<   2015年 05月 ( 19 )   > この月の画像一覧

ネットで拾った珍文:産経新聞

 いやあ、この起承転結の崩壊には、笑っちゃいましたよ。
★【日本人の座標軸(46)】今の青少年は「携帯を持ったサル」…スマホにない真の心の交流とは(1/3ページ) - 産経WEST★
 WEST大阪版だから、ぼくは紙媒体では、読めない。ネット時代ならではで、読めた。もっとも、それがお得かどうかは、また別の問題(笑)。以下引用。

 山上憶良が万葉集でこんな歌を詠んでいる。

 白銀(しろがね)も黄金(ごがね)も玉もなにせむに優れる宝子にしかめやも

 解説はいるまい。子供に勝る宝はないと歌っている。今から約1300年前、当時の子供の数は現在よりはるかに少なかったようだが、人間関係はむしろしっかりしていたようだ。
 今では連日のように子供が親に殺害されたり、虐待されたりする事件が起きている。近所同士が殺し合う事件も珍しくない。この歌が詠まれた頃は、電気も水道もない。
今思えば想像を超えた貧しい時代であったが、家族の絆ははるかに強かったのではなかろうか。
 過日、テレビを見ていると、女子高校生の4割が1日に6時間以上スマートフォンや携帯に時間をさいていると報道していた。多くの高校生や中学生が、平均数時間ネットを使っているという。
コミュニケーションは十分とれているように見えるが、それは仮想空間の世界で、現実は顔と顔が向き合った真の心の交流はないようだ。
 『ケータイを持ったサル「人間らしさ」の崩壊』(中公新書)を読んでいただきたい。今の青少年は携帯を持ったサルになっているのではなかろうか。
 大人も同じだ。東京に行ったおり、地下鉄に乗ると全員と言ってもよいほど、皆がケータイかスマホか知らないが、一心不乱になって親指を動かしておられた。
本を読んでいる人や会話をしている人はなく、「へー、何とまあ…」と思わず独り言を言ったことがあった。そうした体験をした数日後、偶然CS放送で映画「緑の小筺(こばこ)」を見た。概要は次の通りである。
 《ある日、妻のもとへ、夫が乗っている捕鯨船が難破したとの連絡が入る。思い悩んだ妻は床に伏してしまう。一人息子が「“お父さん早く帰ってきて”と書いた手紙をお父さんが作った木箱に入れて、家のそばの小川に流すと、お父さんに届くかもしれないね」と母に相談する。
雪の日の朝、願いを込めた手紙を、父が作った木箱に入れて小川に流す。木箱は川がいてついて止まったり、猿や野ウサギにけ飛ばされたりする。春になって氷が解けると、また流れ出す。
魚を釣っている少年に触られたりしながらダムを越えて、ようやく海に出る。最後は鯨に飲み込まれて胃袋の中に収る。
その木箱が偶然、捕鯨船上で鯨の胃袋を解体していた父の目にとまり、自分が作った木箱だと気づき、手紙を取り出して読む。父親は子供の願いに応えて故郷に帰り、久々に母子と再会する》
 有り得ないような話だが、私は小学生の頃、汗の臭いのする古い木造の体育館で、すきま風で波打つにわか作りのスクリーンに映されたセピア色のこの映画を、小さな胸をときめかせながら見たのを鮮明に覚えている。
もう70年近く昔の話だ。

 私が小学生の頃には、こんな歌がはやった。
 ♪とんとんとんからりと隣組 格子をあければ顔なじみ 廻して頂戴回覧板 知らせられたり 知らせたり…

 これが昔のコミュニティーの姿であった。近所同士の殺人事件などなかった。
今ではエベレストの頂上であろうと、地球の裏側であろうが、瞬時に携帯電話で話し合える時代になっている。しかし、その中に人間臭さや井戸端会議がみられない時代になったような気がする。

◇足立勝美氏は5月8日に死去しました。ご冥福をお祈りします。
■足立勝美(あだち・かつみ) 兵庫県立高校教諭、県立「但馬文教府」の長、豊岡高校長などを務め、平成10年に退職。24年、瑞宝小綬章受章。『教育の座標軸』など著書多数。個人通信「座標」をホームページで発信。養父市八鹿町在住。鳥取大農学部卒。 (引用終わり)

 山上憶良→ケータイ→映画「緑の小筺」→とんとんとんからりと隣組、このつながりに、なんら有機的関連性が、あるのか。
 少なくとも、ぼくには、丸きりの理解不能で(笑)。
 まあ、「遺作」らしいから、載せるのは、人情かもしれんが(笑)。
 丸きりの、言語明瞭意味不明の典型で。
 そつなく、いろいろのエピソードを団子のように串刺しして、体裁よくもっともらしく、まとめる新聞コラムの典型的珍品と見た。

 なお「これが昔のコミュニティーの姿であった。近所同士の殺人事件などなかった。」という、聞き捨てならない嘘八百がさらりと書かれていますが、これはいわゆる八つ墓村事件のような大量殺人でない限り、全国紙が全国的な大事件として過剰報道などしなかっただけの話。その時々のメディアの都合ですね。
 なお島耕二「緑の小筐」は、感想駄文済みでございます(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-31 10:32 | うわごと | Trackback | Comments(4)

