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石井輝男「異常性愛記録 ハレンチ」

 ぐげげげげーっっ!!
e0178641_6173833.jpg 渋谷にて。「石井輝男・怒涛の30本勝負!!」特集。69年、東映。
 す゛げー、石井輝男ーっ。これ、この映画を100人が見たとして、まず、90人強は、ドン引きするだろ。
 いや、ヘンタイさんというのは、世の何パーセントを占めるのか、知らないので、なんとも言いようがないのだが、この映画を<心底楽しめる>パーセンテージというものは、かなり、限られると思う。
 この映画を心から楽しむためには、
1 中年小太りのおっさんのヌードに違和感を抱かないこと
2 中年小太りのおっさんの、鼻毛ぼうぼうの鼻の穴の超クローズアップ(シネスコ画面に鼻の穴だけ)に不快感を抱かないこと
3 中年小太りのおっさんが、自分のくちびるを自分の舌でぺろぺろなめまわす超クローズアップ(シネスコ画面にくちびるだけ)に不快感を抱かないこと
4 中年小太りのおっさんが、女装厚化粧して当時たぶん無名なのでかなりハードなカルーセル真希にSM攻めにされても不快感を抱かないこと
5 中年小太りのおっさんが、女をかなりしつこくストーカーしたり、おもちゃ扱いしても不快感を抱かないこと
6 どんなに悪趣味でも、ゲテモノでも、グロでも、とりあえずヘンなものには、すぐさま呼応すること 

 まあ、この条件がひとつでもないと、この映画は、きつい。
 いや、ぼくも、きつかった(笑)。何の接点も、ないもの。いや、正直、鈴木清順が日活首になって、石井輝男が東映首にならない理由がわからないっ。いや、わかるよ。とりあえず、エロとコメディー目指しました、でも、ちょっと、やりすぎかな、まあ、艶笑というくらいだから、多少ゲテでも、笑って許されるものかもしれない、つぎはもう少し、ふつーに撮れよ、という程度の。
 ヒロインの橘ますみは寺島しのぶを美人にしたような、薄幸顔。とことん、男に、ひどい目にあう。もう、このいじめはギャグだろうというくらい、いじめられる。でも、薄幸娘だから、とことん耐えるのね。
 で、このヒロインを徹底的にいたぶる中年男というのが、すごい。これ、世界のカルト・ゲテモノ・ホラー映画祭にぜひとも出して欲しい。ぼくは、世界映画史上、これほど気色悪いキャラクターを見たことがない(笑)。
 いや、女には、最初は低姿勢。「ぼく、さびしいんだヨ~ン」と迫り、いざとなったら、殴る殴る。女性にとっては、どんなホラー映画よりも怖いんでないんか。
 このおっさんが、<中高年男性向け精力剤のCMの男性モデル>の典型の顔といいますか、つまり田中康夫似なのね。もう、この映画見たら、あなた、死ぬまでこのおっさんの顔、忘れないよ。いや、最高のキモ試し映画かもしれない。 
 キモ試しといっても、どこまでいったらキモイのか、を試す、ということだからね。
この映画を見ずに、オレはホラー/グロ映画ファンだぜー、というヤツは、もぐり。 「徳川女刑罰史」「徳川いれずみ史 責め地獄」明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」辺りを見て、俺は石井輝男が好きだーっ、というやからには、ぜひ本作を見ていただきたい(笑)。
 このおっさんに、ドン引きしなかったら、あなたは、真のヘンタイさんだ。
 このおっさんに勝てる、カルト親父はいまい。若杉英二、あんたはエラいっ。
 なお、この気色悪い映画にもかかわらず、石井輝男映画の常で、やはり吉田輝雄が一服の清涼剤。どん底のヒロインの、唯一の希望となる男。石井輝雄が織り成す<汚れた街>を、ただ一人歩いていく<真のナイト>を、常に演じているし、この映画でも、また。石井輝男の映画の、唯一の、かそけき希望の輝きが、吉田輝雄なのだ。
 で、ぼくは個人的に大爆笑。
 吉田輝雄が、この映画たった一ヶ所だけ、角度の関係か、光線の関係か、髪型の関係か、シモケンさんと、瓜二つなのだ。いや、吉田輝雄とシモケンさんは、まったく、似ていない。普段は、吉田輝雄を見ても、シモケンさんを思い出すことはまったくないのに。
 シモケンさん、シモケンさん、といっても、昔からぼくらはそう呼んでいるけれど、一般には、まったく知られてはいないかもしれない。萩原健一ならショーケン、前田健ならマエケン、上原謙ならウエケン、下村健ならシモケンなのだが、いまシモケンさんは、石井輝男プロに所属していて、石井輝男関係の本でも、石井輝男にインタヴューしているのだが、そう、そのシモケンさんが、吉田輝男に、角度の関係か、瓜二つ、と知って、ああ、石井プロに入るくらいだから、石井輝男好みの顔なのだなあ(笑)と。
 まったく接点がなさそうな、吉田輝雄とシモケンさんが、ここで石井輝男的オトコの趣味を通じて、合体する、この不思議。
 とにかく、カルト映画好きを自称していながら、本作を見ていないのはもぐりよ。
なお、本作のゲイボーイたちのシーンでは、そのまま映すのはアレか、と思ったのか、が、延々と続き、ぼくたちは、かなりハードな点滅画面を見続けなければならない。
 ポケモン程度ですら、点滅画面にダメージを受ける人には、もう拷問状態かもしれない、キッツイストロボの連続。たとえヘンタイさん描写をクリアしても(笑)、この殺人ストロボでは、DVD化は、永遠に無理でしょうね。
 でも、まてよ。
 ぼくが見た渋谷では、みんなドン引きしていたけれど、これ、友達呼んで見せたら、ホームパーティーで見せたら、大爆笑でしょう。
 あ、DVDは、無理か。なら。
 かつて自由が丘武蔵野館、大井武蔵野館で、「幻の湖」をカルト化したように見せれば、これまた大爆笑でしょう。
 いや、「幻の湖」は爆笑苦笑だけだったけれど、本作なら、必ずや、大爆笑と阿鼻叫喚の嵐なのでは。いやいや、やりようによっては、これは、名画座の話題になること必須かも。
 とりあえず、エッジの利いた半有名人にあおらせて、新文芸坐のオールナイトあたりで、どうですか。
いや、絶対、これは、第二の「幻の湖」「恐怖奇形人間」ですぜ、ダンナ。

