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出目昌伸「俺たちの荒野」黒沢年男酒井和歌子原知佐子赤座美代子清水元東山敬司

時代と寝た映画の面白さ?
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。69年、東宝。
 いや、昼の回夜の回ともがらっがら。猛烈な酷暑のなか他人様の追悼にでも出かけもしたら、下手したらわしらのほうがお陀仏じゃ、と老人連中も思ったと思しい(笑)。
 こういう法事は多少涼しくなった秋あたりがふさわしい。小津じゃあるまいに。まあ元お役人には、このあたりのキビは忖度できないか(笑)。

 さて、(以下、完全ネタバレあり)

e0178641_424041.jpg29俺たちの荒野(91分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1969(東宝)(監)出目昌伸(音)真鍋理一郎 (原)中井正(脚)重森孝子(撮)中井朝一(美)竹中和雄(出)黒沢年男、東山敬司、酒井和歌子、原知佐子、赤座美代子、清水元、左卜全、草川直也、荒木保夫、佐田豊、横田米子、望月敦子、宮田芳子
米軍基地のある街を舞台に男女3人の青春の夢と挫折を瑞々しく描き、日本映画監督協会の新人奨励賞に輝いた出目昌伸の第2作。邦画斜陽期にようやく監督昇進を果たした出目は、藤本眞澄プロデューサーから打診された2作目の企画を蹴って、ひっそりと準備していた本作の脚本をぶつけ、役者をそのままスライドさせて実現にこぎつけた。(変色が追悼対象の方)

 ポスターの東山は似ても似つかないショットが採用されていて、悪意すら感じられる(笑)。

 日本映画監督協会新人奨励賞というものが、いかほどの権威を持つのか知らないが、いかにもさわやかな、かつモンダイ意識も少々ある青春映画を新人監督が撮りました、よしよしというところかしらん。たぶん、既成監督たちに牙をむいた新人は対象外か?
 主演トリオは、もともと暑苦しい黒沢年男が暑苦しさマックスの熱演、この酷暑にこの黒沢を見たら、確かにご老人熱中症になるわな(笑)。しかもフィルムセンター冷房ケチってるし(笑)。
 ヒロイン酒井和歌子は超かわいい。まさにアイドル女優の鏡。その彼女もセリフは声を張り上げる熱演。声を張り上げてもアイドル品質を維持。ほんまもんや。この役も相当暑苦しい役なのだが、それをサラリさわやかに演じてしまう。ほんまもんのアイドルや。
 東山敬司は、もー三浦友和クリソツな絵に画いた二枚目。友和が生き残って東山がなぜ生き残らなかったのか、男の身としては、ワカラナイ。単に時代のタイミングなのか。
 その男どおしが、少年のように、野っ原でじゃれ合うさまを延々と見せられるのも、もはや暑苦しすぎて閉口で(笑)。

 さてデメショー演出は、うまいのか。うまいことは、うまい。
 清順ファンとしては、アメリカ兵士相手の酒場での日米男女入り乱れての乱闘シーンに鈴木清順「東京流れ者」へのリスペクトを見るし、彼らの荒野の空がラストでは薄い黄色一色なのは、ともにリアル版清順ティストを妄想したりして。
 さらに男二人が網走番外地主題歌を歌ったり、やくざの仁義切ったり、いかに当時の若者に、あるいは東宝の新人監督に、東映映画が受け入れられたのか、わかりやすい。
 東宝若手が、当時の他社にあこがれの気持ちを持っているのは、よくわかる。いや、ひょっとして、この意図しない他社礼賛の結果が他社監督の支持も集めての、日本映画監督協会新人奨励賞(笑)。いや、ひょっとして、あり得るかも(笑)。

 東山敬司は、酒井和歌子にあこがれても、酒井が横たわって目をつぶっても、逃げてしまう。のちに黒沢にデキないんだ、つまり立たないんだ、とサウナの中でハダカ同士で告白する。これは童貞の逡巡か、二人の男が異常に仲が良いので、あるいは東山にはヘテロ志向が薄いのか。
 黒沢には腐れ縁の同棲相手・赤座美代子がいて、酒井和歌子を好きになった瞬間から、赤座が飽きてきて、疎ましい。
 同時に、処女酒井には立たない親友には、最初は赤座みたいなヴェテランに身をゆだね、練習してみたら、と赤座を貸してもいいという。
 ところが、いざ、それ(赤座X東山)が実現してみると、なぜか黒沢はブルー。同じ夜に黒沢は酒井とキスしている。チンピラたちに酒井を襲わせレイプさせようとした赤座に何の未練があるというのか。
 ここら辺の黒沢の心理が全く不明だ。単に深刻な青春の葛藤ブリたいだけか。東山への男の未練か。
 もしこの映画をルビルビルビッチが撮れば、二組のカップルの夫婦交換コメディとして、ハッピーエンドだろう。
 しかし残念ながら、日本の幼児的青春映画なので、はじめからバッドエンドは、約束されている。

 最後、男二人と女一人が子供のように無邪気に遊びまわるが、その中で男と女は二人だけでひそかに愛し合う。
 取り残された男は、親友とこころの恋人に同時に袖にされて、もう、死ぬしか、ない。
 ただ、それは悲劇にするためだけのお約束のように感じられるのが、このドラマの欠点だろう。


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by mukashinoeiga | 2017-08-10 04:04 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(2)

池袋新文芸坐必見の司葉子特集!

