<   2014年 11月 ( 20 )   > この月の画像一覧

千葉泰樹「丘は花ざかり」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。52年、東宝。あと1回の上映。
 映画のデキはともかくとして(笑)OLD映画ファンにとっての見所満載、絶対のオススメ(笑)。
 まずOLD映画ファンに訴えたいのは(笑)、季節は夏とて、好青年・池部良が川で泳ぐ。信じがたいことに、よし俺も、と、なんと志村喬も付き合い、遠泳す! 志村喬の遠泳なんて珍景、さらに楽しいのは、あお向けに体を丸め、ニコニコしながら、くるくる回って泳ぐさまは、まるでラッコ状態。
 ラッコ泳法、しかもにこにこ、志村喬が(笑)。チョーかわいい(笑)。志村ッコ。
 つぎに、上原謙史上最高の超キザ紳士ぶりが、最高におかしい楽しい(笑)。
 色眼鏡、コールマンひげでばっちり決めたキザ紳士ぶりの、美中年ぶりは、おそらく史上最強。
 この上原が、戦前松竹以来のなじみの、木暮実千代、高杉早苗と、丁々発止の恋愛ゲームとは、文字通り二十年越しの(笑)ワインのような芳醇の味わい(笑)。
 なお、コールマンひげとは、本特集のチラシ表紙で、千葉泰樹がしているような口ひげの一種。こだわりの口ひげだが、当然そのひげがあることによって、顔に間抜け感が漂う千葉とは違い、上原のそれはビューテホー。
 さらに杉葉子、池部良の先輩社員のオールドミス嬢に、中北千枝子
 仕事が終わり、杉葉子に「うちに来ない?」。その中北の「うち」とは、なんと、岡村文子の定食屋。なじみの定食屋で、おかずをつまみつつ、女一人でコップ酒。ぐいっ。
「仕事が終わったら、これに限るわ」
 杉葉子があからさまに顔をしかめる(笑)。こんな女には、なりたくないわ!
 しかし、ぼくは、杉葉子よりは、だんぜん中北千枝子寄りなので(笑)。
 しょぼい定食屋でひとりコップ酒のオールドミス、これを演じて中北千枝子以上の適任がいるか(笑)。あまりの的確なキャスティングに、涙さえ出てくる(笑)。
 千葉泰樹、やっぱり楽しいなあ。傑作の類ではないが、許す(笑)。
◎追記◎木暮実千代が湯船に入り、その横で杉葉子がバスタオルを巻いて、立って、会話している。このシーンが、この時代にしては、かなりエロい。
 明らかに、狙った演出。
 ただ、木暮が湯船から出ると、どう見ても水着姿(笑)。これは、おそらく、湯気と、すばやく閉じられる半透明のガラス戸で、隠しとおせると思ったのか(笑)。現像しなければ、わからないフィルム撮影の欠点が出た形か。
 にしても、杉葉子のバスタオル姿はグッド(笑)。

丘は花ざかり (119分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
雑誌社の入社試験に合格した美和子(杉)の新たな社会人生活と、同居する姉夫婦(木暮、清水)に勃発する浮気騒動を絡め、結婚を意識し始めた美和子の心の揺れを描く。石坂洋次郎の朝日新聞連載小説を映画化。
1952(東宝)(監)千葉泰樹(原)石坂洋次郎(脚)井手俊郎、水木洋子(撮)中井朝一(美)松山崇(音)服部良一(出)木暮実千代、杉葉子、高杉早苗、池部良、山村聰、上原謙、志村喬、三津田健、汐見洋、淸水将夫、沢村貞子、浦辺粂子、滝花久子

 とはいえ、本作は、もちろんコメデイではない、まじめな、杉葉子、木暮実千代ダブルヒロインのメロドラマ。
 単に時期がジャストフィットしているゆえか、千葉は杉を多用する。今井正「青い山脈」のみで語られ、ほかの映画は一向に語られない杉葉子の「不遇」を、千葉は、一人救っているかのようだ。千葉と杉のコラボは、どの千葉映画でも、きわめて印象的。
 本作は、その「青い山脈」以来の、石坂洋次郎/藤本真澄路線。当然、明るく楽しい東宝映画か、と見始めたら、なんだか石坂原作らしからぬドロドロ。
 夫・淸水将夫がいながら、木暮は上原に惹かれよろめき、杉も好青年・池部良には物足らず、山村聰編集長にご執心。いろいろうろちょろする高杉早苗の、妖艶ぶりも、なんだか、大人ビターなフンイキ。
 ビターな石坂モノは、意外と、いける。石坂なのに、明るく楽しい東宝なのに、このビターさは、いい。
 なお、のちのリメイク堀池清「丘は花ざかり」は、本作に比べれば、穏健な浅丘ルリ子主演モノ。
 また、こぶつきの森雅之編集長に恋するヒロインの映画も、記憶に残っているが、あれも同じ石坂原作か?
 杉の役名・香月美和子は、のちの日活女優にそっくり。「青い山脈」のハラセツの役名・島崎雪子を、のちに踏襲した女優がいたり、石坂の人気ぶりが知れる。

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by mukashinoeiga | 2014-11-30 14:20 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(2)