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by mukashinoeiga | 2010-08-31 22:11 | テリー石井 恐怖奇形番外地帯 | Trackback | Comments(2)

中川信夫「エノケンのとび助冒険旅行」

 神保町にて。「夏休み特別企画・昭和の子供たち」特集。49年・新東宝=エノケンプロ。
 新東宝は、コマ不足、専属俳優不足、資金不足で、ごらんのような提携作品が多いようだ。本作もエノケン一座のユニット出演とおぼしく、ナレーションの徳川夢声以外は、ホントに無名の役者たち。なかでも、一座のヒロイン女優・旭輝子の美貌を確認した。
 戦乱きわまり、廃墟の街と化した京の都、お定まりの強盗と、追いかけっこする紙芝居屋のおっちゃん・エノケン。そう、紙芝居屋なのだ、京の都は、軽演劇の舞台の書割そのままのセット。美術費も浮くし、童話ファンタジー感も増す。何より、エノケン一座美術部には、お手の物だろう。
 しかし、この追いかけっこで、エノケンの体技に、まったく冴えがない。伝え聞く、戦前の体技の片鱗もないどころか、動きのキレすら、ない、普通人の動き。
 あー、つらいなあ。
 この騒動で出会った少女の、母を求めて駿河の国までのン千里冒険行に、エノケンは付き合うハメに。以後、妖怪化け物と出会いつつ、母の元へ。
 年をとって、全盛期を過ぎたコメディアンの、ルーティン・ワーク。しかし、それはそれとして、エノケンのスタア体質は、隠しようもなく、繊細低体温な中川信夫には、やはり、水と油か。
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by mukashinoeiga | 2010-08-30 00:02 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

