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菅井一郎「泥だらけの青春」三國連太郎乙羽信子高杉早苗山内明小杉勇植村謙二郎加東大介伊藤雄之助滝沢修

面白い映画業界内幕モノだが、イマイチ不発。それもそのはず、これからも業界で生きていかなければならないスタッフキャストが、どぎつくバックキャメラ?を暴くわけにもいかず、くすぐり程度でお茶を濁さざるを得まい。
 阿佐ヶ谷にて「一役入魂 映画俳優・三國連太郎」特集。54年、日活。

e0178641_2413081.jpg泥だらけの青春 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1954年(S29)/日活/白黒/93分 ※16mm
■監督:菅井一郎/脚本:新藤兼人/撮影:峰重義/美術:水谷浩/音楽:伊福部昭
■出演:乙羽信子、山内明、高杉早苗、小杉勇、植村謙二郎、加東大介、伊藤雄之助、滝沢修、清水将夫、三島雅夫、石黒達也
エキストラから人気スタアへ、一人の青年俳優がたどる華やかな道とその転落──。名バイプレイヤー・菅井一郎の第一回監督作品。松竹→東宝の移籍騒動でマスコミを賑わせた三國連太郎、本作への出演で今度は「五社協定違反第一号」に。

 Movie Walkerの本作スタッフ紹介にアッと驚く。スクリプター 吉村公三郎って(笑)。
 実際の画面上のクレジットは、演出看守、もとい演出監修。
 確かに吉村が出身の戦前松竹では、助監督がスクリプターを兼務していたと聞く。だから、スクリプトはお手の物だろうが、これひょっとして、スクリプターとしてぴっちり現場に張り付きつつ、演出監修していた、ということだろうか。
 新人監督にとって、嫌な現場だなあ(笑)。しかも脚本は、新藤だし、美術は水谷浩だぜー(笑)。主演は業界の問題児だし(笑)。
 映画の中の管井同様のほほんと受け流していたのだろうか。
 俳優出身監督だと出演も兼ねるのだが、本作では自身は出演せず。ただ、やはり俳優出身監督の常として、ほんの数ショットの脇役に、有名俳優多数出演。本作にも超贅沢なご祝儀出演てんこ盛りで。まともにギャラを払っていたら、それだけで赤字だろう。
 映画監督役に小杉勇、だが本作は業界内幕モノというより、人情ドラマに力点を置いてるので、さして見せ場なし、相変わらずの珍獣扱い。スケベ重役の三島雅夫の役名が根岸重役って。
 宣伝部の加東大介部長、ヒラ宣伝部の下絛正巳(最高にチャラい)。プロデューサーの石黒達也も最高にクール。高杉早苗らが囲む雀卓に「さあ、カモが来ましたよー」と、座り込む。

 三国連太郎はいささかワイルドだが、日活はこの数年後、ワイルドではあるが、三国よりはたいぶソフトな戦後派やんちゃスタア石原裕次郎という大鉱脈を掘り当てる。先輩女優スタアと割りない仲になる点も同じ。
 もし頭の良い日活プロデューサーがいたら、何らかの撮影の前に、この、わがままを言って転落する若手スタアを描く映画を、裕次郎や旭に参考上映として見せたのではないか(笑)。だとすれば本作自体はさしてヒットしていなかろうが、日活にとっては、値千金映画だったかも(笑)。
 まあもっともそれに主演したのが業界の横紙破りの連太郎だが、そこはそれ、お前に連太郎ほどの腹はくくれるのか、と。
 上の写真でお分かりのように、この時代の男性スタアとしては髪はぼさぼさだが、役作りか、この頭で打ち合わせに現れて、これで行こうということか。
 結局はスタアになった連太郎に捨てられる乙羽信子だが、かわいいけど儚さが皆無な、どっこい生きている女優だけに、より堅実スタアになった山内明に、ちゃっかり乗り換え感が半端ないぞ(笑)。

 舞台となった新日本映画撮影所廻りは、あからさまに日活だが、東亜映画撮影所ロケは、どこかな。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 なお本作のMovie Walkerキャストには、三国の母に北林谷栄がクレジットされてるが、下絛正巳が三国に「お母さんが上京してきた」と告げるシーンはあるが、頭がカッカしているので完全無視。カットされたのだろう。

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by mukashinoeiga | 2017-08-30 02:43 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

大庭秀雄「命美わし」三國連太郎笠智衆杉村春子佐田啓二桂木洋子淡島千景坂本武北龍二桜むつ子小沢栄

ウェルメイド人情喜劇。快作なり。
e0178641_202184.jpg 阿佐ヶ谷にて「一役入魂 映画俳優・三國連太郎」特集。51年、松竹大船。ついで見の再見。
 ここでは、前髪パラリの佐田啓二が堪能できる。
 なれない薪割りの肉体労働でフラフラのサタケイ、色男は金と力がなかりけりの典型だが、その薪割り程度でもハチマキ、そのハチマキにも、前髪パラリは、笑わせられる。
 ラストシーン、淡島千景との語らいで、兄・連太郎も、ついに前髪パラリ。おお連太郎、お前もか、と思ったら、次のショットでは前髪きっちり。
 まだイケメン時代の連太郎、サタケイばりの前髪パラリは、お気に召さないらしい。

