カテゴリ:神代辰巳猥歌 揺れた俗情( 14 )

森崎東「喜劇 特出しヒモ天国」芹明香

芹明香絶好調! 75年、東映。渋谷にて「芹明香は芹明香である」特集。
 個人的には森崎東は、苦手で。なんだかその個性と相性が合わないらしく、いつもそこそこしか、面白くない。
 本作も、作品的には、ビミョーだが、何より芹明香が大フィーチャーされ、芹明香ならではの、というか芹明香にしか演じられない役を、涼しい顔で、演じてしまう。

 若い娘なのに、顔がすすけたホームレス。
 なおかつアル中。
 初めてのストリップ中に、意図しない放尿の果て、舞台から滑り落ち、そのまま床で爆睡。
 こんなキャラを演じてサマになる女優は、貴重過ぎて、当時ですら芹明香の一択か。
 現在では、無名女優にしか、いないだろうか。
 つまり、この役は、限りなく芹明香ありきの企画なのだろうか。

e0178641_2156537.jpg喜劇 特出しヒモ天国(Movie Walker HPより)
社会の底辺で生きるストリッパーと彼女たちのヒモとのつながりを描いたセックス喜劇。脚本は「青春トルコ日記 処女すべり」の山本英明と松本功、監督は「街の灯」の森崎東、撮影は「日本仁侠道 激突篇」の古谷伸がそれぞれ担当。
京都、ストリップ劇場・A級京都。舞台で踊っているのは看板娘のジーン・谷である。そのショウをポーと見つめているセールスマンの昭平、変装した大西刑事。ショーが終るや大西は舞台にかけ上り、踊り子全員を逮捕した。仰天した社長の亀井は、身代りに昭平を口車に乗せ臨時の支配人に仕立て警察に送り込む。三日後、昭平は釈放されたが会社をクビになったため、そのまま支配人役を引き受けることにした。
山城新伍 池玲子 芹明香 カルーセル麻紀 絵沢萠子 森崎由紀 藤原釜足 川谷拓三 下絛アトム 川地民夫

 しかし、とはいえ、これが神代だったら、もっと映画は輝いたはずで、森崎東映画としてはそれなりに面白いものの、うーん、いまいち。
 芹明香らが野坂昭如「男と女の間には」を歌うのは、明らかに神代映画の影響か。

 というのも、本作の主演・山城新伍が、かなりヘン(笑)。
 普段はチャラいキャラで、アドリブ連発の彼の、演技が固い硬い。2枚目半の役なのに、演技が、彼にしてはスクエア過ぎ、なんだかアドリブ一切なしの印象で。
 宴会映画ともいわれる森崎映画で、これは、なんだかイメージ違う。
 それに宴会映画というなら、ストリップ小屋の隣の寺の住職・殿山泰司も、何らか絡むべきではないか。全く殿山が絡まない、少なくとも「トナリなんだから、顔パスで入っていく」などの、ありがちなくすぐりは、あるべきでは。
 さらにいえば、老人ヒモがさまざまに弄られ、羞恥プレイまがいの演技なのだが、これを演じるのがヴェテラン藤原釜足
 うーん、なんだか、見ていて、痛々しい。痛々しさが狙いなら、別に構わないが、単純なコメディとしては、これはヤバいだろ(笑)。
 藤原釜足が演じれば演じるほど、見ている側が、いたたまれないという。
 うーん、なんだか、森崎宴会映画としては、ランニングタイムの短さゆえか、東映ゆえか、未完成で。

 森崎宴会映画としては、不満。
 しかし、繰り返すが,芹明香は、唯一無二の絶品。
 松竹の監督が東映に出張り、東映の山城と池を主演に、しかし実質は、東映生まれ、日活育ちの芹明香を大フィーチャー。でも、その1タス1タス1タスが3に、とどまったというところか。

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by mukashinoeiga | 2016-11-13 21:57 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

芹明香は芹明香である

 なんだか久しぶりに芹明香特集に、渋谷シネマヴェーラに行ったら、最初の休憩タイムには、いつもの陰気な男性アナウンスが流れた。
e0178641_1531333.jpg ところが、二度目の休憩には、女性のアナウンス。これは、初めてなので、ややびっくり。ところが、この女声アナウンスが、いつもの男声アナウンス同様、こもったような陰気なしゃべり方。
 このアナウンスを聞いていると、とてもエンタメ施設のアナウンスとは思えない、どんより感。
 シネマヴェーラの従業員は、みんな、陰気な方々なのか。
 なにも、明るくハッピーにアナウンスしろとは言わない、阿佐ヶ谷の生声アナウンスみたいに、ふつーに、陰気でない、陰にこもった声でない、アナウンスが、なぜ、できない(笑)。
謎の闇に包まれたシネマヴェーラなのか。うーん。

e0178641_1534844.jpg ところで、今回の芹明香特集では、なんと本人のトークショーがあって、ぼくは行けなかったが、いくつかのブログなどで、その様子がかかれている。

