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「ぼくのエリ 200歳の少女」

 京橋にて。「EUフィルムデーズ2012」特集。08年、スウェーデン。監督トーマス・アルフレッドスン。本特集では、あと1回上映。
 ロードショーのときから気になっていたのだが、旧作映画を見ることを優先していて、見逃していた1本のひとつ。つい最近、アメリカで「モールス」としてリメイクされていて、こちらも、見逃している。

 思春期ドラマに、ホラーのふりかけ。いや、比率からすると、ホラー・サスペンスに、思春期のふりかけか。クラスメイトの悪ガキたちに、いじめを受ける小学生オスカー。その集合住宅の隣室に、ある夜に引っ越してくる少女エリ。同行する老人が、オスカーの学校の小学生から、血を抜く犯行。
 以下、ネタバレあり。





 いかにも古典的な、ヴァンパイア・モノに、現代のティスト。好ましい。
 だが、しかし(笑)。
 最初の被害者の友人、登場人物の一人が、集合住宅の一室を猫屋敷と化している、多頭飼い。
 ヴァンパイア少女、次の被害者の女性も友人。ところが、この女性は、襲撃される途中に、助けが来て、命は助かる。殺されていればそのまま、死んでいるのだが(当たり前か)、中途半端に生き延びると、被害者も、吸血鬼になってしまう(という設定)。
 その吸血鬼化した友人女性が、この猫屋敷を訪問すると、とたんに猫たちが、大口あけて威嚇、叫び鳴く。つまり、人間には、彼女がヴァンパイアとは、わからないが、猫たちは、何らかの形で、その女性が、異質異常と、本能的に察知できるのだ、という設定。かつての「キャットウォーカー」でも、猫たちはヴァンパイアの天敵だった。
 この、猫たちが大口開けるヴィジュアルが、いかにもCGっぽいなめらかさ。つまり、自然界ではありえない、大口の開け方の、テクスチャー。リアル猫は、いやリアル生物はこういう風な、なめらかな(かつ同時にぎこちない、いかにもなCGの風合い)スピードでは、大口開けないよね、というのが丸わかり。そして、ヴァンパイア女性に襲い掛かるのは、一部本当ネコ、一部CG、そして相手のからだに巻きつくネコは、どう見ても、ぬいぐるみ(しかも安っぽそうな、市販品っぽい)のネコっていうのが、マルわかり。ネコがストーリーに絡むと、とたんに安っぽく、バカっぽくなるのは、わかりきってるのに(笑)。このネコのシーンのみが、安っぽい。
 「キャットウォーカー」でも、怒り猛ってヴァンパイア退治に駆けつける猫たちが、一部ふにゃふにゃ、うれしそうなのが、おかしかった。
 しかし、ネコシーン以外は、なかなか好感度高し。ただ、エリ役の少女が、美少女だが、オーラなし。こうなると「モールス」も、見たくなるな。オスカー役の少年は、北欧らしい、金髪色白の美少年で、好演。
 ただしこの彼、北国の少年らしく?いつも鼻水をたらしている。でも、北欧美少年だから、ちっとも、汚い感じじゃないのね(笑)。
 ラジオ・ニュースで、さりげなく「ブレジネフ書記長が」と。そうすると、もうすっかりおじいさんになったオスカーが、永遠の少女エリと旅しているのだろうか。

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by mukashinoeiga | 2012-05-28 00:53 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(0)

江崎実生「続 女の警察」

 三原橋にて。「小山明子映画祭」特集。69年、日活。
 銀座で、バーやクラブやら7店を経営する、会社の、人事部長兼保安部長が、小林旭。人事の仕事は、要するにホステスのスカウトで。保安とは、ホステスたちのヨロズ揉め事相談。これを「女の警察」というわけだ。原作は、梶山季之。
 で、弱い女の立場で受ける、男の暴力、無理やり借金漬けにされて、他店から強制的な引き抜き、というわなを、ずばずば断ち切る、小林旭に、ホステスたちはみんな、ホレるのも、道理という展開。
 手下の郷瑛冶(例によって快演)共々の、悪漢とのアクションは、従来どおりの日活アクション。で、従来どおりの日活アクションと違うのは、ヒーロー小林旭が、次々女と、キスシーン、ベッドシーン。

