾杯」は、見たかどうか、記憶がないなあ。
 というわけで、この特集、要注目!

◎おまけ◎ああ、いいなあ。OLDモノとしては、こういう情報が、ほんとに貴重で(笑)。
よみがえる青春スター 女優編(芸能ニュース)
2015/04/30 に公開
原 節子、山本富士子、鰐淵晴子、司 葉子、佐久間良子、若尾文子

よみがえる青春スター(芸能ニュース)
2014/12/06 に公開
赤木圭一郎、高橋英樹、石原裕次郎、渡 哲也

よみがえる青春スター パート2(芸能ニュース)
2015/04/30 に公開
松方弘樹、千葉真一、高倉 健

よみがえる青春スター コメディアン編(芸能ニュース)
2015/11/06 に公開
藤田まこと、渥美清、伴 淳三郎、フランキー堺、森繁 久彌

昭和38年芸能ニュース


★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2017-02-07 22:58 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

川頭義郎「あねといもうと」岩下志麻倍賞千恵子

きわめて「面白い」。65年、松竹大船。
e0178641_338218.jpg 阿佐ヶ谷にて「宮崎祐治・著→キネマ旬報誌・刊→より 東京映画地図2」特集。
 川頭義郎といえば、もちろん木下恵介の弟子筋にあたるわけだが、むしろ本作には、小津や成瀬を、感じる。
 なんでかなー、と考える。
 木下恵介といえば、数多くのヒット作をものして、松竹の名を高らしめ、しかし、今現在さほど、評価は、高くない。
 いや、それなりにリスペクトされてはいるが、小津や成瀬ほどではない。
 おセンチすぎる、とかお花畑過ぎる、ということもあるかもしれないが、ずぶずぶのメロドラマ作家でありながら、恋愛系メロドラマに弱い、恋愛系ホームドラマがなっていない、要するに男女間の葛藤メロドラマがほとんどない、という、木下固有の特殊事情のせいか、と思われる。
 男女間の成り行きに、なぜか(笑)関心がいかない、いうのは、メロドラマ作家としては、かなり致命的かと、思われる。
 その木下の弟子の川頭が、本作のような恋愛系ホームドラマを撮る際に、参照するのは木下ではなく、小津や、なかんずく成瀬であるというのも、道理で、本作は、かなり成瀬ティストを感じてしまった。

e0178641_3385540.jpgあねといもうと (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1965年(S40)/松竹大船/カラー/90分
■監督:川頭義郎/原作:佐多稲子/脚本:楠田芳子/撮影:荒野諒一/美術:梅田千代夫/音楽:木下忠司
■出演:岩下志麻、倍賞千恵子、中村晃子、久我美子、早川保、山村聰、轟夕起子、大辻伺郎、北林谷栄
田園調布の父子家庭の物語。長女・岩下志麻、次女・倍賞千恵子、三女・中村晃子という適齢期の三人と、娘たちの結婚問題に揺れる父。ここに亡き長男の嫁も加わって、それぞれの姉妹の新たな出発が描かれる。


 感想駄文済みの成瀬「おかあさん」が、ありえないくらいのエピソードてんこ盛りのジェットコースタームーヴィーであった。本作の、サクサク進む展開の速さに、それを感じる。そういう意味で、この映画の「流れる」速度は、成瀬並みで、くいくい展開していく快感がある。
 メロドラマでありながら、師匠の木下の、粘着性から、脱しているような。女々しいねばねば感がない、爽快さがある。
 まあ、木下的女々しいねばねばさも、好きなのではあるけれど(笑)。成瀬的、小津的な、さっぱり系?メロも、好きなんだよなあ。

 田園調布に住まう、中の上クラスの「部長さん」山村總、その娘たち、長女・岩下、次女・倍賞、三女・中村。
 父親の思惑、この家を維持していくに足る、それなりの収入の男に娘を嫁がせたい、と思うのに、倍賞は同僚の安サラリーマン早川保に惚れて、岩下も安月給の小学校教師・大辻司郎(ロンパリ気味の、老成したいかつい顔ながら、誠実な青年を好演)に思いを寄せ、思うようにならない。
 これに「事故で亡くなった長男の嫁」(きわめて成瀬的な設定)久我美子が加わると、義父・山村總の久我への親切が、山村が長男の嫁・ハラセツに懸想していた成瀬「山の音」も想起され、なにやら妖しい。
 まあ、健全な松竹メロだから、その懸念は、全く杞憂なのだが。しかし精力的な「四十八歳の抵抗」親父・山村總なので、全く油断ならない(笑)。
 三女・中村晃子のみ、恋愛エピソードがないのは、この手の四姉妹物としては瑕瑾だが、そのエピソードも入れると、とても90分には、収まらない。
 しかも彼女には、亡兄の未亡人・久我を、なにげに、ねちねちいびる小姑的役割があるので、存在感はオーケー。

