タグ:和泉雅子 ( 7 ) タグの人気記事

鈴木清順は、かっぱえびせんか

 ネットをうろついていたら鈴木清順botというのがあるのを知った。
 「鈴木清順かんとく自身の文章や発言を引用し三時間毎ツイートします。自動返信(ランダム・リプライ)兼備。何か御指摘などある方は@rigyaku迄。」というもの。
 で、これを、読みだすと、やめられない止まらない(笑)。一例。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月5日
和泉雅子が誰を恋人にするか、別の興味がある。恋人に決まった野郎のとこに俺は殴り込みをかける。そん時は雨は降らさねえぞ。そん時は、桜の花の満開の日にきまってらあ……。

 →「別の興味」の「別」とは、どういう意味だ? よく、わからんが、仮に和泉雅子の「恋人」が「南極」だったら、南極に殴り込みか。ただ、南極には、桜は咲くマイ。しかし、こんな発言、現在だったら、中年監督が若い女優にしたら、立派なセクハラ、ストーカー行為で逮捕では(笑)。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月4日
日活のスターと違って全然動けない。アクションがてんで駄目だ。(松竹系アクション俳優について)

 →しかし「松竹系アクション俳優」って具体的に誰のことか、さっぱりわからんが(笑)。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月4日
おさまらないのは映画にとりつかれた若い人たちで、才能の見せ場がほとんどない。「暗くなるまで待てない」という青春映画を自力でつくったO君という若い監督は、もとをとるのに血へどを吐いたくせに、例の医科大学裏口入学からがぜん勢いづき、次の映画づくりに虎視たんたんである。

 →O君、例の医科大学裏口入学って(笑)。 

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月3日
私は明治維新が大嫌いだ。明治も嫌いだ。明治、大正、昭和と並べると、大正が一番いい。それは私の生れた時代だからだ。何より天皇が英邁だったからだ。

 →んー、ぼくも大正がいいな(笑)。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月2日
女房は、女房が働いている間僕が何もしないで家でごろごろしてたと今でも言い張るんだよ。だけどね、僕だって酒を飲むくらいの働きはしてたんだ。主な仕事は女房の迎えだったけどね。

 →これは、最初読んだとき、酒を飲むのが「仕事」、っていう意味かと思ったが、ご飯を食べる稼ぎはないが、酒を飲む程度は稼いでいた、という意味かと。でも、どっちにしても、ダブルミーニングで、面白い。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 8月2日
「可哀そうなは惚れたってことよ」という科白を言わせたとき、彼女の返し言葉が「腹が空いたはお昼ってことよ」だ。監督は腹具合など考えないで仕事をするが、役者やスタッフはそうじゃない。雲呑ってアダ名を僕につけたのも彼女なんだ。おきゃんで茶目っ気たっぷりの下町っ子だったね。

 →なんだ、和泉雅子が好きだったんじゃないか(笑)。キスはこうやるんだ、という「演技指導」を和泉雅子にしようとして未遂に終わった、という逸話は、本当だったんだな(笑)。黒沢明男性エキストラキス事件と好一対(笑)。しかしワンタンなんてあだ名、あまりにビミョーすぎて、馬鹿にしている気配はあるものの、対応に困るネーミング。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 7月29日
だからよく(藤田)敏八さんが言ったよ、「鈴木さんはズルい。どこにいるか分からないのに芝居させて繋ぎ合わせる。位置関係の説明をしない」と。でも映画はそれでいいんですよ。説明しなくたってね。それよりもこころ掛けなければならないもの。ショッキングなショット。ショットのサスペンス。

鈴木清順bot ‏@seijun_bot 7月28日
改名したのは、大部屋の俳優さんたちとお互い芽が出ないからって占師にみてもらいに行ったら、この名前を付けてくれた。ところが、相変わらずぱっとしない。十年たたなきゃ駄目だって言う。それが十年目に会社をクビですからね。うまくできてますよ。


◎おまけ◎和泉雅子、年経るごとに、だんだんオーヴァーアクト過剰になって、山内賢もドン引き(笑)。
 ベンチャーズの軽快な曲に、チャラいともいえる歌詞を乗せた永六輔の、才能よ。
日活映画「二人の銀座」 和泉雅子 山内賢(追悼投稿)


