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三隅研次「なみだ川」

 京橋にて。「映画監督 三隅研次」特集。67年、大映京都。
 これまで何回か見ていて、今回見て、やはり快作傑作。
 藤村志保、やはり、素晴らしい。代表作というべき。
 藤村志保と三隅のコラボ、絶品はいくつもあり、今回は見れなかったが、 「斬る」「古都憂愁 姉いもうと」なども、絶の品。

e0178641_0465593.png34なみだ川(79分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
1967(大映京都)(監)三隅研次(原)山本周五郎(脚)依田義賢(撮)牧浦地志(美)内藤昭(音)小杉太一郎(出)藤村志保、若柳菊、細川俊之、戸浦六宏、藤原釜足、安部徹、玉川良一、塩崎純男、春本泰男、水原浩一、町田博子、本間文子、花布辰男
三隅・依田の演出脚本コンビで、藤村志保と若柳菊(のちの菊ひろ子・奈月ひろ子)が姉妹を演じる文芸物の第2弾。今回も藤村演じる姉は妹の結婚に気をもむが、おっちょこちょいなのでロマンティック・コメディ的な展開も。三隅は悪役を根っからの悪人としては描かず、作品世界に繊細なニュアンスを与えている

e0178641_0512887.png 何度も見ているだけに、今回は細部にも注目した。
 オープンセットの、道向こうの二階家の屋上に着物が干してあり、青空。
 もはや、とてもオープンセットとは思えず、リアル江戸時代
 志保と細川俊之がはじめて結ばれる川沿いの二階家の、絶景。
 その他その他、なんと素晴らしい。絶品の大映美術。
 ただし本作の唯一の欠点は、妹役の新人女優が、あまりの一本調子の、あまりに固すぎる演技。
 全然味わいなし。うーん。

e0178641_0523382.png しかし、全体は、笑わせ、泣かせての、絶品の人情劇!
なお上記解説だが、兄・戸浦六宏は、貧しい庶民のために、時の政府にたてつく、いまで言うシールズみたいな若者。しかし妹たちから大金を奪おうとする。
 左翼的主張のためなら、貧しい妹たちのなけなしの金を奪ってもかまわない、という左翼擁護のフィルムセンターの立場は、あまりにあくどすぎるぞ(笑)。
 しかも姉は小唄の師匠、妹は御大家の娘の嫁入り衣装のお針子、という特権階級の御用を承る庶民というベタな設定に、左翼インテリ(笑)フィルムセンター諸君が、反応したというのも、面白い(笑)。

★映画監督 三隅研次 | 東京国立近代美術館フィルムセンター★
 クリックすると、Not Foundと表示されますが、その上の黒いメニューバーをクリックすれば、大丈夫。

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by mukashinoeiga | 2016-02-28 23:59 | 三隅剣児女なみだ川と大魔剣 | Trackback | Comments(4)

隠れた傑作「忍者狩り」にシビれよ!

 池袋新文芸坐で、3/7(月)〜12(土)に、「華麗・優美・颯爽・豪快 東映時代劇を沸かせた新星たち」特集。
 って、ひばり橋蔵千代之介錦ちゃんは、ともかく、戦前から出演の大友、近衛十四郎が、なぜ新星なんだ(笑)。
 ま、それはともかく、上映される作品は定番中の定番の面白さ。
 そのなかで当ブログが注目したいのは、感想駄文済み★山内鉄也「忍者狩り」:昔の映画を見ています★という、隠れた傑作。

e0178641_8131942.jpg忍者狩り (87分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
外様藩取潰しを進める将軍家光の命を受け、伊予松山二十万石の蒲生家から家督相続のお墨付きを奪うため集められた忍者・闇の蔵人(天津)とその一味。一方、蒲生家城代家老会沢・土佐は藩を潰された4人の浪人を雇いこれを迎え撃つ。新鋭・山内鉄也の監督デビュー作。
1964(東映京都)(監)山内鉄也(脚)高田宏治(撮)赤塚滋(美)井川徳道(音)津島利章(出)近衛十四郎、河原崎長一郎、山城新伍、田村高廣、北条きく子、園千雅子、藤山直子、高森和子、加賀邦男、沢村宗之助、尾形伸之介、松風はる美、国一太郎、中村錦司、穂高稔、佐藤慶、安部徹、天津敏