 この時代の、松竹メロは、つまらない作品が数多くうんざりすることしばしばなのだが、チョット小津、割りと成瀬を意識した本作は、なかなかに合格点。
 と、相変わらずの上から目線で、どーもすいません。三平です。

 ちなみに、上記引用の、きわめて微温的ポスターも、味わい深い。
 もっともキャリアが長い久我美子が和装で座布団付き正座。もっとも正統的。
 倍賞千恵子は、横座りで、崩している。
 中村晃子は、倍賞の陰に隠れて見えないが、アグラまで行かないにしても、足を伸ばして崩している。
 岩下志麻のみ、立っていて、他の三姉妹と比べ、ヒロイン性を示す。
 でも本当は、まだ姐さんキャラ以前なので、本作では、他の女優さんに比べて、存在感は、ないんだけれども。
 凡庸なポスターながら、味わいは深い(笑)。 

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-11-25 03:39 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(4)

「映画流れ者」について

 当ブログの関連掲示板、
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

が、いまいちナンノタメにあるのか、まったく開店休業状態。
 そこで、このたび、当ブログのメモ帳代わりと、してみました。

★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

 (^^♪お暇なら、来てよね、ワタシ、さびしいわー(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-11-15 23:41 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

瀬川昌治「瀬戸はよいとこ花嫁観光船」フランキー財津一郎山城新伍朝丘雪路日色ともゑ田坂都ミヤコ蝶々春川ますみ村地弘美

 楽しい佳作。76年、松竹大船。阿佐ヶ谷にて「稀代のエンターティナー! フランキー太陽傳」特集。
 72年の大ヒット、小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」のころに企画され、なぜかボツになり、数年後よみがえった感じかな?
 しかし、この映画、現在の視点(究極の上から目線)で、イロイロ問題あり。後述します。

e0178641_94026.jpg瀬戸はよいとこ花嫁観光船 (Movie Walker HPより)
1976年、松竹、93分
本州と四国を結ぶ、本四連絡架橋の建設再開をひかえた、明石・鳴門を舞台に、色と欲に踊る男女を描く旅行喜劇“よいとこシリーズ”第一作。脚本は監督の瀬川昌治と大川久男、監督は「正義だ!味方だ!全員集合!!」の瀬川昌治、撮影は「やさぐれ刑事」の丸山恵司がそれぞれ担当。
ここは本州四国連絡架橋の一つ、明石--鳴門ルートの起点、明石町。パチンコ屋の主人、青木大作は、架橋工事が再開されるという情報をキャッチして、何はさておき、頭を押えられている女房波江にご注進に及んだ。波江は、かねてより橋が出来た日に備えて、淡路島の岩屋に一大リゾートホテルの建設を考えていた。
 フランキー堺、財津一郎、山城新伍、朝丘雪路、日色ともゑ、田坂都、ミヤコ蝶々、春川ますみ、村地弘美

e0178641_9405299.jpg 当時のアイドル、村地弘美がフランキーの娘として出てくるが、エーこんなにブスだっけ、といささか唖然。ま、それは、さておき。
 ◎追記◎まあ、彼女の場合、黒髪の長髪で、三割は可愛く見えている、というところかしら。
 フランキー、財津、山城トリプル主演の軽コメディー、何かの併映作には、何にでも合いますなあ、の典型。
 しかし、上記ポスターに見る通り、山城が奥様連中や娘っ子にキャーキャー言われる、「貴公子」扱い。ま、やはりコメディーゆえ、ストリップ愛好家であることがバレて、総スカンな訳だが。
 で、なぜ、奥様連中や娘っ子が山城の元に集まっているかといえば、本四連絡架橋の建設が、瀬戸内海にもろもろの環境破壊をもたらす、と。経済発展で、環境を犠牲に、するな、と。
 当時大問題だった公害なども含め、きわめてタイムリーな素材と、言えますな。
 ただし、そのタイムリーさは、現在も反原発運動、反基地運動にも通じるものであり。いつの時代にもありうる現象で。いつの世にもある「新現象」なわけで。