『二人の銀座』 和泉雅子 山内賢


二人の銀座


二人の銀座 山内 賢&和泉雅子 2005 32 UPH‐0081


山内賢さん、和泉雅子「東京ナイト」


★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-08-11 23:43 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(0)

堀池清「その人は遠く」芦川いづみ&和泉雅子

 神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール&リクエスト」特集。63年、日活、デジタル上映。
 あああああ(笑)。確かに、芦川いづみ&和泉雅子のダブルいずみは、超かわいい。なのに、何なの、この…(笑)。
 基本線としては、きわめてまぢめな純愛青春映画(いや、一応は)なのだが…。なのに、本来の製作意図とは違った、感慨がありまして…ほぼ全編にわたって…微苦笑する映画とは、相成った。
 うーん。

e0178641_3494685.jpg11. その人は遠く (神保町シアターHPより)
S38('63)/日活/白黒/シネスコ/1時間23分
■監督:堀池清■原作:藤原審爾『遠い人』■脚本:金子担、青山民雄■撮影:姫田真佐久■音楽:西山登■美術:中村公彦■出演:山内賢、芦川いづみ、和泉雅子、小夜福子、信欣三、下元勉、井上昭文、杉山元、小園蓉子
受験生の量介(山内)の家に、嫁入りを控えた従姉・奈津子(芦川)が同居することになり…。恋に目覚めた少年の成長と葛藤を描いた文芸もの。女ざかりを迎え、上品な色香を湛えた芦川に、誰しも心奪われる珠玉の一本。*デジタル上映

 まず、二段階ある(笑)。
 先に書いたように、「基本線としては、きわめてまぢめな純愛青春映画」なのだが、(いや、一応は)という、エクスキューズが、つく。
 どういうことか。
 一浪中の山内賢の家が、父逝去に伴い独り身になった、遠い親戚の芦川いづみを、引き取ることになるが、その年上の女の魅力にメロメロになる、という。まあ、家にいきなり、芦川いづみが下宿したら、だれだってメロメロだろう(笑)。
 当時ヨーロッパ映画で流行った、童貞少年が年上のセクシーお姉さんの色香に悶々する、青春映画ならぬ性春映画、その日活版なのだ。
 芦川いづみが、山内賢に、彼女自身としては、何気に、身を寄せる、肩に手をやる、腕を組む、そのスキンシップのいちいちが、少年の悶々心に、悩ましい。
 ここで、まず、「基本線としては、きわめてまぢめな純愛青春映画」が、揺らぐことに、なるのだが(笑)。
 さらに(笑)。

 山内賢が、いづみにキスを迫る。
 いづみの婚約者・井上昭文が、いづみを抱き寄せ、求める。
 和泉雅子の母・東恵美子が、夫の入院をいいことに、間男。
 その間男が、和泉雅子の就寝中に襲い掛かる。
 和泉雅子も、芦川いづみも、山内賢に、ふれなば落ちん風情満々で。
 いずれも、未遂に終わったり、まだまだ穏便な描写なのだが、そのてんこ盛りの性春っぷりに、もう全編で小笑いしっぱなしで(笑)。
 撮影が姫田真佐久だからというわけじゃないが(笑)日活は、この十年後、日活青春純愛路線から、いきなり日活ロマンポルノに、180度の大転換。
 63年の本作では、全部未遂だったものを、十年後、全部既遂にしちゃうんである(笑)。
 例えば、芦川いづみの役は山科ゆり、山内賢の役は風間杜夫、和泉雅子の役は(時期は違うかもしれないが、いづみつながりで)泉じゅん、東恵美子の役は宮下順子、山内賢の母・小夜福子だって、絵沢萌子か(笑)。
 日活の十年後を、想像して、芦川いづみに対しては極めて不謹慎ながら、もう、小笑いの連続なのでありました。
 本作こそ、日活純愛路線と、日活ロマンポルノをつなぐ、ミッシングリンクでは、ないか、と(笑)。

 芦川いづみが、山内賢に、膝を崩しながら、じりじりにじり寄り、抱き着きキスをして身を寄せるショットが、フィックスなのが、もうすでに違和感。なぜキャメラを揺らさないのだ姫田真佐久(笑)という。
 ラストに、ご清潔なイタリア民謡なんて流さずに、ここは高橋明「なかなかなんけーなかなんけー」だろうという、妄想っぷり。

