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衣笠貞之助「大阪の女」

 阿佐ヶ谷にて。「映画プロデューサー藤井浩明 大いなる軌跡」特集。58年、大映東京。5/4(土)まで上映中。
 これはこれは。なかなか、濃厚な、快作な、人間ドラマ佳作ではないですか。
 大阪天王寺界隈の、貧乏な芸人たちが集まって住んでいる「芸人村」なる、芸人長屋の、濃厚なる人情コメディ。
 夫婦漫才で鳴らした中村鴈治郎、相方の女房が死んで、引退。その娘に、京マチ子。この京マチが、バツ1なのに、超純真娘。
 鴈治郎(なぜか頭がイレイザーヘッド状態なのが、笑える)をはじめとして、山茶花究ら、せこい、濃い、あつかましい、がさつな、芸人たちが、ひたすら、おかしい。
 そのなかでの、掃き溜めに鶴な京マチの愛らしさ。コメディだから、眉濃い目ぼさぼさメイクなのが、よけい、愛らしい。身も心もふくよかな、京マチキャラを生かした、ベスト・マッチング。
 そして、船越英二と、高松英郎が同等の、いや、高松が同等以上の二枚目キャラというのが、うれしいやな。以降、大映B級ギャング映画の、汚れキャラ専門と化していく高松が、ほろりとさせる。
 <掃き溜めの鶴>京マチを際立たせる<掃き溜め>役として、色仕掛けで男をたぶら化す素人・角梨枝子、同じく色仕掛けで男をたぶらかす玄人・丹阿見谷津子、ただただ女の情念怨念我欲にまい進する女・倉田マユミの、それぞれの絶品さ。この三人の、素晴らしさ。
 丹阿見なんて、飲み屋で、ちらりと映る後姿にさえ、爆笑。明らかに大金見せびらかす雁治郎に、目をつけた、のが、丸わかりで。ナイス
 丹阿見、お上品な奥様役も多いが、夫君・金子信雄共々の、お下品路線をもっと、まい進してほしかった(笑)。
 高松、角の、妹・小野道子(トルコ嬢役)って、意外とナイスバディだったのね、の、さばさば快演も、楽しい。
 彼ら彼女らの快演を得て、京マチの主役オーラが、さらに、引き立つというもの。

 鴈治郎京マチ父娘の、大家的立場の賀原夏子は、いいんだけれど、関東もんのイメージのある賀原より、浪花千栄子のほうがベストだったか。
 そう、この映画、大阪が舞台なのに、製作は大映京都にあらず、大映東京。
 ということは、実景ロケの大阪都市風景はもちろん大阪ロケだろうが、天王寺界隈のこまごまとした長屋、商店街は、東京でのオープンセット、およびスタジオでの作りこみなのか。すばらしい。もちろん、大映美術スタッフの職人芸については、いまさら言うまでもないことだが、それにしても、やはり、すばらしい。美しいアグファ・カラーの、ほぼニュープリントで見る、大映美術職人たちの完璧さ。ああ、眼福眼福。
 これは、ある時期の大映に特有のことだが、エンドマークが出て後、そういう職人スタッフのみの、クレジットが、画面をせり上がってくる。ここで、ぼくは、いつも心の中で拍手するのでありますね。
 ただ、全面的にほめられないのは、やはり、戦前からのヴェテラン監督の演出に、やや、しまりが、ないのね。そこが、カキンか。
 しかし、京マチ、大映美術、さまざまな見所があり、オススメで。
◎追記◎映画のラストのほうの、かしまし娘と、チョイ角梨枝子、京マチクリップ。ただし、今回阿佐ヶ谷で上映された、ため息が出るような鮮烈なアグファ・カラーとは、大違いの低画質で。


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by mukashinoeiga | 2013-04-29 20:31 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