 しかし、松竹、および瀬川昌治は、いわゆるオールドタイマーであるから、そういう「新現象」を、コメディーとして茶化す方向に、当然行っているので、いささか気色が悪いのも事実。
 とはいえ、いつの時代にも、それぞれの「新現象」は、あるわけですね。左翼リベラルの飯の種は尽きまじ。
 そして、公害だけではなく、「女性の権利の主張」という問題も、並行して、描かれる。
 彼女たちは「あたしたちもピンクのヘルメットかぶって、中ピ連になっちゃおうかしら」。おお、中ピ連(笑)。昔懐かし時代のあだ花。
 そういう女性の反乱も、コメディーであり、松竹であり、瀬川であるから、きわめて微温的で、一方ではフランキーべたべたの朝丘雪路であり、まあ、なんだか気色悪い。

 ただしクライマックスのラストミニッツレスキューのシークエンスは、失礼ながらこの手の作品としては、意外なほど本格的(笑)。おみそれしました。
 フランキー、山城はどうでもいいが、ごひいき財津一郎の、二枚目半ぶりが、好ましい。奥さん日色ともゑと夫婦喧嘩、妻に出ていかれて、「さみしぃー!」という決め台詞を言わない(言わせない)のも、ナイス。
 なお、主役三人の男どもが、一つ屋根の下雑居する様は、戦前小津の、カレッジボーイ・コメディーが想起され、これが伝統ってものかと(笑)。


★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-10-20 09:41 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

加藤泰「江戸川乱歩の 陰獣」

うーん、微妙。77年、松竹大船。京橋にて「生誕100年 映画監督 加藤泰」特集。
 そもそも熱血派の加藤泰に、もそもそ隠微な変態世界が理解できるのか、というそもそも問題がある。
 そもそも本格探偵小説の作家を自称するあおい輝彦が、変格探偵小説作家・大江春泥を、邪道呼ばわりする資格があるのか。両者の大ファンを自称するマダム・香山美子が「先生も大江春泥並みの変格小説をお書きになって、素晴らしい」(大意)と、揶揄する始末。
 つまり、乱歩VS乱歩の、変格合戦、なの、どうでもいいわ(笑)。 

e0178641_1363885.jpg(以下、ネタバレあり)
41 江戸川乱歩の 陰獣(117分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1977(松竹)(監・脚)加藤泰(原)江戸川乱歩(脚)仲倉重郎(撮)丸山恵司(美)梅田千代夫(音)鏑木創(出)あおい輝彦、香山美子、若山富三郎、大友柳太朗、川津祐介、中山仁、仲谷昇、野際陽子、田口久美、倍賞美津子、加賀まりこ、藤岡琢也
謎の小説家大江春泥から届く一連の脅迫状が、奇怪な連続殺人事件を呼び起こす。大胆でモダンな構図と、香山美子演じるファム・ファタルの妖しい輝き、江戸川乱歩世界の倒錯と退廃の美を表現する美術と音楽が強い印象を残す。長台詞によるクライマックスの謎解きシークエンスの演出は必見。

 おそらく加藤泰的には、今回一番の目玉は、美人女優・香山美子が、わけあって、醜女に変装するシーンだろう。
 その醜女変装する際に参照されたのが、なんと、香山美子付き女中頭の任田順好!
 美人の香山美子が、任田順好並みに変装して、美青年俳優・川津祐介と、イタす。
 しかし、この醜女版香山の役を実際に演じていたのは、おそらく任田順好だろう。
 かくて加藤泰常連・任田順好と、美人女優・香山美子とのとりかえばや物語が、成立と。
 うーん、加藤泰本人としては、あるいはダイコーフンかもしれんが、それに付き合わされる観客の身としては(笑)。

 いかに当時人気のジャニーズとしても、あおい輝彦の陽性さは、この淫靡さを目指したはずの映画に、全くミスマッチでもあり。
 香山美子の元同級生として証言する、加賀まりこの、脇役出演がいかにも、もったいない。
 地方の映画館(主?)として証言する設定は、弟子?の山田洋次がかかわる野村芳太郎「砂の器」を思わせるが、おそらく加藤泰でなければ、あるいは任田順好の代わりに、加賀を女中頭に起用して、W美人女優の、W醜女メイクとして、話題を取ることも可能だったろう。
 いや、美人女優を醜女扱いにするって、特殊すぎ?(笑)。