 詳しくは、上記感想駄文をお読みいただきたいが、ホラー映画と見まがうばかりのえぐい描写も含めて、その圧倒的の迫力は、あまりに素晴らしい。
 そして、近衛十四郎の、絶対の素晴らしさ
 ただただ、アゼンとしていただきたい(笑)。

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by mukashinoeiga | 2016-02-28 01:00 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

斬新!エンタメ歴史!?

 う、うーん、歴史をエンタメ化しようという、こんな視点もあったのか!
history of japan

50 Centuries in 10 Minutes


 目からウロコやねえ。
 こんなテキスト(笑)だったら、歴史の教科書も、面白かったノニ(笑)。

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by mukashinoeiga | 2016-02-26 01:06 | うわごと | Trackback | Comments(0)

満島・仲間、沖縄出身女優の共通欠点

 ネットニュース?コラム?に、よれば、
★監督ウケは抜群なのに…女優の満島ひかり作品はなぜ不人気なのか? : シネマちゃんねる!★
e0178641_12115561.jpg専売特許の「助演」を全うし、2015年度は大いに評価される一年となった女優の満島ひかり(30)。
日本テレビ系ドラマ「ど根性ガエル」ではピョン吉の声を担当し、主人公ひろしを演じた松ケン以上にハマり役と絶賛され、2つのドラマ賞で助演女優賞のタイトルを獲得。
初めて挑んだ時代劇ムービー「駆込み女と駆出し男」ではべらんめえ口調の深川の粋な辰巳芸者で魅了して日本アカデミー賞優秀助演女優賞。
来月4日開催の同賞授賞式で発表される最優秀にも期待がかかる実力派だが、それはそれ。映画界からは意外な評判が聞こえてくる。
■「客が入らない」
「感性が鋭く、役に憑依するタイプの女優なので『使いたい』と話す監督はいるのですが、なかなかキャスティングされない。配給会社が『満島では客が入らない』と、なかなか首を縦に振らないというのです。国内外の賞レースで評価されても、肝心の興行で当たったためしがないのです」(映画関係者)
なぜ不人気なのか。コラムニストの桧山珠美氏は「若くして誰もが認める演技派になってしまったのがアダになったのでは」と、こう続ける。
「知名度はあるのにCMの仕事が少ないのは、彼女の人気のなさを象徴しています。同世代の女優の中で抜群の演技力ですが、ひと言でいうと華がない。
容姿も痩せ過ぎでセックスアピールに乏しい。まだ30歳なのに落ち着き過ぎてキラキラ感がなく、名前負けしてしまっている。(以上、抜粋引用)

 なぜ人気がないのか。そんなの当たり前(笑)。だいぶ前に当ブログが言及しておる(笑)。
★仲間由紀恵モンダイ : 昔の映画を見ています★
 なぜ仲間由紀恵は、あんなに美人なのに、<オンナを感じない>のか。
 いわゆるフェロモンがないのだろうか、みんなが言うように。
 彼女は、沖縄出身というのは、知っている。そうか、南国系?は、お色気なんて、微妙なニュアンス?とは縁がないのか?
 ということで、沖縄出身の女性芸能人・タレントを検索してみた。
新垣結衣:那覇市
国仲涼子:那覇市
黒木メイサ:名護市
仲間由紀恵:浦添市
満島ひかり(元Folder・元Folder5):鹿児島生まれ、沖縄育ち
山田優:沖縄市
安室奈美恵:那覇市
南沙織:嘉手納町
Kiroro:中頭郡読谷村
知花くらら:那覇市
 本来、お色気ありそう?系なはずの、黒木メイサも、満島ひかりも、見事に、フェロモンゼロ系?じゃあありませんか。国仲涼子なんて、はかなげ系?なのに、色気ゼロ。知花くららも、ミス・ワールド・コンテスト出身らしく?大雑把で、ニュアンス少なし。
 沖縄は、セクシーゼロ系地帯なのか。オンナのカロリーゼロ系か。
 南国のせいか。それとも、沖縄にめったやたらと多いときく、左翼性?のせいか?(笑)
 左翼は、セクシーさとか、ニュアンスとか、微妙な感情の間合いを否定しますからね(笑)。
 あるいは、あらゆる意味(歴史的・地理的)で中国に近いせいか。中国もまた、ニュアンスとか、微妙な感情の間合いを否定しますからね(笑)。これらの複合技で、沖縄出身タレントには、フェロモンがないのか(笑)。
 いや、偏見ではなくて、素朴な疑問で。(以上、抜粋引用)