弓削太郎「背広の忍者」

 神保町にて。「よみがえる田宮二郎―昭和を駆け抜けた狂熱の俳優人生」特集。63年、大映東京。
 旭電機は革命的なテレビ、AH4型とよばれる新しい秘密テレビを開発しているという。4インチの超小型携帯TVであり、自動車でも視聴できる画期的な製品だという。
 これは現在普及しているスマホや、ナビゲータ兼TVモニタのプロトタイプというべきもの。
 現在ではまったく当たり前に普及している汎用品の、開発初期における熾烈な企業スパイ活動を描く。
 (昭和的に)泥臭くもかっこいい田宮二郎、及びその調査会社・上司の高松英郎のクールなかっこよさが、楽しめる。

背広の忍者 <神保町シアターHPより>
S38('63)/大映東京/白黒/シネスコ/1時間28分
■監督:弓削太郎■原作:邦光史郎■脚本:白坂依志夫、江戸川弦■撮影:石田博■音楽:池野成■美術:山口煕■出演:田宮二郎、滝瑛子、高松英郎、伊藤雄之助、杉田康、竹村洋介、北城寿太郎、早川雄三、高村栄一、花布辰男
テレビの開発に絡む調査を行っていた会社の社長が、不審な死を遂げる。事件の真相を探る社員の日沼(田宮)は、調査屋ならではの戦術で忍者の如く黒幕を追い詰めていく。正義漢の若きサラリーマンが社会の闇に挑む産業スパイもの。怪優・伊藤の胡散臭い悪役は絶品! *16mm上映

 本作では、4インチTV開発、そのダミーとしての16インチTV開発の発表、という趣向だが、
★Sony Japan|Sony History第13章 IREショーで見つけたもの★  <ソニーHPより抜粋引用>
井深たちは、8インチのポータブルテレビ「TV8-301」(第9章参照)を発売した直後から、それをもっと小型に、もっと高性能にしたものを出そうと着想を重ねていた。それが、5インチのマイクロテレビ「TV5-303」である。この開発は、他社に気づかれないように進められ、試作名称も“SV-17作戦”と付けられた。ソニーは17インチのカラーテレビを開発しているのではないか、という目くらまし作戦である。それだけに、技術研究、試作、生産とすべてが秘密で、情報が漏れぬよう関係者たちは神経を使った。
(1962年)「天皇に口どめ」という前代未聞の行為で秘密は無事保たれ、4月17日、世界最小・最軽量のマイクロテレビ「TV5-303」は新聞発表された。翌18日の主要新聞各紙は、これを写真入り3段のスペースをとって報道。「TV5-303」は華々しいデビューを飾った。
 このマイクロテレビのお陰で、ソニー・アメリカは一息ついた。それまでは、売り上げにいちばん貢献するテープレコーダーは販売代理店のスーパースコープ社が扱っており、ソニー・アメリカで売る主力商品といえば、トランジスタラジオしかなく、売り上げ額もソニーの国内販売の名古屋支店分くらいしかなかったのだ。(引用終わり)

 と、本作の前年の実話では、5インチTV開発、そのダミーとしての17インチTV開発の発表と、映画のサバ読みが判明。
 しかし映画では、ライヴァル家電メーカー関係調査員を殺してまで秘密を守る、ということになっており、ソニーはこれに抗議していなかったのか(笑)。
 ま、堂々と鉄道ロケしておきながら、脱線描写は当たり前に撮影されており、それほど当時の映画会社は勢いがよかったというべきか、企業が自社イメージの、マイナス描写に、まだまだおおらかだった、というべきか。
 現在だったら、人を殺してまでも、またヤクザを使ってまでも嫌がらせをする、新製品開発を進めるソニー、なんて描写が映画や原作小説に現れたら、名誉毀損の訴訟モノだろう。
 なお、電機(ソニーがモデル?)と、熾烈な産業スパイ合戦を繰り広げるライヴァル社・東邦電機は、やはり松下あたりか。
◎追記◎仮称が東邦電機なんだから、ここは、ヤッパリ東芝でしたね。
なお、大映プログラム・ピクチャアにしては、小型TV製造工場の描写が、リッチ。まさか極小ブラウン管を、映画の小道具として量産したとは思えず、ソニー=旭電機に対抗するカウンター・パートナー(にして、二番煎じを狙う)東芝の工場を、撮影に借りたのか。
 ということは(笑)先行するソニーに追いつけ追い越せで、ソニーの犯罪行為を暴く映画に加担したのか、東芝(笑)。

 大映プログラム・ピクチャアならではの、クールな描写がグッド。なお高松所長、田宮調査員の勤務する、三流調査会社の描写が、大映的ミニマム描写で、すばらしい。入り口ドアは、すぐ目の前に立つ電柱ゆえ、少ししか開かず。毎度毎度田宮が、いらだたしげに、扉ドアに、入っていく。
 唯一の女事務員が、花も色気もあったものではない、ふてくされ顔の、ブスなオバサン。
 これが東宝だったら団令子、日活だったら田代みどりか、松竹だったら鰐淵晴子か、まあ、各社いろいろいる、ぴちぴち若手女優が演じるだろう、だってほかは男ばっかりなんだから、ここは、ひとつ、華やかな女優を、と、なるじゃないですか。
 それを大映は、地味で不細工なオバサン。さすが大映。
 高松のへヴィースモーキングに、プチプチ地味に文句を言う地味なおばさん。ああ、いいなあ(笑)。

 ラストは、この種大映サスペンスの、田宮モノとしても意外に、明るい、ヒロイン滝瑛子との、そぞろ歩き。うーん、珍しい(笑)。しかし、大映的にも、田宮的にも、なんだか生暖かいラストで(笑)。もっと、クールでなくちゃあ(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-30 01:36 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