 なお。東映のなじみの俳優二人。
 大友柳太郎が、ある意味老醜をさらけ出したすっぽんぽんで、二階から落下って。
 晩年の大友は、確か飛び降り自殺のはず。それを思い起こしてシャレにならないが、生真面目な大友では、余計陰惨か。
 そしてコミカルリリーフ的に、女性カメラマンに、町弘子。下記ムーヴィーウォーカーでは、別の無名女優が記されているので、後からあてはめたのか。
 あるいは加藤泰的には、香山美子主演ではなく、桜町主演の企画だったのか。それが、営業的に松竹から拒否されて、香山になったと。
 桜町と大友の夫婦なら、いかにも既視感ありなのだが。

 お坊ちゃま、お子様の松竹生え抜き監督には、撮れないアダルトな映画は、社外監督に任せよ、ということでの加藤泰召喚なのだろうが、変態監督は、東映には、掃いて捨てるほどおるやろが(笑)。日活にも、おるがな。
 そこを、ほどほどの加藤泰で折り合いをつけるところが、いかにも松竹でんなー(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-10-02 13:06 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback | Comments(4)

加藤泰「花と龍」渡哲也

 京橋にて。「生誕100年 映画監督 加藤泰」特集。73年、松竹大船。
 日本映画女優史上、怪演女優はだれか、と考えた場合、それは任田順好なのではないか、という印象が強い本作だが、もっとも任田順好の場合、常連出演の加藤泰映画でのみ突出しているので、そこらへんは、やや、弱いところだが。
 冒頭、汽車の中で、床に直座りしつつ、駅弁をいぎたなく食いまくるところから、相方の田宮二郎を、完全に食いまくっている。二郎さん、形無し。
 まあ、本作での田宮二郎は、きわめて古典的な、寡黙な渋い二枚目に徹しているので、任田順好の暴投に次ぐ暴投には、対処しきれない。
 ここはひとつ、妄想だが、カツシンの代わりに任田順好を投入して、田宮とのコンビで、「シン悪名」シリーズなど、見たかった。軽妙三枚目の田宮なら、暴投・任田順好とも、丁々発止とやり合ったであろう。
 酒に酔った勢いで、田宮にのしかかり、イタそうとする任田、抵抗する田宮、いいなあ。絶品コメディエンヌ坂本スミ子、しょぼ刑事・天地茂で、完璧じゃないですか(笑)。

e0178641_1016884.jpg38 花と龍(168分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1973(松竹大船)(監・脚)加藤泰(原)火野葦平(脚)三村晴彦、野村芳太郎(撮)丸山恵司(美)芳野尹孝(音)鏑木創(出)渡哲也、香山美子、竹脇無我、田宮二郎、石坂浩二、倍賞美津子、任田順好、佐藤慶、太地喜和子、笠智衆、伴淳三郎、坂上二郎
火野葦平の同名小説の映画化。加藤は従来の脚色(東映や日活で幾度か映画化済み)とは異なり、主人公・玉井金五郎(渡)と成長した息子(竹脇)との葛藤を重視し、一人の男の単なる出世物語にとどまらぬ作品に仕上げている。香山、倍賞、太地ら女優陣の力演も見逃せない。
*途中休憩あり

 とはいえ、主演・渡哲也は、絶品・高倉健に、はるかに、見劣り。
 裕次郎の「嵐を呼ぶ男」のリメイクに出たり、そういえば「花と龍」も裕次郎が悠々とやっていたっけ、後発弟分アイドル俳優としては、先達のリメイクをやらされ、ちょっと、分が悪い。

映画『花と竜』宣伝放送用石原裕次郎挨拶 ※映像はイメージです ←超貴重映像を含む


 女博徒・倍賞美津子に至っては、超絶・藤純子と、比べるのも、愚か。
 すべてが下世話に流れるのは、致し方ないのか、加藤泰の「あえての」戦略なのか。
 とはいえ、ネーミングが絶妙?な、タマキン&マン夫婦の物語で、本作では、一度も玉井金五郎を、タマキンタマキン呼ばわりをしなかったはずで、むしろそちらのほうが不思議。
 マキノ/高倉版では、盛大にタマキンタマキンと呼んでいたのに。

 そして、各種火野葦平タマキン&マン・サーガで、いずれも省略されていた後半を、二部作として、あえて投入。タマキン&マンの一人息子・竹脇無我世代の話となるのだが。
 マキノも舛田も、省略したのはストレートな物語を、映画として阻害するし、前半ほど面白みがないということだろうが、左傾加藤は、あえて、息子の労働争議を取り上げる。
 おかげで加藤組常連、任田順好と汐路章のタイマンどす勝負に、爆笑。でも、決着をつけんのは、いかんねえ(笑)。
 唐突に登場する石坂浩二の息子・石坂浩二(一人二役)、同じく倍賞美津子の娘・倍賞美津子の唐突さ、ともに無駄感ありあり。無理に後編を作ってしまって、隘路にはまるか。うーん。