命美わし (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
1951年(S26)/松竹大船/白黒/79分 ※16mm
■監督:大庭秀雄/原作:八木隆一郎/脚本:柳井隆雄/撮影:長岡博之/美術:浜田辰雄/音楽:吉沢博
■出演:笠智衆、杉村春子、佐田啓二、桂木洋子、淡島千景、小沢栄、坂本武、北龍二、桜むつ子
自殺のメッカとして知られる有名なお濠。その側で暮らす図書館長一家は、ある晩身投げ寸前の二人の女性を救ったことから、町をあげての騒動に巻きこまれる──。当時の新進スタアを揃えた、大庭秀雄監督によるホームドラマの佳篇。

 戦後の電力事情のせいか、とにかく画面がクラい。大船あたりまでは電力回らなかったのか。フィルムの解像度も低い。しかし面白い。画面は暗いが、映画は明るい(笑)。当時のフィルム事情を反映してか、尺を端折り気味だが、かえってシマリが、出た。
 一家の長男・連太郎は正義ヅラの新聞記者。朝日当たりの支局記者か。今日の視点から見ると、被害者側に寄り添う振りして、被害者をさらに貶めるくずっぷりにしか見えない(笑)。
 弟サタケイに指摘されても、無神経にしらを切り、それは感傷だと切り捨てる。ここで、関係者である弟に、なぜ取材しないのか。
 三国の無能ぶりは、もっとある。
 お堀での自殺が相次ぎ、「一人二人を救っても、根本的解決にはなりませんよ」では、なぜ新聞でキャンペーン記事を、書かない?
 ラスト、市を挙げての自殺者供養、及び自殺者を助け続けた笠智衆の顕彰イヴェントを、三国はなぜ取材しない。
 忖度すれば、朝日新聞的には、犠牲者が減ることより、犠牲者が増えることの方が望ましいという立場か(笑)。

 笠は心優しい男を演じて絶品。ただ小津映画撮影直後なのか、濃厚な小津調演技なのが、やや可笑しい。
e0178641_2023870.jpg この笠の末っ子に、女子高生・小園蓉子。のちに妖艶な女を得意としたが、まだ初々しい。
 かつて一日違いで入水し、助けられた二人が、この縁で知り合い、子も授かる。この夫婦に、磯野秋雄&桜むつ子という(笑)。戦前やんちゃ次男のイメージの磯野と、戦後は妖艶マダムの印象の桜とのカップリングに、戦前戦後松竹ファンのあたくしとしましては、頭クラクラ(笑)。頭といえば、帽子を取って、杉村春子に帽子を振る磯野の頭は少し薄くて、ああ戦前は遠くなりけり。
 このポスターによれば川島雄三「適齢三人娘」のほうがA面扱いだが、キャスト上、本作のほうが、明らかに上だろう。松竹の編成、明らかにヘン。

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by mukashinoeiga | 2017-08-28 20:02 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

田坂具隆「爆音」小杉勇轟夕起子花柳小菊片山明彦吉田一子

 楽しい田園コメディ。ただしクライマックスが、明らかに過剰に長すぎる(笑)。そういえば小杉勇が自転車で村内を走り回る中盤も長すぎる(笑)。たった90分弱の映画なのに(笑)。
e0178641_7363065.jpg とにかく延々延々の繰り返し描写が多すぎる。田坂具隆下手すぎ(笑)。見ていて閉口。
 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第86弾 轟夕起子」モーニング特集。39年、日活多摩川。8月23日(水)〜26日(土)/30日(水)〜9月2日(土)上映中。フィルムセンター以来の再見。

 ただし轟夕起子は、大変愛らしい。もと宝塚女優らしく歌も披露。
 いつもクサさマックスの父親役小杉勇も、相変わらず鼻につく、くどい演技だが、なーに珍獣演技と思えば、愛らしい(笑)。

爆音 1939年(S14)/日活多摩川/白黒/84分 ※16mm (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
■監督:田坂具隆/原作・脚色:伊藤章三/撮影:伊佐山三郎、気賀靖吾、相坂操一/美術:梶芳朗/音楽:中川栄三
■出演:小杉勇、吉田一子、片山明彦、花柳小菊
村民の献金で作られた戦闘機が、お披露目で故郷の上空を飛行する!大喜びの村長は、このニュースを村中に伝えて回るのだった。戦意高揚映画ながら、平和な田舎の善良な人々の姿を、田坂監督がヒューマンに描く。轟夕起子は、上品だがお転婆な一面もある村長の娘を好演。轟の生地の良さが存分に発揮された田園抒情編。

 さて、上記の解説には、おおむね二つの「誤り」があるように思う。
 まず村民の献金で作られた戦闘機というが、映画の中で轟が「あたしたち130万県民が献納した飛行機」という。確かに一小村民たちの献金で飛行機(映画の飛行機はとても戦闘機には見えない民間機仕様と思われるが)は、買えまい。
 ちなみに余談だが、蓮舫の祖母は、個人で帝国海軍に戦闘機二機を献納した富豪、蓮舫の父親も国会で疑惑を追及された政商、の祖母と父親を持つ蓮舫が、台湾に膨大な隠し財産、つまり脱税物件を持っている可能性は、蓋然性としてかなり、高いのでは(笑)。
 冒頭、轟夕起子と花柳小菊の親友二人が乗るバスのボディに土田温泉の字があり、これは岐阜県のことなのか。もっとも土田温泉でググってみれば、この地味な温泉名は、商業的に隠蔽されている模様。

