<   2015年 07月 ( 13 )   > この月の画像一覧

瀬川昌治「次郎長社長と石松社員」

 阿佐ヶ谷にて。「OIZUMI 東映現代劇の潮流」特集。61年、東映東京。
 東映東京のごった煮的作品群を特集した今回、おそらくもっとも印象的な女優は、佐久間良子だろう。本特集における、その大部分の出演作はすでに見ているので、今回はあまり言及されないが、その圧倒的な美貌、繊細な演技力、彼女が東映東京を、ホームベースにしていたゆえに、その女優力はなかなか表に出なかった。
 他の映画会社もその傾向はあったが、東映は、なんといっても、男優スタア中心で、女優は添え物だった。かといって藤純子ほどの個性もない。本間千代子などとともに東映に所属していたことによる不幸なのかも知れない。
 ほかのすべての女優力を兼ね備えていつつ、強烈な個性は、ない。その不幸。
 本作でも、主役や個性的な脇役を邪魔しない、喰わない、そのつつましさが好ましいが、瞬発は、ない。 

e0178641_22452692.jpg次郎長社長と石松社員 1961年(S36)/ニュー東映東京/白黒/88分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督・脚本:瀬川昌治/脚本:中里菊馬/撮影:田中義信/美術:森幹男/音楽:真鍋理一郎
■出演:進藤英太郎、中村賀津雄、佐久間良子、水木襄、西村晃、花澤徳衛、柳永二郎、柳沢真一、星美智子、加藤嘉、トニー谷
東宝の“社長シリーズ”に対抗してつくられた“進藤の社長シリーズ”第一弾。次郎長社長率いるシミロン紡績にその名を買われて入社した石松青年が、会社乗っとりを企む重役一派の陰謀を暴いていく──。瀬川昌治の喜劇センスに溢れた好篇。

 東宝のモリシゲ社長シリーズに対抗、するとして、東映、進藤英太郎。うーん、彼しか、ないか。とりあえず?
 とはいえ、モリシゲには、老獪さと、まだまだ生臭い部分が同居しているが、進藤には、生臭い若さの残滓が決定的に、欠けている。若い(あるいは準若い(笑)女性にアプローチしうる「若さ」に、欠けている。ここら辺が、誤算だろう。
 本来は社長シリーズのモリシゲを目指しつつ、実際は先代社長・河村黎吉のキャラ。

e0178641_22474165.jpg これでは「今度の新入社員は錦之助に似ている、いい男ね」とOLにウワサされる自虐?ギャグの甲斐もなく?中村賀津雄も、撃沈するではないか(笑)。基本お調子者の、結果悲劇の「石松」を、フツーの新入社員に模すのも無理があるし、佐久間良子は、当然突出しない。
 個々のくすぐりギャグもよく、個々のキャラも楽しく適切だが、残念ながら、全体として、はじけない。
 個性的にはじけた東宝社長シリーズに対して、クスッとの笑いはともかく、クスクスクスッと、はじけない残念さ。
 なぜか、近年好評化な瀬川昌治の、残念な一作。まるで当時の佐久間良子みたいな、美人だけど、アイマイな印象そのまま。
 惜しい。
 進藤英太郎、中村賀津雄ともども、いいとこまでイクが、パワーに欠ける。
 本特集でも上映される渡辺裕介「カレーライス」の、大空真弓にさえ、コメディ負けしてしまう。 
 惜しい。惜しい、惜しすぎるぞ、佐久間良子。

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by mukashinoeiga | 2015-07-30 22:47 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

島津昇一「殴り込み艦隊」高倉健

 阿佐ヶ谷にて。「OIZUMI 東映現代劇の潮流」特集。60年、東映東京。
 とにかく威勢がいい、明朗さが勝っている戦争映画。この威勢、この明朗、帝国海軍最末期のいち駆逐艦をテーマにして、常識では、考えられないほど。
 (映画として)素晴らしい。
 主演の若き高倉健と、ムクツけきヤローどもの、コラボとして、プログラム・ピクチャアとしては、最高とも言うべき達成度。
 監督の名前は聞いたことがないが、大成しなかった新人か。ネットでちらりと聞いたうわさでは、巨匠・島津保二郎の息子とか。助監督に深作欣二とクレジット。あるいは、この助監督の功績は大なのか。

e0178641_1273870.jpg殴り込み艦隊 1960年(S35)/東映東京/白黒/90分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:島津昇一/原作:萱沼洋/脚本:北村勉/撮影:林七郎/美術:田辺達/音楽:渡辺宙明
■出演:高倉健、水木襄、波島進、中山昭二、久保菜穂子、田崎潤、宇佐美淳也、柳永二郎、安部徹、花澤徳衛、清川虹子
荒くれどもの集まりながら、戦闘では無類の強さを誇る駆逐艦「黒雲」に若き海軍士官が転任。彼は実戦の厳しさを身をもって知りながら、仲間たちと様々な困難を乗りこえていく。萱沼洋原作『駆逐艦黒雲一家』を高倉健主演で映画化。