貞永方久「夜が崩れた」

 阿佐ヶ谷にて。「ミステリ劇場へ、ようこそ。【2014】」特集。78年、松竹。
 いかにも松竹なヤクザ映画。
 まじめな新人刑事・勝野洋が恋した女は、組の中堅・原田芳雄の、妹だった。
 恋愛メロ寄りの、健全?なヤクザもの。というのが、らしくて、可笑しい。
 そうして、改めて、思う。まあ、前々から思っていたことではあるけれども。
 若いころの、くぐもっているのに、妙にはしゃいでる感がある、クサミ満載の台詞回しの桃井かおりの、どこがいいんだか(笑)、と。
 同じくクサミ満載の台詞回しの原田芳雄のほうは、まだ、コミカルな効果があるから、いい。聞いていて、楽しい。
 しかし、桃井の臭みは、な~んも、楽しくない。こういうのが<時代の寵児>と、もてはやされた、つくづく悪い時代でございました。

『夜が崩れた』1978年(S53)/松竹/カラー/93分松竹株式会社 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督・脚本:貞永方久/原作:結城昌治/脚本:田坂啓/撮影:川又 /美術:芳野尹孝/音楽:佐藤勝
■出演:勝野洋、桃井かおり、原田芳雄、夏八木勲、吉行和子、夏桂子、石井富子、福田豊土、草薙幸二郎
結城昌治『刑事』の映画化。孤児同然に生きてきたヤクザな兄・原田芳雄、その妹・桃井かおり。彼女を愛する正義感の強い刑事・勝野洋。この三人が悲しい運命に翻弄されながらも、強く激しく、愛し憎しみあう姿を描いたもの。

 桃井かおりは、居酒屋風の気さくなバーで、大勢の客の前で、タバコぷかぷかを歌い、原田はひとりベッドに横たわり、ギター爪弾きつつ桃井の置手紙を即興で歌う。まあ、<一種のアイドル映画>と、考えれば、納得の、生ぬるさか。
 「ヤクザの妹と結婚? お前、頭、確かか」と、センパイ刑事・夏八木勲にも、原田にも、どやされても、まじめ刑事・勝野洋は、ひるまない。
 いや、どう見ても、一時の遊び相手としては最適かもしれんが、桃井かおり、結婚相手としては(笑)。
 刑事をやめるか、と言われた勝野は、なんと、原田に、足を洗ってもらい、カタギにしようと奔走、原田へのストーカーと化す。
 ここら辺の、原田の演技が笑えるが、中途半端。
 いっそ、山田洋次監督で、ヤクザ・渥美清(原田芳雄でも当然可、ハナ肇は不可)、純情刑事・森田健作、これなら桃井も生きよう、完全喜劇で、行ったほうがよかったのでは。
◎追記◎で、あるならセンパイ刑事夏八木勲は、丹波か。山田洋次の映画に、若い丹波や原田が出ていないのは、つくづく惜しいの一語。

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 なお、岡田英次なんて出ていたっけか(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-11-30 12:35 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

久松静児「怒りの孤島」

 新橋東京シネセンターTCC試写室にて。「シネマ△トライアングル上映会」。58年、日映、配給松竹。16ミリ上映。
 少年俳優たちの最高度のパフォーマンスと、緊密な構成・演出が素晴らしい傑作。
 少年ながら遠藤憲一似の、いや遠藤以上の怪=快なるマスクの鈴木一夫、対するに甘いマスクの少年、金網の箱に閉じ込められて餓死する少年、耳の遠い少年、皆々素晴らしく、これらの素人少年に、これだけの演技をさせたのは、久松静児一代の傑作と言っても、いい足りないほど。
 そしてもちろん久松静児「警察日記」で注目された、幼女俳優・二木てるみ。あの年で、立派に<主演女優>のオーラ。素晴らしすぎる。
 ただし彼女の場合、はたちを超えると、そのオーラは消えてしまうのだが。

e0178641_215379.jpg1958年 日映株式会社製作 松竹配給 <シネマ△トライアングルHPより>
カラー 日映スコープ (16mm上映)
製作:曽我正史 監督:久松静児 原作/脚本:水木洋子 撮影:木塚誠一
音楽:芥川也寸志 美術:平川透徹 録音:安恵重遠 照明:平田光治
出演:鈴木和夫/手塚茂夫/土屋靖雄/佐藤紘/織田正雄/岸旗江/二木てるみ/中村栄二/稲葉義男/岸輝子/御橋公/左卜全/原保美
瀬戸内海に浮かぶ孤島「愛島」、この島は鯛の一本釣りをする漁師の親方によって支配されている。漁の折り、船の操舵を担うのは舵子といわれる少年たちで、彼らは過酷な労働と虐待に暗い日々を送っていた。少年たちは、激しい労働に耐えられずついに島を脱出しようと計画する....。
 戦後間もない頃、瀬戸内の孤島で実際に起きた事件に材を採ったこの作品は、封切り当時には大きな反響を呼び、文部省推薦作として各地の学校でも上映され、多くの人に感銘を与えながらも、製作した日映が僅か二作品を製作しただけで解散してしまうなど諸事情でその後劇場で再映されることもなく今日に至り、また、今後ソフト化等も望めない作品として、幻の映画となっていたもの。
 シネマ△トライアングルでは4年半前、2010年4月に脚本家水木洋子生誕百年記念としてこの作品を発掘上映、お陰様で大変な好評を頂き、また、上映終了後も多数の方々から再上映を望むリクエストを頂きました。
シネマ△トライアングルとしましても早々にリクエストにお応えすべく再上映の企画を予定しておりましたが、フィルムレンタル会社が前回の上映の後、プリントを処分してしまったという驚くべき事実が判明、やむなく再上映を断念せざるを得ませんでした。
しかし、その後も探求を続けていたところ、今回遂に別の16mmプリントの所在が突き止めました。
今回のプリントも前回同様経年のため退色が進んでおり、傷みもかなりありますが、原版の所在も不明な貴重な作品、是非この機会をお見逃しなく!(引用終わり)