余談1 芦川いづみの美形っぷりも絶品だが、本作の、いささかむくんだ顔の和泉雅子の、生っぽい美少女っぷりも美形で。
余談2 いづみと賢がデートする、デパート?の屋上の、回転施設は初めて見ました。たぶん川本三郎さん当たりが書いてそうだが、シンプルに屋上で緩やかに回転するだけのもの、昔は回転系が好きだったんだなあ、と。回転眺望レストランとか回転ベッドとか(笑)。
 今は、回転系は、回転寿司くらい? 
余談3 ラスト、旅立つ芦川いづみは、九州行き列車の、ドアなしドアに立つ。
 旅情強調の、ドアなしドアは、いつごろまであったのだろうか。ちあきなおみ「喝采」の♪あれは三年前 止めるアナタ駅に残し 動き始めた汽車に 一人飛び乗った~ は、いつまで通用したのだろうか。  
 たしかに、今の感覚では危険極まりない、サスペンス映画では、揉み合う格闘の果て、ひとりが突き落とされる、というのは、よくある描写だし。
 しかし、動き始めた列車に飛び乗る、それだけできわめて秀逸な別れのシーンを作り出してきたのは、事実なのだ。
余談4 芦川の夫の教え子役として、藤竜也がクレジット。主演女優と、一シークエンスの脇役と、圧倒的な格差。とはいうものの、劣悪なヴィデオ画像(の、せいにしてしまおう)ぼくの動体視力では、確認できず(泣)。
 
★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 
★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-07-29 03:50 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(4)

西村昭五郎「青春の風」吉永小百合山本陽子和泉雅子浜田光夫杉良太郎

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第73弾 吉永小百合」モーニング特集。68年、日活。
 光子の愛称がピカちゃん、愛子の愛称がラブちゃん、峯子の愛称がネコちゃん、そういうお気楽青春映画だが・・・・。

e0178641_9223847.jpg青春の風 1968年(S43)/日活/カラー/83分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:西村昭五郎/脚本:才賀明/原作:京都伸夫/撮影:姫田真佐久/美術:横尾嘉良/音楽:林光
■出演:山本陽子、和泉雅子、浜田光夫、杉良太郎、川口恒、藤竜也、坪内美詠子、殿山泰司、橘和子
大学のフェンシング部に所属するピカちゃん(吉永)、ラブちゃん(和泉)、ネコちゃん(山本)の仲良し三人組。ラブちゃんの兄・浜田光夫をめぐっての三角関係が巻き起こす騒動を明るいタッチで綴った青春讃歌。
   (なお、上記解説の「大学のフェンシング部に所属する」は現在形だが、短大?時代は冒頭数分で終わり、いきなり「一年後」の字幕。この種の「あらすじ紹介」は、決して当てにしては、いけない、典型例)

 ちなみに監督:西村昭五郎と撮影:姫田真佐久は、小百合らが日活を去ったのちの、ロマンポルノ時代に本領発揮。また下記Movie Walkerによれば、アップすらない小さな役(UCCウェイトレス)に渡辺督子。この人もロマンポルノ時代にいくつか準主役。
 しかし、ベタな、何の特徴もないタイトルだなあ。
 浜田光夫がパジャマ姿のまま外まで小百合を追いかけたり(このショットのみ躍動的なキャメラ、のちの姫田真佐久タッチを髣髴させる唯一の撮影)、パンツ一丁で道の真ん中で小百合にプロポーズ、とか、いろいろ面白い要素はあるものの、小百合らがお茶する喫茶店に大きくUCC上島コーヒーと大書されていたり、和泉の勤務先が実際のレンタカー社だったり、山本陽子の実家が四国の大観光旅館だったり、ロケセット多用のタイアップ感、その露骨感がハンパない(笑)。
 いかにも一般映画時代の日活末期感があからさまで。
 本作が「残らなかった」のも、致し方なし。