 「昭和十七年末。石山中尉は戦艦大和から第一線を志願し転任した。ラバウル基地へ物質補給の任についた駆逐艦「黒雲」の機関長付となった」その高倉健が、とにかく、さわやかな明朗さ。
 中高年となった彼が、一切封印?した、その有り余るくらいのさわやかさ、明朗さ、若さゆえの軽み、素晴らしい。
 東映以後の彼は、いくつものいくつもの魅力を、すべて封印?して、たった一つの渋みという魅力のみで、映画スタアの座を死守した。残念ながら30代までの彼の圧倒的魅力に対して、中高年以降の彼は、まさに生きるしかばねスタアとして日本映画界に「君臨」し続けた。
 同時に、東映時代には、傑作快作が掃いて捨てるほどあったのに、東映フリーからは、駄作凡作の山を築き続け、とうとうひとつの作品にですら、従来の輝きを、取り戻せなかった。
 東映時代は、マキノらの傑出した演出家にあまた恵まれて、本作のような新人監督にすら、恵まれた。しかるに、フリー以後は、降旗某、チャン某など、フルネームを記載するのも汚らわしい(笑)凡匠、鈍匠ばかりの映画に出続けて、その生来の魅力を、毀損し続けて、亡くなった。
 しかし、同時に、それら凡庸な「小市民的な」映画においてこそ、高倉健が、オールナイト上映の「カルト」スタアから、「国民的スタア」にのし上がったのも、事実では、ある。

e0178641_1283173.jpg★日刊ゲンダイ|高倉健アンケート ヤクザ映画がトップ10にゼロだった意外★
 新春早々、朝日新聞の映画記事がネット上で物議をかもした。同紙は、「あなたの好きな“健さん”(高倉健)映画」のアンケートを、デジタル会員登録者を対象に実施。その結果が随分、偏っているというのである。
 理由は東映のヤクザ映画がランキング上位にないから。上位10本に1本もなかったのだ。1位は「幸福の黄色いハンカチ」。2位「鉄道員(ぽっぽや)」、3位「八甲田山」、4位「あなたへ」、5位「南極物語」と続く。
 これではヤクザ映画のファンは「なぜ?」という反応だろうし、健さんのヤクザ映画に心酔した人には随分と心外な結果だろう。ちなみに、「網走番外地」が辛うじて11位。「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」は17位と涙をのんだ。
 記事でも、「健さんをヒーローにした任侠映画の作品は、『嫌い』『見ていない』という声が意外に目立った」と、ヤクザ映画をハナから相手にしていないかのような声を取り上げていた。任侠映画ファンの熱狂的な発言も載せてあるが、紙面から締め出されているような印象だ。
「嫌い」「見ていない」でいうと、そもそも「見ていない」層が多かったのではないか。ランキング上位はテレビでよく放映される作品ばかりで、健さんの熱心なファンが少なかったともいえる。
 また、アンケートに答えたのは「娯楽のヤクザ映画はレベルが低い」とか、“食わず嫌い”な人が多かったとも考えられ、もっとバランスがとれなかったかと思う。
 健さん映画は東映ヤクザ映画以前と後で、くくることができる。だから、世代によって印象がまるで違うのはよくわかる。ただ、高齢な人ほどヤクザ映画を見ている人が多いはずで、だからこそ意外なのだ。
 ヤクザ映画後の健さんの演技もまた、ヤクザ映画で培ったものが大きい。その原点を忘れてはならないと思う。(映画ジャーナリスト・大高宏雄)(引用終わり)

 そもそも現代のネットユーザーにおいて、コアな映画ファン自体が、おおむね、存在しないだろうし、かつての東映仁侠映画世代が、ネットユーザーである可能性は、ごく僅少だろう。
 まして、朝日などの左翼偏向メディアに親しむ輩が、ヤクザ映画と任侠映画を同一視、食わず嫌いなのも、明らかだろう。
 映画として、東映時代の高倉健と、東映以後の高倉健を見比べれば、その「面白さ」の優劣は「一目瞭然」なのだが、食わず嫌いなのだから、どうしようもない。
 朝日的にいえば、東映時代の高倉健は、「反市民社会=右翼的暗愚」における「ダークヒーロー」以外の何者でもなく、日本人狩りと称するカツアゲ犯常習の在日は平気で記者に採用する朝日も、さすがに健さんは採用しないというような。

 さらにいえば。ぼくなども、たとえば高倉健映画ベストテンなどを作ろうとすれば、たちまち大混乱に陥る。うー、あれは昭和残侠伝のどのタイトル?とか、日本残侠伝のどのタイトル、と、あまりにシリーズものが多くて、特定するのに、時間がかかる。
 コアな映画ファンですら、そうなのだから、いちいち調べてタイトルを同定しなければならぬこの種のベストテンにおいて、さらに東映時代の健さんが不利になるのは、目に見えている。
 一番いいのは、シリーズ物はシリーズ物として、一括して集計することだろうが。

 しかし、菅原文太が亡くなったときに、この種のベストテンを朝日がやったとも聞かないし、ほかの俳優でも、聞かない。朝日としては、「市民社会に折り合いをつけた、見事更正した健さん」「右翼陣営から見事に拉致奪還した健さん」を称揚すべく、この健ベストを企画したのでは、ないだろうか。

 本作の感想に、戻る(笑)。
 一プログラム・ピクチャアとして、最高度に健さんの魅力を発揮させた本作の快。
 末期の負け戦でも、あえて死地に赴く、無理矢理の明朗さ。すばらしい。
 そして対空戦闘シーンにおいても、当時のぼろぼろの記録映像と、ミニチュアワークの特撮と、プログラムピクチャアとしては、素晴らしい実写セットと、まぜこぜの工夫が、素晴らしい。
 記録映像フッテージは画質も悪く、保存も最低、しかもスタンダードサイズを、シネスコサイズにブローアップして、より劣化、ミニチュアワークの特撮は、サイズ描写が困難な海水の爆発描写が例によって稚拙、艦船実写は戦後民間船ロケの転用、なんだけれど演出編集センスのよさもあり、ムリクリでも、なんとなくだまされてしまうレヴェル。突貫工事が奇跡的に好結果を生む典型か。
 もちろん高倉健ベストテンには、まったく入る余地はないが、裏ベストテンには、有力候補と、みた(笑)。