★芹明香:ファン騒然“消えた”ロマンポルノ女優 渋谷に現る!-サンデー毎日★

★芹明香さん降臨!「マル秘色情めす市場」@シネマヴェーラ渋谷★

 写真で拝見すると全くの別人だが、生で見ると、面影があるのかもしれない。
 こういうトークショーは、その内容が、居合わせたものだけに共有されがちだが、映像も含め、一般に公開してほしい。
 劇場のページから、ユーチューブなどに飛べると、うれしい。
 誰が見ても、唯一無二の女優なので、これを機に、復活してほしいなあ。 



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by mukashinoeiga | 2016-11-09 15:05 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(4)

神代辰巳「濡れた欲情 特出し21人」片桐夕子芹明香絵沢萠子高橋明粟津號

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。74年、日活。
 未見作同時上映ゆえの、何度目かの再見。
 ぼくのクマシロ「理解」は、ずぶずぶの庶民(というより、まつろわぬ民、放浪流浪者、長いモラトリアム期にある者)的俗情の揺れ、揺らぎ、たゆたうさまを、性行為(に、まつわる関係性)と、俗歌・流行歌、のあわいに描く、しがない、しかし軽快な人間コメディというところか。
 そこに、ふてくされているんだか、一途なんだか、いい加減なんだか、純情なんだか、快なる多面性を見せて輝くのが、クマシロ映画のミューズ芹明香だ。もちろん本作でも、その魅力を最大限に、発揮する。

『濡れた欲情 特出し21人(35mm)』公開:1974年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:片桐夕子、芹明香、絵沢萠子、古川義範、高橋明、粟津號、吉野あい、庄司三郎、外波山文明、内田栄一、東まみ、宝由加里とその一座、東八千代
ストリッパーの夕子を捨てて旅に出た芳介。旅先でコマしたメイ子にストリップを仕込んでいると夕子が現れて…。演歌と民謡がガンガン流れる中、ネチネチと迫るスケコマシとあっけらかんとしたストリッパーたちの世界が繰り広げられる。芹明香と片桐夕子のダブル主演も素晴らしい!©日活
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 万事に調子のよいスケコマシ・古川義範の、元カノ・片桐夕子と今カノ・芹明香が、ストリップのレズビアン・ショーのコンビを組む。受け役の芹明香は、片桐夕子に責められて、毎度毎度本気で感じてしまい、「一日四回のショーは、きついわあ、しぬわあ、堪忍してぇ」と哀訴。こんなせりふがサマになる女優は、おそらく芹明香しか、いまい。唯一無二の女優だ。
「ショーなんやから、毎度本気で感じるこたぁないんやで」といわれても、ダメ。

 古川義範と芹明香は、ラブホテルで、円形の回転ベッド。
 ベッドの上で、これまた回転する二人を映して、何の努力もせずに(笑)フクザツななキャメラ移動や、パンニングと同様の効果が得られる。姫田真左久、してやったりだろうか。
 屋台のコップ酒を呑んだ男がぐるぐる走り回るのを追いかけるキャメラも、いい調子で。その屋台の隅で呑んでいる宮下順子のたたずまいも、いい。
 なお、かなり挿入されるはみだし劇場・外波山文明(そのサブが内田栄一か)の路上パフォーマンスの、感性が時代と寝てしまっているがゆえに、古びているのは、やむをえないか。

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by mukashinoeiga | 2015-04-19 08:24 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

神代辰巳「赤い帽子の女」

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。82年、若松プロ、配給・日本ヘラルド。
 なぜ、こんな企画がまかり通り、かくも中途半端な映画が出来たのか、今からの視点で見て、不思議でもある(笑)。
 池田満寿夫「エーゲ海に捧ぐ」79年「窓からローマが見える」82年、増村保造「エデンの園」80年と同様の、異色監督のヨーロッパロケ映画、日本ヘラルドによる、和製なんちゃってヨーロッパ映画の一連か。
 つまり、かつて日本での人気も全盛を誇っていたヨーロッパ文芸映画が、低調下火になり、日本経済がバブルに向かうなか、あぶく銭もたまった、ここ十何年のデフレ日本とは違い、イケイケどんどんの日本人が、ヨーロッパ映画がダメダメなら、よーしおれたちで、なんちゃってヨーロッパ映画でも、作っちまおうか、という勢いか。
 ジュスト・ジャカン「エマニエル夫人」74年(もちろん配給・日本ヘラルド)という成功体験もあるのに、ヨーロッパ映画自体は、第二、第三のエマニエルを、なかなか作ってくれない、と。ヨーロッパ風味文芸エロ路線で、一儲けだあ、と。
 で、ピンク映画の雄・若松プロにもお鉢が回ってきたが、若松プロ関連で一番の有名監督は若松本人ではないだろう、東宝で話題作を作っているクマシロだろう、ということで、クマシロに白羽の矢?

