<   2014年 08月 ( 16 )   > この月の画像一覧

井上昭「監獄への招待」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。67年、大映東京。
 神保町シアターが、珍しく、柄にもなく?レアモノを4本も、しかも同じ週に上映。とうとう1本は、見逃した。
 柄にもない?レアモノゆえデキはいずれもイマイチだが、なかでも本作は面白いほうで。

監獄への招待 <神保町シアターHPより>
S42('67)/大映東京/白黒/シネスコ/1時間28分
■監督:井上昭■原案:義永充■脚本:船橋和郎■撮影:上原明■音楽:渡辺岳夫■美術:下河原友雄■出演:田宮二郎、野際陽子、真理アンヌ、渚まゆみ、河野秋武、津田駿、早川雄三、渡辺文雄
服役中の詐欺師・河西(田宮)に与えられた意外な指令は、自分に瓜二つの日系人になりすまし、麻薬密売の潜入捜査をする事だった――。二役の田宮が躍動するクールなサスペンスアクション。真理アンヌ、野際陽子のシャープな美女ぶりに目を奪われる。

 田宮二郎の一人二役、ファンには堪えられないが、どちらもクールな犯罪者で、オンナ好き。 たいして変わらない。一人二役の妙味は、まったく好対照のキャラの演じわけにあるので、たとえば、片方が無実の罪で監獄入りした善人とかの、落差がないと。でも、そうなると、物語は、よりサクサク進まないので、アウトか。
 ただ、いささかの違いは、ある。
 日系人田宮は、ベッドの上では、ワイルドプレイがお好み。娼婦・渚まゆみ(感想駄文済みの、似たような田宮大映映画で、似たような娼婦役をやっていたが。ま、呼んだコールガールが渚まゆみなら、御の字だろう(笑))を、乱暴に扱う。
 いっぽう、背乗り田宮は、ソフトムードがお好み。中盤、不意に日系人田宮の妻・野際陽子登場。夫婦としてキスをしたり、ベッドをともに、せねばならない。
 日系人田宮の日ごろの夫婦行為なんて、背乗り田宮にはわからないし、ちょっとでもフンイキ違ったら、妻には、丸わかりだろう、というサスペンスが、可笑しい。
 この一連のサスペンスは、グッド。
 在日ドイツ人(元ナチス)に仕える日本人秘書・渡辺文雄、靴をカチッと合わせるナチス式敬礼。海水浴の田宮を監視する、無表情の麦藁帽姿の、場違いが最高に可笑しい。
 普段はめがね愛用の背乗り田宮、日系人田宮に扮する際はコンタクトレンズ着用。大波に洗われてコンタクト喪失、視力が弱いゆえのドタバタ。
 クール田宮も、ひょうきん田宮も、ぼくたちは見慣れているが、どじっ子田宮は、初めて?
 いいなあどじっ子田宮、もっと見たかった。

 信じがたいショット。田宮が勢い付けて、階段を駆け上る際、手すりをつかんで勢いをつけるのだが、その手すりがぐらぐら。ひごろ、重厚な仕事ぶりで鳴らす大映美術陣の、手抜き。
 末期大映ならではの、やっつけ仕事か。
 そういえばダブルヒロイン、野際陽子、真理アンヌもTVタレントや、他社映画で注目された人。大映プロパーの渚まゆみは、チンピラ扱い。大映末期感もただよう。
 日系人夫婦役の田宮、野際は、英語での会話というのが珍。野際は、英語がしゃべれるということで起用されたと思しい。ぼくが見た野際陽子史上もっとも美しいが、しかし神保町シアターHPが言う「美女」では、ない。
 むしろ「美女」では、ないがゆえに、現在まで脇役女優として、生き延びた、というべきだろう。
 鈴木清順「殺しの烙印」の妖艶さに比べて、本作の真理アンヌは、カワイ子ちゃんな役。

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by mukashinoeiga | 2014-08-28 08:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

増村保造「音楽」

 京橋にて。「映画監督 増村保造」特集。72年、行動社=ATG。あと1回の上映。
 再見だが、例によってぼんくらなぼくの記憶力は、ほとんど機能していない初見状態(笑)。
 しかし、うーん、こ、コレは・・・・(笑)。
 これは、ある意味、感想駄文済みの増村保造「千羽鶴」の、真逆にある映画か。
 「千羽鶴」若尾文子は、絶えず発情欲情していて、すべてのシーンにおいて、悶えまくりハアハアしている。
 いっぽう本作の黒沢のり子は、不感症である。
 おそらく「千羽鶴」と「音楽」は一対の、好対照の映画として語られるべきものかもしれない。

音楽 (103分・35mm・カラー)<フィルムセンターHPより>
大映の倒産後、増村が長年のパートナーである藤井浩明(製作)、白坂依志夫(脚本)と設立した行動社の第1回作品。音楽だけが聞こえないという女の意外な過去が精神分析治療によって明かされる。原作は、増村が大映時代にも映画化を企画した三島由紀夫の小説。自由連想を描くシュールな映像が注目を集めた。
'72(行動社=ATG)(監)(脚)増村保造(原)三島由紀夫(撮)小林節雄(美)間野重雄(音)林光(出)黒沢のり子、細川俊之、高橋長英、森次浩司、藤田みどり、森秋子、三谷昇、松川勉、夏木章、松村若代、千月のり子、伊藤千明

 なお、本作のストーリー、及び原作の三島と増村の関係性をきわめてヴィヴィッドに捉えた★フツーに生きてるGAYの日常 増村保造「音楽」●MOVIEレビュー(ATG)★は、当ブログ以上に必読、的確明晰、ぜひお読みいただきたい。と、他ブログに頼りきりの当ブログなのであります(笑)。

 黒沢のり子は、不感症と告白できない。羞恥心と自尊心による。その代わり、「音楽が聞こえない」と、当初、表現していた。
 本作は、患者の彼女と、精神科医・細川俊之の二人の、精神分析バトルを描いた、いかにもマスマスムラムラな、ストーリー。おおむね、二人の言葉のやり取り、対決を描く、増村保造ならではの、ストロングスタイル。黒沢のり子も、細川俊之も、増村的責めのせりふで相手にぶつかっていくのだ。

 ただ、問題は(笑)。いかにもマスマスムラムラらしく、「色情狂」を責めのスタイルで描くのはともかくとして、「不感症」もまた、責めのスタイルで描く。
 黒沢のり子は、姿勢としても絶えず前のめりになり、マスマスムラムラ的としか言いようのない、攻めのスタイルで、ガンガンぶつかって行く。
 精神的(かつ肉体的?)ポジティヴ?の「色情狂」と、精神的(かつ肉体的?)ネガティヴ?の「不感症」の、それぞれの描写が、ベクトルは正反対?なのに、同じ「強度」で描いていいのか?
 どうなんだ、増村。という違和感は、否定できない(笑)。