小田基義「三太と千代の山」

 神保町にて。「夏休み特別企画・昭和の子供たち」特集。52年・新理研映画=大日本相撲協会映画部。配給新東宝。
 本作も、山々を睥睨しながら「おらあ三太だ」と、例のせりふを吐く少年、当時の人気ラジオドラマの映画化3作目、とのこと。
 デジタル素材による上映で、若干のちらつき感、白黒の明暗に、些細なバグ感あり。 
 地方巡業にやってきた、千代の山一行と仲良くなる、子供たちを描くが。当時の人気力士が、大勢出演。
 なお、いっしゅん細身の長身力士が弟子たちの中に写るが、ジャイアント馬場か? ちがうか。
 しかし、少年ドラマなのに、本作の、左幸子は、日本映画史上、最低最悪の悪女だろう(笑)。
 そもそも、初登場シーンからして、とても、子供映画のノリとはいえまい(笑)。
 山村ののどかな小学校の校庭で、子供たちが話し合っていると、その背後に、突然、うすく姿を現し、やがて姿かたちもくっきりして、子供たちと<会話>して、また、するすると消えていく。ユウレイかい、と思わせて、実は、寿退職した元担任の左幸子を、子供たちが回想しているだけなのだが。
 そして、<本体>の、初登場シーンも、子供映画の規範を、超えているように、思う。
 滝つぼがあって、豊かに広がる湖、夏であり、子供たちの格好の遊び場だが、ある日子供たちが通りかかると、なんとすっぽんぽんで泳ぐ女体あり。いや、よく見ると水着着用だが、これが色が白くて、水の中で優雅に泳ぐサマは、ホントに裸同然のように見える。
 水から上がると、子供たちに、「懐かしくて、泳いじゃった。いい気持ちねー」って、あんた。
 子供映画で、水着登場の女教師って。
 後日、校長あてで、三太に手紙が来る。
 どうやら、泳いでいる最中に、結婚指輪を湖中に落としたらしい。そこで、泳ぎの得意な三太に、こっそり、探して欲しいという依頼。三太、大好きな先生の依頼に目を輝かせ、「校長先生、その手紙、見せて」と頼むが、「いや、いや、これは」と、校長なぜかあわてて、手紙を隠す。
 なに、この子供映画で、<大人の事情>的展開は。
 前後の会話から察するに、どうやら新婚ながら、左幸子は、夫と仲が悪いようだ。新婚で、仲がよろしくない上に、結婚指輪をなくしては、夫から、なんと言われることやら。事実、水から上がった左巻子、違った、左幸子は、たまたま通りがかった校長にひそひそ話、つい涙ぐむという、<大人の事情>を、子供たちに、垣間見せたもの。
 三太、毎日張り切って、もぐりにもぐって、指輪探し。しかし、湖底の石ころの中から、小さな指輪を探すなんて、まったくの不可能事では、ないか。
 ある日とうとう、岩の間に足を挟まれ、危うく溺死状態。足に、大怪我。
 ところが、左幸子、ちゃっかり次の手紙で、「湖でなくしたと思っていたら、家の中から、指輪、出てきたわ。ごめんねー」って、あんた。
 大事な指輪のはずなのに、このうっかりさは。
 三太、足の怪我のおかげで、千代の山から、一人だけもらった、両国国技館の招待券が、使えない。楽しみにしていた、国技館の大相撲に、行けない、その子供のつらさ。その原因が、左幸子の、うっかり、とは。
 それでも、なお左幸子を敬愛する三太は、東京に住む左幸子に、「先生、ぼくの代わりに大相撲、見てください」と、手紙、子供にとっては大事なプラチナ・チケットを同封して、送る。
 大相撲千秋楽当日、足の包帯をさすりながら、ラジオで実況中継を聞く三太。今頃は、先生、この大一番を、ナマで見てるんだろうなあ」と、目を輝かせていると・・・・。
 なんと、そのお茶の間に、左幸子が、夫を連れて、登場!
「えー、先生、相撲は・・・・」と、驚く三太少年を尻目に、相撲のすの字も、プラチナ・チケットのチの字も言わずに、夫と仲良さげに、「三太君、先生のために怪我したんだってねー、ごめんねー」と。 
 仲を取り戻し、夫と、いかにもラブラブで、幸福そうな左幸子。
 何も、このプラチナ・チケットの当日に、帰郷しなくても。
 かくて、少年の夢をずたずたにしつつ、幸福そうな左幸子で、映画は、エンド。
 三太に対する、何のフォローもなく、映画は、終わる。
 千代の山は大一番で勝って、優勝だが。
 たぶん、左幸子は、絶対に左巻き日教組教師だろうが(断言)、「三太と千代の山」というタイトルだけに、このセンミツな展開は・・・・。脚本は、山本嘉次郎、木村英一だが。