小林恒夫「点と線」

 京橋小ホールにて。「京橋映画小劇場No.30 アンコール特集:2014年度上映作品より」特集。58年、東映東京。
 再見だが、ほとんど新作同様で楽しめた(笑)。いにしえのボケボケの名画座プリントて見たものと、今回のニュープリントで見たものと、まったく印象が違うのも、仕方ない。さすがの美映像。
 以下、ネタバレあり。

点と線 (85分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
1958年、松本清張ブームが起こり、一気に計5本の映画化が実現する。本作は、そのブームの発端となったベストセラー長篇の映画化。海岸で発見された男女の情死体に隠された謎を、2人の刑事が突き止めようとする。イタリアで開発されたフェラニアカラー方式を、日本で唯一用いた作品である。
1958(東映東京)(監)小林恒夫(原)松本清張(脚)井手雅人(撮)藤井静(美)田辺達(音)木下忠司(出)南廣、髙峰三枝子、山形勲、堀雄二、加藤嘉、志村喬、小宮光江、月丘千秋、奈良あけみ、楠トシエ、河野秋武、三島雅夫、風見章子、光岡早苗
→「日本の初期カラー映画」特集より

点と線(85分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>元特集より
1958年、松本清張ブームが起こり、一気に計5本の映画化が実現する。本作は、そのブームの発端となったベストセラー長篇の映画化である。海岸で発見された男女の情死体に隠された謎を、2人の刑事が突き止めようとする。当時のラボ担当者によって、ブルー系の色彩が非常に鮮明だという評価が残されている。
'58(東映東京)(監)小林恒夫(原)松本清張(脚)井手雅人(撮)藤井静(美)田辺達(音)木下忠司(出)南廣、髙峰三枝子、山形勲、堀雄二、加藤嘉、志村喬、小宮光江、月丘千秋、奈良あけみ、楠トシエ、河野秋武、三島雅夫、風見章子、光岡早苗
◆フェラニアカラー
イタリアのフェラニア社は、1950年に内型ネガ・ポジ方式のカラー映画フィルムを発表。多くのイタリア映画がこれを用いた。日本では唯一『点と線』でのみ用いられた。

 このイタリア由来の新フィルムを、試して、しかし一回で消えていったのは、コスパのモンダイか。
 富士フィルム(いまや、映画フィルム生産停止の、機に見るに敏なヤツ)が「東映さん、おやめなさいよイタリアのナンチャらフィルムなんて、うちなら半額でやりまっせ半額で」などと営業が攻めたと思しい(笑)。むろん根拠なき推測よ(笑)。
 しかし一回きりでやめたには惜しい、いかにもイタリアらしい?はなやかな、コントラストの強い、陽気な極美カラー。素晴らしい。

 とはいえ、清張ミステリに、カラーは、合うのか(笑)というモンダイもある。
 どろどろの人間関係と、その因果愛欲我欲の犯罪と、それを地を這うように捜査する刑事たち。白黒映画の世界?にベストマッチ、というのが、従来のイメージだが。
 その世界に、華やかなカラーは、合っていたのか。
 なんてったって、地味地味新人南広の第一回主演作の、しかも、まだ映画的には海のものとも山のものともつかぬ清張原作初発でっせ。どこに、外国産カラーを試す要素が?
 考えられるのは・・・・。

 田中春男・富士フィルム営業「何や、東映はん、水臭いやないかぁ。わいに内緒で、なんやらイタリアもんのフィルム、つこうそうやないの。富士フィルム、お払い箱でっか」
 志村喬東映資材係長「う、まあ、そう、早合点しなさんな」
 田中春男「早合点も何も、ほんまのことでっしゃろ」
 志村喬「う、まあ、そうだが、しかし」
 田中「なーにが、しかしぃ、や。しかしも、へちまも、あらしまへんで」
「う、何せ、上のもんが、イタリアの会社と交渉しよってなあ」
「で、お払い箱でっか、わてら」
「だから、そう、早合点するなって。まあ、呑めや」と、銚子を差し出して、
「そら、こうなったら、呑みまっせ、自棄酒や」と、ぐびっ。「わし、東映さんとの取引なくのうたら、首モンでっせー」
「だから、ま、上のモンが話し持ってきたもんだから、とりあえず、ま、一本試してみよう、か、と、という段階だよ」
「で、ためしにつこうて、ヒットしたら、そら行こう、というのが東映はんでっしゃろ。わかってまんがな」
「でも、あるが、やはり、外国産、高い高い」
「そら、そうでっしゃろ。うちらなら、あちらさん一本で、三本は作れまっせ」

 で、ためしの一本は、大作で試すのは、ちょっと危険? と、言うことで、主役も地味な新人、監督も地味な職人、原作もいまだ海のものとも山のものともつかぬ清張モノ、で、恐る恐るの小手調べ。
 ただし、北海道から博多まで、犯人および刑事が駆け回る映画だから、観光映画の側面もあり。ここら辺でカラー映画の華やかさを担保。
 戦前以来の美人女優・高峰三枝子の、残り香のような?お色気も、カラーならでは。

 こういう恐る恐るのトライアルで、やっぱり華やかきれいだけど、国産モノに比べて、バカ高だよね、と。
 これからも、お前ら使うから、その代わりせいぜい勉強せいよ、じゃなかったら、洋モノ導入しちゃうぞー、てな、国産メーカー脅しのイチマク? うーん、義理欠く金欠く人情欠くの東映三角マークなら、ありそうだ?(笑)。