 そして、後期増村でいつも思うのは、またしても、
 黒沢のり子が若尾文子であれば、ついでに細川俊之が田宮二郎であれば、という喪失感である。
 鈴木清順が、「あなたの映画はつじつまが合わない」といわれて、
「つじつまが合わない(と、感じる)のは、(主演)俳優のせい」と、開き直った(笑)迷言ないし名言を、想起させる。
 ぼくたちは、増村と若尾のベスト・マッチングを見すぎてしまった。三船と別離した黒沢映画がまったく失速したように、若尾と身二つになった増村映画の、コクとキレの喪失。冗談ではなく、福島第一の電源喪失に匹敵する悲劇だ。後期増村を見るたびに、ああ、若尾文子がいさえすれば、とないものねだり。
 若尾文子なら、「色情狂」も「不感症」も、エブリシングオーケーなのだ!
 死んだ子の年を数えるのが、増村ファンの、かなしいサガ。

 なお、鈴木清順といえば、彼と増村の映画的「親近性」にたびたび言及せざるを得ないが、京橋HPが言及する「自由連想を描くシュールな映像が注目を集め」、そのシュールな映像は、鈴木清順を、改めて連想させる。冒頭のはさみの開閉は、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」冒頭のカニさんに近似。着物を繰り広げるシーンもどうよう。
 ただし、超合理主義・増村の「シュール」さは、鈴木清順のシュールパワーとは、比較にならない。「音楽」の「シュール」描写は、「ツィゴイネルワイゼン」の、制作時期は逆だが、下手な模倣、出来損ないである。

三島由紀夫 音楽

 画質は、悪い。

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by mukashinoeiga | 2014-08-27 05:11 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback | Comments(2)

増村保造「千羽鶴」

 京橋にて。「映画監督 増村保造」特集。69年、大映東京。あと1回の上映。
 やはり奇ッ怪な傑作/怪作でありますね。
 ある意味デヴィッド・リンチであり鈴木清順。
 再見だが、その細部はほとんど忘れているのには、自分でも驚く(笑)。ナンセ、京マチの、アノでかい胸のあざ?まで、忘れているとは(笑)。
e0178641_2543772.jpg 覚えていたのは、大怪獣・若尾文子の演技のみ(笑)とは。
 それだけ、本作の彼女の演技のすばらしさと、特異さ(笑)。

 なんてったって、登場シーンすべての演技とせりふで、若尾は、ハアハアもだえて、あえいで、くねくねして、よろめいているのだから。そのせりふのすべてが、あえいでいる。
 この映画の若尾の演技の特異な点は、濡れ場だけではなく、ふつうのシーンでも、ハアハアあえいでいる点だ。それでギャグにならず、絶えずぬめぬめ、くねくね。
 こんな剛速球演技を全編にわたって、いや、超変化球演技か、やってのける女優は、世界広しといえども、若尾文子以外だれがいるだろう。
 おそらく、増村保造の要求する水準を軽く超えて、鬼気迫る演技。この映画を見たら、世界中の女優が嫉妬するか。まああまりにレヴェルが違うので、嫉妬しようもないだろうか。
 女は情動、妄執のまま、生きる。男は迷走する。まさしく、マスマスムラムラな映画だ。
 そして「ご婦人は理不尽」そのものを体現する若尾文子。あまりに素晴らしすぎる。

e0178641_256434.jpg千羽鶴 (96分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
川端康成のノーベル文学賞受賞記念映画。元々市川雷蔵による企画だが、雷蔵の体調不良により平幹二朗が起用された。増村と若尾文子の最後のコンビ作であり、若尾は終始、荒い息づかいと熱に浮かされたようなたたずまいで、かつて愛した男の息子を同様に愛してしまう女性を演じている。
'69(大映東京)(監)増村保造(原)川端康成(脚)新藤兼人(撮)小林節雄(美)渡辺竹三郎(音)林光(出)京マチ子、若尾文子、平幹二朗、梓英子、南美川洋子、船越英二、新宮信子、北林谷栄、目黒幸子、松村若代、福原真理子、三笠すみれ

 完璧なストーリー紹介は★【映画】千羽鶴 - いくらおにぎりブログ★を参照されたい。テキトーな駄文しかかけないぼくには、このブログの「苦行」はムリ(笑)。

 さて、若尾の演技は神がかっているが、京マチもまた、凄い。若尾があまりに凄いので、見劣りのするハナからの負け戦だが、「中婆」役に徹して、負け戦は負け戦なりに善戦している。
 考えてみれば、若尾を筆頭に、大映のスタア男女優は、かなりの演技巧者だ。ガラだけの日活、タイプキャストの東映、アイドル演技の東宝、何の冒険もしない松竹などにあって、チャレンジャーな大映・若尾・増村。

 市川雷蔵の代役が、平幹二朗ということだが、このヒラミキの演技から逆算して、雷蔵の演技を思い浮かべることが、ぼくにはできない。
 メロドラマ役者としてヒラミキは、ある意味完璧。しかしかくも完璧なメロドラマ「相手役」演技が、雷蔵に、出来るのか。雷蔵は「相手役」に徹することが出来るのか。
 逆に言えば、相手役が雷蔵だったら、若尾文子は、これほど振り切った、フルスロットルの演技が、出来たのだろうか。ある意味「格下」のヒラミキだから、かくも吹っ切れたのでは、ないかな。
 大映京都の大御所プリンス雷蔵に、あんな卑怯(笑)な演技をエンエンしかけられるのか。
 いや、仮に仕掛けられたとしても、雷蔵の演技は?(笑) ヒラミキは、無表情?に徹して、「やり過ごした」が?
 やはり雷蔵としても、無表情?に徹して、「やり過ごす」だろうが、なんとなくヒラミキより、「雑味」?が、あるような気がする(笑)。
 それとも「卑怯」な演技の若尾に、これまた「卑怯」な演技で対抗しただろうか、雷蔵は(笑)。いや、雷蔵は、そもそも「卑怯」な演技の引き出しは、もっていはいまい。
「ちょっと、卑怯すぎるよ若尾ちゃん。マスさん、とめてぇな」とか、弱音を吐きそう(笑)。
 いっぽう、まだ若手のヒラミキは、むっつり、つっころばしに徹して、卑怯な若尾攻撃に、ただただ耐える、と。結果、それが幸いしてか、若尾の卑怯攻撃に、ヨレることのないヒラミキなのであった(笑)。
 ヒラミキもまた、負け戦に「ほとんど勝っている」あるいは「ほとんど、負けていない」のでは、ないか。いや、負け戦は負け戦なのだが。ここまでやれば、勝ったも同然、といういいわけも成り立つレヴェルだ。