 なお、この「夏休み特別企画・昭和の子供たち」特集は、いつもの神保町とは違って、比較的若い人を、ほとんど見かけず。元・昭和の子供たちである、ぼくのようなジジババが、ちらりほらり。しかも、熱夏とあって、ジジババも、外出しにくいわけだ。
 子供映画といっても、文部省・日教組ご推薦的な、教育映画臭がする映画が多い印象。
 これでは、若い人は、まして子供は、来ないわな。頼みのジジババも、外に出たがらないだろうし。いつもより、客が少ない印象で、企画としては、失敗か。
 「昭和の子供たち」よりも、「昭和のきれいなおねえさん」やら「昭和のイケメン」やら、もっと、<肉食系>の企画のほうが、よろしかったのでは。

●追記●肝心の千代の山だが、いわゆる<スポーツ選手のシロウト演技>としては、かなり好感度大。いい人なんだろうな、というのが伝わってくる。
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by mukashinoeiga | 2010-08-29 08:58 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

市村泰一「求婚旅行」

 阿佐ヶ谷にて。「旅する映画 映画の旅」特集。65年、松竹大船。
 後発のライヴァル誌に追い立てられている、週刊ダイナマイトの、編集者・桑野みゆきは、新たな企画にチャレンジ。
 プレイボーイの純文学作家(吉行淳之介あたりがモデルか。間違っても、遠藤周作ではあるまい)池部良に、東海道・夜の街ルポを、書かせようとする。ただし、気難し屋の作家ゆえ、おいそれとは、乗ってこないだろう。
 そこをとんちとお色気でクリア、かくて一台の車で、みゆきと良は、東海道へ。しかし、「みゆきは俺の嫁」と、編集長・園井啓介、カメラマン・沢本忠雄らは、プレイボーイ池部のちょっかいを、何とか、阻止しようとするが・・・・。
 桑野みゆきの、健全なお色気全開の、コメディー。と、行きたいところなのだが、たしかに、桑野みゆきは、可愛い。
 しかし、桑野みゆきの魅力というのは、何かしら、屈折したものがあるのではないか。屈折みゆきに、これまた屈折池部。
 う~ん、うまくいくとは思えないのだが、うまく行っちゃうんだよねー。おざなりだなあ。まあ、この時期の松竹は、おおむね、工夫がない。
 桑野みゆきの、明るさの中の、奇妙な暗みの色気が、気になる。それだけの映画。
 それと、ライヴァル誌の編集者・香山美子が、やっぱり、可愛いんだよね。
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by mukashinoeiga | 2010-08-25 23:08 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