 かくもパワフルなパフォーマンスが、製作会社が弱小、かつ消滅してしまったことで、歴史の闇に消えていく。まことに残念。
 なお、今回上映のプリントは、16ミリ・フィルムレンタル会社から、廃棄寸前のものを、文字通り捨て値で買った、渋谷シネマヴェーラが、修復作業をおこなったものだという。しかし、いくら修復しても限度があり、おそらくシネマヴェーラ自体での有料上映は断念、その上でシネマ△トライアングルの上映会に提供したものだと思う。
 一私企業の、こういう貢献をうれしく思う。ありがたい。
 なおシネマ△トライアングルには、日映のもう一作、佐分利信「悪徳」も、ぜひ発掘してほしいものだ。伏してお願いするね、シモケンさん!

 とはいえ、今回上映プリントは劣悪の一語(笑)。退色したカラー映画ほど、目に悪いものはない(笑)。しかも今回のプリントは、その最悪クラス。カラー退色し、赤色一色になっている。確実に目に悪いプリントで(笑)。
 しかし、欠落は、おそらく、ほとんどない。大切に上映され、しかもある時期以降ほとんど需要がないゆえ残ったものかと。

 さて、ここでようやく映画の中身に言及せねばならない(笑)。
 まず、本作は実話の映画化とされる。
 貧しい愛島の漁民たちは、広島の漁民に搾取されている。広島漁民は、愛島沖に出張ってきて、ダイナマイトでドカンドカン、魚を大量に瞬殺して収穫する。文字通りのブロックバスター級。
 これには、愛島漁民の、一本釣りシステムは、まるで無力。超ローテク。
 で、愛島漁民は「徳川以来三百年の伝統」で、人買いから3000円(で10年間無給)の「舵子」少年たちを買って、酷使、虐待、奴隷として、搾取する。
 流れが急な愛島沖で、一箇所にとどまる一本釣り。少年たちは「船を進める」ためではなく、「船を流されないよう一箇所にとどまる」ために、朝から晩まで舟をこぐ。
 まさに「賽の河原の石積み」クラスの、哲学的苦行というべきか。

 貧しいものがさらに貧しいものを奴隷として扱う。漁民の子らは、こうして買われた奴隷である少年たちに、石を投げて罵倒しつつ、小学校に通う。
 島全体の悪事が、ばれて、警察や役人が乗り込んでくる。
 虐待、殺人、違法労働強制のゆえに、島民が裁かれていく。
 貧しいがゆえの違法行為を、本土の上から目線の役人たちが、裁いていく。労働基準局・原保美の、つるりとした顔のご清潔感が、貧しい漁民たちを、「善導」しようとする。

 島から逃げ帰ってきた少年を、これまた貧しい「おじさん」(血縁でもなんでもない)左卜全は、諭す。一所懸命がんばるのだ、いくらきつい仕事だからといって、逃げてくるような軟弱者ではイカン。
 あまりにひどい奴隷労働を強いられているとは気づかない、それなりにいい「おじさん」なのだが、島に帰してしまう。善意ゆえに、少年に、犠牲を強いる。
 行き場のない少年は島に戻り、一所懸命やりますから、また、いさせてくださいと頭を下げるのだが、警察役所に乗り込まれて、全漁民取調べの最中、「舵子」には、もうこりごりだ。
「帰れ、出て行け」と罵倒されても、その間の事情に疎い少年は、ただただ土下座して置いてください、と言うしかない。
 事情が急激に変化している(しかも、本土にこの島の惨状が知られたのは、自分たちが脱走したため)、その情報に疎いために、迷走する悲劇。
 本土の役人たちは、「これからは、お前たちも小学校、中学校に通いつつ、月給も得て、労働できるのだ」と言うが、貧しい漁民に、そんなことが出来るはずもなく、だいいち小学校はあるのだが(赴任してきた良心派インテリ教師に織田政雄、グッド)こんな貧島に中学があるのか。
 本土や別の大きな隣島にしかないのではないか。そこに通学してまで、島で労働が出来るのか。
 だいいち、漁民の子ですら、中学に進学するものが幾人いると言うのだ。
 何とかハッピーエンドに持っていくための苦し紛れの戯言としか、思えない。

 確かに漁民たちの行為は、虐待、殺人、違法労働強制以外の何者でもない。
 しかし、この島には、電気もラジオもなく、満足に白い米も食べられない僻地だ。
 それを水木洋子は、NHKラジオでドラマ化。その「好評」を受け、当時最大の情報産業でもあった映画に。
 日本の片隅で、このような違法行為がある、それでいいのか、と世に知らしめることは確かに、必要であり、大切ではあろう。しかし、三日に一度の郵便船が、「メディア」のすべてであるこの島に、当時最大のメディア、ラジオ、映画、新聞が、一斉に襲い掛かってきた、一種の「メディア・スクラム」であったのも、紛れもない事実では、あろう。しかも、役所、警察、労働基準局とともに、いっせいに。
 シネマ△トライアングルHPには、この件で島民が逆差別を受ける事態にもなった、と書いてあるが、それはそうだろう。