 二つ目の「誤り」は、主観的なものだが、戦意高揚映画というレッテル張り。あるいは国策映画という、意図的なネーミングもある。
 映画は、常にその時代時代のエートスに寄り添った、きわめてジャーナリスティックな存在でもあった。
 時代のトレンドというビッグウェーヴに乗っかった方が、ヒット率は格段に向上する。

 その時代一番二番の人気アイドルを出演させ、その時代の一番な、あるいは二番な、潮流を具現化させ、またネクストバッターサークルにいる次世代人気者ないし事案をピックアップしてきて、その人気の顕現化に努めた。
 という観点から見ると、この映画紹介者の戦意高揚映画というレッテル張りは、無自覚とはいえ、極めて悪質である。
 この時代の一番の社会的トレンドは戦争であろう。
 各家庭でも、一番の話題は、その家族の男子の出征であろう。
 その時代一番の話題をテーマにして、映画をヒットさせるに何の不思議もない、なのにこの時代のみ、なぜヘンなレッテル張りを後付けでするのか。
 戦争を煽りに煽って部数を伸ばした朝日新聞を戦意高揚新聞といってるか。
 植木等らのサラリーマン喜劇を高度成長高揚映画といってるか。
 森田芳光映画、伊丹十三映画のいくつかをバブル高揚映画といってるか。

 ちなみに田坂具隆「爆音」で検索すると、

nanashima0122‏
先週『爆音』(1939/田坂具隆)を鑑賞。爆音というタイトルからは想像できない程、のどかな田舎が舞台。村長さんの息子が飛行兵で、村の上空を演習で飛ぶ
というので、村中の人が楽しみに空を見上げる一日。妹の轟夕起子が明るくてお茶目。それが今の目で見ると怖い映画に見えてくる…9:03 - 2012年8月20日(以上引用終わり)

 これなんかも今の時代のエートスに逆に毒されていますな。ただし映画ファンとしては、この件に関して、たぶんnanashima0122とは若干違う気分的違和感があるので、それについては後述する。

 映画は、常にその時代のエートスに寄り添った、きわめてジャーナリスティックな存在でもあった。ちょうどいまのTVが視聴率が取れるからという理由で、安倍首相に全く罪がないのに、連日連月モリカケ問題を煽っているように。
 なのに戦意高揚映画だけが、悪質なレッテルを張られ、このような多少下手な、しかし愛嬌ある田園コメディ映画にさえも、戦意高揚映画扱いされ、製作から約80年後の今日まで非難されている。凡庸な紋切り型のレッテル張りに、ぼくたちは、いつまで付き合わねばならないのか。
 これは戦意高揚映画というレッテルを張られているが、それは後付けの偏見であり、いつの時代にもあった、その時代特有のトレンディドラマなのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
 その時代に所与された社会的トレンドに、素直に寄り添う、それはいつの時代にも、あることなのに。

e0178641_738456.jpg 映画の中身に戻ろう。
 冒頭のバス目線の縦方向への移動キャメラ、全編にわたっていささか執拗に繰り返される横移動、その性急さ、あまりにしつこい飛行機描写に、若い監督の映画的発情があからさまであり、チョイと老人には、きついっす(笑)。
 ひょっとして、トーキーの秒24コマ時代になっても、助監督時代の無声映画仕様を引きずって秒16コマとか、そういう感覚?
 あるいはのんびりとすべき田園コメディを撮らざるを得ない、若い意欲的な監督が、ぬるま湯停滞田園ドラマは絶対に撮らない、という意志か。
 とにかく轟夕起子は、田園地帯なのに、まるで都会のモダンガアルのようにテキパキテキパキ歩き、小杉勇は老人役にしてはアッと驚く自転車小川墜落アクション事案を平然とこなし、生ぬるい田園ドラマの規範を破っていく。

 一方中国でも台湾でもインドでもメキシコでも世界中の田園ドラマのお約束として、鳥や豚やアヒルたち家畜のクローズアップ、ないし擬人化の描写も豊かだ。豚がしゃべる最高のギャグもある。
 もっともしゃべるといえば、花柳小菊が独習している謎の言語がフランス語ということにされているが、ちっともフランス語に聞こえない(笑)。

 前に書いた、若干違う気分的違和感とは、クライマックスの延々たるアクロバット飛行だ。
 長すぎる。軍人があんなアクロバット飛行をするか。
 個人的には、村民挙げて期待した、上空通過は、まあ数分あったとしても、意外にあっさり機影は遠くに去り、皆少しがっかり、という描写が、望しかった。
 それをあんなにしつこく華麗なアクロバット飛行。
 小杉勇も、妻吉田一子も、娘たち、轟と、轟の兄(機内の中尉)の許嫁・花柳も、ハラハラドキドキ。
 映画を見ている方も、偽りの墜落の予感満載で。
 この描写は、戦意高揚とは真逆の効果があるのでは。その前の父親の小川墜落自転車の描写と合わせて、あるいは戦意失墜を意図しているのかも。うーん。