大曽根辰保「歌う弥次喜多 黄金道中」

 阿佐ヶ谷にて。「旅する映画 映画の旅」特集。57年、松竹京都。
 ごぞんじ弥次さん喜多さんの、東海道道中すごろく。弥次さん喜多さんには、高田浩吉、伴淳。浩吉うたう歌う。
 伴淳はコメディ担当かと思いきや、一曲、意外な美声?を披露。
 この、ご存知コンビが旅をすりゃ、宿場ごとに、当時の人気歌手、人気コメディアンが、入れ替わり立ち代りで、曲や芸を繰り広げる。そう、もはや、これはドラマなんてものではなく、自由極まりないヴァラエティー・ショーの演芸大会。
 しかも弥次喜多、関西にも足を伸ばすので、関西芸人、吉本芸人を、なんのためらいもなく使い倒せる。撮影が、松竹京都なので、芸人も東京より大阪のが、呼びやすいのは、どうりで。かくて、滅茶食っちゃ、豪華な、芸人・歌手の登場ぶり。
 そのぶん、映画としては、いま見ると、まことに、つまらない。つまり、芸と曲の、お団子串刺し状態で、何の芯も通ってないし、構成もないも同然、凡庸な大曽根演出は、工夫も何もあったモンじゃなく、退屈の一語。
 曲も今に残るヒットもなさそうだし、当代の人気芸人たちも、いつものルーティンを機械的に繰り出すのみ。情熱も、工夫もない、場末の顔見世演芸館のレヴェル。
 だいいち、高田浩吉という、ヨンさまと同じで、ファン以外には何の感興も起こさない、田舎の二枚目で。
 唯一、受けたのが、弥次喜多が舟の中、たぶん駿河の海か、伴淳が浪曲清水の次郎長を一くさり。しかし伴淳は明らかに口パクで、声は広沢虎造だ。
 歌い終わり、伴淳は、今人気の浪曲師の名前を次々挙げていく。そこへ、町人姿の広沢虎造本人が、「一人、忘れてやいませんかってんだ」と、割り込む。なかなか、虎造の名前も出さない伴淳も、ああ、次郎長といえば、虎造だ、と思い出す。「兄さん、江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」「すし、食いねえ。・・・・なに、すし、ねぇ?」
 こまどり姉妹が、それぞれの本名でクレジットされるのは、まだこまどり姉妹としてデヴュー前ということかな。同じメイク、同じ衣装で、登場するので、弥次喜多には、どっちがどっちだか、わからない。観客にも、わからない。
 クレジットといえば、
<おきん シリア・ポール>
 には、びっくり。高峰三枝子(信じられないくらいの美しさ、ヒロイン女優の面目躍如)の、十歳くらいの娘おきん、目鼻立ち区っきりで、色浅黒い美少女、どう見てもインド系の顔立ちだが、日本語は完璧。涼しい優等生歌唱で「とおりゃんせ」を歌う。
 ネットで調べてみると、大阪育ちのインド人、子役として、松竹、日活でそれぞれ数本出演。まあ、たいした映画ではないのは、不運なところ。60-70年代に、TVタレント、ラジオDJで、結構人気があったようだ。ぼくの知らない、最初の「オールナイトフジ」とか、「世界歌謡祭」の第3・4回司会者。たぶん、英語で、出演歌手をコールするような役回り?
 週刊プレイボーイでの、細いからだに、ばばんと美乳な、ヌード・グラビアも、ネットで拝める。けっこう人気があったようだ。まあ、あの美貌ならね。
 そして、かの大滝詠一「夢で逢えたら」、数限りない歌手がカヴァーしているこの名曲は、もともとアン・ルイスのために書かれた曲だが、お蔵入り。名曲伝説の始まりは、最初にこの曲をレコードで出した、シリア・ポールからのようだ。このシリア・ポール歌唱も、ネットで聞ける。やはり、涼しい声だ。
◎追記◎


★シリア・ポール グラビア★
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by mukashinoeiga | 2010-08-24 22:10 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

「朝日映画ニュース」

 京橋にて。「フィルム・コレクションに見るNFCの40年」特集。34年、東京朝日新聞社。
 9分の中に、5~6本のニュース収録。宮様の結婚、行列の馬車とか、渋谷のハチ公像除幕式とか、陛下の閲兵式とか。一応トーキーなのだが、音楽は絶えず流れるにしろ、ナレーションは、最初に一言、二言。あとは、沈黙。
 いまの刺激的ナレーションのTVニュース・ショーに慣れていると、異様なのね。ナレがないからといって、映っている人の発言もないし。粛々と進んでいく。
 これでは、刺激が足りぬ、と、いまのニュース<ショー>は、扇情的なBGM(その方面では一長日ある映画やドラマの、)、扇情的なナレ、扇情的なスーパー・インポーズ、おなかいっぱいの山盛りだ。
 そして、もちろん、カメラに捕らえられたニュースというのは、厳密な意味では、最初から<一次資料>とはいえないのかもしれないが、いまのニュース・ショーは、どんどん<一次資料>から、離れていってしまうだろう。
 なお、何とか商会、の名もクレジットされていて、まだまだトーキーは、朝日新聞単独では、できなかったのか、とも思われる。
 続いて、
  ●「朝日映画ニュース 特集号 東郷元帥国葬」34年、朝日新聞社、10分。
 こちらは、特集号(”集号”は、旧字)つまり、号外的性格なのか、同じ年なのに、無声、それでも24ftpなのは、さすが?か。あるいは、一刻も早く全国に流すため、音入れを省略したのか、あるいは、葬儀なので、ここはちゃらちゃらしたトーキーは、やめようということか。
 今では、歴史上の人物たち、高橋是清、などが次々、駆けつけるさまを、淡々と、映し出す。
 いまなら、ひとりひとりに、クレジットをつけるだろうが、そんな親切一切なし。十秒くらいで、つぎづぎ入れ替わり立ち代りの、当時の政府高官たち、誰だ、こいつは、と推測するのも楽しいが、めまぐるしいぞ。はやりの歴史検定の、格好の問題になるかも。
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by mukashinoeiga | 2010-08-21 22:37 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