本日からの司葉子特集! 必見です。

6/11(日)~24(土) 池袋新文芸坐
日本映画のヒロイン 司葉子 美しさと凛々しさと
e0178641_845462.jpg  司葉子さんトークショーも3回ある気の入れよう。
 定番名作の秋日和、小早川家の秋、乱れ雲、ひき逃げ、などもいいのですが、隠れた傑作、その場所に女ありて、丼池〈どぶいけ〉、快作大快作の、獄門島、不滅の熱球、帰って来た若旦那、愛妻記、沈丁花〈じんちょうげ〉、春らんまん、女の座も。
 お気楽プログラムピクチャアから大傑作大快作まで。個人的おススメは文字変色で。
 いや、変色していないのもおススメですからね(笑)。
 要は三度の飯より好き、というのと、ご飯はしっかり食べて、その上で大好きという個人的嗜好だけの違いですかね。なんのこっちゃ。
 これだけ注目している女優さんなのに、世間的代表作といわれる紀ノ川は一度も見たことがない。今度は見れるかしらん。

♪見ないと葉子、葉子ハマる、葉子スキー♪ お粗末。

◎追記◎ここからは完全妄想モード(笑)。
 上記引用画像の司葉子は、ミドリ基調のモード。タイトル等もミドリ主体。もちろん葉子という芸名に由来してはいるのですが。
 新文芸坐といえば池袋にある。池袋といえば小池百合子の地元。都議選もちかい(笑)。
 この時期の司葉子特集とは、サヨク傾向のある新文芸坐のステマなのかしら(笑)。
 かなり昔にすべての広告は全部セックスがらみの隠し味がある、という本を読みましたが(タイトル失念)うーん。

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by mukashinoeiga | 2017-06-11 08:05 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

川島雄三「箱根山」加山雄三星由里子藤原釜足北あけみ佐野周二東山千栄子

らしくない大快作だ。62年、東宝。
 阿佐ヶ谷にて「芳醇:東宝文芸映画へのいざない」特集。5/20(土)まで上映中。
 昔見たときは、さわやか好青年加山雄三の主演のせいか、川島らしくないお子様映画で、笑いの少ない、まあ川島としては凡作の部類かな、と。
 ところが今回再見して、やはりらしくないという印象は変わらないながら、評価は180度!変わって、なんと大快作となってしまった(笑)。

e0178641_2348491.jpg箱根山ニュープリント (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1962年(S37)/東宝/白黒/105分
■監督・脚本:川島雄三/原作:獅子文六/脚本:井手俊郎/撮影:西垣六郎/美術:浜上兵衛/音楽:池野成
■出演:加山雄三、星由里子、藤原釜足、北あけみ、佐野周二、東山千栄子、三宅邦子、東野英治郎
観光開発が進む高度成長期の箱根。駆けひきと思惑が乱れ飛ぶなか、二軒の老舗旅館は対立し、煽りをくらった若い男女の恋路もなんだか前途多難──。「若大将」シリーズの名コンビが、ロミオとジュリエット風の恋人たちを好演している。

e0178641_20593647.jpg 旅館主人・佐野周二が、地形の模型を使って、とうとうと箱根の古代史を、泊り客の映画監督・藤木悠に語っている。通常の川島映画なら、映画監督などあちゃらかにハイハイ聞き流す感じ?
 ところが本作の藤木悠は、まじめに佐野の講義を聞き、適切なレスポンス。
 まさに日本映画、および東宝映画としては、らしくないインテリ同士の応酬。もちろんあたしゃ戯作者でゲス、という川島としても、らしくないのだ。
 そして圧巻は部屋の電気を消して、カーテンも閉めて、漆黒の闇の中、地形模型にペンライト当てて、「この初日が最初にあたる地点に古代人は住処を作ったんだ」というショットに演出と撮影の本気を見た。
 見る前は加山とホシユリの青春ものだから、カラーだと思っていたが、なんと白黒。しかし上記ショットは白黒撮影の極美。カラーでは、シマリない絵になって、その緊張美はウシなわれたろう。
 アイドル映画にも筋を通す。
 そういえば、本作の冒頭は、政治家役人、対立する二大交通系大企業、報道関係者の人いきれでむんむんする会議場。いわばなんちゃってヤマサツ映画の趣。これも白黒でなくては、味は出ん。
 そして劇伴が、なんだかサスペンス調。喜劇にも明朗青春ものにも合わないもの。
 川島がヤマサツ風にと、頼んだのかもしれない。もっともこの劇伴、本作にも合ってないんだけど(笑)。 
 二大交通系企業の対立、そしてその縮小版としての二大老舗旅館の対立、ヤマサツが撮っても面白そうだ。もっとも原作者の前身を考えれば(笑)、ヤマサツひきうけんだろうと、東宝が忖度して、川島にお鉢が廻ってきたのかもしれぬ(笑)。

