<   2012年 10月 ( 15 )   > この月の画像一覧

面白快作オススメ本「約束の日/安倍晋三試論」

 新刊として、出たすぐに読んだ。小川栄太郎著「約束の日/安倍晋三試論」(幻灯舎)。
 大変、面白い。現役政治家の話なのに、こんなに面白く、くいくい読める。あっと驚く、裏話も、パワフル。
 しかし、感想駄文は、なかなか、書く気に、ならない。
 理由は、簡単。
 本書は、あまりにシンプルにして、ストレートな、パワーを持つ。したがって、感想は、おのずと決まってしまう。だから、おそらく、誰が書いても、感想は、似てしまう。事実、ネットでの、書評投稿サイトでの数々の感想文は、ほぼ同じ紹介・論調になっている。
 これでは、わざわざ、ワタクシめ?が、改めて?、感想駄文を、書く必要が、ないではないか(笑)。
 しかし、石原新党なども、出来て、事態は急速に変化しつつある。これではいかん(なぜ、イカンのかは、後日、書く)、だから、あえて、屋上屋を架すようだが、書いていきたい。
 本書は、

1 安倍晋三に心酔しきった著者が、しかし、きわめて客観的に、「第一次」安倍内閣の「真実」を描く。
2 「第一次安倍内閣」においては、朝日新聞、TV朝日などなどの、左翼メディアが、メディア・スクラムというべき過剰な「安倍批判」を行った。この安倍叩きに比べれば、民主党批判は、あまりに生ぬるすぎるメディアたちなので。
3 特に朝日新聞は、「安倍の葬式はうちで出す」「安倍叩きは朝日の社是」と、中国や南北朝鮮並みの安倍叩きを行い、その閣僚の一人を、自殺にまで、追い込んだ。当然、安倍内閣の「実績」は、ことごとく無視。
4 安倍政権時には、執拗に、事務所費問題とか、叩きに叩いた、朝日などの左翼メディアは、安倍退陣後、民主党議員の事務所費問題など、ことごとくスルー。ダブル・スタンダードの極みとも言うべき、姿勢を「誇示」した。
5 「第一次」安倍内閣の実績を、著者は、「あらかじめ内閣が短命であるのを見越したような暴走ですらある」「しかも、一切のパフォーマンス抜きで」淡々と、有無を言わさず実行して言った、という。 
6 しかし、今でも日刊ゲンダイなどは、「何の実績も残さなかった男が、また総裁選に立候補」などと、書く。

 その、メディアが、葬った、今も葬ろうとしている、「第一次」安倍内閣について、政治評論家でもない、聞けば、文芸・音楽評論家だという著者が、客観的に書いているのだが、どうやら小川栄太郎が客観的に書けば書くほど、読者は、安倍晋三に、惹かれていく。
 いったい、現代に生存している政治家に関する評伝を読んで、感動すること自体が、ありうるとは、思わなかった。
 ありうるのである。
 いわゆる「安倍内閣」政権放り出しの舞台裏が、こんなことだったとは、という、著者いうところの幕末大河ドラマ並みのエピソード。感動するだけでなく、涙ぐみさえするエピソードがありうるとは。
 ありうるのである。
 「下痢ピーピーで政権を放り出した」「ひ弱なお坊ちゃんの、世襲政治家」と、マスコミに揶揄された、そして、ぼくたち有権者は、それを信じ込まされた、その安倍晋三が、その、一見やさしそうな風貌の裏で(笑)こんな男、こんな政治家だったと、カツモクすることしきり、なのである。

 今回の自民党総裁選に立候補したさい、政治評論家・三宅久之ら民間人有志による「檄文」を手渡されたり、同じく民間人有志による「緊急激励集会」が開かれたり、総裁選勝利のさいには、自民党本部前で、安倍コールが起こったり。こんな政治家、ほかには、いない。
 著者もいうとおり、「第一次」安倍内閣は、安倍晋三ひとりを「単騎駆け」させてしまった。
「今度」は、日本国民である私たち一人ひとりが、安倍晋三を、守るのだ、と。
 著者だけではない、今度こそは、安倍晋三を、私たちの手で「守る」のだ、という思いを起こさせる政治家
 そんな思いをもたらす、政治家が、現代の日本に、たった一人でもいるという、奇跡。