★【高倉健 追悼】健さん主演の名作映画ベスト20-NAVERまとめ★
 なかなか面白い。最後の頃のページの、ヤクザ・有名人による、健さん文太比較も、面白い。

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by mukashinoeiga | 2015-07-23 13:01 | Trackback | Comments(6)

鈴木清順「けんかえれじい」

 池袋にて。「検証日本映画Vol. 15 川島雄三と鈴木清順 絶対熱烈支持宣言」特集。66年、日活。
 もう10回ほどは見ているので、あらためて見る必要はないのだが(笑)特集を紹介した手前?一度くらいは行くか、というところで(笑)。で、たまたま、見にいけたのが、この2本立てで。
 さして新発見はないものだが、日曜だというのに半分も埋まっていない新文芸坐。旧文芸坐時代の特集オールナイトでは、満場の拍手と檄が飛んだものだが、それも今は昔。

e0178641_1052267.png で、もはや、「けんかえれじい」について、リリシズムだの、リリシズムと表裏一体の戦前右翼的バンカラ的ヴァイオレンスだの、当たり前の感想を述べる段階でもないので(笑)そういうことは、初見のかたに期待していただきたい、というところ。
 ちなみに、たった一度の映画出演により注目され、絶賛される本作のヒロイン、浅野順子を、ぼくは好きではない。なんだかあごがでかくない?(笑) たしかに、ひとみきらきらのアイドルでは、あるんだが。

 で、今回、気になったのは、やはり、あの場面だ(笑)。
 イースターの夜、キロクと道子さんが手をつないで、の帰り道。桜並木。後世に語り継がれる名場面のひとつだ。
 で、その桜並木の道に平行して、片側は土手道である。そこにOSMS団団長タクアンが、いる。無名大部屋?片岡光雄の、絶品だ。
 オナゴと手をつなぎあっているキロクを、その軟派な行為はなんだ、と叱責するタクアン。
 すると、思わず逆走して、土手に乗り、さらに走ってタクアンのモトに駆け寄るキロク。
 一芝居あって、タクアンが去る際に、持っていた竹刀だったかで、桜の枝を、たたく。すると、紙製の桜の花びらが、はらはら舞い落ち、そこに叙情的な音楽。
 ああ、なんというセンチメンタルな名場面。その快楽。
 ここから清順といえば桜、桜といえば清順、という「伝説」が始まったのであり、のちに鈴木清順「春桜ジャパネスク」なる、つまらぬ凡作をヴィデオ撮りすることにさえなり、さらに鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」では、とっくに上映が始まっているのに、わざわざ桜を再撮影に行き、途中で差し替えするという、前代未聞の執着振りと、相果てる、その原点となった。

 しかし、のちに特権化されたこのシーンを冷静に見てみるに、桜並木は完全に背景であり、一度も桜がアップされることは、ない。
 単なる背景に過ぎないものがクローズアップされ、注目されたのは、ひとえに白黒画面にマッチした造花の妙と、リリックな音楽、タイミングよく降り注ぐ、散る桜。
 そういうセンチメントはわからぬでもないし、事実、何度もなんどもこの場面で、はらはら舞い落ちる桜に、こちらも貰い泣きならぬ、貰いはらはらになったのも事実である。
 しかし、紙製の模造桜、アップなしの、この名場面が、実写の桜で、花々のアップてんこ盛りの、凡庸な清順桜伝説に、あい果てる、この不思議というか、残念というか。実際、後々の実写の清順桜には、「けんかえれじい」のペーパームーンならぬペーパー桜以上に、感動したものは、ないのだから。清順といえば桜、とは、明らかに過剰な偽りで、あろう。

 そして、おそらく、清順とキムタケが、このシーンに眼目を置いたのは、背景の桜ではなく、土手ではないか。
 このコンビのさまざまな中二階趣味?から見てみるに、桜並木と並行してある、小高い土手、高橋英樹がそこに登るのに、わざわざ並木道を逆走して、土手に上り、また走って、タクアンにはせ参じる、というほとんど無意味なアクション。そこにこそ、土手と桜を仕掛け、それに乗った清順演出の本目が、あったと、思う。
 ところが、この中二階趣味?アクションは、無視されて、桜にいってしまった。ふたりは、内心、ずっこけたのでは、ないか。

『けんかえれじい』 予告編

 本篇では未使用、または再撮影された結果、ホンペンでは見られない貴重なフッテージが、後半にある。
 特に道子がキロクを会津に訪ねるシーンが、
◎本篇→大雪の冬、夜、屋内
◎予告→晴天の雪なし、昼間、屋外
 と、まったく正反対
 おそらく新藤兼人脚本どおりに撮ったものが、予告で再利用されたのだが、このシーンを、清順は、気に入らない。なんだか、ありきたりの青春映画そのものじゃないか、と。
 春、真っ盛りの青春の血潮は、桜とともにあり。散る桜の美しさよ。
 で、あるならば、青春の終わり、恋焦がれる女との別れは、降り注ぐ大雪のもとであっても、よいのでは、ないか、と。
 会津は東北である。東北を舞台にした映画なら、当然雪を出すべきではないか、と旧制弘前高校出身の清順は、考えたはずだ。
 会津を舞台にした新藤脚本に、雪のシーンがないのは、おかしい、という至極真っ当な考え。
 ラストシーンは、当然雪のシークエンスで、あるべきである、と。
 そして、この映画の舞台となるジェネレーションで、雪といえば当然、226事件か、という連想があり、226事件といえば、北一輝か、と、そういう連想の流れが、再撮影と、なったのでは、ないか。
 そこで、病欠していた清順映画常連の大部屋俳優・緑川宏をなんとしても呼べ、ということなのでは、ないだろうか。