 セクシーな沖縄出身タレントがいたら、ゼヒご紹介いただきたい(笑)。

◎追記◎CM イトーヨーカドー 「ネットスーパー」仲間由紀恵

 もともと、そーいうキャラなんだろうけど、急激にオバさん化していますな。これが沖縄か。

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by mukashinoeiga | 2016-02-24 12:18 | うわごと | Trackback | Comments(2)

中平康「あした晴れるか」いづみ裕次郎

e0178641_2145574.png 神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール」特集。60年、日活。
 今回のいづみ特集は、35ミリ上映作品はすべて見ているので、既見未見のデジタル上映のみ見るつもりが、時間の空きがあり、ついつい見ちゃいました。やっぱり傑作。
 そして、裕次郎、ホントに好青年、愛らしい。好青年オーラ全開のすばらしさ。
 そして、いづみ、ホントにかわいい、愛らしい、コメディエンヌ魅力全開。
 そして、映画自体もたいへん愛らしく、素晴らしい。
 日本映画最強のスクリューボールコメディというべき。

e0178641_2133215.png15. あした晴れるか <神保町シアターHPより>
S35('60)/日活/カラー/シネスコ/1時間31分
■監督:中平康■原作:菊村到■脚本:池田一朗、中平康■撮影:岩佐一泉■音楽:黛敏郎■美術:松山崇■出演:石原裕次郎、芦川いづみ、渡辺美佐子、中原早苗、東野英治郎、西村晃、三島雅夫、宮城千賀子
"東京探険"というテーマで写真を依頼された駆け出しのカメラマン・耕平(裕次郎)と、助手として写真事務所から派遣されたインテリ女子・みはる(芦川)の奮闘を描く愉快な一本。芦川の黒縁眼鏡姿に萌えるラブコメの快作!
映画「あした晴れるか」 芦川いづみ 石原裕次郎.avi


e0178641_216220.jpg 今回は見なかったが、「乳母車」「あじさいの詩」「青年の椅子」「堂堂たる人生」「喧嘩太郎」などの裕次郎/いづみモノの、明朗ラヴコメの素晴らしさは、特筆に価する。
 裕次郎とのコンビ作と言えば、北原三枝やルリ子の作品が、「質的」に高評価されがちなのだが、これら裕次郎/いづみコンビ作の愛らしさが、もっともっと評価されてしかるべきだろう。
 おそらく日本映画最強ラヴコメカップルが、この裕次郎と、いづみなのに。
 さて、この二人のコンビ作でも、本作は異彩を放っている。
 ほかの作では、清楚な、影もある、しかし快活な令嬢を演ずることが多い、芦川いづみが、なんと、活発すぎるインテリ職業婦人を演じ、酔いつぶれるわアカラサマにほかの女に嫉妬するわ怒鳴り散らすわ、ありとあらゆる表情を作る、振り切れ演技をキレッキレに展開して、その魅力マックス。
 素朴なナチュラル演技に徹する裕次郎と、まさにいい勝負。絶の妙。
 まさに、見ているこちらは、その魅力に圧倒され、こんなラヴコメ女優、それ以後いたっけ、な状態。かろうじて斉藤由貴か。現代には、いるのか。うーん。