『赤い帽子の女(デジタル)』公開:1982年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:永島敏行、クリスチーナ・ファン・アイク、泉谷しげる、アレクサンダー・ステファン、ベルント・ステファン、エルハルド・ハルトマン、ヴェロニカ・ファン・クアスト
ナチス台頭前夜、ドイツにやってきた“私”は、街で“赤い帽子の女”と出会い退廃的な日々を送るが…。初の海外ロケ作品で、キャストのほとんどがドイツ人、台詞の大部分もドイツ語という意欲作。二人乗り自転車レースのシーンが印象的。©若松プロ
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 あらゆる意味でミスキャスト。
 鈍感で凡庸な田舎の野球少年イメージの、永島敏行の鈍重さ。その永島が、インテリ高等遊民の、「ゆえない不安」を体現せざるをえない。似合わないよ。さらに庶民イメージの強い泉谷しげるまでも、インテリ高等遊民って。
 最後、懊悩のはてに首吊り自殺、っそういうキャラじゃないだろ泉谷。
 で、この二人以上に庶民派、というより、まつろわぬ民を体現するクマシロが、海外渡航する高等遊民なんて、どこに共感するものがあるの?
 かくて、映画は、本当に凡庸に、和製なんちゃってヨーロッパ文芸映画を、なぞっていく。

 ああ、そうでした。クマシロには一本だけ、マルキ・ド・サド原作「女地獄 森は濡れた」という、欧風?貴族趣味?風の、これまた、なんちゃって映画がありましたが、あれだって、パロディとして、成立していたわけで。
 パロディを封じて、クマシロならではの偽作的かつ戯作的なコメディ精神を封印?して、至極まじめな、なんちゃってヨーロッパ文芸映画。
 誰得というもおろか。存在全体がミスキャスト。
 クマシロの戦前を舞台にしたロマンポルノで、しばしば軍隊批判が顔を出すが、それと同様に、ちらちらとナチス描写も、さまにならず。

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by mukashinoeiga | 2015-04-14 08:09 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

神代辰巳「噛む女」

 神保町にて。「横溝正史と謎解き映画の快楽」特集。88年、日活、配給シネ・ロッポニカ。
 きわめて短期間で終わった、日活試行錯誤のひとつ、ロッポニカの一本。
 一般?有名俳優を使ったソフトポルノ、まあいいとこ取りを狙ったのだろうが、いいとこ取りを狙うと、たいてい失敗する典型例。しかしサスペンスとしては、意外と、面白い。

噛む女 S63('88)/日活/カラー/ヴィスタ/1時間42分 <神保町シアターHPより>
■監督:神代辰巳■原作:結城昌治■脚色:荒井晴彦■撮影:篠田昇■音楽:小六禮次郎■美術:菊川芳江■出演:桃井かおり、永島敏行、平田満、余貴美子、加藤善博、楠田薫、前川麻子、飛田ゆき乃
妻子がありながら女遊びに興じるアダルトビデオ会社の社長は、噛み癖のある小学校の同級生の女と一夜を共にする。その後、女に、ある事実が浮上し…。男と女の危うい関係を炙り出す、神代監督の熟達の演出が冴えるエロティック・スリラー。

 永島敏行が、しまりのないからだと、しまりのない顔で演じるのは、高校時代に、ゴダール丸パクリの自主映画を作り(そのわかりやすい「オマージュ」ぷりは、あからさまに映画青年を馬鹿にしたはクマシロか脚本の荒井か)脚本コンクールにも入賞、しかし映画業界氷河期で、AV業界にもぐりこみ、初期エロヴィデオでは「傑作」とされるAVを監督、小金を得てAVメーカーの社長になりあがり、妻・桃井かおりとの間に一女をもうけ、比較的優雅な暮らしのまま、女遊びにふけりまくる、と。

 この前半の永島の日常が、だらだらと、しかしかすかな緊張をはらんで描かれ、そのどこがミステリなのか、上記の横溝特集で、なぜこの映画なのか、が逆にミステリーだったりする。そう、ミステリーではあるが、ミステリでは、ない前半。
 で、やっとタイトルロールの噛む女・余貴美子が登場し、「退場」してのちに、初めて、ミステリーが、ミステリに、なる。
 余貴美子は、今のふくよかな丸顔でもなく、優しげな役が多くなった今とは違う、肉のない顔で、不穏な女の役を演じる。