 で、映画の内容だが。
 深窓の令夫人・高峰三枝子が、時刻表を熟読玩味する鉄ちゃんだったとは(笑)。で、婦唱随夫で、鉄道アリバイを画策するとは。松本清張、元祖オタクともいうべき(笑)趣向に、やや、アゼン。
 しかし、一見紳士風、実はヤサグレな悪党・山形勲が、妻の鉄ちゃん趣味に、大きく示唆されていたとは。
 高峰が、時刻表トリックを考え付かなければ、山形は、犯罪を企図しなかったかも知れぬ(笑)という可能性(笑)。
 まじめな体裁の裏側の、珍品性(笑)。
 ただし、カラー映像は、絶美なニュープリント。

 清張映画の刑事たち、官費旅行?で、日本各地に飛ぶ。当然、これもまた、メロドラマ伝統の「観光」映画なのだ。
 一般的なメロドラマは、男が女を、あるいは、女が男を追って、全国をさまよう。
 清張モノにあっては、刑事が犯人の痕跡を追って、全国をさまよう。
 この側面も、また、清張映画が強力に支持された理由だろうか。
 すべては、メロドラマを、目指すのですね。

松本清張 「点と線」 高峰三枝子 1958年 1/6

2015/04/22 に公開『点と線』(てんとせん)は、松本清張の長編推理小説。『旅』1957年2月号から1­958年1月号に連載され、加筆訂正の上、1958年2月に光文社から単行.

 当ブログに掲載すると、たちまち削除。当ブログは、フリー映像提供の味方か、映画会社の違法映像摘発の尖兵か(笑)。
 ま、見るなら、すぐに見ることに違いなし(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-29 23:17 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(3)

沢島忠「水戸黄門 助さん格さん大暴れ」

 京橋にて。「日本映画史横断⑥ 東映時代劇の世界Part 2」特集。61年、東映京都。
 つまり、当時の新進監督・沢島忠による、パロディー版。月形龍之介も、こういうパロディー版でも、不動の威厳。

e0178641_1028954.jpg水戸黄門 助さん格さん大暴れ(92分・35mm・カラー)
月形龍之介主演の「水戸黄門」シリーズ最終第14作。当時売り出し中の松方弘樹と北大路欣也が、水戸光圀の家臣になる前の、青年期の助さんと格さんに抜擢され、正義感に溢れる若者を溌剌と演じる。「新人登用試験」や藩政における不正や腐敗の描写など、現代風刺がてんこ盛りの1作。
1961(東映京都)(監)沢島忠(脚)白坂依志夫、鷹沢和善(撮)山岸長樹(美)井川德道(音)佐藤勝(出)月形龍之介、松方弘樹、北大路欣也、北条喜久、渡辺マリ、岡田英次、小沢栄太郎、田中春男、夏川静江、清川虹子、菅貫太郎、小柴幹治、明石潮

 もうそろそろ人気シリーズも、鼻につき始め、というか、興収面でジリ貧になり飽きられてきたころ、こいつあ斬新監督に、ひとつ、任せてみましょう的な。ま、それもむなしく最終作となったというところか。
 面白いことは面白い。
 老人を主役から離し、若手ふたり組みの、やんちゃな大暴れに託す。
 正統派アイドルの北大路、やんちゃなヘン顔のひょうきんアイドル松方、ともに出色なり。の、アイドル映画の佳作とは、相成ったが。
 自農の水戸光圀が、自ら作った米による握り飯を助さん格さんに振舞い、「わしの米には、農薬など入っておらんぞ」といったり、時代劇なのに、英語由来の外来語を混ぜたり「現代風刺がてんこ盛り」な、パロディ的なつくりが、まあ、当時は「現代的」な新風を、「旧態依然」な東映時代劇に吹き込んだ、新しさ、というところか。
 しかし、沢島忠の新規さ、って、「現代の視点」から見たら、それほどのもの?って、思うのも事実であり。
 新規な外来語の時代劇への導入なぞ、とっくの戦前、マキノ雅弘/マキノ正博「鴛鴦歌合戦」などなどでもやっており、むしろ手垢がついた手法といっても、いいくらい。

e0178641_10291313.jpg ぼくは、常に疑問なのだが。
 淀みによどんだ(というのは、いささか、言い過ぎだとは思うが)旧習墨守の東映時代劇にあって、ちょこまかと新風を吹き込んだ沢島忠だが、むしろ実力以上に過剰評価されているのでは、ないか、というのが、ぼくの率直な感想で。
 本作脚本は白坂依志夫・鷹沢和善による。鷹沢和善というのは、沢島忠夫妻の共同ペンネーム、とのこと。ここら辺も、沢島の斬新さ、といったところか、ま、あくまでも、東映内部では、ですが。
 脚本が白坂ということであれば、他社ながら、増村保造が演出したほうが、絶対面白くなっていた、と断言できる。

 ゲスト・ヒロインが、ドドンパ娘・渡辺マリというのも、珍しい。感想駄文済みの松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」59年では美空ひばりだったから、ずいぶん斬新で。やはり彼女としては、オトナシメの曲を歌うのが、伝統シリーズへの配慮か(笑)。渡辺マリも、そのパワー素晴らしく、もっと女優として、活躍してほしかった。

 なお、水戸藩の悪家老といえば藤井紋太夫だが、その藤井・岡田英次は、仮にも欲を出した家来・花沢徳衛を斬り捨てているのであり、その岡田をお咎めなしとは、黄門采配、いささかお花畑なお子さま志向では、あるまいか。
 あと、水戸出身者として言わせてもらえば、水戸城にいた助さん角さんが、次のショットで、大洗とは。単に海に向かって、バカヤロー、というには、水戸と大洗は、徒歩では相当の距離だぞ(笑)。
 東映京都撮影所で、手近の海岸ロケ、とは、いったいどこに行っていたのか、はいささか気になるが。