e0178641_9233835.jpg 同様に、60年代半ばまでは、あれほど輝いていた小百合、雅子の、魅力の失速。
 十代での輝きがあまりに素晴らしすぎて、十代アイドルの宿命? 20代で早くも守りの体制で、本人たちもスタッフも、魅力的な小百合ちゃん、雅子ちゃん、という「常識」にとらわれて、十代の魅力から20代の魅力へ、シフトチェンジに失敗する、あるいはシフトチェンジすらままならないまま、消えていくパターンだ。
 小百合の本作でのショートヘアも似合わず、あれほど強い目力の彼女の目も、奥目気味?
 雅子も、平凡に美人顔の、つまらなさ。ふたりが、インチキ(笑)お遍路姿で巡礼するサマを、グラビア風に撮影する週刊誌記者・川口恒。ここでアイドル風にポージングする、ふたりの痛々しさと無自覚。
 むしろ、あの若さで和服での大人の色香を(すでに)漂わせる山本陽子が目立つ。
 意外にしぶといのが浜田光夫。十代の魅力を、それなりにキープ。ただ、あまりに童顔なので、30台以降は失速していくだろう。
 なお、へらへら笑っているだけの川口恒、兄・川口浩の魅力など露もなし。
 ついでに言えばひよこ性別鑑定士・藤竜也の義姉・渋沢詩子が、なかなかセクシーな未亡人役。倒産した大映時代は地味な小娘役の彼女、見事大人の女性に脱皮したが、もともと地味だったので、だからといってブレイクもせず。しかし、この妖艶未亡人、どう見ても幼い(笑)浜田光夫より、男の魅力むんむん(笑)義弟・藤竜也に、まず、食いつくべきだろう(笑)。

 本作、前に書いたように、素材的にはいいのよ。
 父・小沢栄太郎が引退して、一家は小豆島に隠居暮らし。神戸の元の家は、外人夫婦(E・H・エリック&イーデス・ハンソン)に、売却。この夫婦がハウスキーパーを求めていて、小豆島の田舎暮らしに飽き飽きしている小百合が、手を上げる。
 元お屋敷のお嬢様が、今度はハウスキーパーとして、同じ家に帰ってくる。昔は納戸部屋だったものを、彼女の私室として、与えられる。旧知の御用聞きに「また帰ってきたけど、今度はメイドなのよ」と、屈託のない小百合。
 まるで戦前戦後の日本人の変遷をも思い合わせる(笑)ナイスな展開で。ただ、おしむらくは、日活末期、しかも監督が凡なので、中途半端な青春コメディに。
 コレがマスマスムラムラで、野添ひとみか若尾文子なら・・・・垂涎(笑)。
 あるいは姫田真佐久つながりで、クマシロで、芹明香か谷ナオミなら・・・・垂涎(笑)。まあ、谷ナオミ(元お屋敷の奥様が、メイドに、というSMドラマとしては夢の展開だろ(笑))なら、外人夫婦にも、旧知の御用聞きにも、当然ひーひー言わされるんだろうけど(笑)。

★Movie Walker★に、詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

吉永小百合(渡哲也・裕次郎と)

オープニング - こんにちわ20才 (1964)吉永小百合

 今回見逃したが、コレを見ると既見作でしたな。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2014-08-12 10:25 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

Youtubeでたどる私の和泉雅子と舟木一夫

 ネットを、ヨロメキつつ、徘徊していたら、タイトルのブログを見つけた。
 なかなか、面白い。ついつい、ページを繰って、見入ってしまった。
 和泉雅子と舟木一夫、ついでに吉永小百合に関する、延々とした考察、映像も含め、おもしろい。

★Youtubeでたどる私の和泉雅子と舟木一夫★

《とりあえず「寒い時期」のことからいっちゃおう。(略)
 オレってやつはどこまでこの寒さに耐えられるんだろう、そう思って事務所もスタッフもすべて解散した。昭和六十年(=85年・註)頃のことだ。マネジャーもいない。あるのは自宅の電話一本。その電話で仕事を受けると、バッグの中にカラオケテープを放り込み、ステージ衣装を提げて、一人で出かける。

