カテゴリ:千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ( 34 )

千葉泰樹ベストテン渋谷上映記念

 渋谷シネマヴェーラにて、3/26~4/22の期間で、「成瀬になれなかった男 映画作家・千葉泰樹」というレトロスペクティヴあり。
 ということで、それを記念?して、ベストテンを選んでみる。
 といっても、100本以上の監督作があり、特に戦前作は70本。そのなかで見ることが出来て、見れたのはほんの数本のみ。
 ということで、戦前作70本は、涙をのんで見送る。

参照★千葉泰樹/日本映画データベース★から、以下をコピペ、カットして、候補作を絞る。
 したがって、もし万が一、データベースから漏れている作があったら、ごめんなさいだ。

76.1948.03.16 美しき豹  大映東京
77.1948.10.12 生きている画像  新東宝
85.1950.12.08 夜の緋牡丹  銀座プロ
86.1951.04.07 若い娘たち  東宝
91.1952.07.15 東京の恋人  東宝
92.1952.11.18 丘は花ざかり  東宝
98.1954.10.05 悪の愉しさ  東映東京
105.1956.07.05 鬼火  東宝
106.1956.09.11 好人物の夫婦  東宝
110.1957.10.29 下町  東宝
115.1959.04.28 狐と狸  東宝
117.1960.04.17 羽織の大将  東宝
121.1961.11.12 二人の息子  東宝
1126.1963.10.12 みれん  東京映画
127.1964.07.01 裸の重役  東宝
130.1966.10.01 沈丁花  東宝
131.1968.01.14 春らんまん  東宝

 この17本から、強引に7本をけずらざるを得ない。

76.1948.03.16 美しき豹  大映東京
77.1948.10.12 生きている画像  新東宝
85.1950.12.08 夜の緋牡丹  銀座プロ
98.1954.10.05 悪の愉しさ  東映東京
105.1956.07.05 鬼火  東宝
110.1957.10.29 下町  東宝
121.1961.11.12 二人の息子  東宝
127.1964.07.01 裸の重役  東宝
130.1966.10.01 沈丁花  東宝
131.1968.01.14 春らんまん  東宝

 以上、年代順、順位未確定。
 これがマイ千葉テン。
 もちろんこれはあくまで個人の感想に過ぎず、さらに日によっては、選択は変わるかも、というアイマイなものだ。
 前半は、女はワイルド、男は野放図という感じで、後半はホームドラマ系か。もちろん、それは東宝の要請によるものだろうが。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-03-20 23:52 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

快匠・千葉泰樹特集が渋谷で今月末から

 渋谷シネマヴェーラにて、3/26~4/22の期間で、「成瀬になれなかった男 映画作家・千葉泰樹」というレトロスペクティヴあり。
 近年だけに限っても、神保町シアター、京橋フィルムセンターでそれぞれ大特集があり、もちろん古くは神保町の前身の三百人劇場でも、あったように記憶する。
 なぜか、特集されやすい人気監督なのだ。それもそのはず、たいていの作品は、安心して見れる快作、大快作ばかり。
 今回の上映作品は全部見ているので、個人的にはがっかりだが、未見の方には、ぜひお通いくださいませ。

e0178641_1432766.jpg「成瀬になれなかった男 映画作家・千葉泰樹」 <渋谷シネマヴェーラHPより>
 旧満州生まれ。18歳で阪妻立花ユニヴァーサル聨合映画入社。その後河合映画に移り、1930年監督デビュー。日活、東宝、大映、松竹、新東宝、東映と多くの映画会社を渡り歩き、無声映画期から1960年代末まで140本もの映画作品を残した。成瀬巳喜男と並んで藤本眞澄プロデューサーの信頼は厚く、1956年に東宝の専属となって以後、二人は40本の作品を送り出した。藤本が1番バッターと例えたごとく、スタジオの量産体制を支えたハズレ無しのヒットメーカーであり、近年その巧みな演出への再評価の声は高まるばかり。 
 千葉が『めし』の監督を病気降板し、成瀬が代役としてメガホンをとりスランプを脱したのは有名な逸話。映画作家・成瀬に対し、何でもござれの職人監督と評される千葉泰樹だが、ガス代を巡る怪奇ホラー『鬼火』、貧乏描写も凄まじい『二人の息子』、ゲス男の独白映画『悪の愉しさ』、千葉版『浮雲』と言うべき『みれん』など、シリアスが行き過ぎて観る者の背筋を寒からしめる作品群を忘れてはなりません。本特集では、これらの黒い作品群から娯楽作まで25作品を上映。芸術家肌で大変な教養人であったという千葉泰樹の作家性とは何か?あなたの目で確かめてください。