 結局、香山美子は可愛いが、ホシユリやルリルリの後追いで、ヤング島村ぎん(高橋とよや清川虹子が貫録で演じた女親分)を爆走した任田順好の、圧勝(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-09-07 10:16 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback | Comments(2)

加藤泰「炎のごとく」

 京橋にて。「生誕100年 映画監督 加藤泰」特集。81年、大和新社、配給東宝。
 公開時には、見ていないと思う。加藤泰が何者かも知らず、主演の二人、菅原と倍賞美津子は、どちらかというと、ぼくの苦手なタイプ。後年見た時も、二人の暑苦しい演技が、好みに合わず。「ぼくのきらいな、ダメな日本映画の典型」と、思った。
 で、今回再見したら、まあ、それほどダメな映画でもないなあ、かつて暑苦しいと思った、その一部は、活気のある映画、という印象に、変わった。
 ただし、あくまで、一部、なんだよね。

e0178641_23234994.jpg42炎のごとく(147分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1981(大和新社)(監・脚)加藤泰(原)飯干晃一(撮・出)丸山恵司(美)梅田千代夫(音)鏑木創(出)菅原文太、倍賞美津子、きたむらあきこ、国広富之、豊田充里、佐藤允、若山富三郎、中村玉緒、桜町弘子、汐路章、東龍明、岡八郎、谷村昌彦、藤田まこと、藤山寛美、高田浩吉、大友柳太朗
会津の小鉄こと仙吉(菅原)は、愛する女りん(倍賞)のために、幕末の京都で人生を賭け始める…。全篇通じて飛び交う怒号や叫び声、誇張された表情、無様な斬り合いや噴出する血糊、脈絡のないカットや照明の変化など、演出は一見不自然に、時に稚拙にさえ見える。だが仙吉の、目の前の人間を不幸にはさせないという意志が周囲に伝播していくと共に、映画は異様な美しさを獲得していく。

上記「演出は一見不自然に、時に稚拙にさえ見える」うん、ほんとに稚拙、子供が描きたいようにお絵かきした感じ。
 例えば、鈴木清順のかっとぴ演出のような、戦略はおろか戦術も感じさせない。自由気ままだが、そこに「思想」も「美学」も感じられない。
 「一貫性」が、ぼくには、感じられなかった。
 上記「異様な美しさ」も、ぼくには、「そこそこ異様な、そこそこ美しさ」しか、感じられない。
 で、なんで、こんなに、まとまりのない、とっ散らかした映画になったのかというと、どうやら主人公・会津の小鉄は、実在した人物で、その聞き書き?を、もとにした映画らしい。
 しかし、ふつう実在の人物を主人公に据えた場合、その人物は、何事か偉業を成し遂げた人物、首尾一貫した思想に生きた人物、何か大きな事件を「奇跡的に生き延びた」人物が、主として描かれるだろう。
 しかし、この映画の主人公は、おそらく、そうでは、ない。いちヤクザが、時代の荒波に翻弄されつつ、ある程度は特異な人物なので、それなりに「生き延びて」しまった、と。
 そういう、とっ散らかした半生を、これまたとっ散らかしたように描いたのが、本作で、ある、と、ぼくは、そう理解した。

 おそらく本作と、もっとも似ている映画(あるいは、もっとも真逆な映画)はロバート・ゼメキス「フォレスト・ガンプ 一期一会」だろう。
 ご存知のように、あの映画は、もしアメリカ人が、この数十年間、一切の間違いを犯さず、人生の岐路において、いちいち正しい選択をしていったら、こうなったであろう、という楽観主義的シミュレーション映画で、あった。
 しかし、残念ながら、普通の人間には、人生の岐路でいちいち正しい選択は出来なかろう、ということで、主人公は「聖なる知恵遅れ」に設定され、結果、人間として、アメリカ人として、その時代時代で、常に正しい選択を、行う、という夢の展開で。
 そして、ガンプの対比として、彼のガールフレンド、ロビン・ライトが、常にアメリカ人が犯してきた負のスパイラルの象徴として登場、最後には、エイズで死んでいく。