 と、60年以上経った平和なこんにち、メディアにも島民にも、ともに上から目線で「感想駄文」するぼくも、いったい何様(笑)。
 ついでだから、何様の「感想駄文」を続ける。
 当駄文冒頭で、本作を傑作と、書いた。緊密な脚本と演出が、多彩な人間たちと事件を、重層的に描いていく。
 まぎれもなくそうなのだが、同時に、緊密であればあるほど、重層的であればあるほど、映画はだんだん知的に、なって行くのね(笑)。
 観客(ぼく)は、多重的多層的な「人間ドラマ」の「キャラクターの出し入れ」に「酩酊」して、画面を、見つめていくようになる。あの最悪の上映プリントの赤一色を(笑)目薬差しつつ見つめていく(笑)。
 確かにドラマは極上。しかし、願わくは、そういう状態は、純粋なフィクションで、やっていただきたかった、と罪悪感にも、かられる。
 漁民たちは加害者であり、被害者でもある。貧しさゆえの、どうにも行き場のない犯罪実話の映画化を、極上のエンターティンメントにしていいのか、と言う罪悪感。
 そして水木洋子は、久松静児は、ある意味しかたがないことだが、「上から目線の知的ドラマ」にすら、いくつかの「お涙頂戴」の別れの場面を入れる。「知的ドラマ」に「痴」(=情)を輸血しても、泣けないんだよね、こりゃ。「涙を流して浄化する」には、逆に、重層的ドラマが、邪魔になった。そういうことだ。

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by mukashinoeiga | 2014-11-25 06:11 | 面白メロドラ日記 久松静児 | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「青空交響樂」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。43年、大映東京。あと1回の上映。オススメ。
 なんともメルヘンな、牧場の牧童たちが楽団を結成したり、訪れたヒロインの学生時代の友達がコーラスをしたりと、文字通り牧歌的な音楽映画。
 主演の杉狂児、霧島昇の、エンターティナーぶりが楽しい。
 製作年にもかかわらず、冒頭の戦時標語をのぞいて、本編にはほとんど戦争の影はない明朗映画。
 歌あり恋ありアクションあり、グリフィス「東への道」ばりの、ラストミニッツ・レスキューもあり~の、きわめてアメリカナイズな映画であり、鬼畜米英と言う時代にあって、そのアメリカ映画志向は、面白い。

青空交響樂(87分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
父の牧場を継いだ東京育ちの青年(杉)と、静養目的の父と共に別荘に来た令嬢(朝雲)との恋を描く音楽喜劇。牧場での個々の労働がそのままリズムとメロディーを奏で、やがて「牧場未完成交響楽」のオーケストラとなり、室内でレコードを鑑賞する都市的な音楽の楽しみ方と対比されている。千葉は、音楽を民衆の生活と地続きのものとして描き続けた作家だった。
1943(大映東京)(監)千葉泰樹(原)サトウ・ハチロー(脚)石田吉男(撮)長井信一(美)仲美喜雄(音)山田榮一(出)杉狂児、朝雲照代、霧島昇、雲井八重子、國分ミサヲ、吉谷久雄、齋藤紫香、上代勇吉、吉川英蘭、奥岡榮次郎、金子春吉

 大映は、正式クレジット、大日本映画製作株式会社。美術・仲美喜雄の助手に木村威夫。
 きわめて、アメリカン・ボーイな杉狂児の、洗練されたエンターティナーぶりがあってこそ成立する世界だが、労働の結果発生する音がそのまま音楽になったり、牧童たちが馬を駆ってヒロインを助けに行ったり、実に堂に入ったエンターティンメント好みこそが、千葉の一面で。
 ただ杉狂児は、その前年千葉泰樹「海猫の港」で、結婚する娘・息子の胡麻塩頭の中年親父を好演している。その翌年に令嬢に恋する青年とは、杉狂児に頼りっぱなしではないか千葉泰樹(笑)。

 もともと老け顔で、実年齢もいい年なので、とても青年のイメージではないのだが、「海猫の港」の老けメイクから一転しての、エンターティナーぶりは、見事の一語。

 ただいかにも大映だなあ、というのが、華のないヒロイン女優。女友達の集団に混じると、どれがヒロインやら識別できない(笑)。こういう地味な二線級女優を平気でヒロインにするのは、大映のDNAということがわかる。

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 こちらでは製作年は42年と、なっている。
 
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by mukashinoeiga | 2014-11-22 06:22 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

高倉健追悼の不可解

 TVやスポーツ紙の高倉健追悼をちらっちらっと見ていて、すごい不思議なことがある。
 一度しか共演したことがない大竹しのぶや、広末涼子や、吉永小百合(は、2度か)がコメントするなか、健さんといえばこの人、伝説ともいうべきオーラ・カップルの藤純子が、登場しない。
 コメントだけではなくて、報道ステーションの、フッテージ集にも、藤純子の影はない。どうでもよい(とは、いいすぎだか)三田佳子など、出てくる。
 ここは、マキノでの、藤純子とのカラミをたっぷり魅せるべきだろうと。
 いや、ぼくの見ていない追悼ニュースでは、たっぷり出てくるのかもしれんが。