 しかし神代辰巳「悪女の仮面 扉の陰に誰かが」80年、神代辰巳「死角関係」87年(ともに感想駄文済み)、それに88年の本作と、ロマンポルノ時代には、無縁だった、ホームドラマ系、ミステリ系の方向に行ったのは、なぜなんだろう。
 もちろんロマンポルノ時代は、放浪する青年、流れ流れていくストリッパーたちなど、非定住者ばかり描いていた印象なのだ。
 ナニがクマシロをそうさせたのか。
 80年代バブルまっしぐらの時代にあっては、漂泊の、まつろわぬ民たちは、時代のニーズ(笑)に、合わないというところか。
 かくてロマンポルノ時代のクマシロのミューズ芹明香の登場シーンは、わずか10秒くらいで、芹ファンのぼくも、一瞬のことで、見逃したしだい(泣)。そもそも彼女の登場するエピソードは、軽に乗った永島一家が遭遇する路上の惨事という、これまた一分未満の短いシークエンス。幻想とも回想ともつかない唐突に始まり、瞬時に終わるシークエンス。
 その混乱を絵に描いた短いショットに、70年代ロマンポルノの裏ミューズ芹明香の、無残な80年代問題女優の、たそがれを、かいま、見れなかったのよ(笑)。しまらない。
 そういえば、1980年鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」こそが、70年代まつろわぬ民と、80年代?バブル豪奢のクロスイメージだったのか、と、ナニをわけのわからぬことを(笑)。

 永島や、その友人・平田満が、初対面の相手にすら、気安く肩を抱く肉体言語ぶりに、クマシロらしさを見るか、80年代らしいノリを見るか。夫の友人・平田の、ひざになれなれしく触りまくる桃井かおりも、同様。
 いまや草食系支配?の現代から見て、80年代バブル期の肉食系ぶりが、懐かしい?

 桃井・永島夫婦の幼い娘・渡辺麻衣という子役が、やけにセリフや本格演技が多く、無茶なクマシロ演出なのだが、幼女子役なりに健闘。この子役にクマシロぐだぐだ演技を見るのは、まあ、方向違いなんでしょうねー。
 余や、おなつかしや木築沙絵子が脱ぐ中、乳首も見せぬ桃井が、解せない。クマシロ映画でさえ、乳首NGとは、大物女優やねー。アメリカでは大物女優もばんばん脱ぐが、日本では大物女優になると、隠したがる。うーむ。

 ラスト、桃井の無邪気そうな笑顔で、エンド。邪気のないこの笑顔で、演技的によかったのかどうか、まあ、緊張をはらみつつ、凡庸なミステリでは、竜頭蛇尾も仕方ないか。
 おそらく同年公開のエイドリアン・ライン「危険な情事」(実は未見)の、パクリ企画で、それはそれなりにまとまっているが。前記「死角関係」どうよう、主人公の家庭の窓に投石三昧、ここにクマシロの、ホームドラマへの違和感を見るのは、まあ、考えすぎでしょうね。

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by mukashinoeiga | 2015-04-07 09:49 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(3)

神代辰巳「濡れた欲情 ひらけ! チューリップ」

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。75年、日活。
 同時上映ゆえの、何度目かの再見。
 しかし、何度見ても(笑)けっして馴れることのないワイルドキャットみたいな神代映画であり、芹明香である。
 主演は絶品としか言いようのない芹明香。
 この、珍くしゃ顔で、いつもふてぶてしくふてくされた、美声ではない野太いがらがら声の、貧乳女優が、菩薩、女神様に見えてくるのだから、神代演出、姫田キャメラ、誇大広告ならジャロに告発されるべきであろう。
 まったく、ラスト、金色のドレスをまとい、すらりと立つ芹明香、どう観たって美人女優と、勘違いしてしまうじゃないか(笑)。

 そしてモチロン、元スケバンをやらせたら日本一の女優で(笑)。かみそりを持つ女が、これほどサマになる女優はほかにいないし、連続足蹴りがこれほど決まる女優もほかにいまい(笑)。

『濡れた欲情 ひらけ! チューリップ(35mm)』1975年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:石井まさみ、安達清康、芹明香、江角英明、高橋明、奈良あけみ、谷ナオミ、二条朱実、間寛平、丘奈保美、浜村純、松井康子、小松方正
間寛平の大ヒット曲「ひらけ! チューリップ」を主題歌に描く傑作コメディ・ポルノ。大阪を舞台にモテモテのパチプロと童貞のクギ師が、意地と女をかけてパチンコ勝負!元スケバンの景品係であるヒロインを演じる芹明香が素晴らしすぎる!!©日活
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                  (クマシロの、いつもの、屋根好き)