 思えば加山はこの地域一番の秀才だし、その上司番頭・藤原釜足も、開発企業社長・東野英治郎も独自の人生哲学を持っている。
 ちゃらちゃら女子高生みたいなホシユリも、向学心。
 だからこの映画は、いつもの東宝喜劇にあらず。それを察したか言われたのか、森繁も有島一郎も藤木悠も、あちゃらか一切なし。
 これは市井のインテリ、準インテリ?が出てくる、川島らしくない異色作で、そして面白い。

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by mukashinoeiga | 2017-05-17 23:49 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(4)

海外「初めて知った」スターウォーズに見る黒澤明の影響に海外が感動

なかなかよくまとめた歴史もの。「どんぐりこ」というまとめサイトから。
How are Samurai Films Responsible for Star Wars?!? - Film School'd



e0178641_2352640.jpg(以下「どんぐりこ」によるナレーション翻訳)
遠い昔、遥か彼方の島国で、サムライの子孫が西部劇に嵌り、スペース・オペラの種を撒くこととなる。後のスターウォーズである。
1910年、黒澤勇(父)という教師が息子を連れ西部劇を見に映画館へ行く。
当時の映画はサイレント映画であり、横で活動弁士がナレーションを行っていた。黒澤明の兄・丙午(へいご)もまた弁士だった。
e0178641_23533583.jpg1940年、黒澤明は監督に登り詰めるも、戦争中の日本では自由な映画製作が行えなかった。
戦後もプロパガンダに成り得るサムライ映画は禁止された。
その頃、アメリカでは映画黄金時代が到来。映画会社が製作、配給、興行を独占的に行うスタジオ・システムという形態を取っていた。
1948年に、劇場チェーンを切り離すという米国最高裁判所の判決が下されスタジオ・システムは幕を閉じる。
経済成長により都市部から映画館の無い郊外へ人が流れ、更にテレビの普及により映画産業は衰退していく。
アメリカの黄金時代が終焉を迎えるなか、日本での自由な映画製作が可能となる。
3人の偉大な映画監督が登場する。溝口賢治(ママ)、黒澤明、小津安二郎
日本には現代劇と時代劇という2大分野があり「JIDAI」は聞き覚えがあるものだ。
戦後初の黒澤作品は「羅生門」で、日本では評価されなかったが、ヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞し、日本の映画は海外から注目を集めることに。
溝口健二の「雨月物語」や小津安二郎の「東京物語」、黒澤明の「七人の侍」「蜘蛛巣城」が世界中で公開される。
e0178641_23545660.jpg「隠し砦の三悪人」は帝国軍に追われている姫を2人の百姓が助けるという内容のもので、聞き覚えがあるものだ。
レーサーになることを夢見ていたジョージ・ルーカスが事故により映画の道へ進むことに。
「ダーティ・ハリー」を生んだジョン・ミリアスに「七人の侍」を見せてもらったジョージ・ルーカスが完全に嵌る。
「ゴッドファーザー」「タクシードライバー」「ジョーズ」などの名作が生まれるなか、ジョージ・ルーカスはスペース・オペラを作ってみる。
ジダイゲキを元にサムライをジェダイに。
ダースベイダーやストーム・トルーパーをサムライの鎧に。
「七人の侍」の島田勘兵衛をヨーダに。
酒場の格闘シーンは「用心棒」から。
「隠し砦の三悪人」の2人をR2D2とC3POに。
ドローンが丘の上から現れるシーンが「七人の侍」と同じ。(以上引用終わり)

 これに対して様々な海外からの反応があり、詳しくは「どんぐりこ」を参照されたい。

 なおいろいろの意見の中には、
・アメリカ
1910年にはまだ弁士は居ない。
20年代にようやく発展して来たから。
・アメリカ
クールなビデオだけど黒澤が1910年生まれだと入れるべきだったね。
だから仮に父親が映画館に連れて行っても赤ん坊が感動したとは思えないな。
ジョン・フォードが最初の映画を出したのは1917年だ。
映画館で父親に連れられた7歳の黒澤が見たのはその時だね。
素晴らしいけど、もう少し調べた方がいい。
・アメリカ
オタクっぽいことは言いたくないけど
Jedi は古代エジプトの Djed(安定のシンボル)が元だよ。
だから古い呼び名は djedai だった。
日本にも関係してたのは確かだけどね。
ルーカスはいろんなところからインスピレーションを得てた。