山下耕作「大奥絵巻」

 神保町にて。「春よ! 映画よ! 女たちの饗宴」特集。68年、東映。
 本特集で先週上映中島貞夫「大奥㊙物語」67年、東映が、現在まで続く、いわゆる「大奥」ものの、原点なのだという。この中島作品は見逃したが、翌年製作の本作は、明らかにそのヒットを受けたものだろう。脚本・成澤昌茂は、うん、そうだろうなあ、と。
 十一代将軍・徳川家斉(田村高広)の御世、大奥では、三益愛子・小暮実千代の両お局が権勢?を振るっている。ふたりの背後には、家斉の正室・桜町弘子が、控えている。
 やや劣勢のお局・淡島千景は、実の妹でもある自分の部屋子・佐久間良子が、将軍のおめがねにかなって、愛妾になったのを幸いに、大奥内勢力を伸ばしていく。
 末の妹・大原麗子も、吸い寄せられるように、大奥に引き寄せられていく。しかも、姉・淡島、佐久間のライヴァル小暮の部屋子として。淡島・佐久間姉妹の追い落としに、その末妹を利用する陰謀として。
 大勢の女たちの集団のドラマを、三姉妹に収束していく。
 「大奥」ものというと、なんだか「女囚」ものと同じ扱いの、エログロ路線になっていったイメージだが、さすが溝口健二の弟子スジに当たる成沢脚本だけあってか、エロほとんどなし。しかし、本格ドラマというには、いささか、甘い。
 淡島の、人を殺してもの、権勢欲も、描写として、いささか弱いし。佐久間と、将軍田村の「うそから出た純愛」も弱い。純情小娘・大原も、純情というより、ぶりっ子感が漂う。
 三姉妹女優の、三方一両損感が、漂うぞ。
 まあ、見ている分には、楽しい。
 淡島千景の、どんな悪の限りをつくしても、大奥での自分の地位を守るぞ、というピカレスク・ロマンと、純愛・佐久間良子と、純情・大原麗子の、それぞれの対立のすわり心地の話さ。
 大奥政治・人間ドラマなら、いっそ山本薩夫で見たかった、とは、ちと、懲りすぎか。ヤマサツなら、白黒映画になっちゃうか。
 なお、ドスの利きかけた声、妙に据わった目の、大原麗子に、純情ぶりっ子小娘は、似合わず。あの声での、妙に小娘を意識した、作り声の、猫なで声にしか、聞こえない。
 逆に、桜町弘子の、インケン女ぶりは、絶品で(笑)。
 姉の淡島、妹の大原に挟まれた、佐久間良子の、無個性が、弱いか。うーん。

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by mukashinoeiga | 2013-04-26 00:23 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

うーん、ひどすぎる

 まず、下のを、クリックして、社民党のポスターを、見ていただきたい。
★社民党キャッチフレーズは「やさしい社会」参院選ポスター発表★
 いや、ひどいポスターや。ヴィジュアル・センス皆無の、どんよりポスター。
 コピーも、ひどい。「やさしい社会」は、「強い国」があってこそなのに。本日の日刊ゲンダイは、「インパクトある参院選ポスターを社民党が発表」という記事。全然インパクトがないぞ。これこそひいきの引き倒しそのもの。
 ゲンダイとしては、従来「一押し」の小沢一郎が、その「生活の党」支持率がほぼゼロ、でも「生活の党」よりは、1パーセントほどは(笑)支持率がある社民党に乗り換えたということか。もはや、某氏言うところの「流行通信」の本性をあらわにした朝日新聞が、まあ「面従」なんだろうけれど、時の勢いある安倍政権に擦り寄った結果、首都圏紙としては、もっとも反日売国左翼紙と成り果てた。
 こんな、センスないポスターで、人目を引くと思った社民党、日刊ゲンダイなど左翼諸君は、まさしく、論外

 以下、ひどさも、ひどし。
04.24 参議院予算委員会 徳永エリ
 民主党や社民党って、どこの国の代弁者なのか、ってのが、多すぎる。(これは、意図的にか、画質は、悪いです)
◎追記◎ 低画質のものを、より高画質のものに差し替えました。

暫定予算審議時間中に非常識で横柄な態度で憲法クイズ民主党ってw
マンガみたいな、コドモみたいな、ドヤ顔の、痛々しさ。
 民主党って、ルーピー鳩山や菅や、この小西も、徳永えりも、そうだが、コドモ議員ばっかりか。