 仕事場は国道沿いにある健康ランド。田舎の小さな温泉やヘルスセンターなどお客さんが二、三百人も入ったらいっぱいになるところばかり。
 着いてすぐ楽屋へ。
「すいませんが、アイロンとアイロン台だけ用意してください」
 そこは楽屋と呼べるような所ではないが、とりあえずワイシャツとスーツのしわに慣れぬ手つきでアイロンをかける。(略)半ばプライドを放棄したような仕事にも、いつしかけっこう大丈夫な自分を発見していた。》
 舟木のデビュー以来の爆発的な人気と、10年後の自殺未遂については、すでにご存じの通りです。その後、独立した事務所でのごたごた、実弟の事故死、経済的行き詰まりからの自宅の売却……、と続いた不幸の中で、舟木一夫が唯一手放さなかったのは、〝自分は芸人である〟という自覚でした。
 芸人であるからには、9時~5時で仕事したりなどしない。まっとうな職業には就けないし、就こうとも思わない。舟木は〝芸人であることの矜持〟を保ちつつ、この長い冬の時代を生きました。
 この自覚というか、性格の形成には、舟木が芸能界に入って以来目をかけてくれた先輩歌手や役者、あるいは気が合ってつきあった芸人仲間の影響もありますが、やはりバクチ打ちだった父親の感化が一番、あずかって力があったようです。

《僕は、小学校二年から六年までに母親が九人変わった。九人のうち、出戻りがひとりいるから実質は八人……。その出戻りが、私の生みの母だ。八人のうち、顔は思い出せても、今でも名前を覚えているという人は、五人しかいない。(略)
 ここで親父のことにふれよう。
 親父は、江戸屋という一家をかまえたバクチ打ちで、一日中、着流しで過ごしていた。もの心がついたころ、家には十人ほどの若い衆が常時いて、僕は〝ぼん〟とか〝ワカ〟と呼ばれていた。僕にとって父方の祖母、つまり親父を生んだおばあちゃんの左腕には、花札の短冊の絵と〝だれそれ命〟の入れ墨がしてあった。だから、僕の家は、僕も含めここ三代、カタギがいないわけ》(『怪傑!!高校三年生』)

 舟木の父親は、息子が小学校に上がる前に足を洗い、芝居小屋(映画館)の小屋主となりました。興行師も兼ねましたが、たちまち食えなくなったといいます。舟木は貧しい少年時代を過ごしました。要するに、舟木は出自からして根っからの〝はぐれ者〟で、その業を自覚し、青春歌謡の流行歌手になった時点で、すでに筋金入りの〝芸人〟だったのです。 

《オレは運命論者ではないけれど、美空ひばりさん、三橋三智也さん、島倉千代子さんたちのように長く芸人をやっている人ほど、一言で言うと〝強い業〟を持っていると思う。
 そういうものを持って生まれる星の人がたしかにいる。
 芸事というのは、本番でお客さんの前にたっている状態は、命を削ると言う行為だ。結局、芸人はロウソクだと思う》(『風来坊』)

 このような自覚をもつ人間に、カタギの定規はあてはまりません。すでに芸人としての性根が据わっているわけですから、あとはこの「寒い時期」を肥やしに、もう一度気持ちよく男の花を咲かせるだけです。中年になった舟木はその花を、もう一度青春期の自分自身を演じるということによって、咲かせることに見事に成功します。
 参考のために舟木が90年1月2日に岩手で行ったショーの一部映像を掲げます。場所は初売りのデパートかどこかでしょうか? 翌91年に芸能生活30周年プレ公演で華々しくカムバックする舟木は、この時期、ようやく頬もふっくらとしてきて、まさにオーラを取り戻す直前といった雰囲気です。   以下略・引用終わり

舟木一夫ショー 高原のお嬢さん



◎追記◎そうはいっても、なかなかお客さんに目線を合わせない、中空にぼんやりした目線を漂わせるところ、ちから弱い歌い方。うーむ。
◎関連記事◎
★美少女対決:和泉雅子・吉永小百合そして安達明★

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-12-05 23:36 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

西河克己「エデンの海」~「幻の湖」を超えた怪作!