 なお轟の中学生の弟に、達者な名子役・片山明彦、のちに実父島耕二と轟が再婚したために、轟の実の義理の息子(といういい方もヘンだが)になるのは、また別の話。

e0178641_7375732.jpg昭和モダン好きというブログより(写真も)
 1939(昭和14)年発行の雑誌「映画之友」一月號の雑誌記事より「『爆音』信州ロケを見る」です。手前が小杉勇(1904-1983)さん、その後ろが田坂具隆(1902-1974)さんです。小杉勇さんは石巻商業学校卒業後、日本橋白木屋デパートに就職しますが、1923(大正12)年に日本俳優学校設立とともに入学し、1925(大正14)年に日活京都に入社しスターとなります。戦後は映画監督に転身しました。田坂具隆さんは広島県の生まれ、京都の旧制第三高校を経済的事情のため中退した後、新聞記者を経て1924(大正13)年、日活大将軍撮影所に助監督として入社しました。昭和13(1938)年には「五人の斥候兵」で、昭和14(1939)年には「土と兵隊」でヴェネツィア国際映画祭で連続受賞しました。終戦直前召集された広島で原爆に遭い、その経験が戦後の作品に影響を与えたと言われています。(以上引用終わり)

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by mukashinoeiga | 2017-08-27 07:38 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

いやあ面白いなあ【未公開版】報道特注 辻元清美議員の天皇侮辱生コン疑惑中核派保母さん左翼の実態暴露‼

裏でつながる反日左翼(笑)。
【未公開版】報道特注 辻元清美議員の天皇侮辱・生コン疑惑、中核派保母さん、左翼の実態暴露‼


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by mukashinoeiga | 2017-08-25 02:04 | うわごと | Trackback | Comments(0)

村山新治「尼寺博徒」野川由美子伊吹吾郎加藤治子渡辺やよい安部徹渡辺文雄曽我廼家明蝶伴淳三郎

単なるやっつけ仕事の凡庸なプログラムピクチャア。こういうので追悼される加藤治子も、うれしいんだか何だか。
 ただし加藤治子じたいは出番は少ないものの、いつもの、抜群の安定感。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。71年、東映東京。

e0178641_0473583.jpg31尼寺博徒(86分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1971(東映東京)(出)加藤治子(慈照)(監)村山新治(脚)大和久守正(撮)中島芳男(美)江野慎一(音)津島利章(出)野川由美子、伊吹吾郎、橘ますみ、後藤ルミ、渡辺やよい、應蘭芳、安部徹、渡辺文雄、曽我廼家明蝶、伴淳三郎
『警視庁物語』シリーズ等で知られる村山新治による女性任侠もの。尼寺に入った元胴師(野川)が、寺を食いつぶそうとするやくざを前に立ち上がる。加藤治子は尼寺の庵主・慈照を演じ、成熟した女性のエロティシズムを垣間見せる。ニュープリントでの上映。(文字変色が追悼対象の方)

 野川由美子は、やくざな父・バンジュン(冒頭の迫力はなかなか)に壺振り師として英才教育を受けて、しかし賭場での修羅の果てに尼さんになる、という無理やりな展開。はじめに尼ありき、どうしてもヒロインは博徒であり、しかも尼さんになるんだ、という説得力ゼロの強引な展開。
 プログラムピクチャア企画の、起承転結強引三題噺(あれもこれもの幕の内弁当)の、行き当たりばったり転倒展開。
 企画を統括する岡田茂も大蔵貢もいないと、こうなるという典型。まあ時代も違うのだろうが、いまの岡田祐介東映社長に、岡田茂の半分の企画力があれば、いまの東映にもヒット作は増えていたかも。まあ詮無い話だ。
 尼寺といえば、定番のレズ描写だが、まったくおざなりだし。一応お決まりの定食ですから具材最低限用意しました、といったレヴェル。

e0178641_0523157.jpg 野川由美子も、その魅力を生かしきれない映画に出ることの不幸。
 この映画自体は東映だが、彼女つながり、あるいは加藤治子つながり(笑)でいえば、もしこの映画を、大映に里帰りのキムタケとともに、鈴木清順が撮っていれば、どれほど奇態な、絢爛豪華な映画になっていたことか、と夢想するが、やはりそれは夢想に過ぎないか(笑)。
 まあ、大映はその種の冒険はしないタチだが、落ち目の70年代大映とはいえ、大映美術=キムタケ=清順のコラボも、一度は、見てみたかった(笑)。
 追悼特集ゆえの、しょせん詮無い老いの繰り言で、ございます。

 男くさいのに、実はおねえと噂の伊吹吾郎と、凛々しい野川由美子のキスシーン。野川が伊吹の後頭部を抱き寄せる完全野川リード、これには、ちょっと笑っちゃいました。

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by mukashinoeiga | 2017-08-25 00:48 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

うわっ最近の綿飴はこんなに魔改造しているのか最近喰ったことないから知らんかった

でも食べ物ネタなのに喰うシーンがないなんて(笑)。こら外国人毒々しい色だからって、捨ててないだろうな(笑)。

夏の風物詩!日本の露店の綿あめアートに海外興味津々(海外反応)
Japanese Street Food - COTTON CANDY ART Chicken, Rabbit, Bear Japan