 現在ロードショー中の深川栄洋「トワイライト ささらさや」を見たら、富司純子が「ボケ老人のフリをした老女」を演じており、そのボケ老人ぶりがあまりに老けているので、びっくりした。
 「ボケを装っていない」状態の富司純子は、元気ではじけているので、安心したが、演技及びメイクで、あまりに堂の入った老けっぷりに、驚いたところなので、余計気になる。
 この落差は、演技賞モノで。

 高倉健本人に関しては、80年代以降の、この30数年に関しては、すべからく凡庸な、三流以下の演出の、監督作にばかり出ていて、まあ、生きていようが、死んでいようが、どうでもいいところだ。
 それ以前の、マキノなどの超絶監督作に出ていたころが、華なので、その彼には、今後とも、いつでもスクリーンで、会える。
 会えば(見れば)涙もろいぼくなど、必ず涙目で。それで、いいのだ。
 しかし、フルタチ、クサいだけで、全然しみじみしない、追悼コメント。こいつ、ホントに、口先だけ、ってのが、モロにわかる、空々しいヤツだな。ぺらっぺらっ。

昭和残侠伝 唐獅子仁義(予告編)

加藤泰監督『緋牡丹博徒 花札勝負』 お竜さん(藤純子)と高倉健の鉄橋下・堀川端の別れ


◎追加のおまけ◎Ken Takakura 高倉健 - デビュー時から「日本侠客伝」まで

The Snow March やばい(笑)これはやばい(笑)。いつまでもつのか(笑)。


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by mukashinoeiga | 2014-11-20 01:10 | うわごと | Trackback | Comments(3)

中村登「春を待つ人々」

 渋谷にて。「日本のオジサマⅡ 佐分利信の世界」特集。59年、松竹大船。
 本来、この特集では、

木村恵吾「吹雪と共に消えゆきぬ」59年、松竹=歌舞伎座映画 <ぴあ映画生活HPより>
園村邦代は、全国各地に散らばっている昔の友だちを訪ねようと旅に出る。しかしそれぞれの友だちは皆、どこか悲しい影を背負っていて……。過去に郷愁を抱く一人の女性が、旧友たちの辿った各々の人生の断面をめぐっていく、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の名作「舞踏会の手帖」そのものの作品。

 を上映予定で、未見作ゆえ楽しみとしていたのだが、上映プリント劣化を理由にドタキャン差し替え。森雅之と佐分利信の共演映画なんて、あんまりなさそうなので、モリマ・サブリン両ファンとしては、超期待していたのに(泣)。

中村登「春を待つ人々」59年、松竹大船 <Movie WalkerHPより>
老政治家を中心に、人間は我欲や打算を取り去った時本来の姿に戻るということを描こうとしたドラマで、柳井隆雄・沢村勉のオリジナルシナリオを、「顔役(1958)」の中村登が監督、「彼岸花」の厚田雄春が撮影した。音楽は武満徹。出演者は、佐分利信・有馬稲子・佐田啓二・岡田茉莉子・高橋貞二・高千穂ひづる等々の豪華な顔ぶれ。

 既見作だが、やむを得ず(笑)再見。しかし、やはり面白い。
 仏頂面のサブリンが、隠し子発覚で子供たちに責められ、さらに仏頂面(笑)。
 愛人・沢村貞子に本妻に直してくれ、と責めさいなまれ仏頂面。
 隠し子の山本豊三少年に、いきなり訪問されて、仏頂面。
 さらに復帰を期した衆院選挙で落選して、超仏頂面。
 義息・佐田啓二に促され、京都のもと愛人・水戸光子宅を訪ね、長年完全放置していた娘・高千穂ひづるに、最初すげなくされて、またまた仏頂面。
 最初から最後まで仏頂面、仏頂声のサブリンがたのしいたのしい(笑)。
 自虐癖サブリンも、みんなに責めさいなまれて、さぞや歓喜だろう(笑)。

 娘・鳳八千代の夫・佐田啓二が、しなやかに、しかも頼もしく存在感を発揮する。これほど頼もしいサタケーも、珍しい&見物で。
 中村登の安定感ある演出も、グッド。
 ま、それにしても「吹雪と共に消えゆきぬ」、見たかった。
◎追記◎数年前に読んだ新聞記事では、サブリンのことを何も知らない学生たちが、サブリンは田中角栄に似ている、と評したと言う。
 本作のサブリンは、きわめて角栄に似た顔の政治家であり、サブリンファンとしては、納得しがたいが(笑)、確かに知らない人が見たらサブリンとカクエイは、似ているかも。
 ちょっと陰気な角栄と言うイメージか。もちろんファンとしては、承服しかねるが。

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by mukashinoeiga | 2014-11-18 23:43 | 佐分利信 サブリン人生劇場 | Trackback | Comments(0)

森永健次郎「花の高2トリオ 初恋時代」

 神保町にて。「昭和歌謡史を映画で辿る 映画は歌うよ どこまでも♪」特集。75年、東宝=ホリプロ=サンミュージック。11/21(金)まで上映中。
 ふわふわした、画面にうすく紗をかけた、典型的な、お菓子みたいなアイドル映画である。
 監督は日活でアイドル映画で鳴らした森永キャラメル、しかし映画は初代東宝三人娘、ひばり・チエミ・いづみ映画を想起させる。しかし。