けんかえれじい15分

 いにしえのTV録画の、しかも前半の岡山時代をほとんど無視の、しかもヒロインも、あまたある名面治面も無視の、乱暴なダイジェスト。しかし、この素人芸は素人芸として、なかなか味がある(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-07-19 10:09 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(0)

なかにし礼と12人の女優たち

佐久間良子が「リリー・マルレーン」を歌う!『なかにし礼と12人の女優たち』(7)

浅丘ルリ子が「愛のさざなみ」を歌う!『なかにし礼と12人の女優たち』(4)

水谷八重子が「時には娼婦のように」を歌う!『なかにし礼と12人の女優たち』(1)

大竹しのぶが「人形の家」を歌う!『なかにし礼と12人の女優たち』(10)

2015/01/19 に公開
■『なかにし礼と12人の女優たち』特設サイト
http://columbia.jp/nakanishirei/

◎おまけ◎黄昏のビギン。大竹しのぶ&山崎まさよし

【最後の出演】ちあきなおみ/黄昏のビギン


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by mukashinoeiga | 2015-07-17 12:29 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

鈴木清順「東京流れ者」渡哲也松原智恵子二谷英明川地民夫郷鍈治北竜二木村威夫

e0178641_1261173.png 池袋にて。「検証日本映画Vol. 15 川島雄三と鈴木清順 絶対熱烈支持宣言」特集。66年、日活。
 もう10回ほどは見ているので、あらためて見る必要はないのだが(笑)特集を紹介した手前?一度くらいは行くか、というところで(笑)。で、たまたま、見にいけたのが、この2本立てで。
 さして新発見はないものだが、日曜だというのに半分も埋まっていない新文芸坐。旧文芸坐時代の特集オールナイトでは、満場の拍手と檄が飛んだものだが、それも今は昔。
 クレジットのいちいち(主演だけでなく、常連の野呂圭介なども)、名場面のいちいち(また、清順映画には、これが多いのよ名場面)あげくのはてには色が変わるたび(また、清順映画には、以下同文)に拍手、そんなオールナイト体験を何回かしたのも、貴重な思い出(笑)。

★東京流れ者 by 渡哲也 OST『東京流れ者』より その1 : Songs for 4 Seasons★
 このことは、Songs for 4 Seasonsという名ブログの、一連の記事でも紹介されている。
 Songs for 4 Seasons氏いわく、この体験を、映画とは、ホットメディアかと思った、というのに、爆笑いたしました。
 いずれにせよ、このブログの一連の清順語り、映画語り、音楽語りは、きわめて、スノッブ(笑)で、皮肉が利いていて、面白い。大オススメです。

 さて、こういう素晴らしいブログを紹介したあとに、自分のお粗末なブログを引用するのは、正直、気恥ずかしい以外の何者でもないが、
★小津漬の味10 <小津家の兄妹>あるいはまとめに走らない、まとめ★
 あまり小津が好きとは思えない、元松竹助監督・鈴木清順『東京流れ者』は、実は小津大意識大会なのではないか。
 まずストーリーが、「親分と一緒にいるだけで幸せ」な子分・渡哲也が、庄内、佐世保、と地方を<流れる>話。行く先々でトラブルに巻き込まれる。最後は親(分)の死で終わる。親でなく子が流れるわけである。親・子逆転、東京・地方逆転の清順版『東京物語』。
 東京タワーと大きな枯れ木のツーショットは、『秋日和』の最初のショットたちを思わせる。 (注1)
 雪の中の赤い郵便ポスト、赤いスーツ、とやたらと点描される赤は『彼岸花』の赤いヤカンを思わせる。
天井を区切る独特な赤いライトは『秋刀魚の味』の岸田今日子のトリスバーの、天井近くの赤いライトを想起させる。ネオンサインのみで画面を埋めるのは、小津の看板好みを思い出させる。
 最後に死ぬ、裏切り者の親分に、後期小津常連で、小津に「ちょいと似てる」北竜二。小津殺しか。
 そしてこの『東京流れ者』、清順にしては、異様にローアングルが多い気がするのね(笑)。 (注2)
 そもそも、小津安と清順は、世界娯楽映画史上、どちらかが1位か2位かというくらい、ショットとショットのつながり、シーンとシーンのつながりが「でたらめ」というより、「デジタル」な、かつ極めてユニークな映像重視の映画作家であり、なおかつ意図的なまでの原色重視なのだから、結果として似てくる場合もあるのかもしれない。 (注3)
 なお、鈴木清順のインタヴュー記事で印象に残っているのは、小津との係わり合いを聞かれて、助監督仲間で安酒を飲んでいたら、小津がやってきて、もっといい酒を飲めといわれたという。助監督の安い給料で飲める酒を飲んでいたのに、金持ちの巨匠にそう言われて、若き清順たちは反発したという。同じような話を山田洋次も回想している。助監督仲間と安い食事をしていると、やはり小津が、いいものを食え、といったという。山田たちも助監督の安い給料で食べるような食事を・・・・以下同文。(引用終わり)