 そういう政治家は、安倍晋三ただ一人である。なぜそうなのかは、本書を、読めば、わかる。
 おそらく数十年後、今のような日本が続いていたとしたら、それこそ、安倍晋三を主人公とした、平成大河ドラマが出来てもおかしくはなく、いや、冗談抜きで(笑)。その際「第一次」安倍内閣に関しては、本書が底本として利用されよう。
 それくらい、感動エピソードが、てんこ盛りといっていいだろう。
 松岡農水大臣が、事務所費問題に絡んで、自殺した。当時は、ダーティーな悪徳政治家の自業自得と嘲笑されたエピソードが、著者の手にかかれば、驚きの感動エピソードに、転じてしまう。その鮮やかな手並みと、論の進め方の確かさ。

 おてんばなお嬢さん芸で居酒屋の女将になってしまう夫人とか、どんな悪党、ヤクザとも気軽に会って、写真を撮ったりする、やんちゃな本人とか、いや、冗談抜きで、ドラマの主人公になりうるエピソードには、事欠かないし(笑)。

 面白本としても、ぜひ本書をオススメするしだいで、あります。

 本書の続編についてのご紹介
★平成の司馬遼太郎か?小川榮太郎「国家の命運」★

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-30 09:21 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鷹森立一「夢のハワイで盆踊り」

 三原橋にて。「デビュー50周年記念 ともに歩んだ青春の一ページ スクリーンで観る舟木一夫と時代を彩ったヒロインたち」特集。64年、東映。ニュープリント。
 本特集の名前が長いのは、来春の閉館が決まっている、銀座シネパトの「代償行為」であろうか。せめて、特集タイトルくらいは、長くしたいというような(笑)。
 同時上映の鷹森立一「君たちがいて僕がいた」の、同年作、同じ監督、同じ主演コンビながら、出来は「君・僕」に及ばない、凡作。
 舟木一夫の、若さ特有の憂鬱顔、さわやかさを生かすには、いささかノー天気過ぎた題材だろう。
 こんな、コメディー、ヴァラエティー寄りの企画では、舟木がかわいそうだ。タイトルは、絶品に素晴らしかったのだが(笑)、若大将か、クレイジーか、ドリフ向きの題材で。
 「君・僕」で輝いていた本間千代子も、金持ちのお嬢様役は、ちょいと、似合わない。出番も少なく、残念。
 舟木と同じで、誠実な青春映画でこそ、輝く逸材なのに、惜しい。
 むしろ、本作で輝いていたのは、ハーフの高見理紗。ころころ小太りで、三枚目な魅力がキュート。のち、鳩山邦夫の従兄弟と結婚し、実の妹・高見エミリーも邦夫と結婚。ということは、鳩山ルーピーの義理の従姉妹にもなるわけか(笑)。
 
 舟木、本間、歌えるアイドル(当時は)高橋元太郎、二代目コロムビア・ローズが、楽しく歌い踊るなか、「君・僕」同様に一声も歌わない、仲間はずれの堺正章が、哀れ(笑)。まだ歌手活動以前のハイティーンの堺は、バックで盆踊りを踊って、ヒョーキン者役を、黙々と(笑)こなす。若くして、のちの活躍を期待させる逸材で。

 なお、本作の最大の魅力は、舟木の生き別れの祖父となる、ハワイ日系一世の笠智衆。
 老人役ながら、ワイルドな精力にあふれた、野性味充実の笠。こんなに多彩な表情の笠は、始めてみる気がする。ナイス。笠の代表作というべき

 ちなみに今回の二本立て、ともにニュープリということで、銀座シネバトは、1500円の特別均一料金設定。シニア割引もないらしく、チケットを買い求める客に、いちいちどうして高いのか、聞かれまくっておりました(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-26 20:39 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

「ラジオ深夜便 女優が語る私の人生」

 映画本のコーナーで、見つけた最新刊。財団法人NHKサービスセンター刊。
 OLD映画の女優たちへの、インタヴュー集。こういうのは、川本三郎、水野晴朗の本など、いつも面白く読んでいる。
 今回の本には、山本富士子、池内、香川、有馬、淡島、若尾、森光子、吉永、岡田茉莉子、渡辺美佐子、水谷、佐久間、松原、藤村志保、などが納められている。2010年前後に、インタヴュー可能な女優たちだ。だから当然、水谷八重子は、初代ではなく、二代目で。
 で、NHKのインタヴューだから、彼女たちの女優キャリアの後半であるTV時代への、言及も多いが、もちろん、映画全盛期の話題も豊富。
 まだ、完読はしていないが、OLD映画好きには、大変面白い。