メリエス「極地征服」

 京橋にて。「フィルム・コレクションに見るNFCの40年」特集。12年、フランス、無声・染色、18ftp。
 SF・特撮映画の始祖にして、頂点とも言うべき、ジョルジョ・メリエスの、いつもながら、オドロキの8分。
 想像上の南極、巨大雪男はいるわ、怪獣はいるわ、そこなし沼はあるわ、の何でもありの南極に、プロペラ飛行機で挑む、科学者たち、その大冒険。
 想像/創造力の限りを尽くした、巨大セット、演出のけれんとあいまって、あまりに素晴らしい。
 いっしゅんいっしゅんの全てが絵になる。画集として、出すべきだ。目くるめく展開で、読み捨てならぬ<見捨て>られていく、宝石にも値する、個性的でクラシカルな絵の力。
 なお、続いて上映の、
  ●カール・フレーリヒ「スワンの傘」15-16年、フランス、無声、18ftp、18分。
は、快作「カリガリ博士」監督の脚本になる恋愛喜劇とのことだが、そんな複雑な人間劇を、無声で見せられても。いえいえ、あたしの寝不足により、爆睡しました。よって感想なし。
 さらに、
  ●ルプ・ピック「除夜の悲劇」23年、フランス、無声、20ftp、60分。
も、意図した完全字幕なしの人間ドラマ、怒り狂う男、泣き喚く女のえんえん繰り返し、といううっとうしさから、これまた、爆睡。クライマックス、それまで窮屈な室内劇から、突如、騒乱状態の夜の街の、横移動に継ぐ横移動、その鮮烈さで、目が覚めました。
 やはり、サイレント映画は、キートンなどの体当たりアクション、グリフィスの繊細にして大胆な絵作り、メリエスの大胆にして大胆な絵作りと、とにかく、<絵>にならなくちゃ、面白かろうはずもなく。SF以上に、サイレントは、<絵>なのだ。こちらも感想を言える資格もなしと。
 文学に走ったサイレントは、ぼく的には目も当てられないもので。サッカー選手が手を使うようなもの。って、意味、逆か。
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by mukashinoeiga | 2010-08-20 09:48 | 旧作外国映画感想文 | Trackback | Comments(0)

児玉進「奇妙な仲間 お色気道中」

 阿佐ヶ谷にて。「旅する映画 映画の旅」特集。70年、東宝。
 いまやひとり勝ちの東宝の、長い長い低迷期に、咲いたあだ花、東宝らしからぬ、その1本。
 東宝も、当時のプレスで認めるほどの、東宝らしからぬ、お色気映画。ま、お色気といっても、当時のことだから、エキストラ女優がすっぽんぽんになるくらいなんだけど。メインの女優さんは、ちらりとも脱ぎません。
 メインの女優で、東宝プロパーなのは、団令子のみ。あとは、東映から、大原麗子、桑原幸子を召還する。
 そう、大原麗子。
 あの、大原麗子以外にはありえない絶妙の声質と、エロいエロキューション。
 大原麗子が自然に、ふつうにしゃべるだけで、声はセクシー。そこに、ちょこっと、秘伝のたれ、甘ったれを加味し、オトコ瞬殺の上目遣いを添加すれば、もう、脱ぐ必要さえない、セクシーさ。
 しかも、大原麗子のすごいところは(笑)セクシーでありつつ、同時に、清楚さ、清純さを、キープし続けることができるところなのだ。
 これは、努力してできることではない、たいへん難易度の高い、天然さなのだと思う。おそらく、数年後の綾瀬はるかが、なれるか、なれないか、なれないかなあ、という、くらい、奇跡の、天然女優。