 なお上記石井まさみ、芹明香を差し置いて、主演扱い、どんな女優だっけと、調べてみたら、なんと25歳童貞ブチャムクレ顔のクギ師青年を演じていた、男だった(笑)。
 女優と勘違いさせる、紛らわしいネーミング、しかもあのカボチャ顔で、まさみは、ないだろまさみは(笑)。男でまさみなら、美少年想起させる名前だろ。
 二重三重に誇大広告な芸名だ(怒)。こいつに比べたら、義父役の間寛平のほうが、まだ美男子だ(笑)。
 なお同じ石井まさみで、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」もヒットするが、こちらは「女達」の一人という扱いで、別人の女優だろうか。

 さて冒頭のっけに、ドドーンと大阪城のアッブ。
 これに(のちにクギ師青年の実の父と判明する)浜村純の、「ええか、女はとりあえず、押し倒してみるんや」という、息子への怒声が重なり、わけのわからない迫力にツカミは充分である(あるいはアゼンである)。
 で、不細工釘師に対比される、女にモテモテのパチプロの卵・安達清康が、芹はじめ、女たちにモテモテでイレイレ、それを指を咥えてみている不細工童貞、というところで、ロマンポルノ的濡れ場が散見されるわけだが、昔からこの手のロマンポルノで性的に興奮したためしのない小生としては、ビザールなクマシロ式ハーフコメディを、やや呆然として、見ることになる。
それに安達清康、どう見ても女にモテモテのタマでもないし(笑)。

 しかしグテグテなわりには、調子のよいクマシロ式は、なんだか心地よいのも事実。
 この時代のクマシロの常として、芹明香は仁義を切る真似事をし、石井まさみは高倉健「唐獅子牡丹」を歌う。
 定説では73年の「仁義なき戦い」以降、仁侠映画は急速に廃れていったというが、75年当時としては、クマシロの東映仁侠映画への思い入れ、オマージュは、仁侠映画ブームへの挽歌、ないしまだまだご存知ものだった任侠映画のパロディとして、愛されていたのだろうか。

 というのも、本作を見て、クマシロは、自分以外の映画を比較的見ていたのか、否か、気になったことがある。
 というのも(あえて二度書きするが)、本作には鈴木清順「けんかえれじい」「殺しの烙印」の影響が、かなり見られるからである。モチロンそれは確実に清順映画に関心があるだろう共同脚本・岸田理生によるものかもしれないが。
 データによれば、1968年4月13日に、神代辰巳デヴュー作「かぶりつき人生」が公開され、4月25日に鈴木清順は、日活を首になっている。
 監督昇進が長いあいだできず、同期は愚か、後輩が次々監督昇進するなか、万年助監督だった神代が、同じ時期、添え物監督として不遇をかこっていた清順(まあ、経営的には当然っチャ当然だが>笑)を、どうみていたのか、気になるといえば気になる。
 ともに、つながらないショットを、無理やりつなげる編集、という点で共通しているし。
 モチロン共通する編集は、鈴木晄。つながる編集を重視する監督(むろん、それが当たり前)の映画は普通に編集するが、清順、クマシロのカブいた映画には、カブいた編集をする。本作でも、そのカブいた編集の快を担う。
 つながらないショットの野合とともに、便箋の手書きスポークン・タイトル(字にスポットライトを、狭く当てる)や、普通局所にぼかしを入れるところに、大胆なでかく四角い黒味を入れるところなど、まさに鈴木清順/鈴木晄コンビの再現で。
◎追記◎クマシロ映画には、「ある甘さ」があり、その意味でも、実録路線というより、仁侠映画なのだろう。

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by mukashinoeiga | 2015-04-05 17:16 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

神代辰巳「死角関係」

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。87年、東宝=日本テレビ。デジタル素材。
 冒頭、火曜サスペンスの、安っぽい番組ロゴがエンエンと。いかにも初期CGで作ってみました感が(笑)。
 お茶の間向け(当時も死語か)のTVドラマとは思えぬ、バッドティストなエンディングまで、ヒロイン酒井和歌子を、トコトン不幸のどん底に落とし込む、神代らの脚本、演出が、TVとしては、異常すぎる(笑)。
 以下、ネタバレあり。