 映画は、裕次郎キャメラマンの東京探訪といいながら、しかし東京のありとあらゆる場所に、知り合いおなじみの人がいるという、まあ、ご都合主義というか、イージー展開なのだが、それが ことごとくツボにはまり、楽しい楽しい。
 特に行く先々に必ず現れるのが、中原早苗。あるときは洋装店の女店員、あるときはキャバレーの女給、あるときは花屋・東野英治郎の娘、このガングロ娘・中原と、眼鏡っ子いづみの、因縁対決の面白さ。ぼくは好みじゃないけれど(笑)中原早苗も、また最強だ。このパワフル娘に、パワフル深作が惚れたのも道理で(笑)。
 いづみの姉に、ナベミサこと渡辺美佐子。この時期、日活では、若手アイドル女優しかいないために、しっとり大人セクシー女優ナベミサが重宝がられ、日活では大人セクシー女優といえば、いつも、常に、ナベミサ。でも、なんとなく、ぼくは苦手。
 裕次郎と、いづみ弟(実は従姉妹で、いづみにぞっこん)杉山俊夫とのつばぜり合いには、争いの元カメラのフィルムを「天然」を装って抜き出し、丸く治めるのだが、んー、でも、ナベミサならではの味わいのなさ(笑)。偏見か(笑)。

Izumi Ashikawa 芦川いづみ

芦川いづみ BGM フォー・コインズ 可愛いひと


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 なお、あらすじ紹介では、以下の部分が一切カット
大当りに気を良くした宇野は、この次の企画として“アフリカ探検”を耕平に用意してあると言った。みはる、セツ子、昌一、清作(注・東野英治郎)は助手を希望して大騒ぎである。下田との愚から恋に目覚めたしのぶ(注・渡辺美佐子)は独り窓に向かって落書した。「昨日風吹き、今日雨吹り、明日晴れるか」しのぶのうるんだ瞳は耕平にじっと向けられていた。

 原作の小説ならではの細部のあれこれの楽しさが、映画では雑味になるとの判断だろう。グッド。

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by mukashinoeiga | 2016-02-24 02:20 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

滝沢英輔「祈るひと」芦川いづみ月丘夢路宇野重吉香月美奈子

 神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール」特集。59年、日活。デジタル上映。
e0178641_12391891.jpg 若い娘が、自分の両親への葛藤、将来や結婚モンダイに悩む、というありふれた物語なのだが、芦川いづみという独特の存在感を持つ女優が演じると、なんだか特別な味わいある映画になってしまう。
 まさしく、いづみマジック?
 これが吉永小百合あたりなら、なんだか元気娘がわいわい青春を謳歌しちゃうという、ありがちな感触になるのだが。
 そして、いづみの見合い相手が、小高雄二(笑)。超自己チュー男をガラにあって快演。
 見る映画は常に自分が好きな西部劇にいづみを誘い、明日の昼、ここでまた会おう、というや返事も聞かずに去っていったり、二三回あっただけなのに、「もうそろそろ結婚してもいい時期だ」といったり。
 あまりに堂に入った俺様発言連発で、彼がしゃべるたびに、場内に小笑いが。

e0178641_12402854.png9. 祈るひと <神保町シアターHPより>
S34('59)/日活/白黒/シネスコ/1時間37分
■監督:滝沢英輔■原作:田宮虎彦■脚本:三木克巳■撮影:横山実■音楽:佐藤勝■美術:松山崇■出演:芦川いづみ、月丘夢路、宇野重吉、小高雄二、香月美奈子、金子信雄、下元勉、信欣三、東恵美子、内藤武敏
愛情の薄い家庭で育ち、温かい結婚生活に憧れる暁子(芦川)。ある日、偶然にも家族の秘密を知ってしまい…。哀しい運命と向き合い、自立して生きる道を模索するヒロインの凛々しい姿を描いた女性映画の佳作。*デジタル上映