 さて、夏木陽介だ。日本でちまちま働くよりは、海外出稼ぎでがっぽり金をためよう、そういう時代だ。
 グァテマラで二年間、働き、帰ってみれば、相思相愛で、「二年間待ってろよ」と、日本に残してきた、大原麗子が行方不明。探し当てたら、というより、例の豪快な性格が災いして、大怪我、病院で、「大原麗子に連絡して」、探してもらって、やってきた大原麗子、実は夏木が死んだと勘違いして、お堅いサラリーマン・林与一と、結婚しているという。
 グァテマラで大災害、多くの死者、というおそらく事実なんだろうが、そのニュースを見て動揺しての、頓珍漢。こういうドジな言い訳をして、さらりと通用してしまうのも、また、大原麗子のキャラゆえ。
 新婚の新居で、夏木と林の対決。あいだでおろおろする、大原。この映画のコメディ部分は、なかなか良い。出演者のセンスと、演出がマッチして、小笑い続出。
 男ふたりが対決しても、ラチは明かず。結局、大原がどちらかを選べばいいのだ、ということで、詰め寄るオトコふたり。おろおろ大原麗子。
「決められない。二人とも、おんなじくらい、好きなのっ」
 けっきょく、大原麗子、家出。
「ふたりとは、もう、二度と会いません。私を探さないで」
 でたっ。私を探さないでビーム。
 ということで、林与一は、新妻を探す旅に。会社を辞め、退職金で買った車に乗り、いざ出発、というところで、「オレの女だ、オレにも探す権利がある」てなことで夏木も、無理やり同乗する。
 かくて、男二人の珍妙な、<共通の女>探しの旅が、始まる。
 これが、もっと時代が下って後に作られていれば、この男二人の間にも<奇妙なフンイキ>があるのかもしれないが、なんせ健全お色気路線、女好きの夏木、大原一筋の林、いわば硬軟コンビが、途中で出会う、団令子はじめ、セクシーなお姉ちゃんたちのエピソードで、笑わせる、なかなかの快作。
 そのお姉ちゃんたちの、うちのふたり組み(意図的に、仲の良さが強調される、いかにも70年代ライクな、きゃぴきゃぴセクシー娘たち)は、「あんたたち、男のレズなの?」と、疑うが。
 大原麗子は元・看護婦、という唐突なキャラ設定が林から発表され、どこかの病院で働いているに違いない、としらみつぶしの病院探し。結局は灯台下暗し、最初に夏木が怪我した病院で、というのが、落ちだ。
 そこの病院の医師。「いや、大原君がここに看護婦としてきてから、直った患者も、なかなか退院しなくてね。実は、ぼくも、大原君に求婚したんだよ」と、ふたりをにらむ。
 このあと、三人が、どうなるかは、映画を見てのお楽しみ。
 60年代末~70年代初期の映画だから、出てくる女優たちは、微妙に、かの時代の化粧方。しかし、大原麗子ただ一人が、どの時代にも通用する、清楚なメイク。時代や、流行に左右されるようじゃ、本当の美人とは言えないのかも。
 大原麗子が、この時代の東映専属女優であったことの、不幸。もっと、早い時代に生まれていれば、映画黄金期の大女優になれていたのかも。個人的には、成瀬や木下の映画あたりで、高峰秀子との母娘役なんて、見て、いや、聞いて、みたかったなあ、と。
 なお、メインの女優がTV「雑居時代」ヒロインなのに孤独死した大原麗子とか、首釣って自殺した団令子とか、不幸なWれいこなのは、この際、ないことにしよう。楽しい映画は、楽しいままに。

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by mukashinoeiga | 2010-08-19 09:17 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