と、いうのも。
 いずれにしてもこういう風に、サクサク歴史をまとめられると、面白い。
 まあ冒頭のサイレント映画がヴィスタサイズっぽいとか、イロイロずさんではありますけどね。
 なお黒沢をキュロサワと発音しているのは(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-05-09 23:55 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(0)

架空映画妄想キャスティングを特集新設しました

当ブログの特集(カテゴリ)を、また一つ増やしました。
 ま、内容はそのまんまなんですが、もっと妄想していたはずなのに、意外と少なかったなあ。
 特にヤマサツなんて、もっといっぱい妄想していたはず(笑)。ニフティ時代だったのか(泣)。

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by mukashinoeiga | 2017-05-08 19:50 | 架空映画妄想キャスティング | Trackback | Comments(0)

隠れ大快作「豚と金魚」で爆笑せよ!

こんなに面白いのにこの6年再映されなかった、あのウワサの快作が再びラピュタ阿佐ヶ谷にて上映される!
 わたくしメだけでなくなご壱さんもお邪魔ビンラディンさんも絶賛する、この隠れた大快作にゼヒゼヒ駆けつけてちょーだいっ!

e0178641_08249.jpg豚と金魚 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)5月14日(日) ~20日(土)
1962年(S37)/東宝/カラー/92分
■監督:川崎徹広/原作:梅崎春生/脚本:松木ひろし/撮影:小泉福造/美術:河東安英/音楽:中村八大
■出演:藤木孝、若林映子、上原謙、飯田蝶子、草笛光子、沢村貞子、北あけみ、若水ヤエ子、トニー谷
売れない小説家とその奥さん、画家志望の青年、子だくさん夫婦が住む東京近郊の下宿屋を舞台に、立ち退き問題でゆれる市井風俗をスケッチしたコメディ篇。溌剌とした魅力あふれる若いふたり、藤木孝&若林映子の恋の行方も見逃せない。

e0178641_794228.jpg 過日選んだベスト・オブ傑作・快作の森ほんとうの傑作はなんだ(本選)では、なんちゃってで暫定ベストワン
 過去の感想駄文でも(以下抜粋)、

 傑作というわけではないが、見ていて、とても楽しい、明るくて、ほのぼのとする映画。絶対の映画ではないが、ぼく的には、絶対のオススメ(笑)
e0178641_2116205.jpg お楽しみその1。ヒロイン・若林映子が、大半のシーンで、バスト上部を露出している(笑)。明るく健康的なお色気の楽しさ(笑)。いや、これ、バカにしちゃ、いけませんぞ(笑)。
 この当時の、1960年代初期の、東宝メジャー映画で、当時の日本(および世界でも)の一般映画で、東宝専属女優が、こんなに胸チラを、しかも、1シーンのみならず、かなりエンエンと胸の谷間を見せるのは、異例中の異例なんだから。

 お楽しみその2。脚本が松木ひろし。松木ひろしといえば、のちの「おひかえあそばせ」「雑居時代」「気になる嫁さん」「水もれ甲介」など、日本テレビでの<石立鉄男コメディ・シリーズ>で、絶対のコメディドラマを主導したシナリオ・ライター。本作でも、のちのクドカン、三谷幸喜など及びもつかぬ、コメディ・センスを披露。いや、監督の演出がナニなので、若干損しているが、細かいギャグの台詞とか、トニー谷のラーメン屋で、いつもはラーメン50円なのに、意地を張って150円のスペシャル・ラーメンを注文する飯田蝶子、その<150円のスペシャル・ラーメン>にも、大爆笑。これが、スペシャルって(笑)。
 お楽しみその4。その梅崎春生自身が、モデルだろう、三流小説家に、上原謙。実は、本作は、この当時としては、珍しい、実質・上原謙の主演作。この上原の、コミカル演技が、またまた、いいんだよね。

 お楽しみその5。上原謙の隣家・飯田蝶子おばあちゃんの家に下宿する、画家の卵にして、歌も歌うノーテンキなんでも屋に、好青年・藤木孝。もちろん、当時の人気歌手なのだが、そのC調青年ぶりが、ああ、いいなあ。明るい、軽い、いい加減、楽しい。

 お楽しみその6。ひっじょーに、味わい深い、悪役に、ニヒルでコミカルな、絶品気持ち悪さの、絶品おかしい、トニー谷。全盛期より素晴らしい、楽しい<やなヤツ>。ああ、素晴らしい。
なお、多摩川ベリでのオールロケ。その、いまでは失われた風景の数々を、ていねいにロケ。好ましい。
 そして、川べりで、自転車の若林映子、ふいの大風に、スカートまるめくり、白いパンツ丸見え、このアクシデントの素晴らしさ(笑)。奇跡のワンショット(笑)。(以上引用終わり)

 かつての阿佐ヶ谷上映でも場内大爆笑でした。なお恐らく家で一人で見たと思しい某おにぎり系ブログの方は「ちっとも笑えない」とヌカシテいますが、こんなノリノリ映画を家で一人で見ちゃダメダメ(笑)。
 なおこの特集他にも傑作快作佳作もありますので、通うべし(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-04-16 17:40 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