安倍晋三が朝鮮工作員の辻元清美を完全論破、慰安婦全面否定

グーグルで韓国人と入力すると・・・へ、こんなことあるんだ。
ちなみに、ぼくもググってみたら、「今は改善」されてるようですが(笑)。

★予算委員会で質問しました。 - 小西ひろゆき(小西洋之) 民主党 千葉県参議院選挙区第5総支部長 - Yahoo!ブログ★

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by mukashinoeiga | 2013-04-25 01:03 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鈴木則文「大坂ど根性物語 どえらい奴」

 池袋にて。「日本映画のヒロインvol.13 映画デビュー50周年 富司純子」特集。65年、東映。
 本作は、鈴木則文デヴュー作。今回の特集では、藤純子東映デヴュー作マキノ雅弘「八州遊侠伝 男の盃」との2本立て。このカップリング・センスは、ちょっとうれしい。
 冒頭は、明治最末期の女学校。教師の谷啓が、明治天皇崩御の新聞記事を読み上げる。全員お上品にハンカチを目元に当てて、泣くお嬢様女学生たち。この全員一様の泣き方の紋切り型。
 ところが、ただ一人泣いていない女学生を谷啓は発見し、「この不敬モノーっ」と、駆け寄ると、
藤純子「だって、あたし、お葬式には、慣れてますもん」
 ソラそうだわなー、と思わず納得しつつ、でも、んんんん?と、メンタマひっくり返す谷啓。実は、藤純子は、葬祭屋・曽我部家明蝶の一人娘と知れる。
 この高飛車なお嬢様・藤純子が、父親子飼いの従業員・藤田まことの妻となる。高慢にも子飼いの藤田をしかりつけるお嬢様から、「もう、とうさん(関西語で、お嬢さんの意味のほう)なんて、呼ばないで。今日から、あなたの、奥さんよ」という、<とりあえずの主従逆転劇>が、ちと弱いのは、演出家の若さゆえか。これが、同じ藤純子で、マキノだったら、と思うと、いささか残念。
 藤田まことは、まあ、誰かモデルがいるんだろうが、日本で始めて、ということは、おそらく世界で始めて、葬儀に自動車、いわゆる霊柩車を導入した男。当初は、まったく、売れず閑古鳥の藤田葬儀社。
 というのも、当時の葬儀は、いわゆる大名行列を模した、大勢の日雇いを雇う、葬列繰り出しが主流だったようだ。毛槍を纏い踊る、遺体は豪華な大名かご風、大勢の行列衆が、ゆるゆると、行列を作って、練り歩く。見た目は大名行列そのまんま。
 こんな金のかかる行列、金持ちにしか、組めない。関西特有のものか。初めて、見たが、あんまり普及していたものとは、思われないが。
 主人公は、しかし、霊柩車を使って、葬祭を簡略化。のちに大ヒットにつながる。共同経営者に、長門裕之。

 のちの70年代にバカ・コメディの快作を連発した鈴木則文とは思われない、ぬるい人情コメディーっぷり。
 もともと二の線の藤田が、コメディーをやるのが、おかしかったわけで、彼の場合、「コメディアンがシリアスな役をやると、意外に、はまる」には、当てはまらない気がする。
 せっかく出した浪花千栄子さえ、さしたる見せ場もないし。
◎追記◎とても、大事なことを、書き忘れた。
 いかにも、新人監督らしい、繊細な光と影の彩々の、初々しい美しさ。
 長門裕之が「そや、新婚旅行や」と、「霊柩車」に、新婚の藤田まことと藤純子を乗せて、大坂市内を走り回る、しかし大正設定なのに、低予算のプログラム・ピクチャアとしては、撮影時の「現在」の町々でロケせざるを得ない。それをカヴァーするのに、夜の設定、雨の設定、その雨もいかにもせこいチープな。思わず笑ってしまうが、その最小の雨で最大の効果をあげる。その工夫の数々、ホントに素晴らしい。
 鈴木則文、スーパーではないが、その輝き。 