 清順も含めた、当時の松竹若手助監督らが、みんな反発していた、戦後の諸問題・感性を無視しまくった「箱庭」作りの老匠・小津と、先鋭的な斬新さゆえに異端視された清順が、実は、とっても、映像的にも編集的にも、似ているのではないか、という話は、実は、あんまり読んだことがないので、自分で書いてみました、拙いねえ、というところで。

e0178641_1271967.jpg で、今回新文芸坐で確認した点をいくつか。
(注1)雑然とした本の山のなかから、イマイチ探しきれないのだが、あまりよそでは読んだことのない、たいへんな知識量の映画評論家?が、キムタケに聞いた大部のインタヴュー集で、渡哲也が何度も何度も見る、きわめて印象的な枯れ木のバックにあるのは、東京タワーではなくて、赤坂に当時あったTBS電波中継タワーでは、ないか、という問い。
 キムタケは、(たぶん)きょとんとした顔で、そうだよ、それが、何か、といった趣? おそらくキムタケは、当時TV局にも出入りしており、赤坂あたりの実店舗のデザインも手がけていたであろう、いわば赤坂は庭同然、東京タワーと、東京放送赤坂テレビ鉄塔(TBS旧タワー、かつて港区赤坂5丁目の本社敷地内にあったという)を、混同するなんて、ありえない、どんな、田舎モノだ、という想いなのでしょう。
 しかし、ぼくも含めた、すべての田舎モノは、渡哲也が何度も何度も見ている枯れ木とタワーは、何の疑問も疑いもなく、東京タワーなんだ、と思っておりました。
 殺し屋は、殺し屋だから、人を殺す。女たらしは、女たらしだから、女をコマす。
 映画「東京流れ者」に出てくるタワーは、何の疑いもなく「東京タワー」である。そうじゃありませんか(笑)。
 しかし、今回池袋で、何十回目の再見(笑)で、改めて、これは、東京タワーではない、どう見ても、ひょろひょろの、東京タワーとは別モノの、なんちゃってタワーだと、初めて、確認いたしました(笑)。遅いよ田舎モノ。

 事実、以下のユーチューブ動画でも確認できるのだが、アヴァンタイトルのちの、オープニングの渡哲也歌唱主題歌とともに流れるクレジット映像に、確かに、東京タワーが、他の東京ランドマークとともに、一瞬インサートされる。
 最初に堂々東京タワーの実写映像を映し、しかも映画のタイトルは「東京流れ者」だ。
 そして、何度も、渡哲也がうら寂しく眺めるタワーが出てて、どうせお前ら田舎モノは、TBS電波中継タワーを、東京タワーと、見誤るんだろう、そういうふうに「誘導」してやるぜー、ふふふ、と、おそらく清順は、ほくそ笑んだのに、違いあるまい(笑)。

 おそらく、東京タワーと、程よい枯れ具合の枯れ木の2ショットを得られれば、東京タワーでロケしたのだろうが、そんな都合のよい枯れ木は東京タワーの周りになく、TBS電波中継タワー周りのロケハンで、見つけた。
 こいつあ、利用せざるばなるまい、と清順は(くりかえす)ほくそ笑んだのだ。
 偽りの東京タワー。それを「東京流れ者」なるタイトルの映画のなかで、随時引用すれば、映画的田舎モノは、みなみな、東京タワーと「錯覚」するであろう、と。
 しかも、愛する親分が、実は場合によっては自分を「切る」ことも辞さない「偽りの親分」で、あったことも、枯れ木とタワー、親分と自分のダブル・ミーニングに、しうる、と、思ったのでは、ないか(笑)。
 さすが、枯れ木に花を咲かす、意地悪花咲か爺さんだ。うーん。

上記画像説明 1977年8月撮影。TBSの旧ロゴも見えます。
「送 信 塔 見て歩き 東京地区 旧送信塔」というブログから引用)

e0178641_19202581.jpg(注2)江角英明親分と、北竜二親分が、ゴーゴー喫茶内部で、哲也切りも含む「談合」をするシーン、その椅子に座っているシーンが、異様である。これは、和室でのローポジに特徴がある小津映画を意識して、では登場人物が椅子に座っているシーンで、いわば洋風ローポジをやってみたら、ちょっと異様なシーンが、撮れた、撮れるだろう、という実験なのでは、ないか。
 小津のローポジと、清順好みの「中二階」多発は、どこかで、繋がっているような、気がしないでもない。

(注3)小津は、毎度毎度の、娘の結婚話ばかり、と揶揄される。映像の手数は多いが、お話は、どうでもいいタイブ(実は、小津映画の結婚は、通常の結婚とは、違うのではないか、ということも当ブログの特集小津漬けの味で展開しているのだが、それは、また、別の話)。そして、清順映画も、お話は、いたって凡庸。
 「東京流れ者」公開当時にキネ旬の映画評で載ったのは、「(大意)こんな何の工夫もない話を、十年一日のごとく作っていて、恥ずかしくは、ないのか」、というもの。
 いや、「東京流れ者」には、「工夫」しか、ないじゃないか、と誰しも思うと思うが、それは映像的ギミックの工夫であって、ストーリー、せりふは、きわめて紋切り型である。脚本上は何の新味もないストーリー、何の新味もない紋切り型のセリフのオンパレードである。
 映像派たる、小津も清順も、ストーリーには、何の興味も、ないのは、明らかである。
 ぼくには、このふたりは、映像上の、近親者に、思えて、ならない。

 なお、金融ブローカー日野道夫の事務員・浜川智子(もっと活躍してもよかった、吉永小百合を派手にした美形)ガ、読んでいる漫画週刊誌がオバQ。もちろん当時の人気漫画というところで選ばれたのだろうが、常に幽玄境のあわいを描く清順としては、あるいは、お化けの漫画、ということで、意図的に出したのでは、ないか。

 それで、思い出した。ほかの清順映画と同様、この映画でも、当時の実在の商品、ヘアドライヤーヤら何やらがバンバン実名ででてくるが(むろん三流監督扱いの清順が、タイアップを断りきれなかったという事情を、やけくそで、あえて強調する、タイアップをバカに仕切った作戦なのだろうが)、これも日本映画の慣習(企業名はおおむね仮名)に反して、大林組などの実在の企業名を、ことさらに出した小津の反骨精神?とも、通底するのではないだろうか。