 阿佐ヶ谷にて。「教室群像 映画のなかの「学び」の風景」特集。63年、日活。12/4(火)まで上映中。
 ナンダナンダ、この映画は(笑)。高橋英樹、和泉雅子主演の、さわやかな青春学園ドラマかと思って見たら、これは橋本忍「幻の湖」クラスの、トンデモ大怪作では、ないですか(笑)。
 しかも、70年代各社スケバン映画の、女子高生同士のタイマン対決もアリーの、石井輝男70年代東映残酷シリーズの趣きも、アリーの、トンデモ大怪作では、ないですか(笑)。
 とても、高橋英樹、和泉雅子主演の日活さわやか青春賛歌映画とは、思われない、暴走っぷり。信じられない(笑)。さわやか日活青春映画と、石井輝男以上に石井輝男なゲテモノ趣味との、ハイブリッド(笑)な、奇跡のコラポ。狂ってる(笑)。

 まずは、高橋英樹のど下手な主題歌に乗せての、オープニング・クレジット。しかも、この歌、かなり難しい曲調で、歌の素人の英樹に歌わせるのは、無理に決まっている。下手は下手なりに、ナントカ聞かせるくらいの、シンプルな曲じゃなきゃー、だめじゃないの(笑)。英樹、声、苦しすぎ。もちろん、天才歌手・小林旭なら、らくらくと歌えるだろうが、高橋英樹では(笑)。


 以下、ネタバレ。

 四国の女子高に赴任してきた新人教師・高橋英樹。
 初日の全校朝礼で、「学生時代はサッカーばかりやっていたので、成績が悪くて、東京では就職できずに、こんなど田舎に、やっと職をえました」と、かます。夏目漱石「坊ちゃん」以来の、学園もの伝統パターンですな。
 普通なら、田舎をバカにしたと、総スカンのはずが、高橋英樹が、あまりに二枚目でイカすので(笑)、田舎の女子高生たちは、ころりと参っちゃう。ホントかい、英樹(笑)。ちょっと、このキャラは、英樹では、納得行かないぞ(笑)。
 かくて、クラスの問題児?、実は日本映画史上最強のツンデレ美少女和泉雅子(私見では、吉永小百合など問題にならず)との、「対決」が、始まるのだが。

 和泉と、同じく担任・高橋を好きなクラスメイトが、じゃ、どっちが英樹先生にアプローチするか、勝負するわよ、負けたら、英樹先生には、ちょっかい出さないでね、と。
 その、その勝負内容が、おバカで、スゴスギ(笑)。気のよわい人は、決して正視できない、グロい勝負に(笑)。清純派美少女、和泉雅子が、アンナこともこんなことも(笑)。信じられん(笑)。
 担任高橋英樹を恋するあまりに、英樹が生物の教師であることから、インスパイアされた?グロ対決であるとだけ、言っておこう(笑)。

 さらに、水着姿で、馬に乗り、商店街を駆け抜ける和泉雅子
後ろに乗せた英樹は、平然と馬を乗りこなす和泉雅子と勝負にならないほど、へなへなヤサ男の役。後年、時代劇役者として、りりしく馬を乗りこなす、高橋英樹とは、思われないへたれっぷりに、爆笑。
 もちろん、水着で馬を、商店街に、校庭に、乗り回す美少女・和泉雅子そのものが、爆笑モノで。
 この部分だけでも、「エデン」はっきり「」を、超えた?!

 このクレイジーなパートと、従来どおりの英樹・雅子の純愛パート、校長・東野英治郎の、実に滋味あふれる教育論パートが、三位一体?と、かみ合わないようで、かみ合っている。
 香川・徳島の四国ロケの美しさもグッド。撮影は鈴木清順「けんかえれじい」の萩原憲治、このひとは、何気に、いつもいいんだよね。
◎追記◎高橋英樹が、和泉雅子に請われて、裏山で歌うシーン。映画で、主人公が歌うシーンは数限りなくあるが、これほど歌うことの必然性とファンタジーにあふれたシーンは、めったにないと思う(笑)。心からそう思う(笑)。萩原憲治の撮影もグッド。
 なお、川島雄三「貸間あり」ばりに、小沢昭一が意味なく学生服姿で、1シークエンスのみ登場。ほんとに、意味なくて、爆笑した。



★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-12-04 00:32 | 珍品・怪作の谷 | Trackback | Comments(3)