 しかし、この特集タイトルはひどいな(笑)。
 確かにぼく自身も、このブログに、<成瀬巳喜男になれなかった男・千葉泰樹>とは、確かに、書きました(笑)。そういう認識の人は、ほかにもおるでしょう。
e0178641_144987.jpg しかし、特集上映という晴れがましい舞台で、それをタイトルに使う「神経」は、いかがなものかと(笑)。
 せめて「もうひとりの成瀬」とか、「ゴージャス成瀬」とか、「デコラティヴ成瀬」とか、言いようはあったろうに、って、まるで成瀬のシャドー扱いじゃないか(笑)。
 とにかく(ほぼ)全作品快作。
 当ブログでも、特集していますので、ご参考までに。
 なお、画像は、渋谷の分が見つけられなかったので、神保町と京橋の分を貼り付けました。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2016-03-18 01:45 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「裸の重役」

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第77弾 団令子」特集。64年、東宝。5月2日(土)まで上映中。
 非常に「面白い」佳作。 同時期、同じ東宝で、社長シリーズ、駅前シリーズで、ノー天気な好色オヤジをコミカルに演じていた、森繁の「別な顔」が、垣間見れる異色作だ。
 この時期の森繁としては、珍しくシリアスな、リアルな演技を目指す。
 ダンレイに迫られても、珍しく(笑)鼻の下を伸ばさない。それだけでも、そういう森繁、見ものでしょ(笑)。
 原作:源氏鶏太としても、のほほんな会社/家庭コメディで鳴らしたが、これは異色な「シリアス」もの。
 傑作ではないが、東宝ファンなら、必見と、いっておこう(笑)。

裸の重役ニュープリント 1964年(S39)/東宝/カラー/103分 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
■監督:千葉泰樹/原作:源氏鶏太/脚本:井手俊郎/撮影:西垣六郎/美術:阿久根巌/音楽:團伊玖磨
■出演:森繁久彌、星由里子、草笛光子、児玉清、有島一郎、加東大介、東野英治郎、宮口精二、柳永二郎
仕事の鬼と呼ばれる男やもめの重役・日高(森繁)。出世への希望を失い、街娼の咲子(団)と心を通わせていく──。原作は源氏鶏太の「東京一淋しい男」。森繁のサラリーマンものには珍しいビターで切ない物語。©TOHO CO.,LTD.
e0178641_23023100.jpg
 
 上記解説も、例によって、やや、ずれている。後半かなり経つまでは、森繁は、バリバリの重役サラリーマンで、出世街道まっしぐら。その後半のあとで、やっと団令子登場。だが、それは、まあ、許容範囲内か。
 当時東宝で主流だったお気楽サラリーマンものと真逆な、シリアス?路線。
 これが、<成瀬になれなかった>千葉泰樹ではなくて「その場所に女ありて」鈴木英夫の監督だったら、「その場所に男ありて」というべきな傑作になったのかもしれない。
 千葉泰樹には、甘さがあるので、そうは、ならなかった。そこは、おしい。

 東宝脇役陣、新劇系の、オールスタアというべき、多人数が出てくるが、そのタイプキャストの確かさは、ただならない。
 千葉泰樹映画の、キャスティングは、毎度ながら確かだ。
 加東大介などホントにワンシーンのみ、ライヴァル社重役・清水元など十秒弱か。
 無能弱気若手サラリーマンを演じては、東宝一な児玉清が、そういう役。してやったりの快演。ぼくが見たなかでは、ほとんどちょい役ばっかりの児玉清だが、これは、彼の東宝時代の代表作というべきだ。
 ちなみに、児玉が森繁の娘・星由里子に無理矢理連れ込み旅館に連れ込まれるのだが、その旅館の看板が「こだま荘」って。
 役者は全員、好演だと思うが、酔ってふらふらの演技の中村伸郎の、その演技、下手すぎ(笑)。ま、その前の慇懃無礼な皮肉の言い方は、堂に入っていましたがね。
 なお、当時としては珍しい欧米視察壮行会&50才誕生日の記念に、「60歳還暦なら、いちゃんちゃんこだが、その手前の50歳なので、ピンクのベスト」と、森繁に贈られたベスト。どう見てもピンクには見えない、ほとんど真紅気味。
 これは、
1 今回のニュープリのカラー調整が、おかしい
2 もともと当時のカラー調整が、おかしい
3 現在と、製作当時のピンクに対する認識が違う?
4 ピンクというオーダーを、衣装スタッフが誤解して、それを仕方なくそのまま、使った
 はて、どっち(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-04-21 23:01 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(15)