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by mukashinoeiga | 2013-04-21 21:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

山本嘉次郎「ジャズ娘に栄光あれ」

 阿佐ヶ谷にて。「素晴らしき哉、SHOWBIS人生!」特集。58年、東宝。
 毎度おなじみ、山だし娘が、レコード会社やTV局にアタック、苦労のあげく、デヴューして、歌は大ヒット、めでたしめでたし。
 ま、もっとも、すでにヒット出している人が、出演するわけで。そういうヴァラエティー娯楽版。うまい。

 本作の浜村美智子も、「カリプソ娘」やら「バナナボート」で、エキゾチックな魅力を爆発。TV局の歌謡番組ディレクター小泉博や、その「恋人」志願でもある、芸能雑誌の婦人記者・白川由美(とっても、愛らしい)に、見出されていく。
 これに、久慈あさみ、山田真二、宝田明ら、歌えるスタアも、からむ娯楽篇。ドラマとヴァラエティーの相性もよく、楽しい。
 何より、浜村美智子の、逸材感は、半端なし。元祖ヴィジュアル・クイーン的存在として、バストトップも出すヌードグラビアも、当時としては珍しい。
 とても目立つ美人ながら、でも、いささか違和感。確かに、グラビアのスティールでは、ショッキングなまでに、美しい。静止画では。ただ、いざ動画になると、やはり、周囲から、浮いてしまう。なんだか、表情が。硬い。
 やはり、誰もが言うように、早すぎたのか。
 山本嘉次郎演出は、前年作の凡作「愛の歴史」 (感想駄文済み)とは、比べ物にならない快調さ。
 なお、ラピュタチラシにある、柳家金語楼は、出演しておらず。

★浜村 美智子  30年早すぎた登場! - BEET POPS CLUB★
 上記ブログは、レーベルが手書きの試作版レコードから、ヌードグラビアまで、驚異的な収集。素晴らしい。


★キタガワレコード 浜村 美智子インタビュー★

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by mukashinoeiga | 2013-04-16 01:31 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

マキノ雅弘「八州遊侠伝 男の盃」

 池袋にて。「日本映画のヒロインvol.13 映画デビュー50周年 富司純子」特集。63年、東映。
 本作は、藤純子東映デヴュー作。マキノ雅弘が撮影前、藤純子を預かって、三ヶ月も所作等を教えての、スクリーン・デヴュー。
 しかし、精一杯がんばっているのだけれど、後年の、目の覚めるような、あざやかな、女の脂の乗り切った、流麗なまでのマキノ流藤純子演技は、いまだ完成していない。どこかが、不自然。違和感。若さのせいか、なんとなく不自然さが前面に出てしまう。
 マキノ的女の所作が、なんとなく、ぎこちない。それをおぎなって?若さゆえの、かわいさはあるのだが。
 相手役も悪いのか。
 その後のマキノ映画には、ほとんど?まったく?呼ばれない、千葉真一。
 明朗快活な持ち味の、スポーティーそのものの千葉真一は、いわゆる、日本的湿り気、マキノ的情緒とは、まったく無縁の、ナイスガイ。それはそれで大変好ましいのだが、マキノお得意の、高倉健、鶴田浩二などの、日本的情緒は、まったく欠いている。こんなチバシン相手では、後年の藤純子でも、すべるだろう。ましてや、デヴュー作での、なれないなかで(笑)。

 ところで、この映画、ほんとは、片岡千恵蔵が主演。ただ、流れモノの旅人ヤクザの役としては、年をとり過ぎていて、あまりに精彩がない。
 そもそも、若いころからして、すでに「重厚」だったので、戦前はともかく、戦後からして、股旅物は、似合うタイプでは、ない。あまりに、ミスキャスト。
 生き別れのおとっつあん・志村喬と千恵蔵、しかもマキノなんて、戦前からのおなじみのコラボだが、そこに、チバシン、藤純子と、若い世代を投入、という意図は、わかるのだが、千恵蔵の旅人は、老朽化ミスキャストの時代錯誤だし、チバシンは、あまりに現代的過ぎ、藤純子は幼すぎる。
 マキノとしても、生彩を欠いた一本ということだろう。
 居あい抜きの先生・水島道太郎、テキヤ・堺駿二が、実は・・・・という、落ちも、とってつけたようで。
 本特集のマキノ「侠骨一代」その他の絶品と、比べるまでもなく、凡作とわかる。 