鍛冶昇「東京ナイト」

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン54・和泉雅子」モーニング特集。67年・日活。
 この特集は斎藤武市「君は恋人」は、既見のためパス。これは、病気だか怪我だかで、長期休養した、浜田光夫の復帰作。冒頭、外車(もちろん当時の日本では、国産車より、外車が巾を利かせていた)で撮影所に乗りつけた浜田、和泉雅子や松原智恵子、山内賢や羅、日活のスタア、キャストが次々、挨拶に来る。「がんばってね」「うん、これから、バリバリ働くぞ」と笑顔の浜田。
 そこから、自然にドラマに移行していく。まあ、メタ・フィクションなんてカッコのいい、ものではなく、ドラマの頭に、ヴァラエティー番組をくっつけたようなものか。ドラマ自体は、お粗末。
 次の吉田憲二「私は泣かない」は、寝坊して、見れず。残念。
 で、本作は。舞妓の和泉雅子は、待屋の実家を継ぐのがいやで、東京に家出。大学生の山内賢、和田浩治らと、知り合い、そのフォークポップ・バンドの歌手に。舞妓姿もたっぷり、当時の現代的なファッションも、たっぷりの、歌と笑いと涙の、アイドル映画。を、目指したんだろうが、いずれも中途半端な、まあ、典型的アイドル映画。
 ただし、十台なかばでデヴューして、はちきれんばかりの魅力を見せた少女スタアは、大人になりつつあり、大人の成熟と、まだまだ子供のヴァイタリティーと、両方見せなくては、いけない。しかし、それも、どちらも中途半端なお年頃。
 早い話、小さな頃から見ているから、はたちであっても、お肌の曲がり角が、ちゃんと見えてしまう。ここが、少女アイドルのつらいところ。
 まあ、歌も、和泉雅子は、うたううたう。でも、いわゆる<女優のアイドル歌唱>で、音程はずしまくり。愛らしい、っちゃ愛らしいのだけれども。
 ま、ドラマ自体は、まったくたいしたことない。
 山内の父・三遊亭歌奴が、茶の間でビール呑みつつ、TV。TVでは、歌奴本人が「山のアナアナアナ・・・・」と、当時の人気ギャグを。それを見つつ、へらへら笑う歌奴。好きだな、日活。こういうのを許す日活が、何で鈴木清順の、メタ・メタメタぶりを許せなかったのかな(笑)。
 なお、この和泉雅子特集の森永健次郎「交換日記」で、書き落としたこと。
 和泉雅子の家の前に住む、山内賢の同級生が、どうも、見た顔で、ああ、あいつだあいつだ、と思ったものの、クレジットで見落としたので、書かなかったが、ほかの方のブログを見たら、やっぱり前野霜一郎だった。のちに、児玉誉士夫邸に、特攻服でセスナで突っ込んだ男。いま、前野がいたら、突っ込むのは、小沢か鳩山か菅か。いまや、日本を仇なす、悪の黒幕は、右から、左に移った。
「ちょんまげぷりん」みたいに、前野が、現代によみがえってきたら、目を白黒させるだろう。
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by mukashinoeiga | 2010-08-17 23:06 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

石井輝男「白線秘密地帯」

 渋谷にて。「石井輝男・怒涛の30本勝負!!」特集。58年、新東宝。
 同じ石井輝男「日本ゼロ地帯 夜を狙え」の、同時上映。デジタル素材による上映。
 で、思い出しました。<菅原文太も、ほんの、ちょい役でチンピラヤクザ>だったのは、「ゼロ地帯」ではなく、こちらの「白線秘密地帯」のほうでした。ごめんなさい。
 特集チラシによれば、この「ライン(地帯)シリーズ」第1作は、冒頭10数分が欠損しているとのこと。冒頭キャスト・クレジットの途中から入るので、そうとう長いアヴァン・タイトルということか。
 宇津井健が刑事に扮し、トルコ嬢殺害事件を追う。まあ、きびきびして、センスは良いが、凡作ですね。
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by mukashinoeiga | 2010-08-15 22:38 | テリー石井 恐怖奇形番外地帯 | Trackback | Comments(0)