 特に最後の綿飴は、イロイロの色味を加えながら、最初全然変色していないのに、最後にいっせいに色づくなんて、こりゃもうアートだよね。

Giant Cotton Candy Flower

 中国でも(笑)。でも、こりゃあもはや、一人前とはいえんわな(笑)。
 この動画を見ていると、中国の子供は、綿あめの食べ方を知らんな(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-08-23 00:25 | うわごと | Trackback | Comments(0)

中島貞夫「狂った野獣」渡瀨恒彦ピラニア軍団あるいはりりィ星野じゅんモンダイ

低予算速成映画の鏡というべきか。それともこういう映画こそ、ハリウッド並みとはいかなかろうが、予算と時間をかけるべきなのに。うーん。勢いだけで作ってしまう点では快作といえよう。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。76年、東映京都。
 まずはりりィモンダイであるが。ぼくは彼女の出演を確認できなかった(笑)。確かにラジオパーソナリティ役の笑福亭鶴瓶(これが映画初出演とか。まだ髪の毛がアフロでふさふさふさふさ(笑)していたころ)のアシスタントで女の子が数十秒出てくるが、これがりりィとも思えない。それともこれがりりィなのか。

e0178641_8353178.jpg38狂った野獣(77分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1976(東映京都)(脚) 大原清秀(出)りりィ(監・脚)中島貞夫(脚)関本郁夫(撮)塚越堅二(美)森田和雄(音)広瀬健次郎(出)渡瀨恒彦、星野じゅん、川谷拓三、室田日出男、橘麻紀、片桐竜次、荒木雅子、中川三穂子、松本泰郎、野口貴史、三浦徳子、志賀勝、三上寛、笑福亭鶴瓶
宝石強盗が逃亡しようと乗ったバスに別の銀行強盗未遂犯が飛び込み、人質となった13人の乗客も、やがてそれぞれのエゴをむき出しにして車内を混乱に陥れる。しかも運転手には心筋梗塞の持病があり…。走り続けるバスという閉鎖空間で複数の人物が入り乱れ、物語を波状的に混乱・脱臼させていくさまは、正に中島貞夫作品の真骨頂。共同脚本の大原清秀は、東映作品やテレビで活躍した。りりィはDJの役で出演。(文字変色が追悼対象の方)

 ムーヴィーウォーカー、ウィキペディアなどいくつかのネット系データベースでは、鶴瓶の名前はあるが、りりィの名前は、ない。特にムーヴィーウォーカーでは、主演の渡瀬を差し置いて(笑)、脇役も脇役の鶴瓶の名前が、なぜか最初に出てくるのは、なぜか。
 あくまで推測だが当初りりィがキャスティングされ、各種データの元ネタ・キネ旬にも載ったが、スケジュールの都合か、ネクラ歌手のイメージか、この映画のティストに合わないと、鶴瓶に変更されたのか。
 それともやはり鶴瓶のアシスタントが、ぼくには同定できなかったが、りりィなのか。だとしても、一分に満たない出演作を、わざわざ追悼の対象に選ぶのは、どうなのか。うーん。

e0178641_843496.jpg 次に星野じゅんモンダイだが。渡瀬恒彦の相棒で、細身で長身の新人女優。顏も面長だが、まあ美人だ。モンキーパンチ描く峰不二子そっくり。胸はないが。この峰不二子バリの彼女が華麗なバイクさばき。数本東映に出て、消えたようだが、もっと東映アクション女優として、生かしようがあったのでは。
 ウィキペディアによれば、

カーアクションをメインとした渡瀬主演・深作欣二監督の『暴走パニック 大激突』『狂った野獣』は同じ着想から生まれた映画である[1][2][3]。『暴走パニック 大激突』の方は物量で押す『バニシングin60″』風に対して『狂った野獣』は、ほぼ全編がバス内という密室劇の構造を持つ"走る『狼たちの午後』"といった趣きである[2][10]。1975年夏の『トラック野郎』の大当たりで波に乗る東映は、暴走路線に弾みが付いており[11]、この1976年に『暴走パニック 大激突』『狂った野獣』『爆発! 暴走遊戯』という深作欣二、中島貞夫、石井輝男という三人の鬼才による"暴走映画"の三大傑作を生んだ[11]。また東映はこの年、柳町光男監督の自主映画『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』を買い取って公開し大ヒットさせた[11]。"スピード"と"暴走"はこの時代のキーワードだった[11]。