 有馬稲子が、宇野重吉の劇団民藝で、演技指導を受けていたとき、目撃したのは。まだまだ若い大滝秀治が、宇野重のきびしい演技指導で、稽古場の隅で泣いていたというのはともかく、あの北林谷栄も、稽古場の隅で泣いていた、というのは、びっくり。あの温厚な顔で、ドンだけ厳しいんだ、宇野重(笑)。
 でも、確か、その有馬稲子だったと記憶するが、前述水野晴朗の女優インタヴュー本で、ある映画で競演した久我美子が、下痢ピー状態で、「カメラの前にいるとき以外は、いつもトイレにこもっていた」という<衝撃の暴露>が、美人女優どおしの暴露話としては、あまりに衝撃で(笑)。
 今回はさすがに、NHKだし、そういうお下品な話はないが、それぞれの話し方、しゃべり方を頭の中で再現しつつ、読むのは、大変楽しいもので。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-22 21:07 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鷹森立一「君たちがいて僕がいた」

 三原橋にて。64年、東映。ニュープリント。
 東映なのに、これほど「東映臭」(笑)のない映画は、ぼくは、はじめて、見た。
 きっぱりさわやかな、楽しい青春アイドル映画の佳作。10/21(日)まで上映中。
 なお、本特集の名前は、「デビュー50周年記念 ともに歩んだ青春の一ページ スクリーンで観る舟木一夫と時代を彩ったヒロインたち」特集。なげーよ、銀座シネパト。

 原作は「明星」連載の富島健夫の学園モノ。いかにもな、いわゆる「青い山脈」系。
 小田原の地方ボスにして、PTA会長の実力者が、若い熱血教師・千葉真一を辞職に追い詰めるが、若い生徒パワーでそれを阻止という、まあ、定番ながら、とても楽しい青春ドラマ。

 お楽しみその1 さわやかな「高校三年生」 役・舟木一夫の清潔さ。いつものことながら、まじめな好青年役が、似合う似合う。これ、ほんとに、東映映画なのか、と(笑)。

 お楽しみその2 それをさらに上回るクラスメイトのヒロイン、本間千代子の、愛らしさ、可憐さ。その絶対の魅力。当時のアイドル歌手だというが、ほぼ始めて見て、そのチャーム、ほほえましい。何で彼女の魅力が、現代につながり残っていないのか。

 お楽しみその3 担任・千葉真一は体育担当ということで、トランポリンや、なかんずく鉄棒で、たっぷり美技を堪能できる。日体大の体操選手であった千葉の、美技に、惚れ惚れ。
 アクション俳優ではない、体操選手のチバシンの美技の数々。
 また、役者としても、後年のアクション専門俳優ではない、若い教師役の、普通のドラマの青年役を、きわめて魅力的に好演。ああ、普通の演技のチバシンの、青年らしい、好ましさ。

 お楽しみその4 まだ、スパイダース以前のティーンの、堺正章が、助演で。そのタレントぶり。

 お楽しみその5 脚本・池田一郎(隆慶一郎)らの、ナイスな青春映画ぶり。

◎追記◎お楽しみその6 本間千代子の母・高峰三枝子、祖母・岡村文子、高峰の友人・佐野周二と、戦前松竹おなじみの面々が、助演。特に、岡村文子大活躍とは、戦前松竹ファンとしても、うれしすぎる。

◎追記◎ヒロイン・本間千代子が、むさい独身男のチバシンのために、チバシンの下宿に持ち込むのが、なんと、女子高生でも、持ち運び可能な「洗濯機」。
 そんなに大きくない程度の電気ポット(直径は、目算で15センチ?)くらいで、洗面器に水を張り、これを立てて、スイッチを入れ、水を撹拌すると、靴下程度は「洗濯」出来るというもの。
 なんというナイスな「新製品」。まあ、サイズからいって、洗面器に入る程度の靴下とか、ハンカチとかぐらいしか「洗濯」出来ないか。速攻で市場から姿を消したのは無理もないが、なんか、夢のある「モバイル洗濯機」だなあ。
 ちょと、感動(笑)。下の、3本目のクリップの真ん中あたりで、本間千代子が持っているのが、そのモバイル洗濯機。