 特に、ホステス牧紀子とのベッドシーンは、日活アクションとしては濃厚で、もう少し裸とエロを強調すれば、そのまま、日活ロマンポルノになってしまうほど。もう、ほとんどロマンポルノ、という状態のベッドシーンだ。禁欲的な日活アクション(非濃厚キスさえほとんどなし)から、いきなりロマンポルノへ移行した日活のミッシング・リンクというべき作品か(笑)。
 なんせ、局所を隠すために、ベッド前にファンシーな置物があるなんて、ロマンポルノそのまま。牧紀子のあえぎ顔、脚の見せ具合、とても清純一筋日活アクションとは思えない、オドロキの展開で。これで旭の腰使い、牧の胸露出があれば、完全にロマンポルノだ。

 牧紀子! 本作のちょっと前まで、松竹で清純派スタアとして、鳴らした、あるいは鳴らしかけた(笑)松竹期待の新人スタアが、主演作も何本かあったのに、今や日活に流れて、クレジットも、その他大勢クラス。出番は、クレジットに比して結構あるのだが、どっかりした大人のマスクは、いまやかつての清純派より、色気を売りにして、来るべき日活ロマンポルノを準備するかのような、濃厚なベッドシーン。
 期待されたのは、日活女優にない妖艶さか。旭は、クラブのママ・小山明子ともキス、もっとも、小山明子は、同じ松竹でも、牧よりはランクが上な女優なので、キスどまり(笑)。ただし、結構濃厚なキス。
 さらに、崔蘭芳とも、キス。若かりし頃の回想シーンでの、丘みつ子(小山明子の妹という設定で、悪漢に、殺されている)とは、キスシーンは、なし。
 つまり、丘は清純派日活女優であり、ホステス役であっても、旭は日活女優とのキスシーンは、ありえないのだ。キスしたりベッドで絡んだりは、元松竹女優や、香港女優などの、トザマ女優ばかり。
 なお、ハーフ顔の美少女も、藤竜也の探偵さんの依頼人として登場。やっぱり、小山ルミ。彼女は、確か別の日活作品にも、松竹にも出たことがあるかに記憶しているが、あまりに若すぎて、清純派を維持。
 かすかに、日活映画特有の清純性を残しつつ、ロマンポルノへの移行を準備する。深い(笑)。

 なお、本作の特異性は、全編にわたって、女優、および旭の、瞳に星、つやつやリップに星、白い歯に星、アクセサリーに星、と、なんとなんと、おそらくほぼ全部のショットに、紗をかけて、撮影されている!
 なんか、全体に滲んだプリントだなあ(古いプリントであり、若干の退色)と、思ったら、そういうことなのね。こんな映画、始めて見たような。歌何曲か&演技いくつかの、青江三奈以下の、女優さんを、華やかなホステスに仕立てるためなのだろうか。それにしても、崔蘭芳の父・高品格(例によって片言の日本語)まで、紗、かけちゃあね(笑)。紗に構えすぎ映画。

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by mukashinoeiga | 2012-05-27 20:49 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

本日の報道ステーション(笑)

 あ。今、「報道ステーション」を横のTVで流しているのだが、原発がらみで「原子力ムラ」のネーミングをした、というゲストが「バカでもチョンでも、わかるおかしさ」?といったところ(いまどき、こんなに突っ込まれどころのある放送禁止用語を、メディアで無自覚にいうやつがいるとは(笑))、フルタチが「愚民という意味で不適切な言葉をゲストが使いましたことを、訂正おわび」と。
 チョンは、不適切で、愚民は不適切では、ないのか。愚民も、リッパな?差別用語だろ。
 相手にたいして、「オマエ、愚民だな」と、言えるのか、フルタチは。
 もともと、江戸時代あたりから、(マルが一人前とすると、チョンは、半人前の意味)だったのを、例によって、チョンと呼ばれることの多い民族が、チョンは差別用語ニダ、という捏造でっち上げで、由緒ある?「チョン=半人前」という味のある日本語を、日本人から、簒奪してしまった、というような。
 チョンは、半島人、もとい、半人前という意味であって、断じて、愚民などという新造語では、ないぞ(笑)。