 そして、もうひとり「負け戦」を意外に「善戦」したのが若尾の娘役・梓英子。たいていは、ガチャガチャしたチンピラ姉ちゃんを得意とした彼女が、打って変わって和服姿のメロドラマに参戦。
 もともと若尾に勝てるわけがなく、特に本作の若尾にはなおさらだが、その範囲で「意外な善戦」だと思う。梓英子、その風情がケナゲで、はかなげで(巨人・若尾との対比で)、ちょっと惚れた(笑)。
 うーン、いつになく上から目線だなあ(笑)。
 あまりに破壊神か若尾と、それに耐え切った競演陣、といったところか。
 実は、破壊神・若尾に、唯一「勝った」女優がいる。ヒラミキの老女中・北林谷榮。猫背で超ウロン顔の老女。出たとたん爆笑を誘う。まあ「勝った」というより「独自の戦い」と申すべきか。

 しかしぼくなら(笑)本作の若尾や京マチは、ウザ過ぎる(笑)。最終的にヒラミキが選んだように、梓英子かな(笑)。
◎追記◎いや、こういうどろどろを危うくのところで回避した、ヒラミキの見合い相手、かわいい南美川洋子という手もある(笑)。
 ところで、若尾は父(船越)子(ヒラミキ)を、ともに愛と欲の対象にする親子丼。
 ヒラミキは母(若尾)娘(梓)ともに愛と欲の対象にする親子丼。
 ダブル親子丼という、川端の妄執も、またご立派(笑)。

 感想駄文済みの増村保造「赤い天使」で、鈴木清順との近質性を感じたが、本作でも、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」との「近質性」を感じるのは、これも妄想の類だろうか。
 切通しを通って鎌倉の自宅に帰るヒラミキ・・・・同じく原田芳雄
 貸した茶碗を返してください、と迫る梓英子・・・・同じく大谷直子
 二人の男を同一視する若尾・・・・一人二役の大谷直子
 なんだか下世話な京マチ・・・・同じく大楠道代
 清順、さては、パクったな(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-08-25 05:42 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback | Comments(0)

増村保造「この子の七つのお祝いに」岩下志麻畑中葉子中原ひとみ芦田伸介岸田今日子

 京橋にて。「映画監督 増村保造」特集。82年、松竹=角川春樹事務所。
 ロードショー公開時以来の再見。当時は、ダルダルの凡作と断じたが、たぶん、いや絶対に、マスマスムラムラのことなど無知の頃で。
 では、マスマスムラムラについては、大体見当がついてるはず(笑)の現在では、見方が変わるかどうか(笑)。という意味での再見でおます。

e0178641_14173626.jpgこの子の七つのお祝いに (111分・35mm・カラー)<フィルムセンターHPより>
角川春樹の製作で斉藤澪の第1回横溝正史賞受賞作を映画化。これが増村の遺作となった。夫への復讐の念を娘に託し自らの命を絶った母。時は流れ、政界を操る女占い師の周辺で起こる連続殺人。血塗られた2つの事件に、戦後日本の深い傷跡が浮かび上がる。真相が明かされるラストの夕日が観客の脳裏に焼き付く。
'82(松竹=角川春樹事務所)(監)(脚)増村保造(原)斉藤澪(脚)松木ひろし(撮)小林節雄(美)間野重雄(音)大野雄二(出)岩下志麻、杉浦直樹、根津甚八、辺見マリ、畑中葉子、中原ひとみ、室田日出男、名古屋章、神山繁、村井国夫、芦田伸介、岸田今日子

 そもそもは角川春樹が大鉱脈を掘り当てた市川崑「犬神家の一族」以来の過去の因縁が現代に惨事を引き起こす「おどろおどろしい土着的怨念ミステリ」その何匹目かのドジョウである本作。
 それが増村に依頼されたのは、なにゆえか。
 そもそも、市川崑は、増村の映画論(最近文庫になった。ちびちび読んでいる)では、溝口、黒沢に並ぶ重大監督扱い。ただ、実際は市川の大映作品を、ほぼ、ぼろぼろにくさし、またその「偏狭」な性格も証言しているのが、たいへん楽しい読み物だ。
e0178641_14203018.jpg 独善的な天才肌、とも言う。人格に問題のある(笑)独裁者は、人民に必ず嫌われるという典型のような人物だったらしい、市川崑は。清水宏の小型版のような、嫌われ者だったよう。
 映画ファンとしては、よく見ている監督のゴシップは、大変に好物だ(笑)。

 ちなみにぼくの好きなマスマスムラムラのゴシップは、地方ロケに行くと、夜は旅館の大広間での夕食になり、各お膳(宴会仕様)に、お銚子が一本つく。まあ、スタアさんがいるかどうかは別にして、スタッフも大所帯だから、一見宴会風の夕食。
 酒飲みのスタッフは、あてがいぶちの夕食はそそくさと済ませ、夜の巷に繰り出す。まあ、監督が増村で、いちおう上座だろうから、そんな宴会に、長く居たいとは、誰も思わないだろう(笑)。
 で、当然お銚子には手をつけない、下戸もいるだろう。
 宴たけなわの頃になると(実際は打ち上げではない、日々の夕食なのだが)増村は、下戸の手付かずの銚子、いなくなった酒飲みの飲み残しの銚子を集めて、酒盃を重ねたという。
 さすが、超合理主義にして、地味地味な増村らしい(笑)。
 カツシンや裕次郎、監督でも川島などの豪遊伝説は数あれど、こんなしみったれた(笑)映画全盛期の監督も珍しい。
 確かに銚子には誰も口を付けてはいないのだから、合理主義者の酒飲みにしてみれば、もったいないし、しかし監督としてはみっともない。合理で地味な増村らしいエピソードで、ぼくは好きだな(笑)。

 何の話だっけ。そうそう「この子の七つのお祝いに」の話だった。
 結論から先に言うと、土井たかこ。「駄目なものは駄目」。
 まず、111分の上映時間が長過ぎ。
 全盛期マスマスムラムラなら、確実に90分は切っていただろうタイトな物語に、半時間の「贅肉」。「贅沢」なランニングタイムの使用などではない、単なる「贅肉」な映像の数々。
 体脂肪をほぼ絞りに絞った大映時代の、「90分の男」に比べて、この「贅肉」過剰が、この映画からサスペンスを奪った要因のひとつだ。
 しかしこの映画のストーリーは、111分の上映時間をかけるようなタマでは、ない。その結果、増村は、どうしたか。
 杉浦直樹、根津甚八のふたりは、ルポ・ライターと新聞記者で、二人は事件の真相を探るべく、多彩ないろいろなところに取材に出かける。そのたびに、すべての場所で、看板なり表札なりエンエン映す。律儀に固定ショットで、各五秒ほど? 杉浦のマンションの看板など何度も映す。
 こんな律儀かつ凡庸な映画って、たぶん、はじめて見たよ。まあ、この種のわかりやすい場所説明は、大映プログラム・ピクチャアの基本であったのかもしれないが。しかしそれにしても過剰。
 贅肉その2。本作の象徴の童謡「通りゃんせ」を。岸田今日子が二度も、そして岩下志麻も歌う。しかも、すべてフルヴァージョン(笑)。
 そのほか、すべて描写において「余裕」。ゆったりした描写なんて、マスマスムラムラには、これほど似つかわしくないものはない。合理主義がなくってもんだぜ。

