2017年 11月 26日 ( 1 )

伏水修「青春の氣流」原節子大日方傳山根壽子黒沢明進藤英太郎藤田進加藤治子英百合子清川玉枝矢口陽子

元祖宮崎アニメ(笑)。民間航空機を設計する技師と、その恋を描く。監督デヴュー前年の黒沢明の脚本だから、あるいは宮崎駿も何らかの参照をしたのかもしれない。
 京橋にて「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 原節子選集」。42年、東宝。
 これは時局柄基本的にいわゆる国策映画を作りたかったのだろうが、軍用機の開発を扱うと、当時の日本は軍機密を極端に秘匿していたからNG、それで時節に合わなくても、国産民間機の開発ドラマにせざるを得ない。たぶん東宝も黒沢も国策映画に拒否感があったから、一種のアリバイ作りとしての、なんちゃって国策映画になったのだろうが、そのなんちゃってゆえに、生煮えの映画になったのは、否めない。

e0178641_1284134.jpg5青春の氣流(87分・35mm・白黒) (フィルムセンターHPより)
1942(東宝)(出)原節子(由島槙子)、御舟京子[加藤治子](喫茶店の女)(監)伏水修(原)南川潤(脚)黒澤明(撮)伊藤武夫(美)松山崇(音)服部良一(出)大日方傳、山根壽子、進藤英太郎、中村彰、藤田進、清川莊司、眞木順、英百合子、清川玉枝
新鋭旅客機を設計した若き技師・伊丹(大日方)が、その製造実現に向け突き進む姿を、喫茶店で偶然出会った女性(山根)との恋愛を絡めつつ描くメロドラマ。社内で伊丹を支持する進歩派の専務(進藤)の令嬢に原が扮し、伊丹と添い遂げようと積極的にアプローチする姿が目を引く。ニュープリントによる上映。

 つまりドキュメンタルな航空機開発ドラマを描くのだが、それだけにはあまりに色気に欠けるので、技師大日方傳に二人の人気女優を、からませようという。
 洋風積極系おてんばお嬢様なハラセツ。
 和風消極系ひかえめな質素娘山根壽子。
 この二人のうちどちらを選ぶのか、というドラマは、吉村公三郎「暖流」で佐分利信が洋風高峰三枝子と和風水戸光子のうち、水戸光子を選ぶというものの二番煎じか。
 もちろん時局柄(笑)か、大日向もサブリンも和風を選ぶのだが。
 社長役・進藤英太郎の抜群の安定感。
 この時期、製作本数が減っているので、俳優は余っている。竜崎一郎は、大日方傳にぶつかる役で数秒のみ。 
 大日方傳と山根壽子が待ち合わせる喫茶店のウェイトレス三人娘に、新人の加藤治子と矢口陽子、あとの一人は確認できず。このウェイトレス三人娘がコメディリリーフなのだが、イマイチ不発。やはり黒沢にコメディは無理か。

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by mukashinoeiga | 2017-11-26 12:09 | 黒沢明 黒い沢ほどよく明か | Trackback | Comments(0)