ベスト・オブ傑作・快作の森ほんとうの傑作はなんだ(予選)

 当ブログの特集(カテゴリ)の一つに、傑作・快作の森というのが、ある。
 いま現在、99作品が登録されている。
 これからベストテンを選んで見ようという、まあ酔狂ですな(笑)。

 しかし日本映画の傑作・快作は、おそらく何百作もあるだろうに、なぜ99作なの? と、疑問に思わる向きもあろう。
 まず、それについてエクスキューズしたい。

1 まず、当然ながらすべての傑作・快作を、一個人が、見切れるわけはない(笑)。

2 当ブログは、2009年に開始された。当然ながら、それ以前に、いわゆるスタンダードな傑作は、かなり見ているので、再見しない限り、当ブログには、書けない。つまり、基本となるような大傑作、具体的に言うと、小津成瀬黒沢の傑作などは、まず登場しない。
 小津成瀬黒沢ほどでない傑作も、再見しない限り、登場しない。

3 さらに言えば、監督別特集(カテゴリ)を新設するたびに、傑作・快作の森や旧作日本映画感想文から、どんどん引っこ抜き、移設されているので、むしろ増えるというより、減っていると思う。

4 つまり、2009年以降に初見・再見した傑作・快作のうち、監督別特集(カテゴリ)になるほど鑑賞作品数のない監督の作品がが、結果的に99作というわけだ。

 じゃあんまりたいしたリストじゃないじゃん、ともいえるわけだが(笑)。
 ではまず、99作品を、半分程度に、絞ってみよう。

e0178641_2138717.jpg佐伯清「色事は俺にまかせろ」上原謙高峰三枝子風見章子田崎潤
[ 2017-03 -15 03:30 ]
深作欣二「資金源強奪」欣也梅辰室田川谷喜和子明香松方山城名和今井天津敏
[ 2017-02 -17 23:21 ]
牛原陽一「邪魔者は消せ」赤木圭一郎
[ 2017-02 -10 01:53 ]
江崎実生「七人の野獣 血の宣言」
[ 2017-01 -09 01:18 ]
斎藤武市「白い悪魔」森雅之
[ 2016-10 -30 09:37 ]
石田民三「花つみ日記」高峰秀子
[ 2016-10 -09 10:59 ]
鈴木英夫「その場所に女ありて」司葉子
[ 2016-07 -20 04:16 ]
中平康「あした晴れるか」いづみ裕次郎
[ 2016-02 -24 02:20 ]
木村恵吾「花嫁のため息」「新妻の寝ごと」
[ 2016-01 -09 10:17 ]
田坂具隆「陽のあたる坂道」
[ 2015-11 -01 14:28 ]
松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」
[ 2015-05 -23 00:00 ]
工藤栄一「大殺陣」
[ 2015-05 -22 09:14 ]
内田吐夢「黒田騒動」
[ 2015-04 -10 04:35 ]
野村浩将「野戦看護婦」
[ 2014-11 -14 16:21 ]
野村芳太郎「最後の切札」
[ 2014-07 -11 21:00 ]
野村芳太郎「張込み」
[ 2014-06 -01 09:47 ]
曽根中生「㊙極楽紅弁天」
[ 2014-04 -25 10:16 ]
大庭秀雄「花は僞らず(偽らず)」
[ 2014-03 -08 08:25 ]
中平康「現代っ子」
[ 2014-03 -06 00:49 ]
中村登「男の意氣(意気)」
[ 2014-03 -02 07:33 ]
番匠義彰「のれんと花嫁」
[ 2013-12 -05 23:34 ]
中川信夫「虞美人草」
[ 2013-11 -15 02:05 ]
野村芳太郎「素敵な今晩わ」
[ 2013-11 -11 23:43 ]
村山知義「初恋」
[ 2013-11 -09 00:49 ]
村山知義「恋愛の責任」
[ 2013-11 -05 23:34 ]
森永健次郎「美しき抵抗」
[ 2013-09 -30 00:03 ]
福田純「血とダイヤモンド」宝田明水野久美石立鉄男はデヴュー作
[ 2013-09 -19 23:07 ]
島津保次郎 「隣りの八重ちゃん」
[ 2013-07 -06 21:44 ]
中村登「日も月も」
[ 2013-06 -09 09:25 ]
牛原虚彦「進軍」
[ 2013-05 -16 21:49 ]
中川信夫「ひばりが丘の対決」
[ 2013-05 -06 20:34 ]
三池崇史「藁の楯」+「極道戦国史 不動」
[ 2013-05 -03 23:49 ]
阿部豊「大出世物語」
[ 2013-04 -11 02:37 ]
古川卓巳「逆光線」
[ 2013-02 -13 09:59 ]
川崎徹広「陽のあたる椅子」
[ 2013-01 -12 01:33 ]
川島雄三「女は二度生まれる」
[ 2012-12 -12 23:32 ]
鷹森立一「君たちがいて僕がいた」
[ 2012-10 -19 23:54 ]
長谷川安人「集団奉行所破り」
[ 2012-06 -12 01:07 ]
川崎徹広「豚と金魚」
[ 2011-12 -26 23:41 ]
吉村公三郎「自由学校」
[ 2011-10 -30 09:46 ]
成瀬巳喜男「なつかしの顔」
[ 2011-10 -23 00:44 ]
島津保次郎「兄とその妹」
[ 2010-09 -06 23:10 ]
村山三男「続・鉄砲犬」
[ 2010-08 -10 21:50 ]
衣笠貞之助「十字路」
[ 2010-08 -10 21:47 ]
望月優子「海を渡る友情」
[ 2009-12 -15 00:21 ]
島津保次郎「男性対女性」
[ 2009-11 -08 08:02 ]
柳瀬観「北国の街」
[ 2009-10 -11 22:04 ]
山中貞雄《パラパラ漫画アニメ》
[ 2009-09 -26 00:26 ]
石田民三「花ちりぬ」花井蘭子
[ 2009-09 -20 09:39 ]
石田民三「むかしの歌」
[ 2009-08 -09 20:13 ]
山村總「鹿島灘の女」
[ 2009-07 -12 21:28 ]
川島雄三「明日は月給日」
[ 2009-07 -12 21:26 ]