浦山桐郎「非行少女」

e0178641_045447.jpg 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン54・和泉雅子」モーニング特集。63年・日活。
 監督のしごき演出に耐え切れず、「ウラ公を殺して、オレも死ぬ」と、和泉雅子が思いつめたという、伝説の映画。
 やっぱり、<ウラ公>としては、会社から与えられた主演女優が、あまりにアイドルアイドルした、可愛い女優だったので、こんな美人じゃ<オレの非行少女>にならない、と、いささか理不尽にしごきにしごいて、たぶん、その可愛い和泉雅子の顔を、心底、ゆがませたかったのだと思う。
 不幸の釣瓶落とし、転落人生の<オレの非行少女>が、和泉雅子クラスの可愛い娘だったら、みんなにちやほやされて、非行には、走らないだろう、という<ウラ公>なりのリアリズム。一方、日活は、やはり主役は、可愛い美人のアイドルでなきゃあね、と。リアリズム映画を撮りたい<ウラ公>と、商売だいいちの会社側との、妥協点が、この可愛らしいアイドル女優・和泉雅子、というわけで。
 うん、やっぱり、こんな可愛い娘は、ふつう、みんなから、ボロクソの扱いは、されないよね、というわけで、いつもよりは、やはり、1.5倍比で顔をゆがませるものの(当社比)、もともとそれなりにうまい和泉雅子としては、そんなに演技の質が変わるわけではない。だいいち相手役の浜田光夫も、通常運転の演技。その他、浜田の旧友・杉山俊夫、兄・小池朝雄、和泉の父(ダメなオヤジといえば、この人・浜村純)、学校用務員・小沢昭一と、脇役の方たちも、ご同様。しごきにしごいて、この有様、<ウラ公>のしごき、意味がなかったね。
 やはり役者を追い詰めることのある、溝口、成瀬には、及ばないということか。まあ、小娘を思いつめさせる効果程度ということか。
 ラスト、金沢駅で、とりあえず、大阪でひとりでがんばって人生を切り開こうとするヒロインに、あまりにうざく邪魔立てする浜田が、うっとうしくて、腹が立つが、その浜田の心理を、ピントボケボケの情景描写で表現。
 ま、いまいち。きれいなモノクロ・シネスコ・サイズでは、あるが。
 駅での別れ、列車が隔てる運命、というときに、この当時の、列者の乗降口に、ドアがない、だから走り出した列車にも、初動スタート時徐行運転中には、若者なら、らくらくと飛び乗れる、このアクションの格好よさ、安全第一で、ドアをつけてしまった、現在からは想像できない、映画的な趣向。やはり、ため息。まあ、オジンには、ドア、やっぱり必要ですが(笑)。
 冒頭クレジットに<方言指導>佐々木守。なお、佐々木守は、同年の大島渚「小さな冒険旅行」では、<幼児指導>クレジット。よほど指導好きの佐々木守なのであります。 
[PR]

by mukashinoeiga | 2010-06-22 22:06 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

鈴木清順「パンドラの匣」

 川島版、木下版、成瀬版に続いて、清順版「パンドラの匣」を妄想する。
 その登場人物を一覧すれば、

●ひばりの同室患者
ひばり   20歳男子。結核としては軽いほう、ちゃんと養生すれば半年後退院予定。
越後獅子  なにやら大物らしい、年配患者
つくし   まじめな妻子持ち・・・・しかし後にマア坊にラヴレター 
かっぽれ  美男子にして激情家のアンちゃん 何かと感激、興奮、泣いたり怒ったり
固パン   助手たちに人気の学生 
●助手・他
マア坊   18歳の看護婦。くるくる変わる気分屋。ひばりは、いいように振り回される。
竹さん   20台半ばの看護婦。美人で気立てのよい働きもの。実はひばりに・・・・
くじゃく  やたらと厚化粧ゆえこのあだ名の助手
キントト  他に助手として、うるめ、ハイチャイ、となかい、こおろぎ、カクラン、など    
場  長  この健康道場を独自の治療法で運営する院長
ひばり友  ひばりの文通相手。道場にひばりを見舞う好青年
ひばり父
ひばり母
越後~娘  越後獅子を頻繁に見舞いに来る
隣室患者  ひばりたちと、対抗する、にぎやかし集団

 で、清順版キャスティングは、
●ひばりの同室患者
ひばり    山内賢  
越後獅子  玉川伊佐夫  
つくし    宍戸錠
かっぽれ  野呂圭介  
固パン   高橋英樹    
●助手・他
マア坊   和泉雅子  
竹さん   野川由美子 
くじゃく   松原智恵子  
キントト   初井言栄      
場  長   緑川宏  
ひばり友  和田浩二  
ひばり父  芦田伸介
ひばり母  高峰三枝子
越後~娘  伊藤弘子 
隣室患者  桑山正一
       江角英明