『死角関係 隣人夫婦男女四人のからみ合い(デジタル)』1987年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:酒井和歌子、石橋蓮司、森本レオ、戸川純、穂積隆信、草野大悟、速水亮、高林由紀子、平野稔、柏木隆太、後藤加代、有田麻里(深沢英子)、井上倫宏、浦野隆男、三浦竜也、中川彩、米沢美和子、雛涼子、木村翠、小林正則、松谷聖、藤田雅史、石川直樹、荒田賢司、岡村龍吾、井上栄、青柳文太郎、那波一寿
連続殺人の犯人として夫が逮捕され動揺する妻の裕子は、隣人夫婦を頼るが…。石橋蓮司と酒井和歌子、森本レオと戸川純という怪しすぎる隣人夫婦が絡み合う。極限まで追い詰められ狂っていく裕子(酒井和歌子)の姿を長回しで追う神代! まさにテレビ放送コードぎりぎりレベル!!©東宝
(注)なお「隣人夫婦男女四人のからみ合い」というサブタイトルは、今回の素材には、なかった。冒頭の紹介ナレーションには、あったかも。
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死角関係 キー局NTV <テレビドラマデータベースHPより>
放送曜日・時間 火 21:02-22:51
放送期間 1987/04/28
演出 (監督:神代 辰巳)(助監督:油谷 誠至)(記録:高橋扶佐緒)
企画 小坂  敬 プロデューサ 田中  收(東宝)、清水 欣也(NTV)、(広報担当:東  良子(NTV))
脚本 丸内 敏治、神代 辰巳
音楽 大谷 和夫、(選曲:白井多美雄)(音楽協力:日本テレビ音楽)
主題歌 (テーマ曲:岩崎 宏美「夜のてのひら」(作詞:来生えつこ、作曲:筒美 京平、編曲:武部 聡志)(ビクターレコード))
出演 酒井和歌子、石橋 蓮司、森本 レオ、戸川  純、穂積 隆信、草野 大悟…
解説 変質的な連続殺人が発生。事件のあった日は必ず夫の帰宅が遅いことに気づく裕子。しかも、夫の仕事の受注簿のなかに、被害者の名前を発見。…
(注)この解説は、全然実態にそぐわないデタラメ。いかに一回放送しただけのTVドラマの紹介が難しいことか、その証左か。

 夫・石橋蓮司が、不倫相手の女優を殺害したかどで、逮捕。実は冤罪。
 殺人犯の家ということで、家の窓ガラスに、投石の嵐。幼い子供を殺したとか、凶悪犯ならともかく、こんなのあり?
 子供も学校でいじめられ、PTAの児童保護係りも解任される。
 あまりに卑怯卑劣な週刊誌女性記者コンビに、追い回される。

 ガンガン追い込まれ、泣き、叫び、精神肉体とも変調をきたすヒロインを、これでもか、と長回しの手持ちキャメラが追いつづける。東宝テレビの場で、かつての光り輝く東宝アイドル女優を、いぢめぬく、ほとんどSM責めの様相で。
 こりゃあ、東宝系監督には、おそれ多くて、手が出せないか(笑)。で、日活とざまの神代起用か。
 酒井和歌子も健闘で。
 取調べを受ける石橋も、草野大悟ら刑事にガンガン虐待される。ひどいな警察。

 ということで、酒井のがんばりで、ついに真犯人がわかるのだが、登場人物があまりに少ないので、しかも、いかにも虫も殺さないような、いつもの優しい声ゆえに、推理するまでもなく、真犯人は、最初から明らかなのではある(笑)。
 この真犯人逮捕のアシストをするのが、殺人課(正確には所轄の刑事、当時のTVドラマの、雑な警察認識で)草野大悟らではなくて、少年課の穂積隆信。ま、穂積が少年課刑事というのも、悪い冗談だが。

 やがて、石橋は釈放され、出迎えた酒井と、抱き合い、ハッピーエンド・・・・という定番を、覆し(笑)。
 石橋は、独りに、なりたい・・・・と、妻から遁走してしまう。酒井は、道に倒れて、夫の名前を泣き叫ぶ、という中島みゆき状態。殺されかけても、夫の無実を晴らした酒井の努力は、空転する。
 一ヵ月後、やっと連絡があった夫に会いに行くと、この一ヶ月間入院していて、すっかり健康(笑)。この一ヶ月、その前もずーっと、不安にさいなまれていた酒井の立場は(笑)。
 しかも、これからいっしょにやり直しましょう、と明るく微笑む酒井を前にして、前に錯乱状態の酒井を看護していた看護婦が、怪しい動き(笑)。
 すると、石橋、すまない、実はこのひとと・・・・これからの人生、このひととやり直すんだ、と。
 酒井和歌子、どん底のジェットコースター。
 その後、酒井は趣味を生かしてデザイナーとして、自立する女になる、という着地点で、まあまあ、ドラマは終わるのだが。

 ミステリ趣向が神代にはさらさらなく、不安解消の気晴らしに、中学生の息子と、本気モードでプロレスごっこの酒井、そのくんずほぐれつをしつこいほど追い回すキャメラこそ、TVドラマらしからぬ神代趣向。
 なお、ここまでまったく言及しなかったが、レオ妻・戸川純。その不逞な面構え、思わせぶりな言動は、まるで脱がない芹明香みたいだ。彼女と神代の、本格的コラボも、見てみたかった気もする。

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by mukashinoeiga | 2015-04-03 10:10 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