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by mukashinoeiga | 2015-05-24 10:30 | 旧作日本映画感想文 | Trackback(1) | Comments(2)

松田定次「水戸黄門 天下の副将軍」

e0178641_23592288.jpg 京橋小ホールにて。「京橋映画小劇場No.30 アンコール特集:2014年度上映作品より」特集。59年、東映京都。
 なんというゴージャスな娯楽映画。
 普通この種のオールスタア映画は、ぬるいユルユル映画になりがちだが、緊密な脚本が、完璧なエンターティンメントに。

e0178641_23534324.jpg水戸黄門 天下の副将軍 (94分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
月形龍之介の「水戸黄門」シリーズ第12作で、シリーズ最高傑作とも評される1本。水戸のご老公が、実子で高松藩主の松平頼常(中村)が正気を失ったという噂を聞きつけ、高松に赴いて真相を確かめる。人物たちを次々と関連づけていく小国英雄の洗練された脚本が見事。
1959(東映京都)(監)松田定次(脚)小国英雄(撮)川崎新太郎(美)鈴木孝俊(音)深井史郎(出)月形龍之介、中村錦之助、東千代之介、里見浩太郎、丘さとみ、若山富三郎、三島雅夫、大河内傳次郎、山形勲、進藤英太郎、大川橋藏、美空ひばり
→「日本映画史横断⑤ 東映時代劇の世界」より

 一行がゆるゆる街道を歩きながら、歌う格さんに里見、それに合わせて踊る助さんに、千代之介。里見は、のちのTV版で、助さんと、水戸黄門を、演じたらしい(前者は見たかもしれんが記憶になし、後者は未見)。
 大川橋藏は、例によって水も滴る「謎の板前さん」実は公儀隠密。橋蔵も、若死にしなければ、何代目かのTV版水戸黄門を絶対に演じたに違いない。見たかった。
 水戸黄門の実子に、錦ちゃん。ゲスト出演で、狂人風演技を、思い切りはじけて快演。錦ちゃんも、長生きしていれば、あるいは水戸黄門を演じたかもしれないなあ。
 錦ちゃん付きの腰元に、美空ひばり。風格ある(笑)水戸黄門映画で、歌うか。
 歌うのである。
 さすがに、オトナシメの曲を(笑)。そして何よりも、風狂の果て、踊り狂う錦ちゃんに、殿様は狂っていないのです、踊っているのでございます、と即興風に踊り合わせるひばりの、なんというゴージャス。
 このひばりも、長生きしていれば、水戸黄門に・・・・・ま、それは、ないか(笑)。
 そして、ころころ可愛い丘さとみ、デブなのに(笑)可愛いアイドル女優。
 水戸家家老にコミカル演技の大河内傳次郎、大河内は、戦前に水戸黄門を演じていた、という知識もあるが、事実か。
 さらに、あるブログによれば、加藤玄蕃(高松藩士)役・加賀邦男は、「黄門シリーズの初代・格さん!」とのこと。しかし黄門シリーズの初代とは、なにか。うーん。

 そして、何気ない顔の水戸黄門・月形龍之介の、絶対的美。何気ない顔の、しかしにじみ出る威厳。ベスト水戸黄門。
 月形龍之介は、素顔、というのもヘンだが、普通の顔では、なんとなく安定を欠いていて、黒沢明「姿三四郎」では、クレイジー野郎を演じたりするわけだが、白髪、シラガひげの、水戸黄門になると、絶対的な威厳を具現する。
 その圧倒的な威厳美。グッド。
 なお、かくもにぎにぎしいオールスタア映画になると、タグには、何人も入れたいのだが、あいにくエキサイトブログでは三つの枠しかなく、泣く泣くあきらめました。御容赦。

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by mukashinoeiga | 2015-05-23 00:00 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

トイレ問題名案:素晴らしいぞ有村治子

 今週発売中の「週刊新潮」中国人観光客を驚かせたいトイレ大臣「有村治子」のトイレ美化計画記事を、読みまして、目からウロコ(笑)。素晴らしい。スパシーボ。ぐらっちぇ。しぇしぇ。いくら絶賛しても、したりないぞ(笑)。
 基本は二つ。
1 どこでも汚らしい「公共トイレ」に、企業広告を掲示させて、その利益から、公共トイレの充実を図る
2 全国に数多くある交番に公共トイレを併設して、安心安全な公共トイレを確保

 素晴らしい。素晴らしすぎるぞ(笑)。
 これに触発されたぼくの提案は、
3 公共トイレに、ネーミングライツを設定。「◎◎公園TOTOトイレ」とか、トイレメーカー、その他の企業メイカーのネーミングで、安心安全なトイレに、企業名をつける。
4 いや、交番だけでなく、郵便局、銀行などにも設置を奨励する
5 こうなったら、オレオレ詐欺防止のためにも、交番にATM設置。迷っているお年寄りに、警官が対応も。
 などと、いろいろ可能ではないか。トイレもATMも、その大効果の割には省スペースで実現可能では、ないか。
 