オープニング - 東京流れ者 (1966)

『東京流れ者』 予告編

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by mukashinoeiga | 2015-07-13 01:42 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(4)

すごいぞ富士山

★14年ぶり成功「最も遠い距離」から富士山撮影 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)★ 2015年06月29日 14時50分
 富士山(3776メートル)から322・9キロ離れた和歌山県那智勝浦町の色川富士見峠で、奈良県天理市の住職新林正真さん(46)が富士山の写真撮影に成功した。
 「富士山可視マップ」を作製した田代博・日本地図センター常務理事(65)によると、同峠は富士山が見える最も遠い「最遠望距離」に位置するとされ、撮影成功は2001年9月以来2例目という。
 新林さんによると、28日午前4時10分頃、同峠の標高約900メートルの地点から撮影。撮影場所付近の空には薄雲がかかった時間帯もあったが、関東は晴れて空気が澄んでおり、条件に恵まれたという。
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和歌山県那智勝浦町の色川富士見峠から撮影された富士山(28日)=新林正真さん提供(焦点距離500ミリレンズ、露出時間30秒、絞りF9、感度ISO200で撮影)

◎おまけ(笑)◎ 【国会】辻元清美『安保法制と新国立競技場がダブって見える』 安倍総理『ザハ案は民主党政権が決めた』 平成27年7月10日

2015/07/09 に公開
国会 正論!素晴らしい質疑 小川教授が集団的自衛権の必要性 最新の面白い国会中継

すげえ・・・維新足立が民主党を完膚なきまで叩き潰す!安倍総理が敬意を表した珍国会!足立康史(維新の党)・安倍総理「喧嘩ヤジに『ウルセー!』と反発」国会中継・衆議院厚生労働委員会【ザ・社会問題 #31】


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by mukashinoeiga | 2015-07-12 08:19 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鈴木清順ベストテン(日活時代)渡哲也高橋英樹野川由美子宍戸錠小林旭

 池袋新文芸坐で「検証日本映画Vol. 15 川島雄三と鈴木清順 絶対熱烈支持宣言」という特集が現在上映中。
 ということで、鈴木清順ベストテンを、決めてみよう。まずは、製作年度順で、第一次選考。今回は日活時代についてのみ。
 で、第一次選考で、重要ではない作を、削った結果。いや、清順映画で、重要ではない映画など、あるはずもないし(笑)
e0178641_5505816.jpg
8.1957.03.08 8時間の恐怖  日活
13.1958.10.22 影なき声  日活
14.1959.01.15 らぶれたあ  日活
16.1959.09.08 素っ裸の年令  日活
18.1960.04.06 けものの眠り  日活
19.1960.06.25 密航0ライン  日活
20.1960.10.08 すべてが狂ってる  日活
21.1960.11.23 くたばれ愚連隊  日活
22.1961.02.01 東京騎士隊  日活
25.1961.08.27 峠を渡る若い風  日活
26.1961.10.01 海峡、血に染めて  日活
27.1961.12.01 百万弗を叩き出せ  日活
28.1962.06.20 ハイティーンやくざ  日活
30.1963.01.27 探偵事務所23 くたばれ悪党ども  日活
31.1963.04.21 野獣の青春  日活
32.1963.09.21 悪太郎  日活
33.1963.11.23 関東無宿  日活
34.1964.02.08 花と怒濤  日活
35.1964.05.31 肉体の門  日活
36.1964.10.03 俺たちの血が許さない  日活
37.1965.02.28 春婦伝  日活
38.1965.08.25 悪太郎伝 悪い星の下でも  日活
39.1965.11.13 刺青一代  日活
40.1966.02.05 河内カルメン  日活
41.1966.04.10 東京流れ者  日活
42.1966.11.09 けんかえれじい  日活
43.1967.06.15 殺しの烙印  日活

 このなかから、10本選ばなければならぬ(笑)。で、

e0178641_552795.jpg8.1957.03.08 8時間の恐怖  日活
14.1959.01.15 らぶれたあ  日活
16.1959.09.08 素っ裸の年令  日活
18.1960.04.06 けものの眠り  日活
19.1960.06.25 密航0ライン  日活
20.1960.10.08 すべてが狂ってる  日活
30.1963.01.27 探偵事務所23 くたばれ悪党ども  日活
31.1963.04.21 野獣の青春  日活
32.1963.09.21 悪太郎  日活
33.1963.11.23 関東無宿  日活
34.1964.02.08 花と怒濤  日活
35.1964.05.31 肉体の門  日活
36.1964.10.03 俺たちの血が許さない  日活
37.1965.02.28 春婦伝  日活
38.1965.08.25 悪太郎伝 悪い星の下でも  日活
39.1965.11.13 刺青一代  日活
40.1966.02.05 河内カルメン  日活
41.1966.04.10 東京流れ者  日活
42.1966.11.09 けんかえれじい  日活
43.1967.06.15 殺しの烙印  日活

 うーん、削られぬ(笑)。こうなったら「悪太郎」シリーズは一本にまとめ、野川由美子三部作は「河内カルメン」に代表してもらい(うーん「春婦伝」が、惜しすぎる>泣)、ということで、

e0178641_5554958.jpg14.1959.01.15 らぶれたあ  日活
31.1963.04.21 野獣の青春  日活
32.1963.09.21 悪太郎二部作  日活         
33.1963.11.23 関東無宿  日活
34.1964.02.08 花と怒濤  日活
36.1964.10.03 俺たちの血が許さない  日活
39.1965.11.13 刺青一代  日活
40.1966.02.05 河内カルメン  日活
41.1966.04.10 東京流れ者  日活
42.1966.11.09 けんかえれじい  日活
43.1967.06.15 殺しの烙印  日活