◎追記◎君たちがいて僕がいた 舟木一夫 さん2

★おはようサタデー personality 本間千代子★

愛しあうには早過ぎて 本間千代子 Honma Chiyoko

 削除されてもされても、愛だなあ(笑)。
◎関連記事◎
★本間千代子:東映少女アイドルという稀有な存在★

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-19 23:54 | 傑作・快作の森 | Trackback | Comments(0)

会いに行けるファースト・レディ(笑)

 新自民党総裁・安倍晋三夫人の昭恵さんが、「神田の路地裏」で「居酒屋の女将」になっていた、という「週刊新潮」の記事、大変楽しく読みました(笑)。
 記事は、「隙間風」が吹く「仮面夫婦」の「妻の反乱」めいた論調で。でも、この年代の夫婦で「隙間風」のない夫婦なんて、ないのではないか知らん。
 これは、はっきりいって、大変な「問題」を含んでいる(笑)と、思いますよ。
 マスコミに、「踏み絵」を迫るような。
 国民に「踏み絵」を迫るような。
 安倍氏夫妻の「それぞれ」に「踏み絵」を迫るような。
 マスコミは、安倍晋三を、たたきたい。鳩山や、菅の、高級料理店通いはまったく、問題にしないマスコミが、安倍のカツカレーは、たたく。鳩山の故人献金問題やら、菅や野田や前原の外国人献金問題も、田中慶秋法相の問題も、温かく見守ったマスコミが、安倍氏が単に在日犯罪者と一緒に写った写真を、たたく。
 そういう視点で見ると、この夫人の問題は、大変ビミョー。
 第一安倍氏本人の、問題ではない、非常にプライヴェートなマター。そして、これを「攻める」なら、たった二点しか、ない。

1 いわゆる「女房の管理」も出来ない男に、「国家の管理」を任せられるか。
 こんな発想、あまりに保守的マッチョ思想で、人権人権がお題目な左翼マスコミとは、まず、水と油の発想で、女性有権者の反発を買うことは、必須。
 ただし「週刊朝日」が橋下大阪市長の「出自」を差別的に扱った問題から、わかるとおり、日ごろ人権人権と唱える左翼こそ、「親の因果が子に報い」の「階級社会」を構成しがちなのは、中国、北朝鮮、ロシアを見ても、丸わかりなので。
 安倍氏の自民党総裁返り咲きは、「古臭い派閥の論理」で、「国民的人気」の石破氏を破った、旧態依然の自民党政治と批判することと、あまりに矛盾する。
 むしろ「妻の自立」を苦虫噛みつつ「容認」する、これまでの「旧態政治家」にない、「新世代」の新しい発想と、受け止められる可能性も。「ウルトラ保守」のイメージを塗布したい左翼マスコミにとっては、これは逆効果で。
 つまり、このエピソードが広まれば、安倍ちゃん人気が女性層に高まる可能性も、ある。左翼マスコミとしては、なおさら、触れにくいわけですな。

2 仮に安倍氏が総理になったら、ファースト・レディが、居酒屋の女将、あまりに危機管理能力に欠けている、という批判も、ありうるだろう。どんな「客」が来るか、わからない、と。

 それなら、それを「逆手」にとって会いに行けるファースト・レディの店(笑)という、プレミアム感の、「唯一無二」の店にしたら、楽しいと思う。
 「対策」は、たった二つだけ。
 
1 「店の若い衆」にSPを起用。
2 店の前に、SPと警察のチームを常駐させ、入店客は、必ず身体検査と、職質を受けるようにする。
 いや、これ、「受ける」と思うよ。身体検査も職質も「プレイ」と割り切れば、身体検査と職質を受けなければ、入店できない居酒屋、しかも、会いに行けるファースト・レディ。
 こんな「プレミアム感」ある店なんて、めったに、出来ないよ。ウケルと思うよ。みんな、争っても、行くんじゃないか(笑)。観光名所にさえ、なるかも。
 一国の総理の妻が、居酒屋の女将。これなんか、究極の「日本の宣伝」に、なるのでは、ないか知らん。
 そうなったら、SPの費用なんて、安い安い。
 昭恵さんには、絶対に、続けてもらいたいものだ、居酒屋。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-19 20:32 | うわごと | Trackback | Comments(0)