 実はワタクシメ、恒常的酒飲み、なおかつ腸関係が弱く、つねに大便関係(笑)が弱い。
 これまでの人生で、もらしそうになって、公共トイレ、民間企業トイレを見つけられず、あるいは先取使用者の空きを期待できなく、次のトイレを探しての、爆発、あるいは自宅トイレへの到達が、若干間に合わなくての、暴発爆発は数知れず(笑)。
 一番惨めだったのは、彼女と呑んだあと、ホテルのトイレで暴発(笑)(笑)。まだ、若かったので、必至に処理、そ知らぬ顔で済ませようとして、トイレを掃除に時間をかけ、あれは絶対に不振がられただろうなー(笑)。
 数多くの恥多い人生を忍んでまいりました(笑)。
 ですから、ぜひ、この有村治子提案は、実現させていただきたい。
 寒風吹く中の、極悪公共トイレの、寒々しさ。公共トイレを捜し求める焦燥感(笑)。この根絶を、ゼヒゼヒお願いしたい。有村さんは、このトイレ改善を、女性の社会活躍進出へ結びつかせいているようだが、そういった女性進出とは一切無縁の弱腸おっさんも、支援していますぞ(笑)。
 有村治子いる限り、安倍政権を絶対支持(笑)そういうおっさんも、いるのです(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-22 11:31 | うわごと | Trackback | Comments(0)

コメント機能が改善されたよう

 エキサイトブログのコメント機能が、ここ半年くらい改悪されて、別ウィンドウに書かねばならないという煩雑さ、に、なっておりました。
 エキサイトブロガー専用の会員ブログでも罵倒一辺倒の改悪でした。
 それが改善というか、旧に復して、同一画面でのコメントが可能になりました。
 当ブログ、コメントが(ほかの人気ブログに比べて)極端に少なく(笑)ま、不人気弱小ブログとしては、いたしかた無しというところですが、簡単に戻ったので、これを期に、ゼヒゼヒお気軽にコメントくださいませ(笑)。

 ただし当ブログのローカルルールとして、「くだらん」「つまらん」、と1・2行で、切り捨てるのは、おやめいただきたい。
 根拠が明示されていないので、
1 感想対象の映画がつまらないのか、
2 感想駄文がつまらないのか、
 それすらも、判別できないのですから。まあ、たいてい2だとは、思いマスが(笑)イマイチはっきり確定できないので(笑)そこんとこ、よろしく。
 また「くだらん」「つまらん」の一言で「全否定」されても、どこをどう「改善」していけばよろしいのか、当方まったくわかりませんので、少なくとも、これこれの理由で、お前の感想は、間違っている、と、ちゃんと理由を書いてくださいませ。
 「くだらん」「つまらん」の一言で、終わりにするのは、ひと様のブログに対するピンポンダッシュに過ぎなくて、それは大の大人のすることじゃあござんせんよ(笑)。

 なお「素晴らしい」「面白い」という一言なら、特に「対策」を立てる必要がないので、一二行でも、いいです(笑)。
 最近導入した「イイネ」クリックも、当ブログ、まことに少ない(笑)ので、こちらもよろしく(笑)。

 と、コメント数を増やしたいんだか、どうなのか、まことにビミョーなご案内でしたが(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-22 10:35 | 業務連絡 | Trackback | Comments(0)

工藤栄一「大殺陣」

 京橋にて。「日本映画史横断⑥ 東映時代劇の世界Part 2」特集。64年、東映京都。
 傑作である。やはりキング・オブ東映集団時代劇、工藤栄一、風格すら漂う。再見。
 にこにこ笑顔が似合う、ほのぼのお父さん役者の、大坂志郎をあの役に。ベスト・キャスティング。

大殺陣 (118分・35mm・白黒)<フィルムセンターHPより>
将軍・家綱の後継に甲府宰相・綱重を擁立し実権を握ろうとする大老(大友)の企みを阻止すべく、軍学者・山鹿素行(安倍)のもとに結集した一党が綱重暗殺を計画する。『十三人の刺客』の工藤栄一と池上金男コンビによる「集団抗争時代劇」。クライマックスの襲撃シーンには、安保闘争のニュース映画の音声が加えられている。
1964(東映京都)(監)工藤栄一(脚)池上金男(撮)古谷伸(美)富田治郎(音)鈴木静一(出)里見浩太郎、河原崎長一郎、平幹二朗、宗方奈美、大木実、大坂志郎、砂塚秀夫、稲葉義男、加賀邦男、安倍徹、山本麟一、原田甲子郎、三島ゆり子、園佳也子、春日俊二、成瀨昌彦、大友柳太朗
e0178641_945468.jpg 当時の東映のポスターから、異常にかけ離れた構図。

 池上金男の脚本は、ひねりに、ひねっている。

 軍学者・山鹿素行に共鳴する同志・弟子が次々捕えられ、拷問され、殺されていく。追い詰められた山鹿一派が、採った奇策とは。
 これらの過剰警察行動の主役は、大目付・大木実であり、それを命じたのは大老酒井雅楽頭・大友柳太郎である。
 いわば幕府体制側による白色テロ、これを21世紀の今日に至るも、堂々採用しているのが、ナニを隠そう、って隠しようもないが、アフリカはさておき、東アジアでは、中国と北朝鮮の、二国もある。
 さて、警察2トッブは、警戒して、警備が厳しく、テロるワケにも、行かない。もちろん「多様な飛び道具」が充実しているこんにちでは、いかに警備がきびしくてもテロれる可能性はあるが(最近はその飛び道具に、新たにドローンなるものが加わり、ますます充実)幕末ならぬ江戸時代においては、剣のみが武器だから、かなわない。