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by mukashinoeiga | 2012-05-24 23:35 | うわごと | Trackback | Comments(0)

鷹森立一「続浪曲子守唄」真田広之6歳

 三原橋にて。「小山明子映画祭」特集。67年、東映。
 本特集のサブタイトルは「日本のヌーベルバーグ」、しかし、今回の2本立ては、ヌーベルバーグならぬ、ズブズブのB級娯楽映画。しかも「続浪曲子守唄」「続 女の警察」というゾクゾクする2本立てで。当方も、それぞれの第1作を未見のまま、ゾクゾクと続と続を見る。5/23(水)まで。
 ムショからいっしょに出所する、千葉真一と田中邦衛。いったん別れ別れになるのだが、のちに再会すると、わらじを脱いだ組と組が敵対しているので、敵対関係になるというのは、お約束で。
 邦衛は、いかにも悪いヤクザの親分・河津清三郎の客分となり、チバシンは、女物の腰巻を売る、香具師になる。寅さんとまでは行かないが、達者なタンカ売。そして、夫の親分を、河津に殺されて、跡目を継いでいる小山明子(with嵐寛寿郎)の、元に、身を寄せる。新潟県は十日町ロケ。狭い地域で、登場人物たちが再会するのは理不尽だが、お約束。
 本作のクレジット一枚目は、「千葉真一 下沢広之 大原麗子」と3名連記。小山明子は、トメで、単独表記。下沢広之は、千葉の息子役で、出番かなり多く、実質、チバシンとのダブル主演。この少年が、のちにチバシンともJACで師弟関係になる真田広之、6歳の姿だという。
 監督の鷹森立一も、たしかJAC(ジャパン・アクション・クラブと、今は、フルネームを言わないと、通じないか)時代のチバシン・真田ダブル主演アクション映画を監督したという記憶がある。因縁浅からぬ東映トリオだ。
 6歳の子役に、のちの真田のおもかげは・…あるといえばあるし、ないといえば、ワカラナイ。そうなのか、という程度。たしかに、きりりとした表情は、おもかげありか。笑った表情は、別人なのは、仕方ない。ホントの子供の顔。鈴木福クン系のやんちゃな顔と演技。6歳としては、天然の演技の好ましさ。
 これが、真田広之、大人になると、二枚目のアクション・スタアになるので、妙につっころばしの演技になってしまう。千葉真一も、本作の頃は好青年、なかなかいい。ところが、「仁義なき戦い」の伝説の怪演(「オメコの汁で、メシ喰ってるんで」杉作J太郎によれば、日本映画史上、最も下品な台詞)、石井輝男「直撃地獄拳」の珍演、をへて、これも、なぜかつっころばし風?の演技に移行・同化したかのような?印象。
 本作のチバシン、下沢広之、ほんとに好ましい。
 なお、本作は、当時の大ヒット曲、一節太郎(本作でも歌唱出演あり) 「浪曲子守唄」をフィーチャーしたものだが、確か、記憶では、
♪「逃~げた女房に、未練はないが~お乳、ほしがるこの子が、可愛い」
 しかし、下沢広之は乳児ではないし(乳児に、当然、演技は出来ない)、チバシンの妻は病死と説明される。ゆいいつ、チバシンが、服役中に息子を預けた娘が行方不明。彼女を探す目的で、チバシンは、各地を巡るタンカ売の香具師になったのだ。
 いい加減な、設定対応だ。
 この彼女に、大原麗子。クレジットでは、主役扱いなのに、出番は少ない。出番は少ないが、ホントにすばらしい。
 その切ない顔、声が、やはりいい。「切ない顔」をさせたら、彼女の右に出る女優は、いまい。
 しかし、ラストは、父と子の思い入れシーンがメイン。彼女は、一切登場しない。東映時代の大原麗子の、軽い扱いそのまま。現在の視点から見て、あまり惜しい、逸材の、軽い扱い。まあ、ヤンキー?な大原麗子が東映というのは、仕方がなかったのかもしれないが、ほかの映画会社であってみれば、という詮無い思い。
 なお、余談だが、今週発売中の「週刊ポスト」、「仁義なき戦い」座談会が、面白い。深作、無茶や(笑)。
◎追記◎お父ちゃんの千葉真一が、いきなり、息子を高い高い抱っこ。いきなり&チョー高い高い、これが、真田広之、初のアクションか(バカ)。

