2017年 12月 14日 ( 1 )

大庭秀雄「稲妻」倍賞千恵子藤田まこと浜木綿子望月優子稲垣美穂子穂積隆信柳沢真一宗方勝巳

真のアイドル女優!倍賞千恵子。不満から口はへの字ながら両口角は上がっている(笑)。その愛らしさは、ナチュラルボーン・アイドル(笑)。
 阿佐ヶ谷にて「豊かに実る 松竹文芸映画の秋 」特集。67年、松竹大船。
 陰鬱な52年版ミッキー成瀬版「稲妻」に比べれば、はるかに明朗軽快なプログラムピクチャア、より気軽に楽しめる娯楽編となっている。
 それはいいことなのか。

e0178641_3222265.jpg稲妻 1967年(S42)/松竹/白黒/85分 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
■監督:大庭秀雄/原作:林芙美子/脚本:堀江英雄/撮影:長岡博之/美術:芳野尹孝/音楽:真鍋理一郎
■出演:倍賞千恵子、藤田まこと、浜木綿子、望月優子、稲垣美穂子、穂積隆信、柳沢真一、宗方勝巳
四人の子どもの父親がみんな違うという複雑な母子家庭の物語。原作は林芙美子の同名小説で、1952年に成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演で映画化されている。今回の松竹版では、家族からの脱出を試みる末娘を倍賞千恵子が好演。

 それは主演女優、高峰の陰と、倍賞の明と、の違いなのか。成瀬と、大庭の違いなのか。
 おそらく、大庭は、成瀬的名シーンを、たいてい排除する方向で、脚本を作っていったのだと思う。
 戦前松竹の助監督/監督の成瀬は、おそらく松竹メロドラマメソッドを、体質的に受け入れられない。
 一方成瀬の後輩、大庭は、その松竹メロドラマメソッドを受け入れ、戦後はそれを体現し続けた。

 その真逆な二人が、同じ林芙美子原作で、かくも対象的な、陰鬱明朗を見せた。面白い。

ミッキー成瀬版      大庭秀雄版
清子 高峰秀子      倍賞千恵子
光子 三浦光子      浜木綿子
縫子 村田知英子     稲垣美穂子
嘉助 丸山修       柳沢真一
おせい浦辺粂子      望月優子
龍三植村謙二郎      穂積隆信(竜吉)
綱吉 小沢栄       藤田まこと
田上りつ 中北千枝子   宗方奈美
国宗周三 根上淳     削除
つぼみ 香川京子     削除

e0178641_324545.jpg 重厚なミッキー成瀬キャスティングと、軽快な大庭キャスティング、その演出、何から何まで対照的だ。この「軽さ」は、50年代と60年代の差ななのか。松竹メソッド嫌いの成瀬と、松竹メソッドそのものの大庭の差なのか。
 高峰秀子と倍賞千恵子、三浦光子と浜木綿子、丸山修と柳沢真一、浦辺粂子と望月優子、植村謙二郎と穂積隆信、小沢栄と、藤田まこと、中北千枝子と宗方奈美、いつでも大庭版のほうが明るい。

 割と陰鬱に進む成瀬版の、最後にふと現れる、ほのかな希望、根上淳・香川京子兄妹を、ひそかに無視する明朗大庭も、面白い。まあ当時の松竹に根上香川に対抗しうる若手がいなかったゆえか。

 先週はラピュタに行かなかったので、ワカラナイが、例の休憩中の、柳沢真一録音予告は、この映画だったのかな(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。なお、現在は当ブログに吸収合併。過去ログは残してあります。
★映画流れ者★当ブログへのメモ帳、その他諸々

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★
[PR]

by mukashinoeiga | 2017-12-14 03:24 | 成瀬巳喜男映画の正体成瀬る | Trackback | Comments(1)