監督の中島は初め、岡田茂東映社長から本作の併映「『ラグビー野郎』をやれ」と言われた[3][12][13]。中島はラグビーは好きで企画書を作る段階まではやったが話が噛み合わず[13]、そこから逃げて手が空いてるときに、トラブルがあって番組に穴が空きそうになり「渡瀬主演、予算2000万円、とにかく間に合わせればいい」といった条件を言われ本作の製作を承諾した[3][12][14]。『ラグビー野郎』は『日本の首領』の企画を通すため、日下部五朗プロデューサーが裏技で東映館主会のボスに岡田の説得を頼んだために、その成功と引き換えに無理やりこのボスに製作を強要された映画だった[15][16]。中島は「京都を舞台にしたバスジャック」という構想が既に持っており、その頃京都は3箇所くらい道路を作っていて、そこを使えれば撮れると踏んでいた[3]。またこの4~5年前に京都のバスの運転手が運転中に意識不明になってひっくり返った事件があり、この題材でいけるというプランがあった[13]。時間がないため大原清秀、関本郁夫に頼み脚本を手分けして書いた[13]。本作の題名は準備稿では『激突!バス・パニック』だったが、岡田社長が『狂った野獣』に変更した[3]。その由来について中島は「なんか知りませんわ。もう岡田さんがタイトル言った時には、何の抵抗もしなかった。言ったってダメだから」と話している[3]。 

後年俳優としての名声を高める渡瀬恒彦だが、当時はようやく"添え物映画"の主役を張り始めたころ[17]。本作では自ら命懸けのカースタントを演じるが、「他の人やらないじゃない、こんなバカなこと。まあ車が好きだったこともあるし、そういうことしか能がないからね。体張るみたいな、そういうことでしか東映の中で生きていける術がなかった」などと述べている[17][18]。カーマニアである渡瀬は普段から撮影所の駐車場でスピンの練習をしていて[18]、自分の車だとタイヤが擦り減るからと、川谷拓三の車を無理やり借りて練習することもあったという[9]。渡瀬は本作撮影のために大型免許を取得したが、車両部が絶対間に合わないと言っていたのに、いとも簡単に一週間で取得した[19]。バスの運転手を演じる予定で渡瀬と一緒に大型免許を取りに行った俳優の白川浩二郎は試験に落ちた。このため白川が演じる予定だったバスの運転手は俳優ではなく、東映車両部のロケバスの運転手である[20]。ピラニア軍団は前年から放送されたテレビドラマ『前略おふくろ様』に、川谷拓三と室田日出男が中島と倉本聰の関係から抜擢されて人気が出て[6][12][13]、この頃はピラニア軍団をフィーチャーした企画が通りやすかったという[21]。出演者のほとんどがピラニア軍団で重鎮俳優の出演もなく、相当な低予算で作られた[3]。ピラニア軍団は金が無いときは、中島貞夫がいるいないに関わらず、中島の家で酒を飲んでいて、本作も中島宅で「こういうのあるけどやる?」と聞いたら「やるやる」と出演が決まった[3]。ラジオのDJ役を演じる笑福亭鶴瓶は映画初出演。当時は無名で渡瀬も鶴瓶が本作に出演していることをずっと知らなかった[17][22]。またラストで三上寛が出演し『小便だらけの湖』を唄う[3]。

カーアクション映画とはいっても『暴走パニック 大激突』とは違い低予算のため、撮影用に購入した車はバス1台とパトカー8台である[19]。払い下げのバスが50万円で足回りのメンテナンスに100万円[3]。パトカーは車検切れギリギリで10万円以下[3]。俳優のギャラは100万円以上は渡瀬だけで、他の役者は極端に安かった[3]。初めて大役に抜擢された片桐竜次は本作のギャラは不明だが、通常だと日当800円だったと話している[20]。ピラニア軍団でも川谷・室田以外の役者は、まだ夕方撮影所に戻って『銭形平次』とかのテレビ時代劇の撮影に参加して「御用だ御用だ!」と言っていたという[20]。バスの転倒シーンは、当初専門のスタントマン・雨宮正信がやる予定だったが[20]、渡瀬が雨宮に「君、やったことあるの?」と聞いたら「ありません」というから渡瀬自ら買って出た[17][18]。「主役が怪我をしたら残りの撮影が出来ない」と監督と製作主任に止められたが、バスの転倒シーンが撮影の最後の方と分かり自らやることにした[17][23]。すると川谷や片桐竜次、野口貴史らも乗ると言い出し、バスの中にカメラを仕掛けることになった[18]。渡瀬とバスに同乗したのはこの3人で志賀勝は逃げたという[20]。あとは人形である[20]。松本泰郎がこのシーンとは関係のないシーンで居眠りして転倒し骨折した[3]。渡瀬が結構なスピードでバスで並走するバイクの後部座席に立ち、バスの窓から車内に入るシーンは練習なしの一発勝負[17]。バイクを運転する星野じゅんは芝居はヘタだが、運転が上手いと抜擢されたといわれるが[3]、渡瀬は星野の運転は上手くなくよく揺れたと話している[17]。本作で大抜擢されたのが片桐竜次[13][20]。片桐の見せ場である命綱なしでのヘリコプターへのぶら下がりは[5]、近所の公園の鉄棒で練習を重ねていたが、ヘリの足が凄く太くて慌てたという。リハーサルなしの一発撮りで、ヘリがどんどん上昇し、下はアスファルトで、あまりに怖くて足もかけたと話している[20]。こういうシーンには危険手当が1万円付いたので片桐は「5000円でやります」と積極的に手を挙げていたという[20]。片桐は本作を契機に若手の代表格として頭角を現し始めた[5]。(以上引用終わり、文字変色は引用者)