千葉泰樹「慶安秘帖」萩原遼「その前夜」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。52年、東宝。
 阿佐ヶ谷にて。「日本映画の至宝 加東大介 The Great Actor」特集。39年、東宝。
 この二作は共通点がある。
 由井正雪事変や、池田屋騒動を、その周辺の人物の目線で描く。サイドストーリーものといっていいのか、スピンオフものといっていいのか。
 この手法は、作者の遊び心を誘うのか。現在放送中のNHK大河「花燃ゆ」も、<偉人の妹>が主役。もっとも若くしてなくなった吉田松陰では、一年持たないという、なおかつ説教くさくなる、という、非・遊び心ゆえかな(笑)。
 この種の映画の最高傑作は、この二月にラピュタ阿佐ヶ谷で上映される石田民三「花ちりぬ」だろうか。必見。
 京都幕末の尊皇攘夷の志士たちの、活躍を、御茶屋の舞妓たちの目線で、描ききった。志士ら、男たちは、すべて画面オフからの声のみ、姿を見せない。
 だから登場するのは、すべて女性、少女のみで、幕末の騒動を描ききった。
 究極の女性目線の映画だろう。さすが、戦前ただひとりの、ガールズ・ムーヴィー巨匠というべき石田民三ならでは。 
 主役抜きで、時代の脇役たちだけで構成した、この空前絶後の実験性もすばらしいが、さらにすばらしいのは、映画そのものの、コク。カメラのパンニングの素晴らしさに、ただただため息。
 繰り返すが、必見である。
 この傑作に、次の二作が劣るのは、致し方ない。

慶安秘帖 (106分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
歌舞伎の「慶安太平記」で知られる、由井正雪や丸橋忠弥らによる幕府転覆未遂事件を背景に、武士としての生き方に迷う青年・假谷三郎(大谷)と彼を愛する娘・小藤(島崎)の葛藤を描く。武士道否定をテーマにした戦後の「新解釈時代劇」の流れを汲む作品の1つで、千葉にとっては戦前の『幡随院長兵衛』(1940)以来の時代劇。
1952(東宝)(監)千葉泰樹(脚)棚田吾郎、吉田二三夫(撮)山田一夫(美)北辰雄(音)飯田信夫(出)大谷友右衞門、島崎雪子、市川段四郎、村田知英子、山村聰、淸川荘司、藤原釜足、小川虎之助、菅井一郎、淸水將夫、鳥羽陽之助、上田吉二郎

 とはいえ、島崎雪子のすばらしさは、どうだ。現代劇でも良し、時代劇でも・・・・若干アイドル的な甘さはあるが、それもよいので。大谷友右衞門というのは、いつ見てもコクがない主演俳優だが、それを補って余りある。
 ただし、千葉ちゃんは悲恋モノは、やはりイマイチ。

「木屋町三條」より その前夜 <ラピュタ阿佐ヶ谷HPより>
1939年(S14)/東宝映画/白黒/86分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:萩原遼/原案:山中貞雄/脚本:梶原金八/撮影:河崎喜久三/美術:河東安英/音楽:太田忠
■出演:河原崎長十郎、山田五十鈴、中村翫右衛門、高峰秀子、瀬川菊之丞、千葉早智子、清川玉枝、助高屋助蔵
幕末の京都で起こった新選組の池田屋襲撃事件を、斜向いの旅館・大原屋の人々の視点で描いていく。原案は山中貞雄。脚本には鳴滝組の共同ペンネーム「梶原金八」とクレジットされ、山中の追悼映画として公開された。

 こちらの主役の画伯・河原崎長十郎も、映画的には、面白くない。同じくアイドル女優だった千葉早智子も、島崎と違い、時代劇では勝手が違ったのか、輝かない。高峰秀子は、時代劇でもアイドル性を保っている。
 特集由来の加東大介は、新撰組の、下っ端では偉いほうの役だが、さすが目立っている。
 萩原遼演出は、しまりなく、山中貞雄の比ではない。
 サイドストーリーの、スタイリッシュ性にもかけている。幕末の志士たちに、そこはかとなく左翼臭を漂わせているのが、イタい。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-20 10:35 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「へそくり社長」「香港の星」「河内フーテン族」他

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。
 今回の千葉ちゃん特集で見たもの、もう時間がたっているし、特に書くべきこともないものを、まとめて処分(笑)。

団地 七つの大罪 (88分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
公開当時、サラリーマンの憧れであった団地生活。そこで繰り広げられる七組の夫婦の艶笑ばなしをオムニバス風に綴った作品である。竹中労の「団地七つの大罪」と塩田丸男の「2DK夫人」をベースに長瀬喜伴が脚色。エピソードを分けて、千葉と筧正典が監督にあたっている。
1964(宝塚映画)(監)千葉泰樹、筧正典(原)竹中労、塩田丸男(脚)長瀨喜伴(撮)西垣六郎、梁井潤(美)加藤雅俊(音)松井八郎(出)小林桂樹、高島忠夫、加東大介、三橋達也、司葉子、団令子、浜美枝、草笛光子、益田喜頓、藤木悠、児玉清、北あけみ、八千草薫、船戸順、桜井浩子

 オムニバスものとしては、かなり面白いし、当時としては、エロいシーンも、この手の明るく楽しい東宝映画」としては、満載。益田喜頓が浜美枝と愛欲生活、というのも無茶だが、喜頓の本妻で、新興宗教にのめりこむ千石規子というのがグッド。彼女以外考えられぬキャスティングだ。
ただし、とんがった、エロいシーンは、若い共同監督・筧正典の担当か。