 本作タイトルは「祈るひと」なのだが、この映画の芦川いづみは、回想するひとなのだ。
 常に物思いにふけり、過去の場面を回想し、回想し、回想する。これほど回想シーンの多い、いわゆる「現在の時制」の少ない映画も、珍しい。
 現代の映画ファンなら、しっちゃかめっちゃかな時制の往還には、慣れっこだろうが、本作当時の観客の映画リテラシーでは、どうなのだろうか(と、マルきりの上から目線だが)。
 少なくとも、当時のアイドル的女優主演の青春モノで、かくもストレートに筋が運ばない映画とは、高度するぎるレトリックであり、あまり評判も呼ばず、こんにち、この特集でも、レアもの扱いになっているのは、やむをえない。
 そういううじうじ?悩む娘に、芦川いづみは、まさに適任で。これが吉永小百合では、柄に合わない(笑)。しつこいな(笑)。
 ちなみに最近作の吉永映画が、ことごとく凡打の山を築くのは、50、60、70になっても、頭の中は10代のまま、というぶりっ子ぶりに起因するのでは、ないか知らん。

 いづみが大嫌いな自己チュー男と、いづみの意志をなんら考慮に入れない、一方的なデートを重ねるのは、金子信雄が「俺は、あんなオトコ、すかんね」と、言ったからだという。
 どうやら金子は、母・月丘夢路の愛人らしい。母は、父・下元勉を裏切って、ずうっーと、金子と付き合っていたらしい。父が不機嫌で、いづみに「お前も、母さんの子だからな」と、つらく当たり、自分の子ども扱いをにしなかったのも、そういう事情らしい。と、いづみは、思っている。
 自分が嫌いな金子が、小高を嫌うんだから、それほど悪い人じゃないんじゃないか(笑)、という論理。
 でも、やっぱりいやだから、きっぱり小高を断り、でも、自分が女に振られるわけはない、と自分に絶対の自信の自己チュー男は、何でオレを振るんだ、おかしいぞ君は、といづみに、まとわりつくのね(笑)。

 きっぱり自己チュー男を振ったいづみは、やはり肌が合わない母にも、きっぱり決別宣言。
 親子であっても、相性の合わない場合は、あるのだ。今では、それは珍しくもなく、幼いわが子を虐待する若い親が絶えないのも、そういう点に起因するのかも、知れない。
 こうまで、ストレートに母親に当たる(しかし、いづみはけっして激高するでなく、淡々と)若い娘というのは、当時としては、やはり抵抗があったのかもしれない。
 そして、普通の明朗青春ものであれば、小高を振って、高校以来のなじみのクラスメイト、好青年の沢本忠雄と、ハッピーエンドになるのであろうが、いちおう?文芸映画なので、そういうハッピーエンドは、なし。
 小高とデートする芦川を、未練がましく見つめる沢本、という微妙な終わり方。
 たいへん味わい深い余韻だが、プログラムピクチャアの日活娯楽映画としては、人気が出なかったのも、やむをえない。
 芦川のクラスメイトに清水まゆみ、新人とクレジット。
 芦川の幼なじみに、高田敏江、香月美奈子。
 ウィキペデァによれば、<日本初のピンク映画『肉体の市場』に主演した事から、「ピンク女優・第一号」とも呼ばれた[3]。1962年から1972年の間だけで600を超える映画に出演>の、香取環が、本名・久木登紀子で、やはり芦川の同級生役とのこと。女子高生役としては、やはり地味かな。

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by mukashinoeiga | 2016-02-17 12:41 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