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by mukashinoeiga | 2013-04-12 01:41 | マキノ残侠伝 雅弘仁義 | Trackback | Comments(0)

阿部豊「大出世物語」

 京橋にて。「逝ける映画人を偲んで 2011-2012」特集。61年、日活。あと、1回上映。
 65分の中篇ながら、みっちり中身が詰まった、それこそ、頭から尻尾まであんこが詰まった、って言うような(笑)凡庸な表現しか、浮かばないけれど濃密な「快作」 。面白くて、すがすがしくて、心が、洗われる。
 この映画には、つつましくて、けなげで、やさしい心持ちのひとびとしか、出てこない(除く、榎木兵衛(笑)でも、この榎木兵衛は、ナイス)。
  注1 一服の清涼剤という言葉があるが、清涼剤だらけのこの映画にあっては、榎木兵衛は、一服の粘着剤? こんな榎木みたいなヤツ、現実では、うっとうしいけど、映画でなら、面白いのだ。
 名物脇役・小沢昭一の、主演作。この人の、数少ない主演作は、みんな面白いのだ。本作も、その例外ではない。ちなみに、今回の追悼特集に選ばれたのは、小沢昭一追善。
 そして小沢の娘に、絶品美少女・吉永小百合。母親がなくなっているので、幼い弟三人の面倒を見る、高校三年生。セーラー服に、小さなエプロンをかけて、晩御飯の準備。
 つつましくて、けなげで、やさしい、明朗美少女。こんな少女を演じたら、もう、吉永小百合の右に出るものはいない。
 で、吉永のボーイフレンドに、(新人)とクレジットされる、浜田光廣(後の光夫)。もともと童顔な彼も、もっと童顔なデヴュー作。彼も、この映画の清涼度に、大いに貢献している。
  注2 吉永との、<健全な高校生男女交際>は、教科書に載せたいくらいの(笑)さわやかさ。

 後に、アチャラカ喜劇俳優、ちょっと一歩ひいた感じで、シニカルなコメディ・パート専門脇役となる小沢が、本作では、老け作りで、まじめな演技を披露、結構サマになっている、というか、実に堂に入った演技。こんな、シリアス調の、小沢昭一は、見た事が、ない。
 いや、ほかにも、フツーの男を演じてはいるのだが、レヴェルが、違う。
 まだ、三十代初期のはずなのに、「42の男の厄年から、年を数えることは、やめた」初老の男を、きわめてまじめに、好演している。
 まあ、小沢とは、ちょっかいを出しつ出されつの、自称「日米商事の社長」こと便利屋の渡辺美佐子が、からかう、古臭い、白髪交じりの、ヤギひげのせいもあるが。そんなひげでカヴァーしつつの、しかし、紛れもない老け作りの名演は、笠智衆にも、匹敵する?

 いや、なぜ、ここで唐突に笠智衆の名前を出すかというと、冒頭、驚いたのなんのって
 クズ屋の小沢が、大八車を引く冒頭、その川の流れ、主な舞台となる浜村純が社長の印刷会社の外景、その、エンプティ・ショットを始め、以後全部のシーンに流れる音楽が、すべからく小津調のBGMなのだ。
 もちろん音楽は、本家小津調音楽の斎藤高順。だからある意味当然なのだが(「ゴジラ」以外の、たとえばメロドラマ、ホームドラマにすら、平然とゴジラ調の音楽をつける伊福部昭のように)しかし、<小津以外の映画>にスコアを書いた斎藤高順の、映画音楽は何本も何本も見てきたが、これほど小津ニアリーな音楽は、初めて。
 多少濃度は薄めているが、それでも、まったく小津調なのだ。
  注3 いや、実は、他監督の作品に斎藤が小津調の音楽をつけた映画も、あるやに、記憶の片隅に、捨て置かれてあるのだが、題名失念。たぶん、同じ日活映画で、斎藤武市か、西川克巳かと、生煮えに思い浮かべてはいるのだが、ここまで、出掛かっていて、残念(笑)。