 そういう「フォレスト・ガンプ 一期一会」を、補助線に見た場合、本作の菅原文太は、正しい選択もしたし?、間違った選択もした。ただ、単に、時代の波に、翻弄された、ともいえる。
 要するに、本当の庶民として、まさに、とっ散らかした人生をとっ散らかして、生きていったわけだ。
 思想も戦略も戦術もない、という。
 そこが、加藤泰の、好みだったのだろう。後期加藤泰映画を、一言で表すとすれば、まさに、とっ散らかした映画であり、職人娯楽スタア映画としての、まとまりのある映画を散々作ってきた彼の、もう、とっ散らかせてくれよ、という本音の発露なのかもしれない。
 巨匠にも名匠にもなれなかった頑固職人の、ささやかな、破れかぶれ。
 ぼくには、そう、思える。

 なお、新選組が語る「友達になりたい」「仲良しになりたい」に、げげーっ(笑)。
 本作でもそうだが、離脱を許さず、即死罪の、超ブラック集団が、どの口で言うという。
 皮肉でいってると思いたいが、左傾の気味がある加藤泰だけに、案外本気の脳内お花畑だったりして(笑)。

 なおなお、菅原文太にまとわりつく許嫁を演じるのが、若いけど華もオーラもない女優きたむらあきこ。こりゃーかなりの確率で、出資者の、「俺の娘をよろしく」と押し付けられたパターンかと思うじゃないですか。
 ところがネットで伝え聞いたところによると、クロード・ガニオン「Keiko」のヒロインで、加藤泰が気に入ったうえでの起用という。
 ぼくもこの映画は公開当時に見たが、評判と違う凡作との印象、そこそこはいいが、まあ外国人監督が日本で映画を作ったという珍しさ、だけの映画だと思ったし、ヒロインも印象にない。
 まあ、いかにも外国人好みの日本女性(日本人男性にとっては、しばしば問題外)という感じで。
 さすがブス好きの加藤泰か。
 どの映画でも、美剣士の沖田総司、そして人斬り以蔵さえ、そこら辺の兄ちゃん、そこら辺のおっさん俳優に演じさせ、まさに、加藤泰のブス好きは、極まる(笑)。美学、お竜さん、とことん嫌いだったのか、加藤泰(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-09-01 23:25 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback | Comments(0)

加藤泰「みな殺しの霊歌」

 京橋にて。「生誕100年 映画監督 加藤泰」特集。68年、松竹大船。
 再見作。うーん、何度見ても、見心地が悪い(笑)。確かに、フィルムセンター言うところの加藤泰最大のモンダイ作と、言うに、ふさわしい(笑)。
 そのココロは(笑)。以下、完全ネタバレ。

e0178641_7335284.jpg32 みな殺しの霊歌(90分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1968(松竹大船)(監)加藤泰(脚)三村晴彦(撮)丸山恵司(美)森田郷平(音)鏑木創(出)佐藤允、倍賞千恵子、中原早苗、應蘭芳、菅井きん、沢淑子、河村有紀、松村達雄、明石潮、渡辺篤、大泉滉、須賀不二男、石井均、角梨枝子、吉田義夫、太宰久雄、穂高稔、藤田憲子、ザ・クーガーズ
時効目前の殺人犯(佐藤)がある事件を契機に連続強姦殺人をおこしていくが、純粋な娘(倍賞)に出会い心惹かれ…。衝撃的な殺人場面と、アウトローと山田洋次の協力を得て造形した松竹的ヒロインとの二人の心の交流が、ロー・ポジションの陰影に富んだ白黒映像による緊張感に満ちた語りで描かれる。どんな理由でも人殺しは「罪」かを主題とした作品で、加藤泰最大の問題作と評される。

Clip みな殺しの霊歌 (加藤泰)

 
 おそらく中学卒業後、集団就職で北海道の田舎から出てきた16歳の少年は、残された愛聴盤が、橋幸夫&吉永小百合「いつでも夢を」だし、まだまだ都会の風に染まらない純情少年だったのだろう。そんな彼を中原早苗、應蘭芳、菅井きん、沢淑子、河村有紀のおばさん軍団が「輪姦」ないし集団暴行した。
 ショックだろう。まだまだ「花とゆめ」の田舎の純情少年が、いきなり大量の「珍味」を食わされたようなものだ。特に菅井きんは、ないだろう(笑)。
 そこは、何歩か譲って、良しとしよう。
 そして思い詰めて、飛び降り自殺をしたと、いうのも、まあ良しとしよう。