三隅研次「座頭市血煙り街道」

 京橋にて。「映画監督 三隅研次」特集。67年、大映京都。
 絶品のカツシンと、豪快近衛十四郎。
 そのクライマックスに向けて、娯楽映画の王道をひたはしる。
 ふたりの対決場面の音楽は、なんだかゴジラっぽくて、笑えるが、音楽はもちろん伊福部昭だ(笑)。

e0178641_11502922.png35座頭市血煙り街道(86分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
1967(大映京都)(監)三隅研次(原)子母沢寛(脚)笠原良三(撮)牧浦地志(美)下石坂成典(音)伊福部昭(出)勝新太郎、近衛十四郎、髙田美和、朝丘雪路、坪内ミキ子、中尾ミエ、伊藤孝雄、小池朝雄、磯村みどり、松村達雄、小沢栄太郎
シリーズ第17作。旅の途中で病に倒れた女から、その男児を託された市。実は、この子の父は禁制品を使った悪事に利用されていたのだった。勝の要望で出演した近衛十四郎が、素性不詳の浪人役で市に匹敵する存在感を見せる。三隅の演出が、晩秋の季節感を際立たせている。

 コミカル演技と迫力演技と、融通無碍なカツシンもカツシンなら、いきなり中尾ミエに歌わせたり、その前はカツシンも主題歌。高みに立った巨匠にはならない(なれない、のかもしれないが)三隅演出も、ユーズームゲなり。
 目が見えないから、段差に転んでみせ、それを奇貨として、地面に寝ながら、敵の足を振り斬る。
 近衛に押されて、木柵で倒れながら、近衛を仕込みで突き斬る。
 ドンクササ丸出しの、アクションの素晴らしさ。
 眉毛を切られて、顔にお絵かきの田武謙三も、相変わらずグッド。

座頭市 勝新 VS 近衛十四郎


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 なべおさみは、壺振りの半三ではなく、トンマな大工。座頭市に、してやられる。

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by mukashinoeiga | 2016-02-14 11:47 | 三隅剣児女なみだ川と大魔剣 | Trackback | Comments(0)

新藤兼人「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」

溝口健二をめぐるエトセトラ:生きる日本映画史by新藤兼人
Kenji Mizoguchi The Life of a Film Director 1975 Kaneto Shindo

 新藤は、最初は溝口を「探偵」したいと始めたのだろうが、だんだん関係者を回っているうちに、ま、溝口はエクスキューズになっていったのでは、ないかな。
 それほど証言者は、濃いメンツ(笑)。
 ただ、坂根田鶴子には、もっと時間を割いてほしかった。

◎おまけ◎
【映画 2015 HD】山本薩夫監督の生涯


OZU Yasujiro Story / 小津安二郎物語 #1 2012年

 これはやはり傑作。
OZU Yasujiro Story / 小津安二郎物語 #2 2014年

なんと #1(傑作)の2年後の今年に#2(凡作)発表とは。何があったんだ(笑)。サイズも違っているし(まあ、それはそれなりにおしゃれだが)。
OZU Yasujiro Story / 小津安二郎物語 #3 2013年
 
OZU Yasujiro Story / 小津安二郎物語 #4 (w/ OZU's real voice) 2013年

 1~4の制作時制表記がおかしいが。1・4が素晴らしく傑作、2・3が凡作ぎみ。いったいこの落差は。
◎追記◎小津の生涯という「同じ話」を繰り返し繰り返し変奏するのは、いかにも小津ファンらしい(笑)。

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by mukashinoeiga | 2016-02-14 09:21 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

隠れた傑作「月夜鴉」にシビれよ!

 2月中旬~4月にかけて、ラピュタ阿佐ヶ谷にて「芸に生きる-映画を彩る芸能・芸術-」が特集される。
e0178641_23343568.png 名作・有名作が何十本も上映されるなか、最初の週に上映される井上金太郎「月夜鴉」(1939年、松竹京都、トーキー)を、当ブログとしては、強力にプッシュしたい(笑)。
 なんせ、特集チラシで、ただ一本、ノーイメージ(紹介スチール写真がない)というフビンな扱い(笑)。
 しかし、その実態は。日本的ラヴコメの大快作。
 かつてフィルムセンターの上映では、最初は予備知識なく見てびっくりし、二度目は確信犯的?に、この傑作を見ようと、再度駆けつけ、親和的な場内の反応に、意を強くしたものです。