 次に、本作が駄目な理由その二。あるいは、コレはぼくの個人的理由だけかもしれないが。
 ぼくは、根津甚八が駄目。どの映画どの映画を見ても、彼のよさがわからない。主演作が多いということは人気があるんだろうが、ぼくにとって根津甚八は、砂。彼の出番は、毎度砂をかむような思い。根津甚八不感症(笑)。
 次に杉浦直樹も微妙。このひと、若いころは一応二の線。でも、妙なゆるさが、二枚目になりきれず。
年をとったら、味のある人情派?に転換するも、今度は、そのゆるさを、妙な硬さが、ジャマをする。
 どう対応していいのかわからない、ハンパ感といいますか。
 このひと、はしゃいでいるときはカラ元気にしか見えなくて、しょんぼりしているときは、仮病感(笑)が、漂うのよ。なんだ、単なる大根か。
 そしてヒロイン岩下志麻。究極の不感症女優。ごく若いころの時期をのぞいて、この人の出番を楽しめたことが一度としてない。演技も下手だし。クライマックス「通りゃんせ」をフルで歌う演技の稚拙さったら、目を覆う。ま、罰ゲームだから、目を覆ったら負けだから、実際は、覆ってないけどね。
 つまりこの映画、砂、微妙、罰ゲームが主演トリオだから、ぼく的には、うんざりキャストで。

 大映全盛期マスマスムラムラで、確実に90分は切っていて、岩下が若尾あややで、根津が川口浩、杉浦が船越英二、だったら、あるいは本作は傑作になっていたかもしれない。
 本作でも、キーパーソンのふたりに増村保造「卍」岸田今日子、増村保造「赤い天使」芦田伸介を使っているが、こちらはグッド。なので大映全盛期マスマスムラムラ版でも、オーケー。
 とくに岸田今日子は、出色。彼女以外に、この役は、考えられない。

 次に、本作が駄目な理由その三。ホラー寄りのサスペンス描写が、徹底して下手。増村保造は、人間関係サスペンス?や情痴サスペンスは得意でも、ホラー劣等生?であることが、わかる。ホラー描写では、安っぽいTV2時間ドラマの域で。映画なのに、TVドラマに、毒されすぎだぞ、増村。
◎追記◎感想駄文済みの増村保造「恋にいのちを」江波杏子どうよう、本作の岩下もベッドシーンで機械的に仰向けに倒れる。さすがに新人・江波ほど機械的ではないが、いかにも増村保造的な、味も素っ気もない「合理的」な、倒れ方。
 おそらく増村とは「演技的」相性が良かった若尾なら、きわめて官能的にふわふわと倒れるところを、新人江波、不感症岩下には、単なる器械体操だったのだろう。今回まだ再見していない増村保造「セックス・チェック 第二の性」安田道代も、また、機械的にベッドに倒れるのだろうか。

余談1 って本駄文のすべてが余談そのものだが。ネットで見ると、本作をTV放映で見た当時の小学生たちが、トラウマになるほどの恐怖を味わったという。増村ホラー演出はヘタ以外の何者でもないが、たぶん、
 タイトルがタイトルなので子供向けと誤解されて、多くの子供が見た→コドモには初体験なホラーモノにショック→暗い和室の市松人形の、恐怖→岸田今日子のふるふる震える声にやられ→ヤキゴテでの児童虐待や、赤ん坊の拉致、ねずみに食い殺された赤ん坊、朝起きたら母親が血まみれで死んでいる、母親に裏切られた、などなど、大人よりもむしろ子供にとっての恐怖感満載な展開。
 タイトルが子供向け風でなければ、ここまでのトラウマには、そもそもならなかったであろう。

e0178641_14404248.jpg余談2 コレもネットで話題は「岩下志麻セーラー服写真」の異様(笑)。髪型もアフロ風で異様だし、コスプレ感満載。若い時期の岩下セーラー服なんて、松竹の過去スチール探せば、いっぱいあるはずなのに、そういうスチール写真では、増村は、満足できなかったのだろう。「過剰さ」が足りない!ということか。
 なお、岩下のセーラー服は写真の衝撃度で話題になるが、まったく無視されているのが、中原ひとみの、洋裁学校時代回想シーンでのカーディガン姿か。もちろんはたちとしては、ありえない老け顔なのだが、童顔だからぎりぎりオーケー(では、ないが、かろうじて、問題?とはならない)。
 しかしなぜ野添でなく中原なのか。たまには、違うひとみを使ってみようということか。もっとも、中原ひとみ好きとしては、この年でもかわいい中原を、コスプレ付きで見られて、オーケー(笑)。

余談3 書いているうちに思い出したが、ロードショー時は深作欣二「蒲田行進曲」との2本立て。このときぼくは、地方の映画館に勤めていたのだが、当初は「この子」のほうがA面だったはず。
 ところが、幕をあけてみたら、「蒲田」の大圧勝。爆笑に次ぐ爆笑。エンエン長期上映化し、最後の頃はさすがに客席もまばらになるのだが、「蒲田」のすごいところは、空席のほうが多い末期になっても、場内は爆笑の渦となること。いっぽう「この子」上映時は、セキとして声なし。
 上映中は、映画館従業員は暇になるので、「蒲田」上映時はたびたび館内で入り浸っておりました。映画の勢いもさることながら、必ずそして常に場内大爆笑の連波というのは、映画好きにして映画館好きの小生には応えられないものでしたので。
 いっぽうの「この子」のほうは、一回見たっきりかな(笑)。ホラーモノとしては、特に初期の特報、暗がりの市松人形はよかったのですがね。アノ特報は何回も見ました(笑)。たぶん下のとは違うほう。
しかし2本立てなら、最初から上映時間短くして、増村本来の味を出せばよかったのに。残念。人はないものねだりするものか。

「この子の七つのお祝いに」 あの頃映画松竹DVDコレクション

この子の七つのお祝いに(昭和57)メイン・テーマ

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by mukashinoeiga | 2014-08-23 15:21 | マスマス増村保造ムラムラ | Trackback | Comments(12)

津川雅彦、吉永小百合を揶揄?