 奇妙な映画である。アイドル歌謡の人気者三人を出して、冒頭のテーマソング「初恋時代」一曲しか聞かせない。これも歌うシーンなしのレコード音源のみ。
 百恵がヒナギク、昌子がキクキク、淳子がヨクキクと称したアルバイト舞妓になるシーン(客の南利明が「まるで薬みたいだな」の落ち)でも、「この子たちは歌が得意」と、三人並んで歌いだすのが、この三人があこがれる大学ボート部のイケメン君へのフレーフレーの応援歌。
 それは、歌とすら呼べないレヴェル。
 三人がそれぞれ夢を見るシーンは、レヴュー風で、普通ならここでそれぞれが歌う、お約束のシーンでも、歌わない。
 なんだろう、この人気三人娘を出して、執拗に歌を禁じる姿勢は。当時のファンたちを、欲求不満にしてまでも、歌を禁じるその禁欲。
 といって、歌なしの本格的演技を目指す、なんてもんでもない。
 それが、この歌謡映画特集で上映される不思議。なんかのギャグなの神保町。まあ、それは、知らずにブッキングしたのだろうが。
 ドラマとしては、退屈で凡庸な87分だが、あと10分追加して、三人の歌うヴィジュアルも、見たかった。
 それこそが正統派アイドル映画だろう。
 しかし遅れてきた桜田淳子ファンとしては、たいへん面白かった。百恵、昌子もいいのだが、どうしても淳子史観に立って見てしまうので(笑)。

花の高2トリオ 初恋時代 <神保町シアターHPより>
S50('75)/東宝=ホリプロ=サンミュージック/カラー/シネスコ/1時間27分
■監督:森永健次郎■脚本:才賀明■撮影:萩原憲治■音楽:服部克久■美術:坂口武玄■出演:森昌子、山口百恵、桜田淳子、フランキー堺、南田洋子、夏夕介、川口厚、鈴木ヒロミツ
歌謡界のスーパーアイドル、百恵・昌子・淳子の三人が揃った唯一の主演作。女子高生三人組のひと夏の経験を、遊び心たっぷりに描いた青春ドラマ。まだあどけない表情を見せる伝説のスターの姿は貴重!
◎追記◎ユーチューブで、本作のスチール集&主題歌。
森昌子・桜田淳子・山口百恵『初恋時代』
 ただしアップ主の意向で、貼り付けることが出来ない仕組みになっている。

 ほとんどコントレヴェルの、他愛ない話を、映画のクオリティで描く。
 アイドルの初恋の話なので、大学のボート部の、イケメン君(今では微妙なソース顔)に、そろってあこがれる程度。まあ、他愛ない話にならざるを得ない。
 ひとり、美脚を見せまくる淳子のみが、ナンパ野郎・川口厚の、バイクに同乗する。
 昌子、百恵が、アイドル演技の殻を抜け出さない中で、淳子のみが等身大の女の子のナマっぽさを、出す。
 しかし、川口厚、浩にはたっぷりあるオーラ、愛嬌がまったくないな。

 百恵は、この種のヴァラエティ・ドラマから浮いている暗さがやはり垣間見られ、昌子は終始ものを食べている三枚目担当、このふたりが、二三の演技パターンしかないのに、淳子は相変わらず多彩。くちびるの厚い・超薄いの、くるくる変わるところさえ、楽しい。
 この最善の時期に、映画に多く出てほしかった。ふたりと違い、シリアスもコメディもどちらもいける逸材だったのに。ふたりと違い、映画出演の少ない昌子も、もっと映画で見たかった。
また、少ない出演作も、今後上映されることを望みたい。

山口 百恵 & 桜田 淳子「渚のシンドバッド」(リハーサル)

ひとり歩き 桜田淳子 叱られてから

桜田淳子 はじめての出来事 by jama

桜田淳子メドレー スーパーライブ

桜田淳子

Moving / お引越し (1993) Full film


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by mukashinoeiga | 2014-11-17 02:02 | 桜田淳子:変貌するアイドル | Trackback | Comments(2)

野村浩将「野戦看護婦」日本メジャー映画初のレズビアン映画!?折原啓子鶴田浩二宮城千賀子

日本初のレズビアン映画なのではないか!本作は。
ユーチューブにて。53年、児井プロ=新東宝。

e0178641_22412811.jpg 
 前項渡辺邦男「あばれ行燈」の流れで、ユーチューブを見はじめたら、なんと驚きの発見!
 なんとなんと。
 信じられない新?発見だ。
 なお「あばれ行燈」との、つながり、アップ画像のタイトルからして、同じアップ主は、鶴田浩二に注目しているようだが、ツルコウはわずか3シーンにしか出ない特別出演格。
 いずれにせよ、ともに宝塚男役スタアだった、南風洋子と宮城千賀子が、当時のメロドラマ・ヒロイン、折原啓子を、中山昭二をライヴァルに、競り合う。いや、それ、話、盛りすぎ(笑)。
 実際には、折原啓子に恋するのは南風洋子で、宮城千賀子は、それをいさめる役回り。
 それはそれで、ちと残念なんだが。
 しかし、一見生真面目な、例によって、例の<戦後左翼的風潮における反戦気分のエートス>風の映画の本作が、実は女性の女性への恋愛感情を扱う映画になってしまったとは、いったい。