 ここで注目されたのが、大目付のバックには大老、大老のバックには、次期将軍候補・甲府宰相綱重だ。
 次期将軍候補が、後ろ盾であるおかげで、大老酒井雅楽頭の権力は、未来的にも担保されている。綱重を「排除」できれば、その他の次期将軍候補たちと、酒井雅楽のあいだに繋がりはなく、むしろアンチ酒井雅楽、もはや山鹿一派の抹殺どころの騒ぎではない、自分の地位の心配をしなければならなくなる。
 そして次期将軍候補は、自分が殺されるという理由が存在しないがゆえに、警備は通り一遍だ。
 なんという斬新な戦略か。
 トカゲのシッポ切りというのは、世にあまたあるが、これは、アタマ切りというべきものか。
 上司による、部下切りというのは平凡だが、部下を排除するために、上司を撃つ。
 将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。これが世の常識。
 ところがこの映画では、馬を射んと欲すれば先ず将を射よ、と。
 何たる革新的戦略であることか。これこそ真の下克上ではないか。
 部下のために、殺された綱重さんも、まことお気の毒(笑)。何の罪(笑)もないのに。むろん史実ではない、史実をりクリエイトした創作だが。

 池上金男の脚本、工藤栄一の演出、ともに見事、それらを支えた撮影陣(当時の重いキャメラでの手持ち撮影の素晴らしさ)、美術も見事。
 それまでは何の活躍もしない遊び人の安旗本・平幹二郎の、ラストでの唐突さ。ここは、当然そうなるだろう、という「配置」で、「お約束感」に溢れているのだけが、唯一のカキンか。
 おそらく吉原の寝床か、酒飲みの最中に、騒動の音を聞き、窓からのぞき見る、というシーンも当然撮影したのだろうが、それがあったら、この修羅場の緊張感は実現できなかっただろう。緊張感優先で削除されたと思う。

 なお、終映後、ぼくの前を行く白髪の老人が「難しくて、よくわからん」とつぶやくが、
1 世の中には、単純なスジの娯楽映画しか、理解できない人もいる
2 映画が難しいわけでなくて、描かれた複雑怪奇な社会の闇に対する拒絶反応
 さて、どちらか。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 
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by mukashinoeiga | 2015-05-22 09:14 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

フィルムセンターと、その観客の質

 京橋フィルムセンターに来る観客は、大方二つの客層に分かれると思う。
 退職して暇なので、昔見たようなOLD映画を、もう一回見てみようか、というお年寄り。まあ、これが大部分か。
 そして、少数の、とにかく映画と名がつくものなら、何でも見てやろう、という映画バカ(笑)。
 そして、なぜか、というのも変なのだが、最近若い人が、ごくごく少数だが、増えている? 学生風? これは、四月以降、東京デヴューした若い衆が、ひとつ珍奇な?映画なるものも、見てやろう、という野次馬精神か。

 なぜ、こんなことをわざわざ書くか、というと、上記その他は、どうでもいいのだが、ごく少数の映画バカは、本当にバカなんじゃないか、という話だ(笑)。

 ここ最近大ホールで映画を見ていると(小ホールでは、そういうことは、ない)途中、映写のピント精度が、必ず、落ちる。
 なんといったらいいのか、ピントは合っているのに、ピントが、甘い。画面が、ぼけるのだ。

 今、現在の映画館は、新作の場合、ほとんどデジタル素材による。あまりに、画面すべてにピントが合いすぎて、味も素っ気もなく、これぢゃあ、大型の高画質TVを見るようなもので、ぼくなどのオールドタイマーは、かえって新作を見に行く頻度がおちているのだが、それはまた別の話。
 しかし、フィルム上映の場合は、必ずピントを合わせなければならない。

 にもかかわらず、最近のフィルムセンターでは、毎回毎回ピントが、甘い。いや、ピントは合っているのだが、画面が、ぼけている。より正確に言うと、中央部分が甘く、左右のワキには、ピント正確。
 これは、たった一つの理由しか推測できない。
 フィルム上映というのは、映写機のクセノンランプから、強烈な光をフィルムに当てて、それをレンズで拡大して映写するものだ。長年強烈な光を当てられるレンズは、当然劣化する。いわゆるレンズ焼けというやつだ。
 レンズの、特に中央部分が白色化して、レンズとしては劣化している状態だ。
 これにより、ピントはちゃんと合っているのに、画面は、ぼける、という事態となる。
 クローズアップの顔などは、まだ、いいのだが、ロングショットになると、あからさまにボケボケ。それが、ここ最近何度も何度も続く。なぜ、誰も抗議して、修正させないのか。
 ぼくには、そこが不思議で、ならない。

 いや、ぼくは、映画バカとしてもヘンタイなほうだから(笑)ピントのボケも、コマズレ映写も、コマ飛びも、あらゆる映写不備も、偶然のモアレ、一種のヴァリアント違いとして、大歓迎、といったら語弊があるが、そりゃもちろん映写は正常丁寧であるほうがいいが、そこからのズレも、また、映画だ、と思う口だから、このピント不正常も、まあ、許容していたのだが。

 しかし、何回も何回も同じ間違いを犯しつつ、恬として恥じずに、毎回木戸銭を受け取っている、その凡庸さに、ついに切れて(笑)受付譲に、早急に映写担当者に伝えるよう、要請いたしました。
 そうしたら、次の回から、レンズを換えたらしく、ピントの甘さは、直っていました(笑)。だから、いま現在は、問題は解消しているかな、と。