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by mukashinoeiga | 2012-05-23 20:14 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

丸山誠治・中川信夫「兄さんの愛情」

 阿佐ヶ谷にて。「夢工房 東京映画 七色の日々」特集。54年、東京映画、配給東宝。
 監督2名連記とは何か。常識的に考えれば、前者が病気降板のため、後者が引きついだということなのか。問題は中川が先輩ということだが。その逆か。
 そのせいかどうか、本作は、あまりはじけない。理由のいちばんは、ヒロイン女優のオーラのなさか。
 母一人、子三人の一家。母に、なぜか白髪まじりメイクの三宅邦子。このひと、1930年代から、60年代まで、まったく同じ演技なんだから、老けメイクなんて意味ないのに(笑)。驚異の冷凍食品女優。いつ食べても、おんなじ味。
 娘役であっても若妻役であっても母役であっても、娘ではない妻ではない母ではない生身の女ではない、つねに<家庭婦人>を、演じてきた。驚くべき女優さんなのだ。その声を聞いているだけで、癒し感抜群で。
 息子三兄弟に、池部良、石浜朗、江原達怡。若手サラリーマン、大学生、高校生のナイス三兄弟。この母と子、まるで理想の聖家族みたい。
 この一家に、仙台の親戚の娘が、家出してやってきて、しばらく住み着き、その若い娘らしい「天然ぶり」で、これまた若い三兄弟を引っかきまわすというもの。
 つまり小津安二郎「淑女は何を忘れたか」、市川崑「あの手この手」、川島雄三「女であること」と、同工異曲な、ホームドラマ・コメディ。
 ただし、エピソードやユーモアの冴えも少なく、何よりヒロインを演じる新人女優・伊吹友木子(宝塚とクレジット)が。若くて、可愛らしくて、美人で、舞台的華やかさはあるのかもしれないが、残念ながら、映画で主演に耐えうるオーラが、一切、ない。
 主役オーラがない主演者を、ずっと見ていなければならないのは、苦痛ですらある。それこそ、可愛いだけじゃダメなのね。三宅邦子、池部良、石浜朗、江原達怡らが、デヴュー時から持っていた、天然の愛敬、「映画フィルムになじんだ感じ」が、ない、主演者を見るのは、つらい。これがたとえば大原麗子(TV「雑居時代」)で、あってみればなあ、と(つい最近「続・浪曲子守唄」の彼女を見たもので)。

 なお、池部の恋人役に、久我美子。何だか生活に疲れた女を好演。若い女のわがままに振り回される池部に、溜め込んだ結婚資金の虎の子を、渡す。池部の弟・石浜朗(伊吹に振り回され、家出)の、取戻しのための飛行機代のために、ためた結婚資金を取り崩す、けなげさ。ところが、その久我が、「あの手この手」52、「女であること」58で、突如舞い込む、引っ掻き回し役ムスメであることを思えば、感慨深い。
 因果は巡る糸車というべきか、本作での「少し、疲れた、オールドミス」の4年後に、「引っ掻き回すハチャメチャ娘」を演じる女優だましいというべきか。だから、4年後の「女であること」を思えば、伊吹の役は、久我美子で、よかったのではないかと。
 でも、東京映画としては、東宝のくくりがあるようなないような、というポジションだから、東宝系女優の久我より、宝塚の新人、使いたかったんだろう。

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by mukashinoeiga | 2012-05-21 20:56 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