河内フーテン族 (85分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
「悪名」など河内を舞台にした小説で知られる今東光の原作を映画化。20年ぶりに大陸から河内に帰ったやくざ者の風吉(堺)が、たった一人の妹・トヨ(酒井)をはじめとする、周囲の人々のために奮闘する姿を描いた喜劇。1951年創立の宝塚映画は、(1983年の『お吟さま』〔熊井啓監督〕での製作復活を除き)本作をもって劇場用映画製作から撤退した。
1968(東宝=宝塚映画)(監)千葉泰樹(原)今東光(脚)椎名龍治、新井一(撮)西垣六郎(美)近藤司(音)伊福部昭(出)フランキー堺、酒井和歌子、ハナ肇、東郷晴子、曽我廼家明蝶、田中春男、野川由美子、船戸順、石倉英彦、鳳啓助、京唄子

 一番最後の落ちが、フランキーがドラムをたたくって(笑)。こんな、ありきたりギャグは、最初のうちに、済ませとかなきゃ(笑)。はしかとおんなじで(笑)。
 フランキーと東宝と千葉ちゃんのモダン派が、今東光の土着河内モノを手がける違和感。

へそくり社長 (82分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
長寿を誇った東宝「社長」シリーズの第1作。浮気好き社長の森繁、ハリキリ秘書の小林桂樹らと並んでこのシリーズに欠かせないのが“宴会部長”三木のり平。森繁とのドジョウすくいは定番となり、「パーッといきましょう」のセリフは一世を風靡した。本作から、千葉は東宝の専属となる。
1956(東宝)(監)千葉泰樹(脚)笠原良三(撮)中井朝一(美)河東安英(音)松井八郎(出)森繁久彌、小林桂樹、上原謙、三木のり平、八千草薫、司葉子、越路吹雪、藤間紫、太刀川洋一、三好榮子、沢村貞子、古川綠波

 このなかでは一番安定感があり、楽しめる、出てくる役者がみんな、よい。特に、例の鼻にかかった声で、男どもをロウラクする絶品の藤間紫。男を転がすなんて朝飯前の見事さ。
 ただし初期だけあって、森繁だけが、後年の闊達さが未完成。

香港の星 STAR of HONG KONG (109分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
「香港三部作」の第2作。商社マンの日本人男性(宝田)と日本に留学している中国人医学生(尤敏)との香港、日本、シンガポール、マレーシアをまたいで展開するすれ違いの恋愛の行方を描く。脚本家が替わり、シリアスな背景を持った前作に対し、東宝らしい華やかで現代的なカラーの映画になった。
1962(東宝=キャセイ・オーガニゼーション)(監)千葉泰樹(脚)笠原良三(撮)西垣六郎(美)阿久根巌、費伯夷(音)松井八郎(出)宝田明、尤敏、団令子、草笛光子、王引、林冲、小泉博、藤木悠、田崎潤、加東大介、山村聰、久慈あさみ、沢村貞子

 これはこれで絶品のメロドラマ。特に、フラレ役というか、正確にはフリ役の、団令子の、宝田を振るシーンがよくて、アンパン顔であんまりシリアスな役を振られなかった彼女の可能性が垣間見れる。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-20 09:22 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「水戸黄門漫遊記」「弥次喜多道中記」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。
 今回の千葉ちゃん特集で見たもの、もう時間がたっているし、特に書くべきこともないものを、まとめて処分(笑)。
 この手の、ちょいちょいいろんなスタア、タレントが出ている、華やかな時代劇ショー、軽時代劇とも言うべきヴァラエティーは、ちょいと中庸な千葉ちゃんには、ムリ。
 とはいえ、場内からはかなりの笑い声が起こっていたことは、公平に記したい。
 しかし、ぼくには、たとえば、柳家金語楼や三木のり平が女装して出てきたって、面白くも、なんともない。
 女装して、さらに、どんなアチャラカを、やるのか。そこがモンダイなのであり、そこで、いかにエッジの利いたギャグを展開できるか、しかし、千葉ちゃんとしては、大勢出入りの交通整理に終始する。
 終映後、あるお客さんの一言が、これらの諸作を的確に表現していた。
「面白いけど、長いな」
 そう、何の工夫もなく、当時の人気俳優の顔見世が続き、ぼくは、この三作品すべてで、途中幾度も眠った(笑)。
 軽時代劇の四天王、マキノ雅弘、山中貞雄、丸根賛太郎、沢島忠には、遠く及ばず、といったところか。

水戸黄門漫遊記 (95分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
千葉の最後の劇場用監督作品。幾度となく映画化された“天下の副将軍”の諸国行脚の物語で、東宝作品らしく、主演の森繁をはじめ多くの喜劇人が出演して画面を賑わせている。撮影中に千葉は心臓発作を起こし、映画製作からは引退、活動の舞台を東宝制作の「青春」シリーズなどテレビに移すことになる。
1969(東宝)(監)千葉泰樹(脚)笠原良三(撮)長谷川清(美)中古智(音)佐藤勝(出)森繁久彌、宝田明、髙島忠夫、池内淳子、三木のり平、萩本欽一、坂上二郎、中村勘九郎、草笛光子、平田昭彦、藤木悠、東郷晴子、赤木春恵、浦辺粂子、獅子てんや、瀬戸わんや(ナレーター)一竜斎貞鳳