 これを、さらに、半分程度に、減らしてみよう。

佐伯清「色事は俺にまかせろ」上原謙高峰三枝子風見章子田崎潤
深作欣二「資金源強奪」欣也梅辰室田川谷喜和子明香松方山城名和今井天津敏
江崎実生「七人の野獣 血の宣言」
斎藤武市「白い悪魔」森雅之
石田民三「花つみ日記」高峰秀子
鈴木英夫「その場所に女ありて」司葉子
中平康「あした晴れるか」いづみ裕次郎
木村恵吾「花嫁のため息」「新妻の寝ごと」
田坂具隆「陽のあたる坂道」
松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」
工藤栄一「大殺陣」
内田吐夢「黒田騒動」
野村浩将「野戦看護婦」
野村芳太郎「最後の切札」
野村芳太郎「張込み」
曽根中生「?極楽紅弁天」
大庭秀雄「花は僞らず(偽らず)」
中村登「男の意氣(意気)」
中川信夫「虞美人草」
野村芳太郎「素敵な今晩わ」
村山知義「初恋」
福田純「血とダイヤモンド」宝田明水野久美石立鉄男はデヴュー作
島津保次郎 「隣りの八重ちゃん」
牛原虚彦「進軍」
三池崇史「藁の楯」+「極道戦国史 不動」
古川卓巳「逆光線」
川崎徹広「陽のあたる椅子」
川島雄三「女は二度生まれる」
鷹森立一「君たちがいて僕がいた」
長谷川安人「集団奉行所破り」
川崎徹広「豚と金魚」
吉村公三郎「自由学校」
成瀬巳喜男「なつかしの顔」
島津保次郎「兄とその妹」
村山三男「続・鉄砲犬」
衣笠貞之助「十字路」
島津保次郎「男性対女性」
柳瀬観「北国の街」
山中貞雄《パラパラ漫画アニメ》
石田民三「花ちりぬ」花井蘭子
石田民三「むかしの歌」
山村總「鹿島灘の女」
川島雄三「明日は月給日」

 泣きの涙で(笑)約40作品に、減らした。
 今回の調査(笑)で成瀬巳喜男「なつかしの顔」が、いわゆる成瀬部屋に移行していなかったことを知る。
 これを成瀬部屋に移行して、一作品、減りました(笑)。

 さらに減らしてベストテンにするのは、また次回(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-03-27 21:41 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

大快作「丼池(どぶいけ)」で渋谷に駆けつけよ!

 あけおめ、ことよろ。
 実態は、あひあひ、よろよろの、当ブログでございます。
 渋谷シネマヴェーラで、1月下旬の二週間「名脇役列伝1 浪花千栄子でございます」特集あり。名作快作注目作目白押しなれど、当ブログでは、比較的無名ながら、
e0178641_3285100.jpg久松静児「丼池(どぶいけ)」
 を、絶対のおススメ(笑)。63年、宝塚映画、配給東宝。感想駄文済み。

 そのおススメのあまり、見てはいるが、感想駄文も比較的少ない久松静児を、単独カテゴリにしちまいましたぜ。題して「面白メロドラマ日記:久松静児」とは、いささか芸がないが。
 久松といえば、代表作は「警察日記」でしょうかね。
 比較的地味な職人監督というイメージでしょうが、なんのなんの、実は快作大快作も充実の、プログラムピクチャアの職人で。

 特にこの「丼池(どぶいけ)」は、製作当時よりも、現在の50年後こそ光り輝く、まさにお宝映画。
 大学卒業後すぐに、司葉子は、なんと元同級生の同卒の男子大学生たちを部下にして、社長としていわゆるベンチャー企業を立ち上げ、大阪経済界に乗り出すわけですね。
 で、司に対立するは、海千山千の旧勢力、三益愛子、新珠三千代、浪花千栄子、森光子などなど。
 この女の対決が、すこぶる面白い
 圧倒的エンタメパワー
 これを見たら、久松の代表作は「警察日記」? いやいやとんでもハップン、歩いて十分。「丼池(どぶいけ)」こそ、久松の代表作じゃあ、ございませんか、ってなもんで。

 クールビューティー司葉子としても、陰の魅力が大傑作鈴木英夫「その場所に女ありて」なら、やや陽?の魅力が本作で。

『丼池(35mm)』1963年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:久松静児
出演:司葉子、三益愛子、新珠三千代、森光子、佐田啓二、中村鴈治郎
昭和27年、大阪の丼池。老舗問屋の乗っ取りを巡って、女たちの意地と情のバトルが勃発する。大卒論理派金貸し・司葉子と老練の高利貸し・三益愛子、色仕掛けで店を狙う新珠三千代の三つ巴の騙し合いに加え、空売り、買占め、インサイダー等の頭脳戦も手に汗握る面白さ! 浪花千栄子は行商のおばちゃんとして登場し、森光子との軽妙なやり取りで笑いを取る。

 本当に面白い日本映画を見たいなら、「丼池(どぶいけ)」で渋谷に駆けつけよ!、でございますわよ。

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by mukashinoeiga | 2017-01-04 03:28 | 面白メロドラ日記 久松静児 | Trackback | Comments(0)

渡辺邦彦「阿寒に果つ」五十嵐じゅん三浦友和渡辺淳一地井武男大出俊二宮さよ子

これはアカン子や(笑)。75年、東京映画、配給東宝。渋谷にて「妄執・異形の人々 文芸篇」特集。
e0178641_3345653.jpg 映画として、まったくつまらない。これはアカンて(笑)。
 かわいい若手人気女優を出して、ヌードにもします、男とも女ともベッドシーンありでっせ、しかも北海道の美しい冬景色をたっぷり、と見せます。
 なに、こんな文芸エロ映画、これじゃあ男しか来ない?
 じゃあ全盛期の美青年・三浦友和も、つけちゃうぞ、と、どうや、お客さん、満足でっしゃろ、「万端の企画」のはずが、いかんせん映画が、面白くない(笑)。
 アカンて、これは(笑)。

阿寒に果つ(35mm)公開:1975年 (渋谷シネマヴェーラHPより)
監督:渡辺邦彦/原作:渡辺淳一
出演:五十嵐じゅん、三浦友和、地井武男、大出俊、二宮さよ子、
15歳にして北海道展に入選した女子高生の純子は、五人の恋人たちに一輪ずつカーネーションを残して失跡し…。少女マンガでもあり得ないような設定だが本当の話。天才美少女画家にして奔放な小悪魔・純子に誘惑され、酒とタバコと接吻の味を覚えた真面目な同級生・俊一とは、誰あろう原作者である渡辺淳一先生!

e0178641_3353997.jpg 第一の、決定的な敗因。
 五十嵐じゅん、それなりに、演技は、うまい。記憶の中では、浅田美代子と一緒になって、かわいいが、演技はうーんなアイドル女優という印象だったが、なかなかにうまい。
 ただし主演女優のオーラが、ない。何を演じても、それがどうした、という感慨しかわかない。典型的なかわいいだけじゃダメなのよ女優か。

 第二の、決定的な敗因。
 五十嵐じゅん、表情が二つか、三つくらいしかない。それも、おざなりの。
 そこそこに演技はうまいが、幅がない。有り余る才能がありながら、自殺してしまう、早熟な思春期自意識過剰な天才少女を演じるには、あまりに分厚すぎる顔が、あまりに無表情過ぎて、その顔からニュアンスが、一切見いだせない。
 五十嵐じゅんは、浅野温子でも、大竹しのぶでも、なかった。

 第三の、決定的な敗因。
 ヒロインが同級生の、三浦友和へのファーストキス。
 キスしたら、ウィスキーのポケット瓶を取り出してぐびり、友和にも勧める。次にタバコも吸い、友和に勧める。
 真面目な優等生・友和は、ウィスキーにもタバコにも、むせる。
 こういうのは、日本では、受けない。当時のうぶなハイティーン観客には、ドン引きだったかもしれない。
 ただし無表情な五十嵐じゅんではなくて、くりかえすが、浅野温子なり大竹しのぶだったら、いけてるシーンになったかもしれない。
 決定的に、この映画には、ユーモアに欠けている。
 所詮最後は自殺する自意識過剰少女なんだから、ユーモアなんかいらん、というのが、作者たちの思いなのかもしれないが、最後は悲劇に終わる映画にも、ユーモアとギャグをぶち込んだ小津や成瀬の偉大さが、こういうボンクラ映画を見ていると、つくづく思いだされる。
 小津や成瀬がこの映画をリメイクするなら(笑)、小津なら五十嵐じゅんは岸恵子か岡田茉莉子か、成瀬ならデコちゃんか。いずれにせよユーモアは必須だったろう。