 という記事を、夕刊フジで読みました。こちらは、酒の肴のおつまみ代として、紙媒体を購読。
 ネットでも読めます。強調赤字は当ブログによります。

★【朝日の大罪】俳優・津川雅彦が緊急寄稿 慰安婦“大誤報”「どうか見苦しく逃げ回ってほしい」 (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK★
 朝日新聞が、慰安婦問題の大誤報を32年もたって認めながら、検証記事では謝罪もせず、木村伊量(ただかず)社長が記者会見も開かないことに、政界や財界、学界などから批判や疑問がわき起こっている。広告出稿をとりやめる企業も出てきた。こうしたなか、俳優で映画監督の津川雅彦氏が、夕刊フジに緊急寄稿した。

e0178641_615975.jpg 朝日新聞は、慰安婦報道の大誤報を訂正したことで、ゴーストライター騒動の佐村河内守氏や、号泣会見の野々村竜太郎元兵庫県議、理研の小保方晴子研究ユニットリーダーを抜き、一躍、「時代の寵児」の地位を獲得した。
 良くやったぞ、朝日の諸君! しかも謝罪しないのは、左翼らしくてよろしい!
 訂正には謝罪がつきものだと、ガキでも知っている。僕は子供のころから、すぐに謝るタイプだった。「謝って済むなら警察はいらない」と言い返され、「すみません」に「もうしません」を付け加えたほどだ。
 しかし、左翼に「潔さ」は、似つかわしくない。朝日の社長は記者会見もしない。どうか見苦しく逃げ回ってほしい。じゃないと、せっかく落ちた販売部数が元に戻っちゃ、元も子もない。
 左翼嫌いの僕にとっては、その「卑怯(ひきょう)」「卑劣」なイメージをキープして、訂正記事を出したことを無駄にしてほしい。
 朝日としては販売部数が落ちて、慌てて慰安婦問題の検証記事を出したのだろう。だが、その訂正は一部に過ぎない。反省の余地が、ごまんとあることは誰でも知っている。朝日を親分として、似たような記事を書いてきた新聞数紙がダンマリを決め込んでいるのも、彼ららしい。このまま一生黙っていることを勧める。
 朝日はイメージダウンの解消に必死なのか、「広島原爆の日」の6日、国民的人気女優を1面トップで扱っていた。「核兵器にノー」を大見出しで、小見出しで「さよなら原発」。記事の終盤で、彼女は「集団自衛権」や「政治」への批判・懸念まで語っていた。朝日が、口にたまった痰(たん)を外に吐き散らかし、その清掃もせず、国民的女優をティッシュがわりにして、自分の口を拭ったとしか思えなかった。
 聞いた話だが、某左翼政党の内部には、彼女の写真がデカデカと貼ってあるらしい。かわいそうに…。有名な左翼の映画監督に洗脳されないかも、心配だ。左翼よ、国民的アイドルまで食い物にするな!
 役者である僕が今回、夕刊フジに原稿を書いたのは、目立ちたい病の一種といわれても仕方ないが、無論、わが国を愛するからだ。本音は、日本映画をダメにした左翼たちの自虐史観が憎いのだ。その先頭で旗を振ってきた朝日も大嫌いだ。
 左翼が嫌いだからと、僕を右翼呼ばわりするのは偏向思考だ。街宣車でがなり立てる、あの右翼と一緒にしないでほしい。わが愛車に日の丸は付けるが、愛国心の発露だ。
 この原稿は役者としての率直素朴な感想に過ぎない。朝日の訂正事件は「左翼の終わりの始まりになる」と僕は信じている。(引用終わり)

 もと日活俳優が、その後輩を、揶揄した感じか。日本では、割と珍しいことなので、旧作日本映画ブログとして、記録する。しかし、こう揶揄されても、朝日新聞同様、左翼な吉永小百合は、この件に関してはだんまりなんだろうなー、福島みずほみたいに(笑)。

◎追記◎感想駄文済みの西河克己「白鳥」1966年日活からの自己引用です。
 その小百合が、渡哲也を追って、結果的にも二木てるみにたどり着くしょっぱな、小百合が通過する、ある私鉄駅前で、学生服の青年がアジ演説。
「憲法改憲と徴兵制につながる小選挙区制導入に反対!」
 イヤー爆笑しましたね(笑)。
 バカの一つ覚え、バカ左翼の一つ覚え、バカ左翼の、現在最新のアジ演説と、50年前のアジ演説が、まったく変化なし(笑)
 いまは、「憲法改憲と徴兵制につながる集団的自衛権に反対!」ですか(笑)。
 少なくとも、まずバカ左翼諸君は、
「この50年以上、憲法改憲と徴兵制が来るぞ、来るぞ、と無駄な危機をあおってきたのに、実際は、この50年間、憲法改憲と徴兵制は、ありませんでした。少なくとも、この50年間、私たちバカ左翼は、狼少年として、日本国民の皆様を、だまし続けてきた、ペテン師です」
 と、半世紀に及ぶ非を認めてから、そののち、「でも、いま、安倍政権になって、ホントウにやばいんです! 今度こそ、憲法改憲と徴兵制が、来るぞ来るぞ」と、百年変わらぬ(笑)アジ演説を、していただきたいもので。

 おそらく、朝日や東京や日刊ゲンダイの、インテリな読者(笑)は、何でこれほど報道されているのに、いまだに大勢のババアは、オレオレ詐欺に引っかかるんだ、と鼻で笑っておられると思いますが、そういうおまえらこそ、この50年間、憲法改「悪」と徴兵制がクルクル詐欺に、だまされ続けでは、あーりませんか、と言いたい(笑)。(以上引用終わり)

 いやあ戦後レジーム=オオカミ少年左翼リベラルもひどさもひどし。その界隈の永遠のアイドル(笑)が吉永小百合なんですね。

 ちなみに、★吉永小百合さん「どんな状況でも、核兵器はノー」:朝日新聞デジタル★

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by mukashinoeiga | 2014-08-22 02:20 | うわごと | Trackback | Comments(2)

爆笑アノ朝日が戦争肯定記事の怪!

 本日、喫茶店で備え付けの朝日新聞を読んでいたら、まことに朝日らしからぬ記事に目を、むいた(笑)。ちなみに、ワタクシ反日売国奴新聞である朝日に金を払うことはない。あしからず(笑)。
 この記事は(笑)。
 韓国から極右新聞と目の敵にされ、意味不明な理由でソウル支局長が検察に事情聴取されるという、産経新聞ですら、ようは書かんわ、という、ある意味、大東亜戦争肯定記事である(笑)。
 ネットでも、読める。
★(世間の戦争 第1次世界大戦から100年:3)「働け戦え」、女性に非日常の高揚:朝日新聞デジタル★
 以下、その引用をする。なお赤字強調は、当ブログによるものだ。