彌次喜多道中記 (113分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
弥次郎兵衛(加東)と喜多八(小林)は、作家の一九先生(徳川)より二十両を渡され、小説の題材として京都に旅することに。道中にオールスターキャストの登場人物を絡め、色恋沙汰と歌をふんだんに盛り込んだ明朗快活な道中喜劇。千葉最初のカラー作品・ワイドスクリーン作品である。
1958(東宝)(監)千葉泰樹(原)十返舎一九(脚)笠原良三(撮)西垣六郎(美)北猛夫(音)古関裕而(出)小林桂樹、加東大介、乙羽信子、池部良、三船敏郎、淡路恵子、雪村いづみ、白川由美、草笛光子、宝田明、德川夢声、柳家金語楼、水谷良重、宮城まり子、三木のり平

弥次㐂多道中双六(118分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
『彌次喜多道中記』の続篇で、大井川から京都までの道程を描く。袋井の宿の賭場でスッカラカンになった弥次郎兵衛と喜多八。2人の女房(乙羽、淡路)を気にしつつ、女スリのお笛(草笛)や町娘のお葉(八千草)によろめくが、いつもいいところを薬屋の鶴太郎(鶴田)にもっていかれてしまう。
1958(東宝)(監)千葉泰樹(原)十返舎一九(脚)笠原良三(撮)西垣六郎(美)北猛夫、清水喜代志(音)古関裕而(出)小林桂樹、加東大介、鶴田浩二、草笛光子、八千草薫、乙羽信子、淡路恵子、笠智衆、団令子、德川夢声、三木のり平、有島一郎、横山エンタツ、淸川虹子、柳家金語楼

 この「彌次喜多」「弥次㐂多」の、シリーズものなのに、旧字体不統一は、どうしたものか。
東映だが、同じ年の映画なのに、「桜町弘子」と「櫻町弘子」が混在しているときもある。
 クレジットタイトルを発注したプロデューサーか、実際に書く「書き屋」さんのどちらかの、単なる恣意なのだろうか。まあ、映画全盛期のいい加減さ、というところか。
 十返舎一九役の德川夢声、声はいいね。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。たぶん、旧字体は、受け付けない。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-20 08:44 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「或る夜の接吻」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。46年、大映東京。
 3組のカップルが出来上がる、まあラヴコメだが、ナチュラルボーン・メロドラマ俳優の若原雅夫を除く5人がことごとくジミ、主役の華がまったくないので、ギャグもそれなりにいいのに、見ていてまったく面白くない(笑)。
 ヒロインは奈良光枝で、本業は歌手、歌手志望娘、ということで、歌う必要があり、演技もそれなりにこなすが、いかんせんメリも張りも華もオーラもない、ないないづくし。顔もジミだし、主役として、登場すること自体が間違い。
 のこりふたり鈴木美智子、町田博子も、若い娘なのに、こんなにも華やかさ絶無な女優を準主役に使うのは、大映東京ならでは。他社なら、書類審査レヴェルすら通過できない女優たちが、なぜか大映東京では、主役になってしまう不思議。コネか。

或る夜の接吻 (63分・35mm・白黒・不完全)<フィルムセンターHPより>
大映募集の当選脚本を映画化した、千葉の戦後第2作。復員後、現在は詩人、建築家、発明家となっている3人の戦友が、それぞれ意中の女性と恋愛を成就させる様子が手際よく描かれる。題名通り、占領期に推奨された「接吻映画」の嚆矢の1本である。オリジナルは9巻(73分)だが、現存プリントは7巻目が欠けている。
1946(大映東京)(監)千葉泰樹(原)森眉根雄(脚)吉田二三夫(撮)長井信一(美)髙橋康一(音)仁木他喜雄(出)若原雅夫、奈良光枝、伊澤一郎、鈴木美智子、丸山修、町田博子、北竜二、浦邊粂子、加原武門、山田春夫、石黑達也、水原洋一

 男の方も、戦前から地味な無骨者を演じて、これまたオーラなしの井沢一郎が、はしゃいでも、見苦しいだけだし、丸山修にいたっては、存在感ゼロ。
 最初蓬髪、ひげぼうぼうで登場した丸山、さっぱりひげを剃っても、まるで見栄えがしない。
 ひげを剃ったら美青年、というお約束ギャグだが、丸山修の素顔自体がなんの味も素っ気もないので、むしろ逆効果、かえってひげぼうぼうで素顔を隠していたほうが、よかったくらい(笑)。
 この、ひげを剃ったら美青年というのは、千葉泰樹「若い娘たち」(快作、感想駄文済み)でも、繰り返されるが、伊豆肇は、丸山ほどでないにしても、ビミョー。若山セツコは、たちまち、のぼせ上がるが(笑)。