井上梅次「妻あり子あり友ありて」

 阿佐ヶ谷にて。「娯楽の達人 監督井上梅次の職人芸」特集。61年、松竹京都。
 ラピュタに行ってみたら、びっくり。平日なのに超満員、補助席まで完売。10/20(土)まで、上映中。
 もともと定席48名の超ミニシアターだが、平日のラピュタで、こんなことは、ぼく的に初めてだ。さして有名な作ではなく、というより、めったに上映されない無名作なのに、なぜ?
 ン? 定員48席? AKBの何かのロケに使えないか? 狭すぎるから、撮影には難しいか(笑)。

 プログラム・ピクチャア一筋の、いわゆる<90分の男>イノウメにしては、珍しい157分の、時間だけ見れば、大作である本作。
 大正時代から60年安保までの、佐田啓二と大木実の二人の警察官/刑事人生を描く。木下恵介「喜びも悲しみも幾歳月」の警官版だ。松竹お得意の家族年代記モノで。


(以下、ネタバレ)



 当然佐田啓二が主演かと思ったら、大木が主で、佐田は脇役、ところが中盤で大木が病死すると、後半は佐田が、主演となるドラマ構成。要するに、短い映画二本分の構成と、エピソード数。なるほど、これが<90分の男>イノウメが、157分の映画をつくった理由か。
 だから前半は、大木のナレーションが入り、後半は佐田の(亡友・大木に、彼の死後の世相などを墓前報告するような形の)ナレーション、そして大木の遺児・津川雅彦もまた警官/刑事になり、津川のナレも入る。
 とにかく短い、膨大なエピソードをつなげて、連発していくので、まあ、157分なのに、まったく退屈しないのは、さすが。
 
 とにかく大木が暴君で、新妻・高千穂ちづるとの、うれしはずかし新婚初夜の最中を、ピストル強盗の緊急呼び出し、以後一週間以上帰らなかったりと、いわゆる「刑事の女房にだけはなりたくない」エピソードてんこ盛りで、協力・警視庁の、効果?は、あったのか(笑)。
 久しぶりに家に帰って、新妻をひしと抱きしめたら、また緊急呼び出し。
 佐田・乙羽信子夫婦のとこも、似たり寄ったり。
 大木夫妻の息子に、津川雅彦。佐田夫妻の子は、戦死した長男と、桑野みゆき、三上真一郎。
 長丁場を、ダレさせない、さすが職人芸だ。

 しかし、超満席の理由は?
 2本分の上映時間だから、2本分の客が集まっただけとか?(笑)

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-18 05:56 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

井上梅次「五人の突撃隊」

 阿佐ヶ谷にて。「娯楽の達人 監督井上梅次の職人芸」特集。61年、大映東京。
 対英軍戦を戦う、ビルマ戦線の、インパール攻撃戦は、糧食も弾薬も、切れかけている、大坂志郎率いる大隊を描く。
 撤退を主張する大坂大隊長に対し、英軍殲滅という、不可能な厳命を受けて、山村聡旅団長が、最前線に出張ってくる。
 通常の大映プログラム・ピクチャアの範囲内で(多少の予算増はあるだろう)大作戦争映画にも引けをとらない?規模を目指す、日本軍と同様負け戦かというと、最終的には、いわゆる<小隊モノ>に、収斂させたのは、お見事。
 大平原と、境界上の河、森のロケ地が見事。国内だろうが、よくこんなロケ撮影が出来たものだ。今では、まったく不可能だろう。そして5台程度の戦車(模擬車だろうが、素人目には、よく出来ていて、感心す)を使いまわして、雰囲気を出す。
 まさに最小限の効果で、最大を期す、大映プログラム・ピクチャアならではの荒業。ランニングタイムは119分と、大映にしては「大作」感をかもし出す。ナイス。


(以下、ネタバレ)