板谷紀之「女子大学生 私は勝負する」

 阿佐ヶ谷にて。「夢工房 東京映画 七色の日々」特集。59年、東京映画、配給東宝。5/22(火)まで上映中。
 当時の<高等遊民>である大学生たちの<無軌道な享楽的青春>を描く、数少ない原知佐子主演作。
 彼らが遊びに行った海辺の、無人のボート、置いてあるトランジスタ・ラジオ。インストの曲が流れている。このショットが、ある映画にそっくり。
 案の定、クライマックスは、ボンボン大学生・露口茂が、元カノ・原知佐子と三橋達也が乗るボートに、エンエン突っ込み続ける。中平康「狂った果実」56・日活のフォロワー。わかりやすすぎ。パクリ丸わかり。
 原知佐子は、その目力を含めて、かなり意志の強い、女子大学生。グッド。
 でも、ナンパな大学生に、無理やり強姦される。あんなヤツは、男のくずだ、あんなヤツに、君は、もったいない、というくどき文句の露口茂にも、関係が悪化すると、連続平手打ちでパンパンされちゃう。
 結局、二人の男とも、原は最終的にフルのだが、いやあ、昔の、女子大生は、DVされまくりだなあ、と感慨ひとしお(笑)。って、何の感慨だ(笑)。住んでいるのは都内だけれど、遅れてきた太陽族映画か。

 この時期の、大学生を演じうる若手役者は、東宝系にはいないと思しく、主役脇役を含めて、数十人出る大学生役は、新劇系からかき集めたのか。当時、何とか大学生役を演じうる無名若手俳優を集めると、なんと、ほぼ、すべての諸君に、スタア・オーラがない(笑)。女はともかく、男の若手役者は、ワンサ・ボーイというもおろかな、エキストラ状態。それは、原をレイプする大学生、結構重要なのに、まったくオーラなし。また、クレジットその他大勢組の最後に出てきた、蜷川幸雄は、確認できず。
 そのなかでは、クールなダメボンボン・露口茂、超極細体型の、おかまコトバの米倉斉加年は、印象を残す。このふたり、その後、映画ではなかなか活躍しないのが、昔から不思議だったくらい。
 意外に、といっては失礼だが、春川ますみ(笑)も、アーパーな女子大生役を、こなす。横山道代は当然絶品(笑)。もちろん、原もいい。露口の妹役も、きわめて現代的な愛らしさ。だれだ。
 この妹役らが、
以下ネタバレあり。




 本作のクライマックスで、兄・露口が不慮の死を遂げて、大泣きするシーンでのみ、女優たちが、遺体にかがむ水着姿で、当時としては、全く珍しいことだが、本作ゆいいつの胸の谷間を露出させるなんて、あきらかに、演出ミスだろう(笑)。悲劇的シーンで、胸の谷間、見せて、どうする。
 しかし、この時期の、若い娘役たちの胸チラは、全くの特異的。東宝新人監督たち、当時としては、やるときゃやるなあ。
 原がバイトに行く設計事務所、大人向き?の映画では、軽薄ナンパ男を演じることの多い三橋達也が、なんと、年若い原にお説教する役回り。ああ、せんぐりせんぐりだなあ、と。
 初見参の、この監督、要所要所を(当時としては)比較的斬新に演出して、いい。

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by mukashinoeiga | 2012-05-21 00:00 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

なぜマニフェストは守られないか:民主党と明治維新

 嘘つきは民主党の始まり。
エンエンと、自分の前の発言と、違うことを言いつづけるルーピー鳩山。自己保身のためなら、どんな強弁でもする、自己保身の権化、自称<市民運動家>クズレの菅スケ。このふたりが、極度のマイナス・ファクター、精神障害を疑われるほどの異常者だったので、たとえゼロであっても、高評価の野ダメ。
 ダメ男の無能な凡人ながら、少なくとも精神は正常の範囲内、ということで、とりあえず評価されるって、どんだけなんだ、民主党。さらに典型的悪徳政治家の、政局屋、永田町不動産の、小沢。
 最低と最悪と問題外と最凶と無能とカッコつけ。民主党には、これしか、いない。前原だけでなく、全員が言うだけ番長。

 結局、民主党のマニフェストは、なんだったんだ、と。
 マニフェストに書かれていることは、いっこう実行せず、書かれていないことばかり、実行するかの、印象もある。
 これには、実は前例がある。維新の志士。来るべき明治維新へのマニフェストが<尊皇攘夷>。天皇を尊し奉り、外国勢力を排除する。尊皇の部分は守られたが、いざ明治政権を樹立すると、外国と次々(屈辱的な不平等)条約を結び、開国する、現実路線。リアルな対応とはいえ、これじゃあ「錦の御旗」が泣くってもんだぜ?