 本作の美点は、敗戦直後ということもあり、東京の焼け野原ぶり、瓦礫と野っ原化した東京の実写がたっぷり登場し、それとメロドラマが同居する「異化効果」か。
 なお、上記のとおり、丸々一巻が欠けているので、若原・奈良二人がクライマックスへ向けての「合図」を、示し合わせる場面や、残り二組がカップルになる経緯が、不明となったが、まあ、このデキでは、どうでもよいか(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-09 11:09 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「羽織の大將(大将)」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。60年、東宝。
 就職に失敗、全学連ならぬ全落連会長にして、大学落研(顧問がアンツルこと安藤鶴夫)のフランキーは、趣味を本業にすべく、桂文楽師匠(ベケンヤ本人)の弟子入りを断られ、文楽弟子である桂五楽師匠(加東大介)の内弟子・小文(こぶん)になった。
 しかし古典落語では売れず、新作落語、さらにはTVタレント、CMタレントとして、人気を博す。
 古典落語を捨て、TVタレントとして軽佻浮薄な人気を得たフランキーを、しみじみサトす兄弟子に、小金冶、歌奴、って(笑)。いったいどんな羞恥プレイなんだ(笑)。
 さすがに大御所・金語樓に、そんな屈辱演技はさせられないということか、フランキーのタニマチ役でお茶を濁す。いやあ、小金冶と歌奴、いったいどんな気持ちで演じたのか(笑)。

羽織の大將(108分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
大学で法律家の道をめざしながら、趣味の落語の道へと飛び込んだ青年(フランキー)の七転八倒。売れない古典落語の披露をやめ、創作落語に踏み切ったことでテレビに売れ出したが、人気商売は見切られるのも早く…。千葉のペーソスを伴った喜劇性によって、フランキー堺の個性が際立った佳作。
1960(東宝)(監)千葉泰樹(脚)笠原良三(撮)西垣六郎(美)河東安英(音)佐藤勝(出)フランキー堺、団令子、加東大介、原知佐子、東郷晴子、塩澤とき、藤木悠、桂小金治、如月寛多、十朱久雄、三遊亭歌奴、柳家金語樓、安藤鶴夫、桂文樂

 とはいいつつ、史上最強の二ツ目小金冶がアニさんを演じることの、さすがの安定感。何のストレスもなく、すいすい進むこの、親和性。
 加東大介もいいのだが、イマイチ落語家としてのカルミが感じられないんだよね。おそらく師匠としての重厚感を大事にするあまり、落語家としてのカルミを、捨ててしまった演技の結果なのか。
 小金冶アニさんが、まずは新入り落語家の基本、一番太鼓や追い出し太鼓などの基本を教えると、そんなの簡単簡単、と太鼓を叩くフランキー。フランキー映画のお約束ですな(笑)。
 団令子が、フランキーをほのかに恋する。大衆食堂に勤め、寄席に出前する。この団令子がほのかにいい。のちにちゃらい女専門になった彼女の、ほのかな清純感。
 団令子は、華やかな笑顔の裏の、ほのかな不幸を感じさせる女優であるが、その圧倒的なアンパン顔が、シリアス演技の道を、閉ざした。残念。
 フランキーの妹に原知佐子。当時としてはありがちな左傾女子大生。左翼であることが若い衆の時代の趨勢でしたからな。今見ると、ああ、お花畑やなあ、と。そのいちいちの言動が、恥ずかしい。
 左翼であること、これもまた羞恥プレイか(笑)。
 
 フランキーと喧嘩になった、小金冶、ついつい興奮して道に飛び出し、交通事故死。奇妙に成瀬と通底するが、成瀬のスーパーテク(具体的描写をせぬまま、その実を挙げる)には、及ばず。
 とはいえ、お気楽な千葉ちゃんの、愉しさ。

◎おまけ◎ 【追悼】桂小金治 落語「禁酒番屋」【88歳で逝去】
2014/11/05 に公開
文楽師匠を彷彿とさせますね。ちょっぴり。。。
88歳は大往生ですね。
ご冥福をお祈りします。


★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-04 23:12 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「泣きぬれた人形」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。51年、松竹京都。
 少女アイドル美空ひばりをフィーチャーした。ひばりは「泥んこブギ」などうたう。

美空ひばり 『庭の千草』 '51 5 19

 小学校の卒業式で歌うための、晴れのセーラー服を木村功に盗まれたため、ボロ着で歌う。木村功、悪いヤツや。
 以下いずれも本作からのフッテージ。
★美空ひばり『泥んこブギ』 '51.5.19★
 ひばりを食い物にするヤクザ夫婦、千石規子&進藤英太郎の、千石規子が、ぼくの見たなかでは、一番色っぽい(笑)。
★美空ひばり『愛の明星』'51.5.19★