野戦看護婦 新東宝映画 鶴田浩二
2014/03/18 に公開
1953年/新東宝映画/モノクロ/91分/
監督:野村浩将
出演:鶴田浩二、南風洋子、中山昭二、宮城千賀子、折原啓子、水島道太郎、藤田進他

 特に前半は、折原啓子に恋する南風洋子のパッション炸裂(当時のレヴェルで)。
 後半は普通の戦争映画(割と力がこもっている)になるが、それでも、後年華のないオバサン女優となる南風洋子の、さすがは宝塚男役スタアだった華を見せる。特に、死に行くときの美しい顔!
 また、安部徹が南風洋子を、小川に突き落としての過剰な攻撃は、女に恋する女への、男からの執拗な反撃を思わせ、異常である。
 (当時としては)きわめて異常かつ過剰な描写により、あえて傑作とする。

 なお、劇中野村浩将の戦前大ヒット作「愛染かつら」を、演芸会で看護婦らが主題歌を歌い、上原謙・田中絹代コンビの演技を、男装の南風洋子と看護婦姿の折原啓子が再現する。
 このつながりで、野村浩将が監督起用された?のだろうが、男と女のメロドラマが、女と女のメロドラマに変容したのは、面白い。
 ただ、折原啓子は中山昭二が好きなので、南風洋子は、一方的な片思いなのだが。
 また、折原啓子と宮城千賀子は、きわめて似た顔なので、ユーチューブの小さい映像では、しばし、どちらがどちらか混乱するほどだが、この類似は、ドラマの中では一歩身を引いた宮城千賀子の、鏡像性というものも想起させる、と見るは、筋違いか(笑)。
 なお、生ぬるい野戦病院描写は、たとえば増村保造「赤い天使」と比べると、コントレヴェルとは、失礼か(笑)。
 また、わずかしか出ないが、ツルコウ鶴田浩二の、根っからのスタア性は、本当に、うれしくなっちゃうよ。

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 なお、上記Movie Walkerによるあらすじ紹介も、驚き。映画を見たあと、お読みいただきたいが、南風洋子は中山昭二を好きで、その恋のライヴァル折原啓子を見殺しにする、と。
 じっさいの映画では、折原啓子と仲のよい中山昭二を、嫉妬のあまり見殺しにしようとする。
 この逆転は、なんなのか。最初はそういう企画だったのを、映画製作の中で逆転してしまったのか。それとも、レズビアン映画であることを隠蔽しようとしたのか。謎だ。
 なお蛇足。江見緑哉とクレジットされるが本名だろうか、相変わらずの変質者演技がうれしい(笑)。
◎追記◎本作を<戦後左翼的風潮における反戦気分のエートス>風、と書いたのは、いささか、自分でも気になった。反左翼組合勢力が結集して東宝から離脱した新東宝には、そういった左翼的風潮とは違った、いろいろの映画があるからで。
 
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by mukashinoeiga | 2014-11-14 16:21 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

すごいなホームページクローン

 自分のブログを丸ごと保存できないか、と考え、ネット検索したら、個人が開発したフリーソフト「ホームページクローン」の存在を知り、さっそくダウンロード。
 自分の3ブログで、試してみた。
 これが、なんと、ブログアドレスをコピペして入力、開始をクリックするだけで、きちんと全ページ保存に成功!

 ただし、完全取得に数時間を要す。
 これがわからないので、最初は、取得している各ページのhttp://なんたら、流れる文字列を追っていましたが、あまりにエンエンと続くので飽きてしまい、最小画面にして、別作業やら、ネットめぐりやら。
 次のブログでは、昼寝をしたり、外出したり。
 その結果、ネット接続を断絶しても、旧「今、そこにある映画」ヤフーブログは、完全再現。右の柱の各記事をクリックすれば、その画面に飛べるし。
 この「昔の映画を見ています」エキサイトブログも、ほぼ完全再現。ただ、右の柱の冒頭のカレンダーは再現されない。なぜか、コメントは、読めない。
 ネットに接続しなければ、ユーチューブ画像は、再現されないし、当ブログが、赤★★で、表示している別ネット記事にも、飛べない。まあ、これは当然か。
 ただし接続して更新すれば、読める。
 しかしなぜか、「新・今、そこにある映画」ウェブリブログは、記事、画像は再現されたものの、右の柱、ブログ背景など、そのブログのデザインは、再現されず。
 ただ、各記事は読める。
 これは、本業の余技として開発した方も、ホームページ、ブログ提供各社すべてに対応しているわけではない、あしからず、とコメント。やむをえまい。
 しかし、個人として開発され、なおかつフリーソフト、素晴らしい。寄付金も募ってはいるが、小生、ネット決財は一切していないので(笑)。