 しかし、この少年の顔見知りの、佐藤允が、「義憤に駆られて」この五人の女たちを、次々レイプ・拷問・殺害する意味が、分からない(笑)。
 「俺はあいつと何の関係もない、名前すら知らないんだ」というが、少なくとも一緒に映画を見に行ったり、凌辱されたことを打ち明けられる程度には、親しいわけだろう。
 なんだか変だ。

 佐藤允は、新婚の妻を殺して、逃亡中の身だ。新妻が実はほかの男と関係があり、許せなかったのだ、と推測される。しかしそれから十数年、もうすぐ時効の身だ。もう酸いも甘いも、のおっちゃんになったのだから、知り合いの少年が汚されたからといって、五人もの女を殺すか。
 レイプするか。おかしいだろ。復讐のため、拷問レイプするのは、本末転倒だろう。
 清いものが汚された、それへの怒り。
 少年が自殺したのは、ある意味少年の勝手で、あろう。その復讐を女たちにするならば、せいぜいレイプ程度?で、すます?べきだろう。歯には歯を、という論理でいうならば、殺すのは、明らかに過剰だろう?
 百歩譲って、レイプ抜きの拷問のみで、殺すべきだろう。
 いや、わからないじゃないよ、60年代後半ともなると、エロティック映画がかなり幅を利かせ、おそらく松竹の作品依頼は、ほどほどのエロ描写を利かせたサスペンス、ということで、ほどほどにエロを出してくださいよ、加藤さん、ということでしょう。だから、サスペンスでエロと言ったら、レイプ殺人だろう、ということになる。
 でもお公家さん集団の松竹では、そういうエロが苦手な監督ばかり、だからわざわざ他社から監督起用するんですよ、加藤さん、暑い演出、頼みますよ、というわけで。

 しかし、明らかに、混迷の結果と、なる。あまりに、レアケースを扱う結果になる。ふつうなら、倍賞千恵子クラスの清純な乙女が、男たちに凌辱され、自死。その復讐、という段取りだろう。
 しかし、松竹の清純派女優には、そういう輪姦描写は、なじまない。倍賞千恵子、論外。じゃ、少年じゃ、どうか、と。そういう企画の流れか、と。よく、わからんが。
 ムーヴィーウォーカーには、(広見ただしの原案を、「ハナ肇の一発大冒険」の山田洋次と、「懲役十八年」の加藤泰が共同で構成にあたり、三村晴彦がシナリオを執筆した。監督には加藤泰があたったスリラー)とあるが、本映画のクレジットには、広見ただしのクレジットが、ない。いかにもペンネームっぽい名前だが、当時、そういう少年の輪姦事件というものがあって、そのレポートを原案にしたのか。

 しかしなぜ佐藤允なのか。
 佐藤允が、本作の主演というのが、おそらく、本作最大の欠点だろう。
 佐藤允は、典型的な映画スタアである。小林信彦が、小林旭を言ったように、無意識過剰な、その顔を見ても、何を考えているのかわからない、というより、何も考えていない、圧倒的な空虚を、体現している無意識過剰な映画俳優の、典型かと。

 本作では、佐藤允は、女たちを殺しまくるが、それは個人的怨恨ではない、金銭目的ではない、性的葛藤でもない(現在の視点からいえば、佐藤が少年に愛をいだいている、という仮説も可能だろうが、そういう兆候は一切排除されていると、思う)。
 では、なにゆえの犯罪なのか。
 かつて自分が新妻に裏切られたように、少年の無垢が汚されたゆえの、犯罪か。という風にしか読み取れないが、15年も逃亡生活を続けるおっさんが、そんな少年じみた「汚れちまった悲しみ」に、まだ拘泥し続けるとも、思えないが。
 佐藤允の、少年みたいな笑顔、に、加藤泰は、賭けたのか。
 しかし、そういう、「思想犯」を演じるには、佐藤允の顔は、徹底して、空虚であり、無意識過剰でありすぎる。
 佐藤允は「思想犯」を演じるような顔をしていないし、そういう演技も、一切出来ない真の映画俳優なんですね。
 これが、加藤泰映画がらみでいえば、安藤昇であれば、あるいは、高倉健であれば、あるいは、説得力を持ったかもしれない。佐藤允では、義憤の説得力に、全く欠けるのである。
 義憤を体現するような、知的/感情レヴェルに、佐藤允の顔は、全く無縁、なのだ。
 たぶん、佐藤允は、小林旭以上に、無意識過剰な役者なので、よりによってそんな佐藤に「ある意味思想犯」を演じさせた加藤泰は、なんちゅう無謀(笑)。