泣きぬれた人形(98分・35mm・白黒) <フィルムセンターHPより>
千葉、そして東宝の美術監督・中古智が松竹京都に招かれて撮った美空ひばり主演の現代劇。兄・隆治(岡田)が犯罪に巻き込まれて警察に拘引されたため、身寄りが無くなった妹のアヤ子(美空)は、悪徳夫婦の経営するバーで歌手となり人気を博するが…。
1951(松竹京都)(監)千葉泰樹(脚)植草圭之助、穗積純太郎(撮)太田眞一(美)中古智(音)万城目正(出)美空ひばり、桂木洋子、岡田英次、三井弘次、藤原釜足、千石規子、進藤英太郎、杉狂児、木村功、玉島愛造、田中謙三、中田耕二、村上記代、瀧瑛子、大川温子

 ソツなくこなしたアイドルモノだが、ひばりの「怪物」度が、もっともよく記録されていると思う。
 歌はもちろんうまい。声も、すでにして、大人の声。
 そして、表情にも、大人の色気が漂うショットも。もちろん本人は、セクシーさを意識していまいが、あるショットなど、立派に、大人の女の、あえぎ顔に等しく、意図しないまま、天然のパフォーマンス能力に従って、多彩な表情を、魅せてしまう。
 おそらく、ふと垣間見た、大人の女の表情のあれやこれやの引き出しを、すぐに自分のモノにしてしまえる、天才なのだ。
 こんなこと言うのは、本当にいまさらだが、まさにナチュラルボーン・エンターティナー。
 彼女の兄役は、愛すべき鈍感俳優岡田英次というのも、味わい深い(笑)。自分の倍以下年下のひばりに比べ、演技力のぐだぐだは、可笑しいくらい歴然なんだけど、英次の大根ぶりも、また、おいしい(笑)ぶり大根。もちろんひばりがぶり。
 大人側ヒロイン桂木洋子は、もちろん、岡田英次とは違い、下手は打たない、のは、期待どおり。
◎追記◎元オペラ歌手ということで、ひばりの歌唱指導をする先生・藤原釜足が、恐れ多くも(笑)ひばりを前にして歌う。その下手な歌(笑)。ご愁傷様で。

 その天然アイドルゆえに、庶民は喝采を浴びせ、インテリやインテリ崩れな朝日などマスコミは、ひばりを叩いた。コドモ、らしからぬ、と。
 子供が子供らしからぬ、のは、敗戦下の最貧国日本の悲哀だが、一般的児童基準で、この「特異児童」を律するのは、明らかに間違いだろう。
 千葉の盟友杉狂児が、気のいい「老人」役って。木村功が、ちょい役。
 こういう映画を見ると、ひばり熱が再発して、
 
美空ひばり 『ひばりが唄えば』 '50.9.9

美空ひばり 『夢の花かげ』 '51.11.1

美空ひばり・高倉健・春日八郎 『青い海原・出会いの場面 』 '57.7.30


 と、なるわけですね(笑)。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2015-01-04 11:35 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(0)

千葉泰樹「山のかなたに 總集版」

 京橋にて。「映画監督 千葉泰樹Yasuki Chiba Retrospective」特集。50年、新東宝=藤本プロ。
 地方に赴任した青年教師と、生徒と、そのPTA(当然若い美人もあり)をめぐるエトセトラ。
 藤本プロ最大ヒット作今井正「青い山脈」スクールの一本。
 普通なら今井正続投の流れだが、感想駄文済みの千葉泰樹「若い娘たち」も含め、なぜ千葉の代打なのか。
 共産党・今井正は、こんな腑抜けた、問題意識の希薄な、他愛のない、青春コメディなんて、一作だけでごかんべんと言うところか。そこで使い勝手のいい千葉ちゃんの出番と。
 のちの共産党は、この「青い山脈」石坂洋次郎スクールに影響を受けたのかどうか、ハード革命路線のテロル肯定から、歌って踊って恋をして、共産党に入りましょう運動に、舵を切るわけだが。

山のかなたに 第一部 林檎の頬 第二部 魚の接吻 總集版 <フィルムセンターHPより>
(119分・16mm・白黒)
1949年、藤本眞澄プロダクション=東宝合作の『青い山脈』前後篇が作られ、大ヒットする。本作はその姉妹篇として、同様に二部作の構成で製作公開された。『青い山脈』で原節子が演じた教師役の名前をとり、島崎雪子が映画デビューしている。現存プリントは後年の再公開時の総集版。
1950(新東宝=藤本プロ)(監)千葉泰樹(原)石坂洋次郎(脚)井手俊郎(撮)鈴木博(美)中古智(音)服部良一、原六朗(出)池部良、堀雄二、若山セツコ、角梨枝子、相馬千惠子、河村黎吉、田中春男、入村直一、千秋實、藤原釜足、飯田蝶子、清川玉枝、髙山スズ子、澤村貞子、瀧花久子、島崎雪子