 ひでーじゃないか、と與那覇潤はいう。この明治維新のマニフェスト違反は、どう説明するんだと。しかも、だれも、この違反をモンダイにしていないじゃないかと。

 簡単に説明できます。
 政権交代を目指した民主党。体制打破を目指した幕末維新の志士。
 現体制(徳川幕府なり自民党政権なり)を、打倒したいとなったら、それを全否定しなければならない。とにかく、全否定、今の体制じゃ、ダメなんだ、と。
 徳川幕府(自民党政権)のあの政策はダメだけれど、この政策はいい、なんて、言っていたら、とっても体制打破には、及びもつかない。
 少なくとも、庶民は<ええじゃないか>の熱狂応援ダンス、踊ってくれないよ。民主党に政権交代したら、こんなに暮らしはよくなる、なんて、今から考えればいんちきシュミレーションをマスコミは発表し、アメリカと戦争したら、日本は万々歳だと、マスコミは浮かれ、そういうノリノリの<ええじゃないか>を、国民もマスコミも、踊ってくれないよ、是々非々なんて言っていたら。
 で、いざ政権にオノレがつけば、ああ、かなりの基本的部分は、徳川幕府が、自民党政権が、やっぱり現実的に妥当な政策をしていたんだなあ、と思い至り、基礎の部分は、前政権を踏襲せざるを得ないわけだ。

 で、明治政府は、かなりの犠牲を払いつつ、失敗も重ねつつ、現代日本の礎を築いては、きた。
 そして、民主党政権は、国民のみに犠牲を押し付けつつ、成功事例は一個としてなく、現代日本の基礎的部分を、着々と、破壊し続けてきているわけで。

 現政権は詐欺師、現政権打倒を模索する勢力は香具師、それが、きわめてリアルな<ええじゃないか、を踊らない心得>としたら、きわめて、さびしいことだが。
 とにかく、現体制打倒のマニフェストは、話半分。あまりに甘い話には、乗らないほうが、いい。
 大阪維新の会の「船中八策」も、とりあえず、ヤバイ。 ただし、橋下大坂市長、その発想は、きわめて「リアリスト」だ。維新の志士のように夢を語りつつ、地に足がついている。ここらへんが、今までとは違うところか? 「リアリスト」であるがゆえに、簡単に亀井静香の「夢物語」に首を突っ込まない、石原慎太郎ともども、実は注目している。

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by mukashinoeiga | 2012-05-20 00:11 | うわごと | Trackback | Comments(0)

今井正「由起子」

 京橋にて。「生誕百年 映画監督 今井正」特集。55年、中央映画。あと2回の上映。
 フィルムセンターのチラシによれば、中央映画作品となっているが、クレジットのいちばん最初に企画(プロデューサーという意味か)で、2名連記。右のプロデューサーには(聖林映画)、左のプロデューサーには(中央映画)と、それぞれクレジット。ちなみに、カンパニー・ロゴは、出ていない。
 正確には、聖林映画/中央映画ということになるはずなのだが、明らかにバッタモノのプロダクション聖林映画は、フィルムセンターによって、無視された形か。
 なお、クレジットといえば、出演者のその他大勢組の中に、大塚道子、吉行和子の名があり。大塚道子(なぜかあまり映画に出演していない大塚道子の代表作は鈴木英夫「その場所に女ありて」幹事長という役名のヴェテラン・タイピスト。なお、幹事長というあだ名は、今ならお局様か)は、ヒロイン津島恵子の伯母・村瀬幸子のふたりの娘、その姉が大塚道子。女学生で若い娘というには、いかにも不遜な面構えな、大塚道子(笑)。
 台詞の少ない、顔が思春期太りの、その妹が、吉行和子か。たぶん、かなりの確率でそうだとは思うが、確信までには至らず。99.9パーセント(笑)。同じ回を見ていたぴくちゃあ氏によれば、気付かなかったけれど、もしそうなら、正式デヴュー前の出演か、とのこと。