 日ごろ数人しかアクセスしない旧「今、そこにある映画」は400、日ごろ50~百人前後しかアクセスしない「新・今、そこにある映画」は700、日ごろ150~200人前後しかアクセスしない「昔の映画を見ています」は6000、その日だけ「訪問者」が伸びました。
 そのぶん、ページごとに取得しているんだなあ、と。クリックひとつで、丁寧な?仕事ぶり。
 感動いたしました。
 今回は自分のブログだけでしたが、アドレスを入れるだけで、出来るのだから、他人様のホームページもオーケーか。
 こういうのが昔にもあれば、たとえば有料ブログゆえに、作者死亡なり作者の意思により、抹消された有料優良ページ(たとえば「永遠の桑野通子」)なども、ページ死亡の前に、保存できたのになあ、と。
 ただし、自分のブログであっても、保存して楽しむのは、いいのだが、それをネット上に再アップするのは、ブログ各社の権利を侵害するので、ダメとのこと。
 しかし、死亡ブログに限り、そういう「ネット図書館」なんてものがあればなあ、とは思います。

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by mukashinoeiga | 2014-11-14 12:22 | うわごと | Trackback | Comments(0)

島津保次郎「朱と緑 朱の巻/緑の巻」

 渋谷にて。「日本のオジサマⅡ 佐分利信の世界」特集。37年、松竹大船。
 戦前島津保次郎にしては、いささか鈍なメロドラマ。その総集編か。
 サブリンは、重要なちょい役。
 主演は上原謙で、彼をめぐる三人の女の葛藤メロ。

朱と緑 朱の巻/緑の巻(16mm)公開:1937年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:島津保次郎
主演:高杉早苗、上原謙、高峰三枝子、佐分利信、岡村文子、奈良真養、東日出子、河村黎吉、水島亮太郎、武田秀雄、藤野秀夫
松沢家に侵入者があり、令嬢の千晶が襲われたのではと噂が広がる。ウンザリした千晶は、かねてから好意を持っていた戸山を大阪に訪ねるが、そこには戸山を愛する雪江がいて…。朱色と緑色のように決して混ざり合わない男女の仲を、東京と大阪を舞台に描く辛口のメロドラマ。佐分利は、侵入犯の清三を演じている。

 戦後は、すっかり蓮っ葉な女専門となったが、高杉早苗、愛らしい令嬢はお手の物。
 で、モンダイは残りのふたり。
 ちょっと面白いキャラだ。東日出子、声はちょいと栗島すみ子似の、しわがれ声。小太りのオバサン。年下の上原謙に色目を使う、実は高杉早苗の父・奈良真養の愛人。
 上原に脈がないと悟ると、愛人の娘・高杉と上原の結婚を画策。奈良の財産の漁夫の利狙いか。
 戦前松竹メロ、ふだんは河村黎吉当たりの悪い男がヒロインを不幸に陥れるのだが、本作ではその女ヴァージョンを狙ったのか。面白い狙いだ。

 なお東日出子を検索すると、

1927年 宝塚少女歌劇レビュー初演(『モン・パリ』) 9月9日 - 秋収起義起こる 9月13日 - 日本ビクター設立 9月21日 - 三越で日本初のファッションショー開催(水谷八重子・東日出子らがモデル)

 本作出演10年前は、モデルもする、しかも日本初の。モダンガアルだったのね。

湯浅憲明 1933年9月28日 - 2004年6月14日)は、映画監督。 東京世田谷区赤堤に生まれる。 祖母は初期の新派劇女優で、映画にも出演した東日出子、父は松竹蒲田、日活、大映と移り、戦後は東横映画、大映で活躍した俳優の星ひかるという演劇一家に育った。

 祖母は東日出子、その息子は星ひかる、駄洒落みたいなネーミングは、宍戸、宍戸親子に匹敵か。で孫・憲明には、二人の日・星に共通する「明」をネーミング、と。うーん。

 そしてモンダイのもう一人は、ざっくばらんの大阪令嬢・高峰三枝子、松竹伝統?の、ナンチャって大阪弁で、お嬢様(高杉の洋装お嬢様に対して)和装派令嬢なのに、上原謙に相手にされない欲求不満からか、なんと競馬狂い。競馬場に通いつめ、いと怪しげな河村黎吉の指導の下、馬券買いにいそしむ。うーむ、これぞ時代の先端を行く超モダンガアルか。
 料亭に連れ込まれて(というより、連れ込んだは三枝子のほうか)さしつさされつしながら、
河村黎吉「俺がもートウも若けりゃ、お前さんを口説くんだがな」
三枝子「あら、あたし、五十のおじさん、好きよ」
黎吉「おお、そうかいそうかい。なら、ここはひとつ・・・・」
三枝子「あら、ダメよ。あんた、五十に、ふたつ間があるじゃないの。それに、ちゃんとした職にもついてないし」
 などといいようにあしらい、あんた、ちゃんと職について、五十になる前までは、あたしの子分になりなさい、なんて、とても令嬢とは思えない、やんちゃぶり。
 これがラスト、上原謙へ失恋したばっかりに自殺を企てる純情娘とは思えず(笑)。
幕を引くための、無理やりの幕引きだろう。
 なお、高杉早苗の父・奈良真養が三枝子をモノにしようとするも、幕引きでは後悔。幕引きではいろいろな人が身の始末を付け、映画の後味をよくしようといそしむ。通俗メロドラマのお約束で。
 通俗戦前松竹メロすべての手口を繰り出すが、いかんせん「教科書の凡庸」の退屈からは、抜け出せない。

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by mukashinoeiga | 2014-11-12 00:43 | 佐分利信 サブリン人生劇場 | Trackback | Comments(2)