 小津映画独特の音楽、ということをまったく知らない観客が、本作を見たら、かなりたのしめると、おもうのだが。なまじ、小津を好きなだけに、違和感丸残り。ぼくにとって、本作が、快作であると同時に、怪作・珍作となってしまったゆえんだ。
 ぼくの映画の法則(笑) 「渡辺美佐子出演映画に、傑作なし」 が、またしても、証明された形か。

  注4 その片鱗がうかがえるのだが、いったい誰が、こんなに画質の悪い、中途半端な、粗雑な編集な上に、しかも、短かすぎるものを、ユーチューブに上げたのか、まったく意味不明。うーん。

 そして、唐突にあらわれる、ラストのどんでん返し。原作の源氏鶏太は、おそらく短編だと思う。短編「小説」にこそ、許される、ラスト数行、ラスト数ページの、鮮やかな、返し、というのは、あると思うが。
 しかし、それまで、つつましくて、けなげで、やさしいイメージで、これでもかと、きた映画が、ラストに、いきなり、こうもトリッキーなどんでん返し、まあそれは映画のタイトルから、半ば予想の範囲内とはいえ(どう見ても出世とは縁のないクズ屋の小沢が「大出世物語」の主役という)キャラが、違うという、残尿感の残る映画だと、思う。つつましくて、けなげで、やさしい映画の、突然のどんでん返しが。
 という、なぜか小津調濃厚な音楽、唐突などんでん返し、こそが、本作を傑作・快作の森だけではなく、珍品・快作の谷に、両方当てはまる、珍品のゆえんで。

◎おまけ◎

小沢昭一やら小池朝雄やらの、物まねなんて、なかなか聞けないからなあ。


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by mukashinoeiga | 2013-04-11 02:37 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

黒沢明撮影秘話「悪い奴ほどよく眠る」

 つい最近、当ブログの特集<黒沢明映画の正体>の「悪い奴ほどよく眠る」感想駄文の、おまけにつけた、リスペクト・ドキュメンタリーが、めっぽう面白い。
 三橋達也、加藤武、西村晃の証言が、爆笑モノで。
 女なんか、どうでもよい黒沢映画にあって、たぶん、ひたすら、困惑しつつ演技していた香川京子の証言も、味わい深い。
 OLD映画者、必見の爆笑記録かと。

◎おまけ◎爆笑必至(笑)。

 黒沢映画最多の脚本家を繰り出しながら、特に三橋達也パートがぐだぐだなのは、この脚本家たちの証言からも、惻隠出来る(笑)。少なくとも、三橋パートは、失敗作だわ。
 その三橋らがちゃんと、出演しているのに、一番笑いどころの西村晃が、なぜ、声だけなのか。
 でも、ぜんぜん違う、加藤武と西村晃のミフネ評、でも、どっちも、いいんだよなあ。
 三橋のコメントにある、射撃ショットで、黒沢が逃げちゃう話、ああ、やっぱり、黒沢は、女の子なのね(笑)。

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by mukashinoeiga | 2013-04-07 17:40 | 業務連絡 | Trackback | Comments(2)