 そういうトリヴィアは、ともかく、映画自体は、やや、今井正が不得意なメロドラマ。
 メロドラマとは、不条理なまでの、情念の、反理性的カオス。そんなの、左巻きの共産党・今井正の受け入れざるところだろう。
 平均的左巻きの、辞書に、情という言葉は、まず、ないんだからねー。情なんていう<ローカル・ルール>は、左巻きにとっては、アウト・オブ・眼中な、封建主義の遺物に過ぎないわけで。
 津島恵子が、思いつめた表情で、十和田湖・奥入瀬の渓流に、足を入れ、ずんずん(ずぶずぶ)歩んでいく。居合わせた画家・宇野重吉に助けられるのだが、この彼女が冬服のセーラー服。てっきり回想シーンのみかと思ったら、実際は映画の7割ほどは、セーラー服で通す。ま、無理やり、あっておる。
 原田真人「わが母の記」(兄弟ブログ「新・今そこにある映画」で感想駄文)でも、既婚バツイチの宮崎あおいが、女子中学生役を、無理やりやっていて、有無を言わせなかったが(笑)本作の津島恵子も、無理やりオーケー(笑)。
 この津島恵子が、相手に、つよくつよく出られてしまうと、みずからの身を自然に引いてしまうタイプ。
 木村功の父・加藤嘉しかり、ウノジュウしかり。こんな程度の、気の弱さが、不幸なシチュを招く程度では、メロドラマとしても、力が弱い。微弱メロ。
 メロドラマって、所詮こんなもんだろ、と、メロドラマを半ばバカにしながら、アタマで作った、そんな感じ。はいはい、オンナが不幸になるには、親の無理解、社会の不条理、貧困、格差、差別、ま、そんなとこだろ、ようは社会を改革せねば、弱い女の不幸は、なくならないんだな、なんて左巻きな発想が透けて見える?、とは、言い過ぎか。
 津島恵子が想いを寄せる木村功。男のずるさと、好ましさの、融合という、いつもながらの木村功がグッド。でも、木村と津島、この気弱い同士が結ばれても、また、それはそれで不幸なのかなー、と。

 独立プロダクションにしては、妙に気を入れた、浅草繁華街オープンセットが見所。津島の元同級生の、浅草レヴューガール(木村の元カノ)関千恵子が、いいんだけど、出番少なすぎ。残念。

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by mukashinoeiga | 2012-05-19 20:32 | 今井正 青い左傾山脈 | Trackback | Comments(0)

「パッチギ」の呪い

 書くべき?感想その他が、20件ほどたまっているのに(笑)(いや、だれから頼まれたわけでもないので、ぼく以外のひとには、書いても書かなくても、どうでもいいことなのですが)、そしておそらく2ちゃんあたりでは、聞き飽きた話になるのでしょうが、やはり、すごい偶然なので、書いておかざるをえない(笑)。

e0178641_2343083.png「パッチギ」の出演者。
 在日朝鮮人少女役の主演、沢尻エリカは、舌禍事件でホされ、スキャンダル女王に。
 彼女に恋する日本人少年役の塩谷瞬も、「二股」報道で、スキャンダル・ボーイ。
 沢尻兄役・高岡蒼甫も、韓流がらみの発言で、舌禍、妻・宮崎あおいに三くだり半。
 同じく、オダギリジョーは、ゴールデンタイムのドラマで、最低視聴率達成。今後は、主役待遇は難しい?
 そして、制作・配給のシネカノンは、本作、「フラガール」などのヒットを飛ばしながら、韓国での映画館事業に失敗して、倒産、渋谷や有楽町の映画館も、手放す(それなりに通いました。ミニシアターとしては、惜しかった)。代表は、映画プロデュース的才能はたいへんあったので、とても惜しいことだ。
 さらに、本作の主題歌「イムジン河」の加藤和彦は自殺。そもそも「イムジン河」自体が、北朝鮮側からの抗議を受けて、放送禁止。なのに、映画「パッチギ」は、あたかも、保守系(まあ、自民党側ですな)からの圧力があって、放送禁止になったかのような「捏造」描写。嘘は、いけません。
 そもそも、監督・井筒和幸は「東方見聞録」で出演者を事故死させ、公開中止、「ガキ帝国2」で、韓国系企業ロッテリアを怒らせ、事実上の作品封印。
 ロッテリア店舗をロケで貸してもらい、 そこで閉店後という設定で、ロッテリア店長がロッテリアバイト女子をロッテリア店内のソファに押し倒してレイプ(笑)。さすがにロッテリアも、怒った(笑)。
 まあ、作る映画作る映画がことごとくつまらなく、ぼくは彼のことを「下手の横好き」と呼んでいる。でも、「パッチギ」以降は、(やっと)それなりに面白い映画を作るようになり、(それなりに)楽しみな監督のひとりになっていたのだが。千葉を舞台にした(ちょい前の)新作も面白く(題名失念、「新・今そこにある映画」に書いたはず)、やっと、ましな映画を作るようになっていたものを、オダギリジョーどうよう新作は、難しい状況か。
 とにかく、日本映画史上、もっとも、呪われた監督に、なっちまったからナー。

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by mukashinoeiga | 2012-05-19 19:36 | うわごと | Trackback | Comments(1)

今井正「怒りの海」

 京橋にて。「生誕百年 映画監督 今井正」特集。44年、東宝。あと2回の上映。
 戦後は共産党映画監督として名高い、今井正の、戦時中の国策映画。
 ワシントン軍縮会議などで、大正・昭和の二度にわたって、海軍の軍艦の軍縮を強制される。日本は英米の6割。具体的には、建造中の軍艦は、建造中止。既製艦は、出来たばかりの新艦も含めて、自軍による爆撃・魚雷で、海底に沈める(特撮は、もちろん円谷英二か。グッド。クレジットを見落とした)。
 その、自分たちの作った新艦を沈めなければならない、海軍軍人たちの切なさが、泣かせる。見ているこちらも、泪目。泣かせどころをきちんと作る、今井演出の、たしかさ。
 そういう状況にもかかわらず、海軍の軍艦を設計するセクションでは、5000トン級の艦が規制されるなら、3000トン級の艦に、5000トン級の能力を持たせればいいのだ、と戦後にも続く、日本の技術者の発想なのが、これも泣かせる。
 とにかく小さく作って、安定感と戦闘能力は保持・ないし増強する。その代わり、艦員の居住快適性は、無視される方向に。ありがちなことだろう。

 その設計局の長・平賀譲中将を、大河内伝次郎が主演。その半生の設計屋生活を、はまり役な好演。素晴らしい。仕事上は一徹な技術屋、家庭では滋味ある頑固オヤジ。娘に原節子、母に村田知英子。
 時代劇でのクセのあるエロキューションを押さえて、バンツマもそうだが、時代劇プロパーのスタアが、たまにやる現代劇の演技、いいんだよなあ。
 まあ、技術屋の話だから、地味なことは地味なのだが、その範囲内でエンターティンメントへの目配りもあり、見せる。 
 しかし戦後左翼作家であり、ファンに左翼諸君も多い(今井正を語り継ぐ会の、ぼくが知っている関係者は、共産党員さん、いい人なんですけどね)、今井正としては、封印したい戦中映画か。
 まるで、自国軍艦を次々海に沈めるかのように(笑)封印された過去作というわけでもあるまいが。しかし、封印されるには惜しい良作で。
 ちなみに與那覇潤によれば、戦時軍国主義の統制経済、国家総動員体制は、社会主義そのものということだから、共産党諸君も、戦時時局映画にも、もっと暖かい仲間意識(!?)を、持ってもらいたいところだ(笑)。この特集でも、語り継ぐ会の皆さんたちや、今井ファンが、戦前映画を、オフリミットしないことを望む(ペコリ)。映画として、面白いのだから。

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by mukashinoeiga | 2012-05-14 23:07 | 今井正 青い左傾山脈 | Trackback | Comments(0)