英国陸軍に、カーキ色の制服をまとった志願制の「女性補助部隊」が誕生したのは1917年。それ以前から、軍隊に将校の妻や看護婦が随行することはあった。しかし第1次世界大戦は、看護という伝統的な女性の領域を超え、公的な制度として女性が軍隊に組み込まれた初めての戦争だった。
 英国では開戦から4カ月で200万人の男性が出征。労働力が不足し、軍隊や工場などの仕事の穴を、100万人以上の女性が埋めた。女性には「兵士」の地位は与えられなかったが、戦場での遺体の埋葬や車の運転など、平時は女性が就かない仕事を経験した。
 英国近現代史が専門の摂南大准教授、林田敏子さん(43)は「女性は制服を着て戦場や工場で働くことで、戦争に参加する喜びや自分の存在意義を見いだした」と話す。第2次大戦期には一歩進み、女性は正規隊員として徴用された。

 日本は欧州以上に、女性の役割として出産と「家」の守りを重視した。しかし太平洋戦争の戦況が逼迫(ひっぱく)すると、勤労動員を強化。45年6月には本土決戦を想定し、17歳から40歳の女性を戦闘員とする義勇兵役法も成立した。
 「産めよ殖やせよ」のみならず、「働け戦え」。しかし、「銃後」にいた女性に聞き取りを重ねた女性史家の加納実紀代さん(74)は、「寝食を忘れて働いた当時を、生涯最高の日々として胸に温めている女性もいた」と語る。

 30年代、日本各地に生まれた「国防婦人会」は、出征兵士を励まし、遺族の世話をやいた。
 「家に閉じ込められていた女性が、国防婦人会の活動なら堂々と外出できた。幹部になれば大勢の前で発言することもあり、非日常の楽しさがあった」。結果的に、思想や生活の統制の一翼を担い、軍部の戦争遂行を助けた。本土空襲まで、銃後の女性が戦争の無残さを感じる機会は限られていた。
 女性はしばしば「非戦的」とイメージされる。
 婦人参政権運動のリーダー市川房枝は31年、「戦争に対する婦人の考えは男子とは非常に違います。(略)婦人は天性そうしたことを好まない外、戦争は自分の可愛い子供を殺すのですから、反対なのは無理もありません」と書いた。しかし戦争に反対し難い情勢になると、「国家社会に貢献し、非常時局の突破に実力を発揮することが参政権獲得の段階になる」と、総動員の旗振り役に転じた。

 出産奨励や避妊など生殖政策の歴史に詳しい元同志社大教授の荻野美穂さん(68)は、女性や母が本質的に非戦的だという見方を否定する。「女性に非戦的な傾向があるとすれば、子や老人など生身の命に接する機会が多く、命を大切に思う感受性が磨かれるためだろう。しかし大切に思うのは自分と子どもとその延長線上の世界。子どもを守るために戦争をする、という発想にもなり得る

 第2次大戦後、世界的に軍事組織の女性登用が進んだ。徴兵制をやめた国で、男性だけでは数と質を保てなくなったことが大きい。
 自衛隊では58年に女性の看護学生の採用が始まった。93年には、陸海空自の全職域を開放。最高位に次ぐ「将補(しょうほ)」についた女性もいる。ただ、隊員の女性比率は約5・6%にとどまる。戦闘機パイロットなど最前線の仕事の中には、体力差や「母性保護」を理由に女性がつけないものもある。
 (→「女性がつけないものもある」という表現は、まるで、その限定が、悔しいかのようだ

 米国ではフェミニストの一部などが、徴兵登録や配置の男女平等を訴えてきた。「軍務を果たしてこそ一流の国民」という思想などが背景にある。しかし、軍事や自衛隊の位置づけが米国と異なる日本では、軍事的な活躍によって女性全体の地位を高めようという動きは見られない。
 一方、軍事とジェンダーの関係に詳しい一橋大准教授の佐藤文香さん(42)は、「軍隊の仕事の中で、人道支援や道路建設などの平和活動の比重が高くなり、女性の非軍事的イメージが生かされる場面が増えている」と指摘する。たとえばアフガニスタンなどでは、米軍の女性チームが子どものケアや情報収集を担った。
 このイメージは、日本でも有効だ。今春週刊誌に出た「積極的平和主義」の政府広報に使われたのは、イラクの少女と折り紙をする女性自衛官の、にこやかな笑顔の写真だった。(高重治香)(引用終わり)
(→朝日が安倍晋三の「積極的平和主義」を、エクスキューズなしで「評価」するかのような記述は、きわめて珍しいのではないか>笑)

 もちろん、本記事が「戦争肯定」というのは、当ブログによる若干のフレームアップのきらいは、ある(笑)。当ブログは、朝日ほど悪質卑劣ではないゆえ、正直に告白するのだ(笑)。
 より正確に言えば、「戦争肯定」記事というより、「戦時下女性の銃後生活における、肯定的側面」というべきだろうか。
 本来の朝日のデフォルトな表現なら、「抑圧されていた日本女性たちは、皮肉なことに、戦時下において男性不足のゆえに、意図しない社会進出、自己実現を果たした」というべきところ、この記事には「皮肉なことに」というエクスキューズが一切ないのだ。
 しかも、なによりもまして「戦時下女性の銃後生活における、肯定的側面」を、かの朝日が取り上げる、しかも直球どストライクな、肯定度。日本のマスコミにおいては、きわめて珍しい「直球度」では、ないか(笑)。この記者が、反日左翼な朝日の害毒にまみれて、ホンタさんやウエムラさんやらワカムラさんにならないことを、望むばかりだ(笑)。

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by mukashinoeiga | 2014-08-19 23:11 | うわごと | Trackback | Comments(0)

田中重雄「真昼の対決」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。57年、大映東京。
 神保町シアターが、珍しく、柄にもなく?レアモノを4本も、しかも同じ週に上映。とうとう1本は、見逃した。

 菅原謙二の、純情痛快しかも若さゆえにいろいろ煩悶の新米牧師。大学柔道部の全国チャンピオン、医師免許あり、なのに、志あって、貧しい小町の、うらさびれたオンボロ教会に、赴任。
 面白くなる要素は、あり~の、志村喬、角梨枝子絶品のスバラシさもあり~の、でも、なんとも生ぬるく。

真昼の対決 <神保町シアターHPより>
S32('57)/大映東京/カラー/ヴィスタ/1時間41分
■監督:田中重雄■脚本:小國英雄■撮影:渡辺公夫■音楽:古関裕而■美術:柴田篤二■出演:菅原謙二、志村喬、角梨枝子、山本富士子、川崎敬三、東山千栄子、見明凡太朗、村田知英子
酒と賭博と喧嘩にまみれた田舎町に赴任してきた牧師(菅原)の愛と正義を描く。町のごろつきの食い物にされながら飲み屋を営むうらぶれた女は、角梨枝子のはまり役。実際に柔道有段者である菅原が、悪党たちを懲らしめるために繰り出す技は迫力満点!