 うーん、削りに削って、このラインナップじゃあ。
 この時系列ベストを、本当のベストテンにする件については、また、後日(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-07-10 22:13 | 清順の光と影すべって狂ってる | Trackback | Comments(2)

ミラー「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

 以下は、兄弟ブログ「新・今、そこにある映画」に載せた感想駄文なのだが、ただならない傑作なので、こちらにも、載せます(笑)。

 MAD MAX: FURY ROAD 15年、アメリカ、配給ワーナー・ブラザース映画。2D字幕版にて。
 いやー、とんでもないノンストップ・アクション傑作だ!
 ゼヒ、大画面で見るべき。ジョージ・ミラー監督。
 一切の無駄な描写を省いた、限りなく体脂肪ゼロの映画、そして同時に、限りなく贅をつくしたゴージャスな映画
 そんな二律背反を、涼しい顔で実現してしまう、稀代の傑作である。
 石油や水が貴重な世界で、かえって貴重化したゆえに、非効率的な大量放出、その贅をつくしたポトラッチ、いくら絶賛してもし足りない。圧倒的な美、圧倒的な物量、圧倒的なアクション、素晴らしい! 

 ジョージ・ミラー、70歳、なのに、まったく枯れていないし、パワー全開。さすが、大英帝国からの遠島島流しの犯罪人の末裔であり、原住民アボリジニを、バンバン「民族浄化」して、ほぼ絶滅させた、肉食人種だけのことはある(笑)。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告編

【ネタバレ注意】映画『マッドマックス怒りのデスロード』町山智浩の評価と感想

宇多丸が『マッドマックス特集』を語る

宇多丸 語り足りない!「マッドマックス 怒りのデスロード」高橋ヨシキ


 マッドマックス役トム・ハーディが、いささか、線が細い。オーラが、ない。
 いろいろな映画に主演する注目俳優らしいが、オーラが、ない。それも、この映画に、合っている。
 実は、この映画、中学生以上の男子必見のヴァイオレンス映画なのにもかかわらず、妙にフェミニンなのね(笑)。
 マッドマックス以上のヒロインでもある、シャーリーズ・セロンなのだが、女マッチョであると同時に、女らしい「調整能力」も残す、きわめて(女/男融合の)ハイブリット。
 そう、この映画は、中学生男子以上の、男必見の映画であると同時に、実は女性も楽しめる映画なのだ。
 セロン、ひらひら薄絹のセクシー美女たちだけではなく、女系部族のばあちゃんライダー/戦士たちも活躍する、女たちのドラマでもある。
 マッチョとフェミニンの融合。そういうハイブリッドが、この映画のキモであり、だから、線が細いトム・ハーディが、意外に、映えるのだ。
 そういえば、ジョージ・ミラー、昔から、ばあちゃん、プッシュしていたよなあ。

 今年、この映画を見ずして、映画ファンを、名乗っては、いけないそういう映画

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by mukashinoeiga | 2015-07-09 23:25 | Trackback | Comments(0)

本多猪四郎「妖星ゴラス」円谷英二特撮

 阿佐ヶ谷にて。「風のように 映画俳優・池部良」特集。62年、東宝。
 こちらは、迷うことなき初見作。ああ、うれしい(笑)。
 冒頭、月明かりの湖畔沿い。トンネルから出てきた車が、急停止。
 乗っていたのが白川由美&水野久美。
久美「ね、ここで、泳いでみない?」と、脱ぎだす。
由美「えー、水着なんか持ってないわ」
「大丈夫よ、誰も見てないもの」
「それもそうね」
 東宝が誇る美形ふたりが、すっぽんぽんで、月明かりの湖畔で(笑)。
 期待が高まるなか(笑)、いきなりドカーンと、衝撃音。
由美「あ、お父さんの宇宙船。とうとう発射ね」
 と、真夜中の水泳は、置き去りに(笑)。
 脱ぎ終わって、泳いでから、発射しろよ、と(笑)。
 天空には月、湖水に裸の美女ふたり、そこへ宇宙船の軌跡。絵になるじゃあ、あーりませんか(笑)。

e0178641_19427.jpg妖星ゴラス 1962年(S37)/東宝/カラー/88分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:本多猪四郎/特技監督:円谷英二/原作:丘美丈二郎/脚本:木村武/撮影:小泉一/美術:北猛夫、安倍輝明/音楽:石井歓■出演:上原謙、志村喬、白川由美、水野久美、平田昭彦
近未来の世界で、地球の約六千倍の引力を持つ妖星・ゴラスが地球に接近。激突まであと二年。人類の危機を救うべく、いざ立ち向かう──。池部良は宇宙物理学会の博士役。壮大なミニチュアセットによる特撮シーンが圧巻のスペクタクルSFムービー。

 その白川由美の父・田崎潤艇長の宇宙船が、地球に近づきつつある巨大彗星を発見、全地球を挙げて、その衝突防止に取り組む。その、日本代表科学者が、上原謙&池部良の師弟コンビ。
 この、新旧の美男子コンビの、クールさというか、抜群の安定感の見事さよ。
 一コ前で感想駄文済みの久松静児「裸の町」では、優柔不断のダメンズを演じて、ま、それもそこそこ魅せる池部だが、上原共々の、何事にも動じないクールさは、池部ならではの良さ。