井田探「可愛い花」「東京ドドンパ娘」

井田探「可愛い花」
 阿佐ヶ谷にて。「素晴らしき哉、SHOWBIS人生!」特集。59年、日活。49分の中篇。
 伊藤エミと、伊藤ユミが、それぞれレコード会社のオーディションに臨む。実は、二人は、生き別れになった双子。
 再会なった二人は、双子デュオを組み、プロ歌手の道へ。ザ・ピーナッツ、デヴュー秘話(笑)。
 レコード会社ディレクター・岡田真澄と、私立探偵・白木マリの夫婦に、ヒット歌手・平尾昌章も絡み、なかなか楽しいショー・コメデイ。例によってフランス語をまくし立てるだけでおかしい、藤村有弘。
 なお、そういう演出なのか、ぼくたちが二人のデュオに慣れているせいか、エミとユミが、それぞれ単体で歌うと、ぜんぜんシマらなくって、やっぱり、この二人は、ハモらなきゃ、さまにならず。ヴィジュアル的にも、一人ひとりで写ると、はっきり言ってブスなのだ。ぜんぜん、可愛らしくない(笑)。
 それがペアで映ると、なんとも華やかに。ステレオ効果か。

井田探「東京ドドンパ娘」
 阿佐ヶ谷にて。「素晴らしき哉、SHOWBIS人生!」特集。61年、日活。64分の中篇。
 たった一曲で一ジャンルを作り上げた(笑)「東京ドドンパ娘」の渡辺マリを、フィーチャーした、というか、なぜか渡辺マリは、時々出てくる脇役扱いで。ま、美人じゃないせいか。でも、キュート。
◎追記◎いやいや、たぶん、ヒットしてすぐに作られた、旬の大ヒット曲の映画だから、渡辺マリが、主役をできるくらいの時間が取れなかった、というのが、正解か。彼女本人は、演技も、ちゃんとできるタイプ。
 ストーリーの主役は、レコード会社社長・嵯峨善兵の隠し子騒動。森川信専務が、自分の思い通りになる操り人形にするべく、由利徹を通じて、手にいれた、青山恭二青年と、恋人の香月美奈子を、めぐるどたばた。
 それなりに面白い。森川信、由利徹、南利明の、軽快なコメディ。
◎再追記◎なぜか、日本人の耳と体質に、みょーに、クイクイ来るこの曲は、日本人におなじみの盆踊りと、西洋ジャズの超ハイブリット体として、当時のひとびと、および現在のぼくたちに、からだごとの、DNAがらみの、影響を与え続けている

渡辺マリ 東京ドドンパ娘

東京ドドンパ娘 渡辺マリ 1995

東京ドドンパ娘(渡辺マリ)

◎追記◎
★キタガワレコード 渡辺マリインタビュー★
 ちなみに、渡辺マリが疑問の「朝でも夜でも、おはようございます」は、ワリと簡単な理由。
 渡辺マリ愛用の「ごきげんよう」、昼の挨拶「こんにちは」、夜の挨拶「こんばんは」にはいわゆる丁寧語が、ない。
芸能界は、ことに先輩後輩の区別が、重要とされる。後輩が、先輩に「ごきげんよう」「こんにちは」「今晩は」とは、言いづらい、と。唯一、「おはようございます」だけが、丁寧なる挨拶。たぶん、そういうわけで。これに、芸能界特有の、出番によって、「出勤時間が違う」ことが、加味されたのだと、思う。 

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by mukashinoeiga | 2013-04-04 00:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

佐々木康「希望の乙女」

 阿佐ヶ谷にて。「素晴らしき哉、SHOWBIS人生!」特集。58年、東映東京。
 つい最近見た佐々木康「そよかぜ」(感想駄文済み)と、同工異曲のアイドルもの。「そよかぜ」の並木路子は、リンゴ園の少女。本作の美空ひばりは、牧場の娘。 上京して、歌手修行のため、ピアニスト兼作曲家・山村聡の屋敷に住み込むが・・・・。
 喧嘩友達のバンドマンに、好漢・高倉健。かっこいい。本当に、朴訥な好男子。
 ひばりを応援する少女に、山東昭子。姉よりはるかに小顔で、かっこいいのに、姉に比べるも愚かな歌唱力の、小野透。ちなみに、原案が加藤喜美枝って(笑)。「そよかぜ」に、比べるも愚かな、凡作。
 おとな顔なのに、初々しい少女の役が、普通なら似合わないはずなのに、ひばりマジックで、サマになってしまう不思議。映画はダメでも、ひばりは、いつもながら、素晴らしい。

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by mukashinoeiga | 2013-04-04 00:26 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(0)