カテゴリに追加:神代辰巳猥歌 揺れた俗情

 最近わりと見ているので、追加しました。
 旧作は、過去にほとんど見ているのですが、すべてを書いている訳ではありません。
 なお、右柱の、カテゴリの順番も、若干変更しました。

★日本映画データベース/神代辰巳★

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by mukashinoeiga | 2015-04-03 10:01 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

神代辰巳「赤線玉の井 ぬけられます」

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。80年、日活。あと1回の上映。
 同時上映ゆえの、何度目かの再見。本特集も、TVドラマをのぞいて、全部ないしほぼほぼ見ているので、新味がないのが、悲しいところ。
 例によって、女のさが(性)を描く、クマシロ・サーガとして、素晴らしい。

『赤線玉の井 ぬけられます(35mm)』1974年 <渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:宮下順子、蟹江敬三、清水国雄、前野霜一郎、丘奈保美、芹明香、古山義範、吉野あい、中島葵、絵沢萠子、殿山泰司
売春防止法の施行が目前に迫る昭和三十三年。ヤクザに入れ込むシマ子、二十七人お客を取ろうと張り切る直子、新婚早々お客を取る公子を中心に、娼家「小福屋」の正月の一日を通して売春婦たちの哀歓を描く。猥雑さの中にユーモアが溢れる女性讃歌。©日活
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 クレジットではトップは、シマ子役・宮下順子だが、実はもっとも出番の多いのは、だいぶクレジットの低い、クマシロお気に入り(みんなも、お気に入り)公子役・芹明香。
 4:3:2:1で、芹:宮下:直子役・丘奈保美:繁子役・中島葵と、いったところの、群像劇オムニバス。
 あいかわらず独特の低温演技が絶品。世間的には、よりメジャーなしらけ演技派女優かおりの陰に隠れてしまった、言ってみればマイナーポエット女優か。
 ただし、本作では、似たようなふてくされな顔立ちが似ている、直子役・丘奈保美とかぶり、顔面識別能力が低いぼくなど、はてこれは芹明香か、丘奈保美か、画面ごとに迷うことしきり。
 丘奈保美も、東映時代の丘ナオミみたいに、女だてらの丸坊主なら、識別は容易だったのだが(笑)。
 芹明香自体は、何度も薬品関係で逮捕されたようで、消えてしまった。女優の資質としては、年をとっても、通用するようなキャラで、残念で。
 ぼくの知るかぎり、中澤サカキ「女教師6」(1998)という日活ソフトポルノのヴィデオでの、小さな出演が最後か。
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 ヒロインの女教師の隣人の主婦、確かゴミ出しのルールを説明する、ホントに小さな役で。芹明香にふさわしくないといえば、これほどふさわしくない役はないのだが、あるいは中年なり老年なりの脇役女優としては、それなりに活躍できた可能性を示して、そして、ぼくの知る限り、芹明香は姿を、消した。惜しい女優だ。

 なお、繁子役・中島葵は、若くして亡くなった森雅之の娘。愛人とのあいだに生まれた娘だったため、父森雅之とは、一度くらいしか会っていなかったのではないか。
 森雅之葬儀の際、小演劇及び日活ロマンポルノの脇役女優だった彼女は、ロマンポルノ以前の一般映画時代に、日活に出演していた森雅之を知るスタッフに背中を押され、衣装部の喪服を借りて、父の葬式に「紛れ込んだ」という。
 男性俳優としては、きわめて華やかだったモリマとは、似ても似つかぬ、地味な女優だった。女優としての、華が、なかった。
 本作でも、売れない、どんくさい、女郎の役。
 ただし、本作のラストショットは、そんな、どんくさい彼女が、売れなくなりお茶をひいて、より場末の品川に鞍替えを強いられ、店前の、どこぞの商人の自転車を「失敬」して、移動するショット。
 よりランクが落ちるくら替えを、ひょうひょうと自転車こいで、身一つで「流れていく」。
 そのわびしさと、かろみ。中島葵らしい、クマシロらしい、そのうらぶれた、かるみ。

 彼女たちの客に、高橋明、庄司三郎、前野霜一郎ら。後期日活アクション時代を下支えした、大部屋の彼らが、ロマンポルノになって、セリフのある役を得る。しばしば画面にインサートされる、滝田ゆうイラストと同じ、うら悲しさの、素晴らしさ。 
そうして、宮下順子のあえぎ顔は、やっぱり、エロい(笑)。 

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
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by mukashinoeiga | 2015-03-21 02:07 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(2)