【当時の評】木下、成瀬など名匠の映画に、日活アクションの娯楽監督が挑戦した。面白い試みだ。しかしこれはなんとしたことか。何の工夫もない、日活お得意のバンカラ青春ものに終始した。結核患者なのに病院内を大騒ぎなのは、川島監督作以上。誰一人として病人に見えないのは、あまりに情けない。これをごまかすため、下手な隈取などして、これで病人に見せようというのだから、なんとも図々しい。
 だいいち、全員が歌い踊る、ミュージカルもどきが、この映画に必要なのか。あまりに志が低すぎる。
 川島版「喜劇 駅前入院」で浪花千栄子、木下版「パンドラ園の乙女」で東山千栄子、成瀬版「飛行機雲」で中北千枝子、など代々?名女優が演じている孔雀役を、若い松原智恵子に演じさせるのも、不見識。彼女にもかわいそうである。

 当時の清順評としては、一部マニア誌を除いて、こんなもんであろう。
 だが、これは恐るべき傑作である。
 特に、白黒シネスコ画面いっぱいに展開する、キムタケ美術が見事。見事に狂っている。だいいち、昼間のシーン夜のシーンで、同じ病室のはずが、まるきりセットを変えているのだ。いくつかベッドの配置を変えているどころではなく、本当に別のセットとしか思われない。まあ、基本ベッドしか要らない簡素の病室では、あまり予算はかからなかっただろうが、しかもメインのセットは二階までちゃんと作っていて、それを清順演出は縦横無尽に使い倒している。特に夜のシーンの圧倒的素晴らしさ、時に繊細な、時に光量マックスの月光の、なんという。それなりに繊細の光の動きを見せるスピルバーグも、市橋容疑者のように裸足で逃げかねないすさまじさ。 
 奇怪な厚化粧の孔雀・松原智恵子も素晴らしい。「悪太郎」シリーズに続いての、主役三人も、いい。
 これも形相が変わっているので、一応?つきの緑川宏。清順映画にいくつか出ている日活大部屋俳優。代表作は、なんといってもこの一本、清順「けんかえれじい」の北一輝役。北村一輝じゃありませんよ。この彼が、場長として、ほとんどせりふはないものの、繰り返し病院内の窓辺や、柱の影にたたずむ。清順「河内カルメン」破戒僧や、清順の助監督経験がある監督(名前度忘れ)の「少女地獄」校長で印象的な、桑山正一隣室患者も徘徊し、奇っ怪感を増している。
 なお、タイトルは「パンドラ娘と野郎ども」に変更されている。

●追記● 【当時の評】で、不必要とされたミュージカルもどきには、次のナンバー。
♪高橋英樹と日活男声ボーカル「入院心得数え歌」
♪和泉雅子「洗面所で会いましょう」
♪山内賢&和泉雅子「二人の健康道場」
♪通りすがりのギターを抱いた牧童(カメオ出演の小林旭)「南北東西あとにして」
 ぼくにsongsf4s.exblog.jpなみのパソコンテクがあったら、この歌の数々も貼り付けられるのだが、まったく残念だ。これだけの歌をぶち込んで、青春の哀歓に訴え、なおかつ奇ッ怪なモダンホラーでありうるのが、すごいやね。
 なお、清順は東京出身ながら、旧制弘前高校に行く。太宰や川島とは逆の体験ながら、緑川宏?に、結婚と称して拉致される野川由美子が、ぱっくりと院内に出来た恐山に逃げ込むや、
♪野川由美子&初井言栄「私は恐山の女」を歌う。桜吹雪が舞い、腐りかけの林檎の実が乱舞する。ここに、その青森体験が生きたというべきか(馬鹿)。

◎こんなのも、あります(笑)◎
★成瀬巳喜男「パンドラの匣」★
★木下恵介「パンドラの匣」★
★川島雄三「パンドラの匣」★
★増村保造「パンドラの匣」★
◎本当の映画化作品◎
★吉村廉「看護婦の日記」★
[PR]

by mukashinoeiga | 2009-12-20 09:11 | 架空映画妄想キャスティング | Trackback | Comments(0)