 かつて鈴木清順は、「映画のつじつまが合わないのは、俳優が下手なせい」(大意)と、一種の暴言を吐いたが、おそらく本作が、消化不良を観客に感じさせるのは、佐藤允がミスキャストなせいなのだ。倍賞千恵子程度の「深み」すら感じさせない、鉄面皮な、真の映画俳優、佐藤允を、なぜ、よりにもよって起用したのか、加藤泰。
 
 倍賞千恵子。ほくろの多いすっぴんの顔で、演じた。家族に迷惑をかけるやくざの兄を、思い余って、殺した女。ウラさくらか。構成山田洋次の、ダークサイドなのか(笑)。仕事も、大衆食堂で、さくらとの共通点多し。
 山田洋次にとって、加藤泰とは、何なのか。加藤泰の裏が、あるいは表が、山田洋次なのか。
 山田洋次「霧の旗」と並ぶ、二大言いがかり映画に、ともに倍賞が出ている不思議?

 本作では、珍しく大泉滉が、まぢめな役(笑)。まあ、多少軽みはあるが、所轄警官を、それなりにまじめに演じて、こんな大泉滉メヅラシイなあ。
 警察は、ぼんくらばかりで、失敗だらけ。うーん。
 ということで余談だ(笑)。以下、話は、どんどん細かくなってくる(笑)。

余談1 殺され順でいうと、應蘭芳、中原早苗、沢淑子、菅井きん、河村有紀だが、最初の應蘭芳こそ、エロティック映画らしく?ヌードも多いが、菅井きんのみは、遺体写真のみ。
 なぜ菅井きんの暴行場面を描かない、加藤泰。エロでもなく観客ドン引きだろうが、そこを「平等」「等価」に描いてこそ、じゃないのか、加藤泰(笑)。
 いや、菅井きんをレイプする佐藤允を見たいわけじゃないが(笑)、まあ、それなりにエロい女たちをレイプしてばかりでは、佐藤允、自分の趣味でやってるんじゃないか(笑)と、誤解されちゃうでしょ。菅井きんをレイプしてこそ、佐藤允のまじめな?犯罪ぶりが、逆に証明されるんじゃないの(笑)。
 士道不覚悟(笑)。なんのこっちゃ。

余談2 上記ユーチューブ画像でも垣間見れるが、最初の被害者が殺されるときに、回想シーン的にダブって、五人の女のマージャンシーンが、出てくる。手っ取り早い人物紹介なのかもしれないが、事件当日はマージャンをしていた、という偽り証言を観客の頭に刷り込ませるミスリードの典型で。
 ミステリとしては、完全に失格。まあ、事件当夜ではない、別の夜に確かにマージャンをしていた、という言い訳も成り立つが、それでも、失格気味。まあ、加藤泰映画に、厳密なミステリ基準を求めるのもセンないことでは、ある。

余談3 警察は最初の時点で残り四人の氏名、住所を把握している。事情聴取、あるいは囲い込みで、連続殺人は、少なくとも、二人目で阻止できたはずだ。そういう事情聴取を五人目の河村有紀で、やっとするとは、なんというお粗末。
 最初の監察による手書きメモ発見を、人物紹介の手っ取り早いうまい手だ、という脚本の思惑が、逆にこの映画の傷になった。

余談4 例によっておバカなフィルムセンターの解説(字数制限を守るため、日本語として、そもそもメロメロなのだが)いわく「どんな理由でも人殺しは「罪」かを主題とした作品」とあるが、本件のような「動機なき」(と、法令上は、解釈される可能性が高い)「不条理大量殺人」こそ、もっとも「罪が重い」はずで「あるべき」であろう。
 「どんな理由でも人殺しは「罪」かを主題とした作品」で、あるならば、本作の事例は、まったく不適当。それとも「お花畑による犯罪」は、「許されるべき」というサヨク脳的発想なのだろうか。
 法律解釈上はあるいは、本件は極めてビミョーな扱いなのだろうが、というのも動機重視主義の日本の刑法(という、法律無知のぼくの印象)では「動機が薄い」(と、解釈をせざるを得ないだろう)と、なぜか刑が軽くなるような印象なので。
 こういう「ある種の思想犯」が、訳が分からないので法律上の判断は保留、という理由で「刑罰が軽くなる」ほうこそ、まさしく「不条理」だろう。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-08-28 07:34 | 加藤泰突撃せよ炎のごとく | Trackback | Comments(6)