 いやあ陳腐な『激突!バス・パニック』より『狂った野獣』のほうが、シマった名タイトルでしょう。『激突!バス・パニック』なんて、なまぬるいTV2時間ドラマのタイトルみたい。
 渡瀬は星野の運転は上手くなくよく揺れたと話しているというが、一発撮りのカーアクションに新人が完璧にこなすことを期待しても(笑)。また車好きゆえに、渡瀬後部座席にはノリなれていなかったのでは。

e0178641_844363.jpg 渡瀬恒彦については、亡くなった時に、晩年は穏やかなおじさんタイプをTVドラマで演じていたせいか、穏やかな人という印象だが、東映時代は,本職のやくざがもっとも恐れた俳優という証言も出た。クールでスタイリッシュな兄と差別化を図るための、戦略として上等。
 自らバスを横転させるのは、まさしく「狂った野獣」だが、車好きとしては本望だったろう(笑)。主演としては、大部分のバス車内で、ほとんどセリフなし。そこを補うためもあるか。
 チンドン屋・志賀勝の、人のいいおっちゃん役は珍しいが、この路線も、もっと見たかった。京都弁のおばはんもグッド。

狂った野獣(プレビュー)


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by mukashinoeiga | 2017-08-20 08:44 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

増村保造「氾濫」佐分利信若尾文子沢村貞子左幸子叶順子中村伸郎船越英二伊藤雄之助

強度の強い絶品群像劇。ついで見の再見だが、何度見ても楽しめる大傑作。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。59年、大映東京。
e0178641_5272317.jpg この濃密な傑作が100分以内に収まるという奇跡の職人技! 
 マスマスムラムラや脚本白坂依志夫や音楽塚原晢ほか大映スタッフの、奇跡かつ平常運転の絶品!
 これが70年代~現在の邦画だったら、一本立て指向もあり、二時間越えは必然であり、このシマリはなくなっていただろう。

 登場する男ども、ほぼ全員ゲスの極み。
 それに対応して、女たちも、ほぼほぼゲスい。あるいはそれなりに誠実な若尾文子も叶順子も沢村貞子も、ゲスな男に対応して、穢れていく。
 その中で、主人公サブリンの、昔から変わらぬ茫洋たる朴訥たるたたずまいが屹立している。とはいえ佐分利も、妻子に隠れて左幸子と不倫、ゲスさからは、逃れてはいない。このゲスさが、人間の本質なのだ、とマスマスムラムラは、グイグイえぐり出していくのが小気味いい。
  しかしこの熱気ある映画、ぼくはてっきり夏の映画と認識していたのだが川崎などコートを着ている。季節は秋冬なのか。
 秋冬でも夏の熱気の映画、さすがマスマスムラムラ、素晴らしい!

8氾濫(98分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1959(大映東京)(脚)白坂依志夫(出)川崎敬三(種村恭助)、三角八郎(荒田助手)、目黒幸子(邦子)(監)増村保造(原)伊藤整(撮)村井博(美)渡辺竹三郎(音)塚原晢夫(出)佐分利信、若尾文子、沢村貞子、左幸子、叶順子、中村伸郎、金田一敦子、船越英二、伊藤雄之助、多々良純、倉田マユミ
新製品を開発して重役となった技術者一家が崩壊していくさまが、日本の化学工業界の現状を背景に描かれる。出世欲のために女を食い物にする貧しい化学者の役を演じた川崎敬三は、1954年大映ニューフェイス合格から二枚目として売り出されたが、次第に人間の弱さや卑劣さを巧みに表現する性格俳優へと変貌し、大映映画に不可欠な名バイプレーヤーとなった。(文字変色が追悼対象の方)

e0178641_527532.jpg やはり絶品のサブリンの重厚でありつつの軽妙さのすばらしさ。最後、重役を退き、ボロい研究棟で、多々良純研究員に向ける微妙かつ快活な笑顔が素晴らしい。
 さわやかでありつつ絶品卑劣な川崎敬三。
 絶品気持ち悪い笑顔がそれだけで気持ち悪い倉田マユミ(中村伸郎の妻)はその笑顔がすでにホラーだ。左幸子の、ぬめっとした顏も絶の品。三角八郎は、いつもながらの、愛嬌が、ゲスさを救っている。
 という、濃ゆいメンバーの中で、幸薄い目黒幸子が、どこに出ていたのが、思い出せない(笑)。
 幸子の幸はどこにある(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-08-13 05:28 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback | Comments(4)

出目昌伸「俺たちの荒野」黒沢年男酒井和歌子原知佐子赤座美代子清水元東山敬司

時代と寝た映画の面白さ?
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」。69年、東宝。
 いや、昼の回夜の回ともがらっがら。猛烈な酷暑のなか他人様の追悼にでも出かけもしたら、下手したらわしらのほうがお陀仏じゃ、と老人連中も思ったと思しい(笑)。
 こういう法事は多少涼しくなった秋あたりがふさわしい。小津じゃあるまいに。まあ元お役人には、このあたりのキビは忖度できないか(笑)。