 菅原の、もと学友ながら、道を踏み外して殺人の罪を逃れようと、偽名暮らし、いまは町の暴力団幹部。菅原をおとしめようとするのが、高松英郎。コレが、感想駄文済みの島耕二「誘惑からの脱出」同様、悪の迫力に欠ける、中途半端な気弱さ。年取ってTV「柔道一直線」などで、あるいはマスマスムラムラ「巨人と玩具」などで迫力俳優となったが、この若いころのひ弱な悪役ぶりは、呆然の一言。
 顔がひねくれているせいで、悪役やらされてるけどサー、といういやいや感満載の演技。

 いっぽう町のアイマイ居酒屋の、酌婦なんだか娼婦なんだかの、酔いどれ角梨枝子の絶品よ。彼女の代表作というべきか。いまは落ちぶれ果てているが、当の教会の小さなオルガンを所在投げに、投げやりに弾いているとこを見ると、昔はお嬢さんだったか。
 そういえば前記島耕二「誘惑からの脱出」でも、酔いどれストーカー?女を演じてました。酔いどれといえば彼女、というのが大映の共通意識か。

 その角梨枝子に、岡惚れの、土方の大将に志村喬。この時期国民的名優の重厚演技じゃないお気楽なおっさんの志村は、かなりの珍品で、味わい深い。戦前ののんき脇役期を髣髴させ、うれしい。
 たぶん黒沢映画以降だと思うが、分厚いたらこ唇を一文字にしての、重厚演技もいいのだが、本来はもっとすっとぼけた演技を得意にしていただけに、演技もくちびるも重厚一本やりは、勘弁してほしいところだ。

 赴任した菅原とすぐ仲良しになる、町の小学校教師の兄妹、川崎敬三と山本富士子、この理想主義ぶりも、ナイス。山本の助演も、この時期ならではか。
 全体的にはコミカルだけど、シリアスもあり~の、いいとこ取りも不発なり。
 脚本、演出は駄目だけれど、菅原らの、演技を見てるだけで、及び例によっての安心の大映美術陣のスバラシさ、大映映画の楽しさよ。

★Movie Walker★に、詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

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by mukashinoeiga | 2014-08-17 11:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

島耕二「誘惑からの脱出」

 神保町にて。「にっぽん男優列伝~大映篇 キラリと光る優男たち」特集。57年、大映東京。
 神保町シアターが、珍しく、柄にもなく?レアモノを4本も、しかも同じ週に上映。とうとう1本は、見逃した。

お兄哥さんとお姐さん<神保町シアターHPより>  ←見逃した
S36('61)/大映京都/白黒/シネスコ/1時間24分
■監督:黒田義之■原作:川口松太郎■脚本:辻久一■撮影:本多平三■音楽:小川寛興■美術:内藤昭■出演:勝新太郎、万里昌代、田宮二郎、小林勝彦、小桜純子、志村喬、稲葉義男、毛利郁子
上州で謀略を巡らす熊の沢一家と争う、昔気質の玉村一家のために、渡世人・三次郎(勝)が立ちあがる。『悪名』でブレイク直後、絶好調の勝新の威勢の良さに胸がすく股旅時代劇。大映時代の田宮には珍しい時代物出演で、勝との息の合った共演は貴重。

 で、本作。

誘惑からの脱出 <神保町シアターHPより>
S32('57)/大映東京/カラー/ヴィスタ/1時間31分
■監督:島耕二■原案:原田光夫■脚本:須崎勝弥、島耕ニ■撮影:高橋通夫■音楽:大森盛太郎■美術:高橋康一■出演:根上淳、川口浩、若尾文子、角梨枝子、高松英郎、月田昌也、苅田とよみ、花布辰男
拳銃の名手の兄(根上)が刑期を終え出所し、弟(川口)と共に暮らすうち、弟が悪の道に誘い込まれていく…。知的でクールな二枚目として人気を博した根上淳が、命を賭して弟を守る兄を熱演する。弟の恋人役の若尾文子が健気な愛らしさで花を添える。

 で、50年代の大映の(別に大映に限らないのだが)文芸モノ寄り(ないしメロドラマ寄り)犯罪モノの、しまりのなさ、ゆるさから、本作も、逃れられていない。
 しまりのないモト犯罪者・根上淳は、ホントにトーシローと区別がつかない描写だし、悪の親分の、これまたしまりのない、チカラ弱い高松英郎。まるで宝塚みたいな、お子様感があふれている。歌劇の宝塚なら、何の問題もないのだが。
 愛らしい若尾文子も、何のしどころもない役で。かわいそう。
 ただ前半は、夜はキャバレーづとめの同僚に忠告していた彼女が、生活苦からその同僚の紹介で、キャバレーに。清純派と妖艶派と、二つの顔を持つあややの、変遷を一本の映画に凝縮して、その将来を予告するかのよう。
 も、相変わらずのやんちゃ感(若いときの彼にしか出せないアジ)川口浩の、楽しさではあるが、これまた、何のしどころもない役。
 ぬるい、いい加減な脚本、しまりのない演出。
 なんだけど、例によって、大映美術陣の、しまりも緩みもない、セット、情景が絶美(笑)。

★Movie Walker★に、詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

◎おまけ◎Anchin to Kiyohime 1960 [retro-trailer]

 最後に、ちょこっとだけ島耕二監督の後姿が。ホントの少し。

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by mukashinoeiga | 2014-08-15 06:22 | 島耕二と行くメロドラ航路 | Trackback | Comments(4)

2ちゃんで拾った名言などなど

◎消費税増税は民主党政権で決めた
国民n多くが消費税増税は仕方ないと思っている
その事で安倍政権を叩こうとしても無駄だよ
実現不可能な理想を掲げ、現実問題に対処してる人々を批判しても
現実世界で頑張ってる人間は共感しない
少し汚れた服を着ている人間を見て、
お前の服は汚れている、俺はそんな服は着たくないってわめいて、
自分は着る服もなく裸でいる

それがブサヨ

◎20140807 朝日新聞「大誤報」を検証する 池田信夫×石田雅彦×石井孝明


◎石原慎太郎と野党激震!世界は広い!中韓なくてもいい!


◎>■強姦は皇軍名物だった(韓国史に詳しく日本史に疎いネトウヨ)
 日本軍は、明治8年の台湾征討出兵から太平洋戦争終結まで延べで1千万人もの兵士を海外に派遣したが、一度も混血児問題を起こしていない。
 韓国軍は、わずか3万×5年=延べ15万人のベトナム派兵で1万人もの混血児を作った。
日本の皇軍がいかに兵士の性欲をきちんと管理していたかの証明ですね。

◎字幕【テキサス親父】韓国の朴クネ大統領に親父が巨大ブーメラン


◎2004年佐世保小6女児同級生殺害事件発生!

加害者「被害者が生き返ってきたら謝りたい」

市教育委員会「もう二度とおこさないように「命大切にする教育」をしよう!人は死んだら生き返らないんだよ」

教材は『100万回生きたねこ』に決定!