 しかし、映画ファンたちは、なぜ、この、不正常上映に、抗議しないのか。不思議で、なりません。バカとしか、言いようが、ない、と思います。
 そういえば、かなり昔、その後二度と行かないホール(場所も名前も記憶になし)に、美空ひばりの少女時代の松竹映画(「東京キッド」を歌うやつ)を、見に行ったら、音声は聞こえているのに、スクリーンは、ほぼ真っ黒、映っていない。
 なのに、満席の観客は、最初から最後まで、ごくごく静かに見ているという珍景に遭遇しまして、なぜ観客は暴動を起こさない、なぜ映写技師は上映を止めて修正しない、とワタクシは、この空前絶後の映写に、ただただ感動しておりました。
 最初から最後まで真っ黒なスクリーン。
 なんというエクスタシー(笑)。
 それを一言の抗議もせず、見つめ続ける観衆。いやあ、寺山修司に、この場にいてもらいたかった(笑)。そうしたら、嫉妬のあまり(笑)発狂したのでは、ないでしょうか(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-19 03:52 | うわごと | Trackback | Comments(3)

山内鉄也「忍者狩り」

 京橋にて。「日本映画史横断⑥ 東映時代劇の世界Part 2」特集。64年、東映京都。
 冒頭の描写の連続は、かなりもっさりしていて、特に幕府側重臣・安倍徹の描写は、あまりに下手すぎ(笑)。
 これは、この部分、順撮りだったのか。この冒頭の下手さに比べて、後は、だんだんよくなる法華の太鼓だ。
 山内鉄也というと、後年の作品にあんまり感心した覚えがないので、このデヴュー作の緊張感は、きわめて新鮮だ。
 ちなみに、助監督は中島貞夫。後には、こちらのほうが人気監督になった。
 デヴュー作で、この脚本と演出の、緊張感(ただし、繰り返すが、冒頭はお間抜け)の持続は、ただ事では、ない。

e0178641_8131942.jpg忍者狩り (87分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
外様藩取潰しを進める将軍家光の命を受け、伊予松山二十万石の蒲生家から家督相続のお墨付きを奪うため集められた忍者・闇の蔵人(天津)とその一味。一方、蒲生家城代家老会沢・土佐は藩を潰された4人の浪人を雇いこれを迎え撃つ。新鋭・山内鉄也の監督デビュー作。
1964(東映京都)(監)山内鉄也(脚)高田宏治(撮)赤塚滋(美)井川徳道(音)津島利章(出)近衛十四郎、河原崎長一郎、山城新伍、田村高廣、北条きく子、園千雅子、藤山直子、高森和子、加賀邦男、沢村宗之助、尾形伸之介、松風はる美、国一太郎、中村錦司、穂高稔、佐藤慶、安部徹、天津敏

 本作では、三人の男優が極絶品。近衛十四郎、田村高廣、天津敏。
e0178641_814119.jpg 近衛十四郎。相変わらず、どのシーン、どのショットでも、絶品。
 ぼくはとても大好きなのだが、東映時代劇における、近衛の扱いは、きわめてビミョー。
 右太衛門、千恵蔵などの、大御所、月形、大友などの中御所、錦ちゃん、東千代之介、橋蔵、山城などの若手、松方、里見などの、更なる若手、の、なかに、あって、近衛十四郎の、立ち位置は。
 戦前からの役者だが、弱小映画会社の「若手」であったため、大御所、中御所の後塵を拝し、しかも若いときにその魅力を発するタイプではなく、中年以降に文字通りいぶし銀の魅力を発するタイプ。
 大御所中御所と、若手のあいだに挟まれ、さらに、難点なのは、女優とのカラミが、まったくない(笑)。
 右太衛門、千恵蔵などかなりお年を召してからも、若手女優との絡みあり。なのに、どの年代においても、近衛十四郎、女優との絡み一切なし(笑)。ぼくは近衛びいきなので、現代劇時代劇問わず、近衛のラヴコメなど見てみたいと思うヘンタイだが(笑)。そういう作品、どこぞに、転がっては、いまいか(笑)。
 かくて東映時代劇にあっては、大友の、スケジュールがあいていないときの代役?的立ち位置(ちょっと言いすぎだが)になったのは、きわめて残念。
 大友も、激しく好きだが、近衛にも、大友と同くらいの、活躍をしてほしかった。
 そして近衛映画は、ガチンコのちゃんばらが売りの白黒映画、という感じか。ようするに2本立ての添え物のほう。
 本作でも、ザ・近衛十四郎の魅力炸裂だ。
e0178641_8145867.jpg
ネットで拾ったイラスト。ちょっと目元が優しげだが(笑)。

 一切感情を見せない非常/非情の城代家老に、田村高広。あるスタンドインについても、お涙頂戴にすれば出来るのを、さりげない、短い二つのショットのみ、で見せる映画の/田村のクールさが、いい。

e0178641_8161824.jpg そして天津敏だ。
 仁侠映画における、ナチュラル演技の悪役ぶりも最高だが、時代劇的悪役演技の、しつこいまでの、憎々しげな顔の、すばらしさ。悪役になるために生まれてきたような、最高のマスクと、演技力。彼に比べれば、その子分・汐路章など、ただの不細工なおっさん顔に過ぎない。
 本作は、かっと睨んだ力み顔の近衛と、酷薄そうな悪の顔の天津の、ガチンコ顔面対決だ。すばらしい。
 そして脚本と演出の勝利。東映時代劇シリアス路線と、東映集団抗争時代劇の、ベストミックス。
 なお、朝霧の森の中に、姿を現す騎乗武士団といえば、工藤栄一「十三人の刺客」63年の、ベストショットだが、本作でもそのミニチュア版が登場。よほど衝撃のショットだということが、うかがえる。
◎追記◎当感想駄文のあとに、すぐ書いた★長谷川安人「十七人の忍者」 ★ でも、本作について、超メチャクチャに言及しておりますので、ゼヒ御参照のほどを。

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by mukashinoeiga | 2015-05-15 08:17 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(2)