e0178641_23351450.jpg 約80年前の映画なのに、いまでもニコニコ、クスクス見られることの奇跡。
 飯塚敏子という、今では、まったく忘れ去られた女優と、高田浩吉の絶対のコラボ。
 飯塚敏子は、当時の松竹京都の人気女優の一人、今では、そうですねえ、溝口健二「歌麿をめぐる五人の女」(1946)で、その一人の女、ということで、かろうじて知られる程度か。いや、知られてもいないか。
 あと、小津安「髭と淑女」助演かな。
 当時は、それなりに人気を呼んだようで、続編も作られている。本作と続編とも、かつて松竹ヴィデオから発売されているようだが、いまだ続編は、見ていない。ゼヒ見たいもの。

 終盤での、子どもをダシにした演出があまりに卑怯(笑)。おそらく世界映画史上、子どもをダシにした映画最強の素晴らしさ(笑)。エンドマークとともに流れる音楽の早回しにも意味があり、ニコニコニヤニヤ必須(笑)。
 アタマから尻尾までおいしい映画なのだ(笑)。
 ゼヒ、だまされたと思って、見ていただきたい(笑)。

 なお本特集には、溝口「残菊物語」と、そのリメイク、成瀬「鶴八鶴次郎」と、そのリメイク、これまた絶品の千葉泰樹「生きている画像」など、絶品作が続出。未知の作品もあり、楽しみ。

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by mukashinoeiga | 2016-02-10 23:40 | 業務連絡 | Trackback | Comments(7)

滝沢英輔「佳人」芦川いづみ

 神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール」特集。58年、日活。デジタル上映。
e0178641_11303436.jpg 力のない、弱い立場の、悲しい運命の少女を、芦川いづみが、演じる。
 いづみら俳優陣の演技はともかく、古めかしい凡庸なメロドラマ。タイトルは「佳人」だが、「佳作」とは、参らなかった。
 決して治らない難病(現代では、どうなんだろう)小児麻痺のせいで、いかなる意味でも自立できないばかりか、父・宇野重吉、むりやり結婚させられた夫・金子信雄が、ゲスの極みの人間のクズ。難病だけでなく、ゲスな男たちに運命をゆだねる不幸のつるべ打ち。

 なお、まったくカンケーないが、いわゆる育休宣言自民党国会議員が、妻(これまた国会議員)の出産入院中に、女性タレントを自宅に連れ込んだ件が、同じ週刊文春のスクープということで、ゲス不倫と命名(笑)。
 前にも書いたように、ネーミング時には、しゃれている、クールと思ってつけたバンド名が、いったん「穢れ」がつくと、どんどん坂道を転がっていく。おそろしや言霊の力。閑話休題。

e0178641_1131225.png3. 佳人 <神保町シアターHPより>
S33('58)/日活/白黒/スタンダード/1時間46分
■監督:滝沢英輔■原作:藤井重夫■脚本:棚田吾郎■撮影:高村倉太郎■音楽:斎藤一郎■美術:松山崇■出演:葉山良二、芦川いづみ、金子信雄、渡辺美佐子、牧真介、村瀬幸子、宇野重吉、山岡久乃
幼いころから病床に伏す美しい少女(芦川)と出会った青年(葉山)は、彼女への純愛を貫こうと心に誓うが…。戦中戦後の混乱した時代を背景に、薄幸の佳人の生涯を描いたメロドラマ。穢れを知らない芦川の真っ直ぐな瞳に感涙必至。
*デジタル上映

 極めて「古式」な映画。学生・葉山良二の回想から話が始まるが、ナレーションは、葉山自身ではなくて、当時のNHKラジオのノリの、四角張った男性アナウンサー。同じ日活で、鈴木清順監督作で、一回だけ使った、実弟・鈴木健二のナレーションが、いかにもNHKノリであっても、闊達な声であったか(兄と同様に)実感できてしまうほど。