2014年佐世保北高校殺人事件発生

市教育委員会「命を大切にする教育に力を入れてきたのに!何故?」

コントかよw

◎安重根に関する「正しい歴史認識」
日本の右翼が顔負けするほどの天皇崇拝主義者で「独立反対、併合賛成」の
運動家を、どうして「抗日運動家」「独立運動の義士」といえるのだ?
https://www.youtube.com/watch?v=hiYAfY6neLk
伊藤博文: 「併合反対」
安重根: 「事大主義による自発的・熱烈天皇崇拝姿勢」 「独立反対・併合賛成」
「大東亜の平和を望まれる天皇の意思は日韓併合のはずだ。どうせ韓国は独立は無理だ
だから,孝明天皇を暗殺し併合反対を唱える伊藤博文を、天皇の意思に逆らう逆賊として
討つことは、天皇の意思に沿ったことだと判断され、俺は、日本で英雄になれるはず。」
「併合反対の伊藤を暗殺しても死刑にはならないはず。」
でも、安重根は、その名声欲からの凶行という邪心を司法に見抜かれて日本の極右団体の助命嘆願運動の甲斐もなく死刑に処された

【炸裂、安倍節 53分 ! 】首相登壇:全編収録「たかじん・・」4月20日


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by mukashinoeiga | 2014-08-12 11:36 | うわごと | Trackback | Comments(0)

西村昭五郎「青春の風」吉永小百合山本陽子和泉雅子浜田光夫杉良太郎

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第73弾 吉永小百合」モーニング特集。68年、日活。
 光子の愛称がピカちゃん、愛子の愛称がラブちゃん、峯子の愛称がネコちゃん、そういうお気楽青春映画だが・・・・。

e0178641_9223847.jpg青春の風 1968年(S43)/日活/カラー/83分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:西村昭五郎/脚本:才賀明/原作:京都伸夫/撮影:姫田真佐久/美術:横尾嘉良/音楽:林光
■出演:山本陽子、和泉雅子、浜田光夫、杉良太郎、川口恒、藤竜也、坪内美詠子、殿山泰司、橘和子
大学のフェンシング部に所属するピカちゃん(吉永)、ラブちゃん(和泉)、ネコちゃん(山本)の仲良し三人組。ラブちゃんの兄・浜田光夫をめぐっての三角関係が巻き起こす騒動を明るいタッチで綴った青春讃歌。
   (なお、上記解説の「大学のフェンシング部に所属する」は現在形だが、短大?時代は冒頭数分で終わり、いきなり「一年後」の字幕。この種の「あらすじ紹介」は、決して当てにしては、いけない、典型例)

 ちなみに監督:西村昭五郎と撮影:姫田真佐久は、小百合らが日活を去ったのちの、ロマンポルノ時代に本領発揮。また下記Movie Walkerによれば、アップすらない小さな役(UCCウェイトレス)に渡辺督子。この人もロマンポルノ時代にいくつか準主役。
 しかし、ベタな、何の特徴もないタイトルだなあ。
 浜田光夫がパジャマ姿のまま外まで小百合を追いかけたり(このショットのみ躍動的なキャメラ、のちの姫田真佐久タッチを髣髴させる唯一の撮影)、パンツ一丁で道の真ん中で小百合にプロポーズ、とか、いろいろ面白い要素はあるものの、小百合らがお茶する喫茶店に大きくUCC上島コーヒーと大書されていたり、和泉の勤務先が実際のレンタカー社だったり、山本陽子の実家が四国の大観光旅館だったり、ロケセット多用のタイアップ感、その露骨感がハンパない(笑)。
 いかにも一般映画時代の日活末期感があからさまで。
 本作が「残らなかった」のも、致し方なし。

e0178641_9233835.jpg 同様に、60年代半ばまでは、あれほど輝いていた小百合、雅子の、魅力の失速。
 十代での輝きがあまりに素晴らしすぎて、十代アイドルの宿命? 20代で早くも守りの体制で、本人たちもスタッフも、魅力的な小百合ちゃん、雅子ちゃん、という「常識」にとらわれて、十代の魅力から20代の魅力へ、シフトチェンジに失敗する、あるいはシフトチェンジすらままならないまま、消えていくパターンだ。
 小百合の本作でのショートヘアも似合わず、あれほど強い目力の彼女の目も、奥目気味?
 雅子も、平凡に美人顔の、つまらなさ。ふたりが、インチキ(笑)お遍路姿で巡礼するサマを、グラビア風に撮影する週刊誌記者・川口恒。ここでアイドル風にポージングする、ふたりの痛々しさと無自覚。
 むしろ、あの若さで和服での大人の色香を(すでに)漂わせる山本陽子が目立つ。
 意外にしぶといのが浜田光夫。十代の魅力を、それなりにキープ。ただ、あまりに童顔なので、30台以降は失速していくだろう。
 なお、へらへら笑っているだけの川口恒、兄・川口浩の魅力など露もなし。
 ついでに言えばひよこ性別鑑定士・藤竜也の義姉・渋沢詩子が、なかなかセクシーな未亡人役。倒産した大映時代は地味な小娘役の彼女、見事大人の女性に脱皮したが、もともと地味だったので、だからといってブレイクもせず。しかし、この妖艶未亡人、どう見ても幼い(笑)浜田光夫より、男の魅力むんむん(笑)義弟・藤竜也に、まず、食いつくべきだろう(笑)。

 本作、前に書いたように、素材的にはいいのよ。
 父・小沢栄太郎が引退して、一家は小豆島に隠居暮らし。神戸の元の家は、外人夫婦(E・H・エリック&イーデス・ハンソン)に、売却。この夫婦がハウスキーパーを求めていて、小豆島の田舎暮らしに飽き飽きしている小百合が、手を上げる。
 元お屋敷のお嬢様が、今度はハウスキーパーとして、同じ家に帰ってくる。昔は納戸部屋だったものを、彼女の私室として、与えられる。旧知の御用聞きに「また帰ってきたけど、今度はメイドなのよ」と、屈託のない小百合。
 まるで戦前戦後の日本人の変遷をも思い合わせる(笑)ナイスな展開で。ただ、おしむらくは、日活末期、しかも監督が凡なので、中途半端な青春コメディに。
 コレがマスマスムラムラで、野添ひとみか若尾文子なら・・・・垂涎(笑)。
 あるいは姫田真佐久つながりで、クマシロで、芹明香か谷ナオミなら・・・・垂涎(笑)。まあ、谷ナオミ(元お屋敷の奥様が、メイドに、というSMドラマとしては夢の展開だろ(笑))なら、外人夫婦にも、旧知の御用聞きにも、当然ひーひー言わされるんだろうけど(笑)。

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吉永小百合(渡哲也・裕次郎と)

オープニング - こんにちわ20才 (1964)吉永小百合

 今回見逃したが、コレを見ると既見作でしたな。

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by mukashinoeiga | 2014-08-12 10:25 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)