 結局、大隊は撤退をするわけだが、その最後衛、しんがりの役目を務めるのは、藤巻潤、本郷功次郎、川口浩、川崎敬三の、大映生え抜きナイスガイの四人と、大映にもたびたび助演の大辻司郎。
 しんがりは、部隊の撤退を、最前線に残って、援護射撃して、舞台撤退を確認して後、初めて自らも戦線離脱できる、出来るとは言うが、味方を助けて、しかし、自分の生存確率は低いという、きわめて過酷、かつ不公平な役回りである。命令で最後衛につくべき運命を「甘受」して、つぎつぎに、撃たれて、死んでいく若者たち。
 だからタイトルの「突撃隊」は、正しくは、ない。正確には「五人の非突撃隊」だ。
 川口浩自ら大破させた、敵軍戦車を修理して、動かない砲塔として使用する工夫、ないない尽くしの日本軍の無茶振り(短期決戦を目指して、長期戦の泥沼にハマってしまい、進むも地獄、引くも地獄の、ロジスティクス戦略皆無)そのものだ。

 大英帝国軍が、本国から遠くはなれて、この戦争を遂行するのは、もちろん既得権益たる植民地ビルマを守るため。単純だ。帝国主義そのもので、白人どもの欲望に忠実で、迷いは、そこには、ない。
 しかし、大日本帝国軍の目的は? 白人たちが支配するアジア各国を、白人たちから開放し(「戦前レジーム」からの脱却)自らの影響下に組み込み(大東亜共栄圏)日本およびアジアの繁栄を願うものだったが、その意図はあまりに壮大でありながら、惜しむらくは戦略と能力と、糧食と弾薬に、欠けていた。だから、最後は、本当にぼろぼろになってしまう。
 精神力だけでは、戦争にも、外交にも、勝てない。
 余裕がなさ過ぎて負けた日本、負けた川口浩ら、その突然の雨に身を濡れるに任せる、死屍累々のさまを見て、「やあ、雨が降ってきた、雨季だ、当分戦争はおあずけだな」と嘯く、余裕ぶっこいた英兵たち。その「差」を、映画は、静かに伝えている。

 なお、藤巻の兄に、まだチョイ役時代の田宮二郎。弟・藤巻に言いようにあしらわれる兄を、ちらりとした出番ではあるが、快演。ほんとに、いいように扱われるだけなのに、ひときわ、かっこいいんだわ、これが。さすが、田宮二郎。
 チョイ役なのに。はずさんなー。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-16 01:31 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

井上梅次「太陽を抱け」

 阿佐ヶ谷にて。「娯楽の達人 監督井上梅次の職人芸」特集。60年、宝塚映画、配給東宝。
 宝田明、神戸一郎(井上梅次「夜霧の決闘」での、新人)高島忠夫らが、加東大介社長の三流レコード会社で、大活躍の、イノウメ流ソング&ダンス&ヴァラエティー・ドラマの一篇。これに、加東社長令嬢・雪村いづみや、新人歌手・朝丘雪路、神戸の妻・環三千世が、加わる。 
 この特集で、非・ソング&ダンス映画の、イノウメの良さを知ったものとしては、いまいち、物足りない。
 安酒「タイガー・ブランデー」(虎のラヴェルもナイス!)を飲むと、豹変ならぬ虎変する有島一郎も快調。ゆるぎない頑固社長の加東もいい。
 C調高島は例によって快調なのだが、神戸一郎は、顔も「映画向き」ではなく(はっきり言って、誰にも好かれない顔>笑)、エンターティナーとしても、疑問。結局、「残れ」なかった。
 雪村いづみが常連の、なんていうのだろう、若者向けの、歌って踊ってお酒を飲める店のシークエンスのみは、全シークエンスほんとにきつい紗がかかっていて、画面全体が、超にじんで、超ぼけている。登場人物の顔さえ、わからない。今回ニュープリントなのに。この店のシークエンス以外は、鮮明なので、はっきりと、撮影に失敗した映像を、使っているというところか。
 イノウメ映画で多用される雪村いづみ。喜八映画、ほかの東宝映画の彼女はとてもいいのだが、イノウメ映画では、いつも、はっきりいってビミョー。何だろう、なんか、彼女の資質とは会わない役回りを、無理強い?されているような。ビミョーな「相性」の「差異」、行き違いが、匂う。
 出てくる歌、出てくる歌が、ことごとく、さえないのも、敗因の一つか。やはり、「♪おいらはドラマー」は、究極の、愛らしさで、めったに有りえないものでしたな。
 本作、冒頭タイトルには「太陽を抱け」に「だ(け)」とルビ。ところが挿入曲は「いだけ」と、何回か発音される。
 「いだけ」じゃタイトルには、難しすぎるよ、と営業から茶々が入ったと思しい。そういう、いってみれば、パワーの弱さが、敗因か。やはり 井上梅次「嵐を呼ぶ男」は、めったにない奇跡、まぐれ当たり、フロック(付録=おまけ)だったということか。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-13 23:40 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

