2010年 06月 28日 ( 1 )

神代辰巳「離婚しない女」倍賞千恵子・美津子ショーケン

 池袋にて。「没後15年 映画ファンに愛されつづける 鬼才・神代辰巳」特集。86年・松竹。
e0178641_1936334.jpg 成金船主・夏八木勲の後妻、釧路の女、倍賞千恵子。
 堅実サラリーマン・伊武雅刀の妻、根室の女・倍賞美津子。
 えーと、ぼくはテッチャンではないので、根室線なのか釧路線なのかはわかりませんが、この地方線の始発と終着駅に、位置する女たち。ふたりの女と、ショーケンは、この地方線を行き来して、肌を重ねる。二都物語。 
 このふたりを、それぞれの機会を利用して、ものにするショーケン。って、発想が、まず、えぐいよね。
e0178641_0475296.jpg ふたりの女は、まったく接点がない役の設定。なのだが、映画を見ているこっちは、二人が実の姉妹だと、知っている。ショーケン、姉妹丼。二人姉妹とするときにゃ、姉から、せにゃならぬ。
ということで、まず、千恵子と合体。次に美津子。うーん、ドラマ設定としては、一応、別人どおしなのに、なに、この気持ち悪さは。いや、実の姉妹が姉妹役として、一人の男を挟む、というのは、まあ、わかるのだが。姉妹なのに、姉妹じゃない役、というのが、気持ち悪い。って、ぼくの偏見か(笑)。
 伊武はまじめなサラリーマン、しかしその七三にくっきりくっきり分けた髪が、かっちりしすