<   2010年 11月 ( 11 )   > この月の画像一覧

斎藤寅次郎「花吹雪御存じ七人男」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。54年、新芸術プロ・新東宝。
 今回の上映プリントは、ひばりプロ所蔵16ミリによる。著作権マークも、ひばりプロ。
 美空ひばりが出演していない映画なのに、なぜ所有しているのか。同年の「ひよどり草紙」との抱き合わせ・一括購入か。当時の錦之助は、ひばりプロでマネジメントの面倒見てたのか。
 とはいえ、このプリントは、特に音声が雑音だらけのボロフィルム。
 しかし、この映画、既視感がある(笑)。たぶん、もっときれいなプリントを、フィルムセンターで見たのではないだろうか。たぶん。
 しかし斎藤寅次郎の戦後コメディは、大方似たようなものだから、勘違いというものもあるが(江戸時代なのに、ぱちんこ屋があったりする)、それにしても、アチャコが、強いヒーロー役(時々ずっこけるお約束)という、きわめて印象深い役なのだ。柄を生かして、アチャコ快演。
 このアチャコをはじめ、益田キートン、堺俊二、伴淳、山茶花究、川田晴久(という事は、やはりひばりが本来は出るはずだったのか、嵯峨美智子当たりの役どころで)らのコメディ、なかなか快調なアンサンブル・コメディであるのだが。
 そのなかに、ひとり、きりりとした若衆侍が錦之助。
 同年の「ひよどり草紙」では、いささか、しまらない、シロウトっぽい?顔立ちだったが、本作では、後年と同じ<錦之助顔>が、キマっている。
 コメディアンたちに混じって、ひとりだけ二枚目、といういわばアウェイ状態。まだ、お笑いに参加する余裕もなく、たぶん、相当不安だったのかもしれない。
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by mukashinoeiga | 2010-11-29 22:15 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

マキノ雅弘「おしどり駕篭」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。58年、東映。
 監督がマキノで、主演が錦之助・ひばり、絶対の安定株だ。外れはないはずと、見たら、その通りで、うれしくなる。ただし、パーフェクトではない。マキノも、お気楽に作った水準作。
 錦之助とひばりなんだから、多少手を抜いても、よいものが出来よう、と肩の力、抜きすぎ。でも、面白いんだから、しょうがない。
 互いに憎からず思っているのに、会えば、喧嘩ばかり。黄金のパターンですな。
 錦之助は、いなせな左官職人、ひばりは、「あたりぃ~~」で、おなじみの、矢場の看板娘兼店長。
 そして、錦之助は、実は、さる藩の若君。堅苦しい侍稼業・大名稼業を嫌って、江戸の市井に、いなせな職人として、日々を送る。あまりにわかり易すぎる、貴種流離譚。いや、俺だって、実は、という、庶民の妄想願望の、わかり易すぎる黄金パターンで。
 出自たる藩のお家騒動解決のため、一時的に、若君に、戻る。
 悪い家老に、もちろん、抜群の安定感・月形龍之介! いいヤツやっても、悪いヤツやっても、演技の質がまったく変わらないのは、すごいことなんすよ。無意識過剰の、往年のスタアさんにしか、出来ないこってす。
 ちなみに、たしか、若き日の月形は、マキノのお姉さんと駆け落ちしたはず。
 若殿になったら、もう会えなくなるから、ひばりは、怒るすねるだだをこねる。しかし、恋しさが優って、藩に帰る錦之助を、いそいそ追いかけていくんだよね。
 街道を行く旅人渡世の錦之助。職人、若君に、続くコスプレの、楽しさ。
 彼を追いかける、ひばりの華やかさ。
 ゴージャス乙女、そんな言語矛盾を、らくらくと止揚するひばりの、濃すぎる乙女演技。
 濃厚な娘演技、って、ふつうは、なんだそれ、なんだけれども、ひばりなら、許せる。
 マキノ特有の、あるいは時代劇特有の、目線の揺らぎ、くねくねのしぐさ、直線的ではないたたずまいの様式美的至芸、その代表格が、マキノ映画のひばりであり、藤純子。 
 対する錦之助の、いき、いなせ、さわやかさ。
 歌いながら、何十人もの侍を斬って、斬って、斬る。スタアにしか出来ない。<ここは地声の錦之助の唄。
 マキノ映画の常で、みんな、歌う歌う。錦之助、賀津雄の、歌声はあまりに野太く、あからさまに吹き替えなのだが。まるで、インド映画みたいに。>ここは、錦あにぃ、吹き替え。つまり、統一は気にしないのだね。
 錦之助・ひばりで、かの傑作「鴛鴦歌合戦」をセルフ・リメイクして欲しかったなあ。マキノ語でいえば、リピートね。
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by mukashinoeiga | 2010-11-28 08:12 | マキノ残侠伝 雅弘仁義 | Trackback | Comments(0)

内出好吉「ひよどり草紙」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。54年、新芸術プロ・松竹。
 今回の上映プリントは、ひばりプロ所蔵16ミリによる。著作権マークも、ひばりプロ。
 本作こそが、中村錦之助の映画デヴュー作。美空ひばりの相手役として、ひばり母子に、抜擢されたらしい。そのさわやかさ、デヴュー作から、あり。
 錦之助実に初々しく、まだ子供っぽささえある、21歳。天性の少女スタア・ひばりに、立派に伍している。ただ、まだほそっこい顔で、鼻の大きさがちょい目立ち、<錦之助顔>は、完成していない感じ。これが同年の映画第二作「花吹雪御存じ七人男」では、ちゃんと<錦之助顔>も完成し、美青年に。 
 対する美空ひばりは、これまた、素晴らしい。美少女といっていい。
 いや、ひばり、顔のパーツ一つ一つは、ややくどい分厚さで、美少女というには抵抗があるのだが(笑)、そのパーツが全部集まると、なんと美少女に思えてしまう奇跡(笑)。
 ナチュラル・ボーン美少女というより、プロフェッショナル美少女というべきか。
 その魔術(たぶん、だれでも、かかる)に囚われると、たまらなく愛らしい美少女に見えてくるから、あら不思議。その魅力に対する、天性とも言うべきさわやかさの錦之助。
 お話が、原作・吉川英治の面白さ、これまた、素晴らしい。
 京都の天皇から、江戸幕府に下し渡された、ひよどり様。生きた小鳥が、お宝なんだから、扱いに困る、というもので。ところが、幕府重臣・香川良介(このひとも、派手さはないけど、また、いいんだよね)の命を受けた甥・戸上城太郎の手によって、盗まれてしまう。といっても、小鳥だから、戸上の手からも逃げちゃうんだけれどね。
 そのひよどり様の江戸移送を受け持った重臣A・Bも、お咎め。
 幕府は、Aの息子・錦之助、Bの娘・ひばりを呼び出し、
「これから、逃げたひよどり様を捕まえにいけ。無事ひよどり様を取り戻したほうの、父のみを赦免しよう。捕らえなかったものの父は、切腹」
 錦之助・ひばりは、親公認の恋人同士。しかし、ひよどり様を捕らえるためには、敵同士になってしまう。二人は早速、別々に分かれて、ひよどり様を探しに行くが、戸上がそれぞれに、あいつは本当に悪いんだ、と吹き込んだばかりに、互いに憎みあうように。
 かくて、錦之助・ひばり・戸上の、ひよどり様探索合戦。
 まあ、ちっこい小鳥が、たびたび関係者の目の前に現われすぎる、そのたびにみんな捕まえ損ねるのだが、広い世間で、何でこんなにこの小鳥に遭遇するのか、は、まあ、お話ですからね。
 ひばりの恩人ということで、初期ひばり映画の常連・川田晴久、山茶花究、ひばりの生き別れの姉・花柳小菊(これまたこの種のお話の定番)と、その相棒・堺俊二なども絡み、クライマックスへ。
 戸上一味の抵抗を交わしつつ、江戸城にひよどり様を届けた、仲直りの錦之助・ひばり、しかし、助かる父はいずれか一人。
 ここに、愁嘆場のクライマックスは、あるのだが。まあ、内出好吉の演出ですからね、そこら辺は、ちと手ぬるい。
 ただ、映画の真ん中あたりで、「二人の運命は?」と、字幕の連続であおる手法を見ると、これはどうやら、前編・後編合わせた総集編とおぼしい。カットされた部分もありか。
 多少出来が平凡でも、錦之助・ひばりのファンであるぼくには、至福の一編だ。
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by mukashinoeiga | 2010-11-26 09:37 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

松田定次「隠密七生記」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。58年、東映。
 面白い。かなりの快作。原作・吉川英治の面白さが、よく出ていた。美しい、ニュープリント。
 冒頭クレジットでは、一枚看板で、東千代之介がトップ。クレジットのラストには、トメというのかトリというのか、やはり一枚看板で、中村錦之助。
 ところが、新文芸坐のロビーに張り出してある当時のポスターには、
   中村錦之助 美空ひばり 東千代之介
と、東千代之介は三番目。
 これは、たぶん、世間的人気は錦ちゃんのほうが上、ただ東映社内的には、千代之介の方が先輩の格。
 この映画、錦之助・千代之介の、W主演。
 どちらが主演とは言いがたい、絶妙の構成。いわば、両雄並び立つシチュなのだ。で、人気の錦之助をポスターで一番にし、客がお金を払って映画館で見るクレジットでは、千代之介に花を持たせる、苦肉の策なのでは。
 東千代之介は、尾張藩の武士。家老・大河内伝次郎の娘・美空ひばりに、慕われている。
 今夜は、最近尾張藩に来た同輩・錦之助と、尾張城の、てっぺんで夜の見張り番。
 金のしゃちほこのある城のてっぺんに、二人の見張り番というのが、珍なる見もの。
 なぜ。侍が夜っぴて、城のてっぺんで見張りをしているかというと、近くで農地の野焼きがある。その火のもらい火を恐れて、監視しているのだ。
 これも本当にあった史実なのか、面白い。士農工商犬猫女、じゃなかった、士農工商制度のなかで、下位の農に思いやった士、よくある時代劇な武家社会なら、野焼きなど禁止すればいいことなのだから。
 尾張名古屋といえば、金のしゃちほこ。名物だ。
 今回の特集で見た沢島忠「殿様弥次喜多 怪談道中」でも、金のしゃちほこに、大工職人が人柱として、埋め込まれているとか、しゃちほこを盗もうとする山賊とか、名古屋には金シャチしか、話題がないのか、というくらい。
 酒好きの千代之介に、下に行って番屋のどぶろくを飲んでこいよ、と千代之介をしたにやり、錦之助は、金のしゃちほこの目玉をえぐり、隠されていたものを盗み出す。
 実は錦之助、幕府の隠密、盗んだものは前将軍の遺言状、「わしの次の次の将軍は尾張藩若殿・里見浩太郎にするぞよ」というもの。現将軍・吉宗は、自分の血筋の者を次の将軍にしたいものだから、隠密を使って、盗ませたのだ。
 って言うか、雨露をまともに受ける金シャチに、重要文書を隠すなよ(笑)。
 江戸へ逃げる錦之助を追う、千代之介、桜町弘子(千代之介の妹で、錦之助と恋仲)、家老・大河内伝次郎と娘・美空ひばり。
 一方江戸幕府側は、大老・月形龍之介(ああ、いつ見ても、いい)の指示の元、山形勲などが動き出す。
 そのあとの展開が、誠にグッド。
 尾張藩・大河内、江戸幕府側・山形のどちらにも、花を持たせる展開。
 錦之助・ひばり・千代之介、そして桜町にも、花を持たせ。
 松田定次のバランス感覚(笑)が、いい方に転がった、快作で。
 錦之助も、愁嘆場でも、後年のようには臭くなく、さわやか。
 唄も数曲披露するひばりも、相変わらずいい。
 例によって、ブスかわいい桜町弘子もいい。
 目鼻立ちくっきり、スクエアな古典的二枚目、の千代之介、このひと一人だけ、ベージュの口紅も毒々しいが、今見ると、若干違和感。その後伸び悩んだわけだ。
 それに比べると、錦ちゃんの、さわやかな、爽快感。何度も言うが、後年の臭みが、嘘のようだ。


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by mukashinoeiga | 2010-11-24 23:46 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

佐々木康「血斗水滸傳 怒涛の対決」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。59年、東映。
 ため息が出るほどの、東映時代劇オールスタア映画。
 ぼくが今まで見た東映のオールスタア映画というのは、スタアの交通整理に終始した、きわめてかったるい映画ばかりで、ああ、また今回も、豪華だけど、かったるいのかあ、と見てみたら、なんと、これが、面白い面白い。特に錦之助が出色、やはり、いい。
 市川右太衛門(笹川繁蔵)と進藤英太郎(飯岡の助五郎)の、ご存知縄張り争い。
 右太衛門の子分に、東千代之介、大河内傳次郎、若山富三郎、そして平手造酒に大友柳太朗。
 進藤英太郎の子分に、中村錦之助。これと結託する悪徳代官に月形龍之介。一宿一飯の恩義から、心ならずも手を貸すが、最後は右太衛門の側につく、義賊に大川橋蔵。
 この争いを仲介するのが、片岡千恵蔵(国定忠治)、山形勲(大前田の英五郎)、里見浩太朗(板割の浅太郎)。
 役者もスタアぞろいだが、任侠ヤクザたちも、今に名を残す有名人ぞろい。
 お決まり、からだが悪くて、進藤に抗議し、斬り殺される老親分に薄田研二。その娘に千原しのぶ。
 これに、人気芸者・美空ひばり、やはり彼女の華やかさはオールスタアに欠かせない。
 大友に恋する純情娘に、丘さとみ。すごい年齢差だろ。
 ああ、やはり、いいのは、錦之助。
 悪い親分に使えねばならず、しかも散々親分からいじめられる。
 耐えに耐える。晩年のように、クサくならず、さわやかに、演じる。
 橋蔵、右太衛門も好演。善玉を演じてよし、悪玉を演じてよし、の月形龍之介。でも、彼は善玉演技と悪玉演技、ほとんど違いがないんだよね(笑)。これはすごいことだよ。真のスタアは、小ざかしい演技など、しなくていいのだ。
 オールスタアのなかでの悪役、進藤英太郎は完全アウェイの中で、例によって健闘。 
 実は冒頭クレジットに、桜町弘子。どこに出てくるのかと思っていたら、出ず。何らかの理由で、出演できなかったのか。今回の同時上映沢島忠「殿様弥次喜多 怪談道中」の、新文芸坐のチラシにも、彼女の名前が載っているが、実際には出演なし。この頃、病気でもしていたのか。桜町弘子ファントしては、残念。
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by mukashinoeiga | 2010-11-22 23:13 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

沢島忠「殿様弥次喜多 怪談道中」

 池袋にて。「錦之助映画祭り2010」特集。58年、東映。
尾州の若殿・中村錦之助と、紀州の若殿・中村賀津雄が、意気投合して、おりしも出合った弥次さん喜多さんと、入れ替わり、気楽な町人姿で東海道を行く。窮屈な大名行列の、文字通りの「駕籠の鳥」から開放されて、生き生き。
 これに、おなじみお家騒動やら、なにやら怪談ティスト(の、もちろん喜劇味)やらが、からむ、お気楽東映時代劇の、明朗編。
 ようは、錦之助を主とする、兄弟アイドルの、アイドル映画なのだが、錦ちゃんファンが、にこにこ、うっとりすれば、それでよろしい、という映画。
 他愛はないが、他愛がないからこそ、製作されてから50年たっても、新文芸坐の休憩中のロビーは、錦ちゃんファンクラブの、年配男女のにぎやかなおしゃべりの場と化すのですね。
 年をとって、臭みが似合わないのに、しかし臭み全開のヨロキン時代に比べるべくもなく、青春の錦ちゃんの、さわやかさ、爽快さ、ソーダ水のごとき清涼感は、ファンならぬぼくでも、うれしくなる。
 その天性のアイドルに寄り添い、邪魔をしない中村賀津雄の、透明感。
 しかし、沢島忠映画を見ていつも思うのは、当時は斬新なティストとしてカツモクされたのかもしれないが、今見ると、なんともふつうの、出来のよい明朗映画で。まあ、当時としては、特にどんよりと年寄り臭かった東映時代劇のなかでは、モダンだったのかもしれない。斬新な登場ぶり、というのは、同時代に生きていないと、わからないのでしょう。
 たしかに、松田定次なんかの、ドンくさい東映時代劇なんかは、退屈そのものだが、その異母兄弟・マキノ正博なんか、永遠のウルトラ・モダン、面白いものは50年たっても70年たっても面白いわけで。
 ま、マキノに比べれば、沢島忠なんか、永遠に小僧っ子ですがな。当たり前だけど。
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by mukashinoeiga | 2010-11-21 07:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

平穏な日々(笑)

 このところ、実に平穏な日々でありまして。
 先月は、神保町の若尾文子特集を中心に、未見作がてんこ盛りで、<見に行くことが可能ならば、見に行かねばならぬ>ものが多すぎて、ひっじょーに、苦しかった(笑)のに。

●神保町シアター
  成瀬巳喜男と女優たちモーニング 10月23日(土)~11月19日(金)
 「小津安二郎の世界」11月20日(土)~12月29日(水)
●ラピュタ阿佐ヶ谷
 仁義なき戦い 阿佐ケ谷死闘篇 10.10.23(土)~10.11.26(金)
 昭和の銀幕に輝くヒロイン 南田洋子モーニング 10.10.31(日)~10.12.30(木)
 執心と悟り ─川本喜八郎の仕事 10.11.07(日)~10.11.20(土)
 松竹大船 メロドラマの薫り 10.11.21(日)~11.01.08(土)
 エロ・グロ・純情/東映カルトプリンス 牧口雄二の世界 10.11.27(土)~11.02.04(金)
 『松竹大船 メロドラマの薫り』 2010年11月21日(日)~2011年1月8日(土)
●フィルムセンター
 生誕百年・映画監督 黒澤明 11.9~12.26
●新文芸坐
 11/16(火)~26(金) 錦之助映画祭り2010
 11/27(土)~30(火) 時をかける少女 告白
 12/1(水)~7(火) 没後40年 円谷英二特集
 12/8(水)~11(土) 『必死剣 鳥刺し』『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』
 12/12(日)~21(火) ゼロ年代・もう一度見たい映画はこれだ
●渋谷シネマヴェーラ
 市川崑 初期作品集 2010/10/30 ~ 2010/11/19
 キム・ギドクとゆかいな仲間たち-韓国映画傑作選- 2010/11/20 ~ 2010/12/10
●銀座シネパトス
 名画に見る・懸命に生きた人々 10.10.30(土)~10.11.19(金)
 青春の輝き・・・舟木一夫特集  10.11.20(土)~10.11.28(日)
 池内淳子追悼レイト      10.11.6(土)~10.11.28(日)

 なになに。
 成瀬、小津、黒沢、崑、かい。ほとんど見ているので、ぼく的には大安心(笑)。
 仁義、南田洋子、松竹大船、舟木、シネパトの名画特集、池内、その他のも、ほとんど、あるいは大体見ているので、未見作は少ない。<見に行くことが可能ならば、見に行かねばならぬ>モノが、少ないと、日々が平穏に過ごせる(笑)。
 渋谷の<キム・ギドクとゆかいな(不快な?)仲間たち>なんかは、通うかなあ。
 まあ、再見しても、見れば、それなりに面白いんだけどね、ぼく的には。

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by mukashinoeiga | 2010-11-15 22:31 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

2003年・映画への旅

●日本映画
1 ジョゼと虎と魚たち
2 ドッペルゲンガー
3 青の炎
4 blue
5 船を降りたら彼女の島
6 オー・ド・ヴィ
7 座頭市
8 福耳
9 蛇イチゴ
10 踊る大捜査線 THE MOVIE 2レインボーブリッジを封鎖せよ!
次 花

 ゆるく言ったら6位以下は、きつく言ったら3位以下は、妥協の選出でありますね。もっとも、合成費を安く上げるためか(役所の一人二役のため)2の、デジタル撮影さえ、気に入らない。
 しかし、なぜか、役者は充実している。家貧しくして、孝子出ず、というところか。

監  督 篠田正浩(スパイ・ゾルゲ)
主演男優 妻夫木聰(1)
主演女優 池脇千鶴(1)
助演男優 雨上り宮迫(9)
助演女優 司葉子(8) 鰐淵晴子(6)
新  人 松浦亜弥(3) 
 
 篠田の「スパイ・ゾルゲ」における功績は、一にも二にも、やっとこさの引退宣言によるもので、相もかわらずの凡作「スパイ・ゾルゲ」の内容によるものではない。もう二度と篠田の新作が撮られることはない、というところを愛でたい。
だいたい篠田が最高傑作を作っても、一般基準からすると、せいぜい小品佳作どまりの、篠田が、延々映画を作れることが不思議なのだ。これまでは口八丁(残念ながら手八丁ではない)篠田が、スタア女優であり妻の岩下志麻の威力のおかげで、映画を作ってこられたが、やはり岩下の神通力も消えうせた、という上での引退発言か。というか、引退すらも宣伝に使う篠田、さすがプロデュース能力は高い。残念なことに、演出力が追いついていないだけだ。
 別に引退は宣言していないと思うが「鏡の女たち」吉田喜重も、事実上の引退か。篠田と並ぶ松竹ヌーヴェルヴァーグの、評価され過ぎの凡匠たちが、やっと引退してくれた年として、本年は記憶される。
 鰐淵晴子、究極のザ・熟女ですな。

●日本映画
T・R・Y 壬生義士伝 黄泉がえり 13階段 船を降りたら彼女の島 オー・ド・ヴィ SF Short Films
 青の炎 blue 鏡の女たち 星に願いを。 MOON CHILD  あずみ チルソクの夏 スパイ・ゾルゲ ホテル・ハイビスカス 恋愛寫眞 踊る大捜査線 THE MOVIE 2レインボーブリッジを封鎖せよ! ゲロッパ! 座頭市 蛇イチゴ 福耳 釣りバカ日誌14/お遍路大パニック!  ドッペルゲンガー  木更津キャッツアイ/日本シリーズ 花 ジョゼと虎と魚たち ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

●外国映画
1 エルミタージュ幻想
2 ほえる犬は噛まない
3 トーク・トゥ・ハー
4 月曜日に乾杯!
5 アイデンティティー
6 ラストサムライ
7 閉ざされた森
8 シモーヌ
9 キル・ビル Vol.1 
10 ボーン・アイデンティティー
次 コール

 1は、超長回しのため、または製作にNHKがかんでいるためか、デジタルなのですが、まあ、しゃあないか。ただし、デジタルだと、華やかにしか、作れない。暗闇は、濃淡含めてダメでしょう。
 
監  督 アレクサンドロ・ソクーロフ(1)
主演男優 アル・パチーノ(8)
主演女優 ペ・ドゥナ(2)
助演男優 渡辺謙(6)
助演女優
新  人
  
●外国映画
ボーン・アイデンティティー レッド・ドラゴン 戦場のピアニスト エルミタージュ幻想  007 ダイ・アナザー・デイ キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン シカゴ  CUBE2 13モンキー トゥー・ウィークス・ノーティス マトリックス・リローデッド トーク・トゥ・ハー シモーヌ 閉ざされた森  リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い  月曜日に乾杯!  ほえる犬は噛まない アイデンティティー キル・ビル Vol.1  ラストサムライ コール
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by mukashinoeiga | 2010-11-12 08:37 | ベストテン | Trackback | Comments(0)

吉田喜重「ろくでなし」

 京橋にて。「映画監督五十年 吉田喜重」特集。60年、松竹大船。
 自作脚本によるデヴュー作。
 ちらちらと、既視感がある、ああ、既見作なのね。でも、やっぱり、ぼくの記憶力はハチミツなので、次の展開はまったく読めず、楽しめるのは、いつもの通り。
 一代で成り上がり大会社の社長に納まった父(三島雅夫)の大学生の息子・川津祐介は、熱もなく、冷ややかな、人生の傍観者。この川津が、主人公かと思いきや、その取り巻きのひとり、貧乏学生の津川雅彦が、だんだん存在感を増してくる。最初は、無言を通す彼が、真の主人公。
 三島社長の秘書・高千穂ひづるが、例によって典型的なツンデレ美人。
 お互いに反発しながら、だんだん惹かれあう、お決まりのメロドラマ。
 当時「勝手にしやがれ」59との類似も話題になった、とフィルムセンターのチラシにあるが、それはもちろん、ぼくは金持ちのぼんぼん川津と、貧乏な美青年津川との関係に「太陽がいっぱい」60も、色濃く感じましたね。最近最新の洋画を、そつなく取り込んだ、お勉強の成果。
 そんな裏事情はともかく、いかにも松竹らしい微温的な青春ドラマが、そつなく展開され、収まるべきところに、きっちり収まる。
 つまり、ぎらぎらした津川を、松竹メソッドは、描ききれない。低体温の傍観者・川津なら、お得意なのだが。あくまで、お坊ちゃん目線のろくでなしで。
 しかし、お坊ちゃん体質の松竹メロ・および吉田は、やはりないものねだりで、ろくでなし、描きたくなるんだよね。生彩はないのだけど。
 ひづるは、兄夫婦(安井昌二、千之赫子)の家に同居している。兄夫婦の、ちまちまとした夫婦喧嘩のシーンになると、抜群の安定感(笑)。さすが、松竹ホームドラマの伝統。また安井昌二の、駄目夫ぶりがサマになってるんだわ。
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by mukashinoeiga | 2010-11-07 23:14 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

吉田喜重「煉獄エロイカ」岡田茉莉子岩崎加根子

 京橋にて。「映画監督五十年 吉田喜重」特集。70年、現代映画社=ATG。
e0178641_1403030.jpg そう遠くない昔、武力・暴力革命を唱えていたころの、テロリスト集団・日本共産党の、いち細胞集団を描く、のだが、まあ、これが、おもいきり、つまらない
 銃をバンバン撃っては、<某国大使夫妻>(岩崎加根子ら日本人が金髪のカツラをかぶって、まあ、アメリカあたりを想定してるのでしょう)を拉致誘拐しようという。まあ、演習なんですけどね、金髪のカツラなんだから。
 おそらく、吉田喜重が、今回パクッたのは、ゴダールと「去年マリエンバートで」。日本には、あの映画のような、かっちりした西洋風宮殿建築はなかなかないので、それでも挑戦して、いやあ、しょぼくて、その工夫がうれしいなあ(笑)。地下鉄の通路やら、なにやら涙ぐましいロケハンが功奏。ロケハン的には、日本的マリエンバートを実現(笑)。マリエンバートの、箱庭版、盆栽版。
 ちまちまと、まあ、美しい。映像的には。
 この映画では、白黒スタンダード画面の、右下、左下に、小さく人物の容姿が、映る。それが印象的。
 人が、小さい。画面の9割は、建物の、天井、壁、構造物が占める。
 映像的には、端正で、非常に、美しい。撮影賞ものだろう。
 しかし、通俗心理学的(笑)には、この映画の監督は、人間に興味がないのが、丸わかり。画面の、隅っこの、ちいちゃなちいちゃな人間たち。
 しかも、この映画に、ユーモア、ギャグ、のほほんとした要素は、一切なし。
 そう、かつての<前衛劇>(特に左翼がお得意とした)の、デッド・シリアスそのまま。最後に、エンドマーク代わりに、DEAD ENDと出るが、デッドエンドじゃないよ、デット・シリアスよ。
 吉田喜重、名前にある「吉」「喜」まるきり、ないので。
 人間に興味がない、しかも、女に興味がない男、さらにユーモアがない男、が作る人間ドラマが、まったく無味乾燥なのは、もうまるっきりその通り。
 監督、苦悩してるかもしれないが、こんな無味乾燥映画を見せつけられる観客のほうこそ、煉獄だよ。
 エロ(ス)もない。エロ以下。岡田茉莉子はもちろん脱がないが、安い女優は脱ぐ脱ぐ。エロではないけどね。
 岩崎加根子らしき女性も脱ぐが、これは、明らかにボディダブルか。からだがきれいすぎる(笑)。
 70~80年代の女優たちは、バンバン、脱いだ。当時は、脱ぐことが、女性の、女優の、先覚的行動だった。今は、AV女優と一般?女優を区別?するためか、一般?女優は、ほとんど、脱がなくなった。
 どっちもどっち、という気がするが、まあ、<女性史>に、<進歩>は、ない、あるのは、<流行の変遷>だけなのだ、と思う
 古臭いと思われた、数十年前のファッションが、ある日、なかなか新奇な風俗とみなされ、やがて、再び、流行するというような。
 こういう映画が、当時は<珍重>されたことが、不思議だ。
 かつては、前衛劇は、くそ真面目なものだった。
 田中重雄「八月生れの女」で、宇津井健が出ている、当時の前衛劇を、あまりに馬鹿馬鹿しいので、若尾文子が、大声でアハハハ、と笑うと、後ろの席のきまじめメガネ男が、しぃーっ、と注意する。
<前衛劇>で、笑うことはタヴーだったのだが、つかこうへいあたりが、出てきたころから、小劇場では、笑いがメインになってきた。
 もっと、もっと、笑わせて。
 主に、女性観客を中心に、笑わせろの、圧が、きつくかかる時代になった。
 というわけで、笑い絶無の前衛劇、人間に興味のない吉田喜重、ともに、いまや、化石ですね。
 40年前には、もてはやされた<前衛>が、いまや<化石>。
 なお、岡田茉莉子、岩崎加根子をのぞく出演陣は、全員無名ながら、結構好演しているが、そもそも人間に興味がない監督の映画に出ているのだから、まあ、その熱演は、無駄でしたね。

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by mukashinoeiga | 2010-11-03 23:17 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)