 さすがに池部良は学生役では「持たない」ので、若い教師。若山セッちゃんは、生徒役でオーケーだし、かわいいし。
 池部の同僚教師に、田中春男、江見渉、千秋実(陰険版)って、こんな教師に学びたくないなあ(笑)。
 その田中春男が角梨枝子が落としていったアクセサリー?の香りを思いっきりクンクンかいでいるところに、後ろから誰かがちかづくとこで、ショットはぶつ切り、当然田中の変質行為に誰かがつっこむ段取りをカット。ほかにもセリフの途中をぶつ切り、など、あまりに粗雑な再編集版。
 「愛染かつら」をはじめとして、昔の日本映画は、シリーズものがヒットすると、再編集した「総集編」などで、一粒で二度おいしいを、狙いがち。ただ、原版は原版として残すことなく、その原版にハサミを入れた短縮版を再編集する過程で、原版断片をどんどんゴミ箱に。
 総集編のみ残り、オリジナル版は消失。かろうじて両方残っているのは「青い山脈」のみか。二次利用を急いて、安く上げようとして、三次四次利用の機会を永遠に逃した。つくづく残念。
 似た話で、ヒットした作品ほど、擦り切れるまでフィルムをこき使い、ヒットしなかったプリントのほうがかえって残っている、という話もある。閑話休題。

 感想駄文済みの千葉泰樹「妻と女記者 ―若い愛の危機―」同様、角梨枝子のみ、ほかの役者のせりふのテンポから遅れるので、ちょいとイラつく。やはりひとには、その役者の最適時期というのがあって、青春が似合う人、似合わない人というのが、あるのか。いわゆる中年増になってこそ輝くのが、角梨枝子か。
 逆に若い娘時代のみ輝いたのが、若山セツコ。いや、個人的には、このひとの中年増も、見てみたかったなあ。割りと、いや、かなりよかったと思いますが。
 島崎雪子は、中盤に唐突に出てきて(いかにも途中で差し込んだ感もあり)、角梨枝子洋装教室の生徒リーダー格。神社の石段を利用した段差を演壇(というのが、いかにも戦後民主主義的石坂洋次郎)として、角梨枝子先生の危機を救うべく、アジりにアジるが、いざとなると、通りかかった堀雄二を、みこしと担ぐ。
 若山セツコ、島崎雪子ら女性とグループが、頑固オヤジの大家・河村黎吉(角梨枝子に立ち退きを迫っている)と交渉するのに、男を神輿に担ぐ。この辺が、今見ていると、ナンダカ気持ちワルイ。
 女権拡張?と、まだまだ男に頼る心情が、気持ち悪いまま融合して、時代といえば時代なんだろうが。
 その堀雄二は、元祖?伊豆肇に比べれば、凡庸。見ていて、面白くない。案の定、のちの千葉泰樹「サラリーマン 目白三平」正・続 (感想駄文済み)では、笠智衆のさえない同僚を、さえなく演じる羽目に。
 女権軍団に押しかけられる河村黎吉は、その「量」にたじたじで、いつものレイキチ節は、不発。意外とだらしないな、レイキチ(笑)。一対一の説教でこそ雄弁なレイキチも、団体交渉は苦手か。
 もっとも、完負けしたあとの、角梨枝子への対応はお見事。
 いわゆる洋次郎流戦後民主主義とは、逆の位置にあると思われる、井上大介ら年少組と、中山豊ら年長組との乱闘という、描写が長くて、ちょっと違和感。
◎追記◎かの昔、浅草東宝オールナイトで、「青い山脈」がかかった折、ラストに「前篇 終」と出て、話は尻切れトンボ。やや呆然としつつ、ロビーに出たら、なにやら気難しそうな客が、スタッフに抗議していた。全部見せろ、ってか。無茶な。
 東宝に関しては、「青い山脈」に限り、「総集編」それの元になった「前篇」「後篇」と、3ヴァージョンあり、テキトーな浅草東宝が、テキトーな東宝フィルム管理部に、テキトーに総集編を頼んだら、なぜか前篇のみが来たというところ。それとも「なんでも取って置く東宝」には、実はほかの映画も「総集編」「前篇」「後篇」と、あるのだろうか(笑)。まあ無駄と知りつつ、聞いてみたいところだ。
◎追記◎いつも役名と芸名が同じの子役井上大助、そして彼と千葉泰樹「若い娘たち」でもカップリングされていた高山スズ子が、本作でも、こまっしゃくれた魅力を炸裂。高山スズ子も役名は「若い娘たち」と同じなので、子役に関しては、そういう配慮もあったのか(笑)。

 
★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
 今回は、1960年リメイク版しか、紹介されていない。
 なお★『稀有な映画俳優・伊豆肇と池部良』の時代★という面白そうなブログを見つけた。右柱のコンテンツのすべてを見たくなるほどだ。
 ただ、このひと、所蔵する映画スチール写真などを掲載、禁無断転載と強調するが、単にスチールを所有しているだけで、使用権はないはず。東宝などから使用権をクリアしている、とはとても思えず、そもそもこの管理者が各写真をネットに上げること自体が、厳密には、法に触れているのではないか。
 だが、まあ、面白いブログだ。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2014-12-28 18:17 | 千葉泰樹 ヤスキ節の愉しさ | Trackback | Comments(4)