e0178641_3362194.jpg 第四の、決定的な敗因。
 撮影監督の予備知識なく見ていたが、げげっ、これは、もしかして、木村大作か、と思い、確認したら、案の定木村大作だった(笑)。
 どんなに美しい雪景色も、観光絵葉書の写真にしか見えず、大体のショットが、映画のクオリティーではなく、TVのCM並みの、うすっぺらの映像しか撮れない、自称巨匠の撮影監督。
 五十嵐じゅんと、姉・二宮さよ子とのレズシーンも、いかにもありがちなアプローチで、木村大作、頭の中には、凡庸なショットしか、ないのね。
 いや、本作では、木村大作も、ショットによっては、なかなかいい絵作りをしているようには感じたが、やはり全体的には、ペラい。

 第五の、決定的な敗因。
 美少女だが、ふてぶてしいまでに表情が読めない、いわば(女優としては)鉄面皮の五十嵐じゅんが、繊細に揺れ動く、思春期早熟天才系ヤリマン少女という、きわめて、めったにいないキャラを不用意に演じる、演出側に、繊細さが、少しも感じられぬ。
 こんな激ヤバ物件を、無難なアイドル映画に落とし込むボンクラさは、いかんともしがたい。
 絵の師匠・福田善之みたいな、どう見てもくさやの干物みたいなおじさんとキスした、五十嵐じゅんの敢闘(笑)は、ありつつ、残念でした。

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by mukashinoeiga | 2016-12-02 03:37 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

山本邦彦「喜劇 新宿広場」

どうしたらかくもツマラン映画になるのか、うーん。69年、東宝。阿佐ヶ谷にて「宮崎祐治・著→キネマ旬報誌・刊→より 東京映画地図2」特集。
 とにかく東宝がダメダメの時期に、何かいい題材はないか、そうだ近頃話題は新宿フーテン族と、新宿でもオールナイトで熱い東映仁侠映画だ、この二つを混ぜ混ぜして、一丁上がりだぜい、というところか。
 企画に詰まった東宝のプロデューサーが、一夜新宿の夜を歩いて、新宿広場のフーテン族や、うちの小屋に比べて東映さんの終夜興行は人気ケタ違いだなあ、とばかりに、でっち上げたと、思しい。
 しかしそういう新風俗に、ロートルの柳沢類寿とは、どうなんだ(笑)。

e0178641_2025239.jpg喜劇 新宿広場 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1969年(S44)/東宝/カラー/92分
■監督:山本邦彦/脚本:柳沢類寿、椿澄夫/撮影:黒田徳三/美術:小川一男/音楽:真鍋理一郎
■出演:藤田まこと、三田佳子、黒沢年男、東山敬司、森光子、松山英太郎、伴淳三郎、柏木由紀子、春川ますみ、西村晃
長年の包丁修業から舞い戻った昔気質の元やくざ・藤田まことが、新宿を根城にする若者たちと奇妙な交流を繰り広げる──。西口広場、フーテン、ベトナム脱走兵……、散りばめられた当時の若者文化風俗も楽しい一篇。

<引用ポスターでは、まるでバンジュン主演みたい…・それとも、これは限りなくバンジュン似の藤田まことか>
 どこが楽しいのか、さっぱりな一篇。当時の若者文化風俗も、まるで嘘くさい。黒沢年男や、松山英太郎の、どこが、当時の若者なのか(笑)。
 たぶんお上品な東宝気質とは水と油のフーテンであり、任侠であり。深窓のお嬢様が、恐る恐る新宿探訪するテイで、見ていて、あまりに、痛々しい(笑)。
 まず、主演の藤田まことが、ちっとも笑えず。現代から取り残された昔気質のやくざを演じるのだが、どうみても、現代的なチンピラにしか見えず、完全なミスキャスト。
 若者パートと完全に乖離したバンジュンの笑芸も古色蒼然で笑えず。
 そのバンジュンが、ベトナム脱走兵詐欺のE・H・エリックを、散々に扱うのを見ていると、なんだか当時の日本人の、アメリカ人を下に見てバカにして留飲を下げてるようで、なんだか不快感。でも結局はバンジュンもエリックに騙されて、金を巻き上げられるんですけどね。

 三田佳子がツボを振る。東映女優なのに、サマにならない(笑)。
 森光子もツボを振る。サイコロがこぼれる。
「映画だと、うまくいくのにね」
 うん、東映映画では、ね。としか言いようもない。おそまつ。

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by mukashinoeiga | 2016-11-19 20:26 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(4)