 ちなみに、★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 こちらの本作キャスト紹介が、爆笑するほど、ひどい(笑)。
 子役少女役が男性名だったり、別の子役ふたりが、?(発表せず)という表現。
 これはおそらく、孫引き元のキネ旬をそのまま踏襲したのだろう。
 これではダメ、と調査したのか、神保町シアターが毎度作る詳細キャスト表ペーパーは、ちゃんとしている。日本映画のデータ精度を上げるためにも、神保町は、ペーパーだけのキャスト表を、すべてネットデータ化すべきだと思う。
 それとも、神保町も、別のデータをコピペしたのか?
 なお、これはMovie Walkerの落ち度というわけにもいかないが、芦川いづみの父親に、笠智衆。
 実際はウノジュウが演じているが、シアターの壁に貼られていたポスターのコピーは、二枚とも笠智衆。
 縦型二分の一のスピードポスターだけならともかく、B3の本ポスターも笠智衆。
 笠智衆から宇野重吉への変更が、いかにぎりぎりだったかが、わかる。
 おそらく堅実な気質の笠智衆が、出演をドタキャンするわけもあるまい。急病か、前の出演作の撮影が延びたのか、本人か監督など撮影所の人間が、この鬼畜父に、笠智衆は、合わない、と判断したのかもしれない。
 後年の森田芳光「それから」でも、松田優作を叱り飛ばす頑固親父を演じていたが、それでも、頑固親父にしては、貫禄がなくて(笑)。本作の冷酷系頑固親父は、まったく、当時の笠智衆には、合わない。
 ウノジュウは、左翼だけあって、冷酷な人間を演じるのが、まことにうまい。
 ちなみに過去の日本映画で、悪役の大量供給源となった新劇俳優の大半が、左翼的であるのは、きわめて理にかなっている(笑)。世界中の大量虐殺独裁者の、ヒトラー、毛沢東、スターリン、ポルポト、小者ではチャウシェスクなど、ことごとく赤い将軍たち
 えっ、ヒトラーが左翼?と、目をぱちぱちする向きは、ナチスの正式名をネット検索されたい。
 安倍晋三程度を、ヒトラー呼ばわりする、福島みずほなど左翼諸君は、ヒトラーは、安倍晋三などより、よっぽど自分たちの仲間だという自覚を、持つべきだ(笑)。再び閑話休題(笑)。

 後年のフカキン「仁義なき戦い」では、悪役ながらユーモアを漂わせていた金子信雄だが、本作では、救いもなく芦川いづみを、いたぶる自称・夫。
 足が萎えて動けないいづみを傍らに寝かせ、芸者・片岡久乃などを連れ込み、その房事を見せ付ける鬼畜ぶり。「それをあなた、あの子ったら、じっと目を見開いて、あたしたちを見てるのよ。気持ち悪いったら、ありゃしない」
 母・村瀬幸子によれば、二十代半ばで、十年遅れて、娘に初生理があった、という。おそらく、成長の遅い彼女の生理は、夫と芸者の房事を間近で見て、「発動」したのだろう。二重の意味で、やるせない。

 いっぽう、とてもうらやましい(笑)のは、中学生の主人公(のちの葉山良二)を、「誘惑」して、いけないことを教える美少女・笊畑美織。どの検索で見ても、本作にしか、出演していない模様。なかなか可愛くて、演技もうまいので、もっと出演しても、と思わせる。
 で、その彼女が、大人になると、モンダイの(笑)渡辺美佐子。この時期の日活で、結構主要脇役女優として大活躍なのだが、その魅力の一片すら、ぼくには、ワカラない(笑)。
 いや、一作だけ魅力的な美佐子も、目視しているのだが(笑)今度、阿佐ヶ谷のモーニングが渡辺美佐子なので、いずれ美佐子論を、やろう(笑)。出来るのか(笑)。

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by mukashinoeiga | 2016-02-10 11:32 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(1) | Comments(2)