井上梅次「十七才の抵抗」

 阿佐ヶ谷にて。「娯楽の達人 監督井上梅次の職人芸」特集。57年、日活。フィルムセンター所蔵フィルム。
 青春前期の女子高生・浅丘ルリ子の苦悩と生活を描く。しかしクレジットは、

 津川雅彦
 浅丘ルリ子

 長門裕之

と、津川が主役扱いか。出番は、断然ルリ子の方が多いが。笑ってしまうのは、金持ちで秀才のクラスメイトの津川と、ルリ子の幼馴染の長門がともに、ルリ子に愛情を抱いているという設定。みんなまじめに演じているが、現場では、結構ニヤニヤもんか。与太が入っている長門が、ルリ子といい雰囲気の津川を見て、その津川に体を当て、因縁をつけるシーンに、小笑い。
 浅丘は、目ぢからが強すぎて、また顔立ちもシャープなので、普通のシーンでもきつい印象を与えるが、後年の濃い化粧でないので、美少女をキープ。ルリ子のデヴュー作が井上梅次「緑はるかに」55年、日活(昔見たので、本特集ではパス)なので、その縁からのイノウメ演出なのだろうが、ガチガチの文芸調では、イノウメ演出は、手堅くこなすのみ。
 なお、ルリ子は旅芸人の座長の娘。ということで、父・小林重四郎の一座、ルリ子を捨てて逃げた母・轟夕紀子は浅草の女剣戟、と大衆演劇の世界が描写される。昔は、日本映画に大衆演劇が盛んに取り上げられ、小さなジャンル?を作っておりました。

 撮影の永塚一栄(のち鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」)の白黒映像のすばらしさは、いうまでもなく、グッド。津川のいとこで、東京のいいとこのお嬢さんに、新人とクレジットされる白木マリは、チョイ違和感(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-12 21:24 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

井上梅次「出獄の杯」

 阿佐ヶ谷にて。「娯楽の達人 監督井上梅次の職人芸」特集。66年、大映東京。
 一ヶ月違いで出所した、ム所仲間の、田宮二郎とアイ・ジョージ、ム所では仲がよかったが、娑婆にもどれば、対当する組にわらじを脱ぐ、というのはお約束。
 麻薬取引の現場に、いつもの着流し姿で殴りこみ、麻薬を奪う田宮。こんな特徴あったら、身元は、すぐばれるだろうに、なぜか、ばれないというのは、ちょっと納得がいかない。現代劇で、着流しというのは、超少数派なのに。
 しかし、この田宮と麻薬取引の関係、そして田宮にまとわりつく殺し屋、というのは、ついこのまえ駄文を書いた井上梅次「夜霧の決闘」と、ほぼ瓜二つ。イノウメ、使い回したな。
 「夜霧」でのツルコウの記憶喪失は今回採用せず、鶴田を泊めるバーのマダム・淡路恵子が、田宮の元手下・千波丈太郎夫婦のバーに変わり、ニヒルな殺し屋が三橋達也から、成田三樹夫に。その他、いくつかマイナー・チェンジ。
 しかし、田宮の魅力をもってしても、オリジナルには、やや負けか。
 クールでダンディで茶目っ気のある殺し屋は、明らかに三橋優勢。成田は茶目っ気がありすぎて?クールとダンディと茶目っ気を、統合できない(笑)。ランニング・タイムも20分少ないので「夜霧」での、主人公と雪村いづみの恋愛模様も、ばっさりカット。タイトな大映映画らしい。
 
★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2012-10-12 21:14 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)