 さて、(以下、完全ネタバレあり)

e0178641_424041.jpg29俺たちの荒野(91分・35mm・カラー) (フィルムセンターHPより)
1969(東宝)(監)出目昌伸(音)真鍋理一郎 (原)中井正(脚)重森孝子(撮)中井朝一(美)竹中和雄(出)黒沢年男、東山敬司、酒井和歌子、原知佐子、赤座美代子、清水元、左卜全、草川直也、荒木保夫、佐田豊、横田米子、望月敦子、宮田芳子
米軍基地のある街を舞台に男女3人の青春の夢と挫折を瑞々しく描き、日本映画監督協会の新人奨励賞に輝いた出目昌伸の第2作。邦画斜陽期にようやく監督昇進を果たした出目は、藤本眞澄プロデューサーから打診された2作目の企画を蹴って、ひっそりと準備していた本作の脚本をぶつけ、役者をそのままスライドさせて実現にこぎつけた。(変色が追悼対象の方)

 ポスターの東山は似ても似つかないショットが採用されていて、悪意すら感じられる(笑)。

 日本映画監督協会新人奨励賞というものが、いかほどの権威を持つのか知らないが、いかにもさわやかな、かつモンダイ意識も少々ある青春映画を新人監督が撮りました、よしよしというところかしらん。たぶん、既成監督たちに牙をむいた新人は対象外か?
 主演トリオは、もともと暑苦しい黒沢年男が暑苦しさマックスの熱演、この酷暑にこの黒沢を見たら、確かにご老人熱中症になるわな(笑)。しかもフィルムセンター冷房ケチってるし(笑)。
 ヒロイン酒井和歌子は超かわいい。まさにアイドル女優の鏡。その彼女もセリフは声を張り上げる熱演。声を張り上げてもアイドル品質を維持。ほんまもんや。この役も相当暑苦しい役なのだが、それをサラリさわやかに演じてしまう。ほんまもんのアイドルや。
 東山敬司は、もー三浦友和クリソツな絵に画いた二枚目。友和が生き残って東山がなぜ生き残らなかったのか、男の身としては、ワカラナイ。単に時代のタイミングなのか。
 その男どおしが、少年のように、野っ原でじゃれ合うさまを延々と見せられるのも、もはや暑苦しすぎて閉口で(笑)。

 さてデメショー演出は、うまいのか。うまいことは、うまい。
 清順ファンとしては、アメリカ兵士相手の酒場での日米男女入り乱れての乱闘シーンに鈴木清順「東京流れ者」へのリスペクトを見るし、彼らの荒野の空がラストでは薄い黄色一色なのは、ともにリアル版清順ティストを妄想したりして。
 さらに男二人が網走番外地主題歌を歌ったり、やくざの仁義切ったり、いかに当時の若者に、あるいは東宝の新人監督に、東映映画が受け入れられたのか、わかりやすい。
 東宝若手が、当時の他社にあこがれの気持ちを持っているのは、よくわかる。いや、ひょっとして、この意図しない他社礼賛の結果が他社監督の支持も集めての、日本映画監督協会新人奨励賞(笑)。いや、ひょっとして、あり得るかも(笑)。

 東山敬司は、酒井和歌子にあこがれても、酒井が横たわって目をつぶっても、逃げてしまう。のちに黒沢にデキないんだ、つまり立たないんだ、とサウナの中でハダカ同士で告白する。これは童貞の逡巡か、二人の男が異常に仲が良いので、あるいは東山にはヘテロ志向が薄いのか。
 黒沢には腐れ縁の同棲相手・赤座美代子がいて、酒井和歌子を好きになった瞬間から、赤座が飽きてきて、疎ましい。
 同時に、処女酒井には立たない親友には、最初は赤座みたいなヴェテランに身をゆだね、練習してみたら、と赤座を貸してもいいという。
 ところが、いざ、それ(赤座X東山)が実現してみると、なぜか黒沢はブルー。同じ夜に黒沢は酒井とキスしている。チンピラたちに酒井を襲わせレイプさせようとした赤座に何の未練があるというのか。
 ここら辺の黒沢の心理が全く不明だ。単に深刻な青春の葛藤ブリたいだけか。東山への男の未練か。
 もしこの映画をルビルビルビッチが撮れば、二組のカップルの夫婦交換コメディとして、ハッピーエンドだろう。
 しかし残念ながら、日本の幼児的青春映画なので、はじめからバッドエンドは、約束されている。

 最後、男二人と女一人が子供のように無邪気に遊びまわるが、その中で男と女は二人だけでひそかに愛し合う。
 取り残された男は、親友とこころの恋人に同時に袖にされて、もう、死ぬしか、ない。
 ただ、それは悲劇にするためだけのお約束のように感じられるのが、このドラマの欠点だろう。


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by mukashinoeiga | 2017-08-10 04:04 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(2)

報道特注(在)在日の闇をニュートラルに暴く(笑)

昔反日(笑)七島映迷さんと、酒の席で軽く韓国談義をしたことを思い出しました(笑)。
 七島さんは今も反日かな(笑)。
 なお、素人ばかり出ているので、ぎこちないですが、パート3でだんだん良くなる法華の太鼓。
 でもぎこちない素人の証言の1・2も面白い。
#31-1_報道特注(在)

#31-2_報道特注(在)

#31-3_報道特注(在)


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by mukashinoeiga | 2017-08-06 10:54 | うわごと | Trackback | Comments(0)