 さて、ここで、巨大彗星回避の二面作戦は、彗星爆破と、なんと驚きの禁じ手(笑)「南極大陸に原子力ジェットパイプを並べ66億メガトンの推力機関が計画され」地球の軌道を変えて、の対応。
 地球温暖化も、地球環境激変も、何のそのの、暴挙(笑)。の割には、環境激化の描写は、水没した東京とか、庭に南洋植物程度の、お粗末。現代なら、さまざまな環境破壊だの、環境激変の描写の数々になると思うが、そこまで意識がいっていないころの作品とあって、軽くスルーされているところが、時代か。
 巨大彗星回避の二面作戦のうち、彗星爆破は、軽く触れられるのみで、地球自体が逃げちゃう作戦(これを池部らが推進)がメインになるところが、いかにも専守防衛優先の日本らしい発想。

 これが、アメリカ映画なら、マイケル・ベイ「アルマゲドン」。とにかく彗星爆破のみを王道として推進。あの映画と比較しちゃうと、日本的発想の専守防衛策が、弱々しく感じてしまうのは、やむをえない。

 余談1 非怪獣系特撮映画として、いやあこういう怪獣抜きの円谷特撮も楽しいなあ、と思っていたら、やはりこらえきれなくなったらしく(笑)巨大トドめいた怪獣が、おざなりで登場。やはり、お子様観客には、怪獣は必須と見たか。
 南極への原子力過剰投入ゆえに、巨大化、って言う理屈か。といいつつ、本題ではないので、池部らが軽く怪獣処理。
 円谷ならではの、大人の特撮が、もっと見たかった。

 余談2 しかし「一九八〇年。富士山麓宇宙港から、園田艇長の第一回土星探検宇宙船隼号が離陸した」という時代設定には、ちょっとぴっくり。いかにも上登り、行け行けどんどんの60年代映画らしい。ここらへん、ちょっと韓国っぽい(笑)妄想設定。
 そのため、日本宇宙隊?に、東宝若手男優総動員。この陽性の(夏木陽介もいるし)、若さパワー炸裂の盛り上がりが、楽しい。ここらへんがいかにも東宝のよさ。

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by mukashinoeiga | 2015-07-09 01:10 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

久松静児「裸の町」

 阿佐ヶ谷にて。「風のように 映画俳優・池部良」特集。57年、東宝。
 本特集の数少ない未見作と、わざわざ阿佐ヶ谷へ。でも、既視感ありあり(笑)。しかし、それでも新作同様に楽しめる、ぼくのボンクラ脳。って、何度同じハメに(笑)。
 そもそもこんなことをしない防止策として、このブログを書いているのに、まったく役に立たない(笑)。

 お人好しで、ボンクラ、すぐ人にだまされてしまう危機管理能力のなさ、ザ・日本人な、池部良は、そういう役。まるでぼくみたいだが、ぼくみたいな半端モノではなく、池部の役は、徹頭徹尾の男の柳腰
 あんな男はダメだ、という親の反対を押し切って、駆け落ち結婚の淡島千景、結婚してみれば、親の言うとおりのダメンズ。
 後悔先に立たず。さっさと別れたい、とは思うものの、土砂降りの雨のなかに濡れっぱなしの子犬のような風情の池部に、なかなか決断も出来ず。

 このふたりを徹底的にむしゃぶりつくす大高利貸しに志村喬、中高利貸しにモリシゲ、小高利貸しに田中春男などなど。
 騙されつくす者たちと、だまし尽くす者たち。
 この構図はいつの時代にもあり、現代でも、息を吐くように嘘をつくだまし討ちの名人・韓国と、何度だまされても、まだまだ騙されるお人よしのボンクラ・日本の、対立など、まさにそのとおりの展開。

e0178641_1130234.jpg裸の町 1957年(S32)/東京映画/白黒/113分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:久松静児/原作:真船豊/脚本:八住利雄/撮影:玉井正夫/美術:小島基司/音楽:池野成
■出演:淡島千景、森繁久彌、杉村春子、志村喬、浪花千栄子、淡路恵子、山茶花究、左卜全
お人好しのレコード店の主人(池部)が狡猾な高利貸(森繁)に騙されてしまう。だが、その高利貸もまた…。お金をめぐる庶民の狂騒を赤裸々に描いた作品で、池部良は浮世離れした優男を演じる。夫に翻弄される妻たちのドラマも興を添える一篇。

 なぜ、志村やモリシゲや韓国は、人を騙すか。真っ当に物を作って、ささやかに日銭を稼ぐより、金や物件のやり取り(それは、地道な生産活動のまどろっこしさが、まったくない)でボロイ金儲けが出来るとわかっており、それが体質に合うからである。
 こういうナチュラルボーン詐欺師にかかっては、池部や日本は、まるで、歯がたたない。

 この池部の、あまりのボンクラ、お人よしぶりにドンビキして、とうとう別れ話の淡島。しかし55年、豊田四郎「夫婦善哉」も、こちらはダメンズがモリシゲ、その腐れ縁を淡島はなかなか断ち切れない、それと同様なことが本作でも再演される。

 おなじことは、モリシゲと、その妻・杉村春子のあいだにも、言える。杉村も、兄・織田政雄のアドヴァイスに従ったあまり、全財産を失う。日本映画最強(つまりは、最弱な)ダメンズ・織田政雄の、言うことなど、聞くべきではなかった(笑)。

 ほかの役者が池部の役を演じたら、あまりのボンクラぶりに、スクリーンに向かって、モノを投げつけるような不快感があったかもしれないが、池部のさわやかさと天然ぶりで、かろうじて成立している。
 モリシゲも、いけ好かない小悪党をコミカルに演じているが、中途半端。これが久松ではなく、モリシゲと相性がいい?トヨシロだったら、あるいは、傑作または怪作になっていたかもしれない。
 まじめな久松にしては、これが精一杯、というところか。

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by mukashinoeiga | 2015-07-07 11:30 | 面白メロドラ日記 久松静児 | Trackback | Comments(0)