神代辰巳「悪女の仮面 扉の陰に誰かが」いしだあゆみ山本圭酒井和歌子浅野温子中尾彬石橋蓮司

 渋谷にて。「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」。80年、日活=TV朝日。デジタル素材にて、あと1回の上映。
 いしだあゆみ、酒井和歌子、浅野温子の美人女優共演、というTVドラマとしては、きわめてゴーカ。
 この三人とも、個人的趣味にも合うのでいうことなしのゴージャス(笑)。、
 いぢめ抜かれる薄幸ないしだ、無表情な美人顔で意外に、酷薄な役が似合う酒井、クレイジーにハッチャケた無軌道娘の浅野、それぞれがいい。
 この三人に囲まれて、山本圭、いかにも薄っぺらい演技で、その下手さが露呈してしまう(笑)。

『悪女の仮面 扉の陰に誰かが(デジタル)』1980年<渋谷シネマヴェーラHPより>
監督:神代辰巳
主演:いしだあゆみ、山本圭、酒井和歌子、浅野温子、中尾彬、石橋蓮司
事故をきっかけに裕福な夫婦の家に入り込んだ美しい姉と半身不随の妹が、平和な家庭を恐怖のどん底に突き落とす。奇声を発しながら車いすで襲いかかる妹(浅野温子)、油を浴びせて妹を火だるまにする姉(酒井和歌子)という鬼畜姉妹が恐ろしすぎる伝説のサイコサスペンス・ドラマ!©日活

悪女の仮面 キー局ANB <テレビドラマデータベースHPより>
放送曜日・時間土 21:02-22:51 放送期間1980/01/12
演出 (監督・神代辰巳)(助監督・金子修介
原作 シャーロット・アームストロング「悪の仮面(あほうどり)」
脚本 田中陽造、伊藤秀裕  音楽 スペース・サーカス
出演 いしだあゆみ、山本圭、酒井和歌子、浅野温子、中尾彬
解説 美しい姉(酒井和歌子)と半身不随の妹(浅野温子)が、善意の夫婦に恐怖の罠を仕掛ける、ミステリードラマ。火だるまになった車椅子の妹が崖下へ突き落とされる場面が衝撃的だったという(注) 。
(注)崖下→住宅街田園調布の急坂の間違い(笑)。TVミステリといえば、崖という、先入観か。
◎追記◎なお、上記二つの紹介文は、ごく短いにもかかわらず、ラストをネタバレ。それだけTVドラマとしては衝撃的だったのか、所詮はTVドラマ、ネタバレなんてどうでもいい、という蔑視か。
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しかも山本、妊娠した妻いしだの前で、ばかばかタバコを吸いまくり。今の感覚では、ありえないのは、時代だなあ。
 さらに、発端となる石橋蓮司が、アル中。その不動産会社共同経営者・河原崎長一郎も、登場するシーンすべてで昼間からウィスキーぐびぐび。
 いしだが証拠を求めて、河原崎の不動産会社に訪ねていくと、河原崎、昼日中から店でぐびぐび。いしだが聞き込みをしている最中に、その社員?のおじさんが入ってきて、机の上におもむろに座ると、河原崎の酒瓶からごくごく自然に酒を注ぎごくごくぐびぐび。いやあ、酒飲み天国(笑)。
 酒飲みおじさんとしては、きわめて嬉しいが(笑)、社員全員アル中の不動産会社に、住まいを紹介して欲しくはないワナ(笑)。
 酒井もウィスキーで酔った振りして、山本圭にしなだれかかる。爆笑。
 やあ、酒飲みばっかりじゃないの(笑)。昼酒天国(笑)。呑み助の、おじさんには、まこと嬉しいぞ(笑)。しかし、こういう展開をTVドラマでするとは、クマシロ、よほど鬱屈があったんじゃないのか(笑)。

 海外ミステリではよくある、家庭への闖入者モノだが、クマシロ演出は、そつなくこなしている。特に、浅野温子の、はじけっぷりはグッド。もっともっと評価されるべき、もっともっと出演すべき女優だったと思う。クマシロ本編ロマンポルノでの、浅野温子を、激しく見たいという気にさせた。
 いしだあゆみ、酒井和歌子も、また同様で。
 刑事・中尾彬、いしだの友人・宮井えりな、院長夫人・絵沢萠子など、日活ゆかりの役者たちが有名無名を問わず出演しているのも、日活ファンとしては、グッド。
◎追記◎同じ年公開の鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」田中陽造脚本でも、藤田敏八と大楠道代が、電話しあうショットをキャメラのパンニングで、同一フレームに収めた。
 本作でも、夫と酒井和歌子との不倫を疑ういしだあゆみが公衆電話で夫に電話すると、いしだからズームアウトして、いしだの公衆電話ボックスを下に見る夫・山本圭が彼の事務所で、妻からの電話を受けているショットになる。
 夫の傍らには酒井。グッドなショット。パクリとかどうとかではなく、同じ日活の鬼才、清順とクマシロに、なんらかのシンクロがあったかと思うと、楽しい。

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by mukashinoeiga | 2015-03-17 04:13 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)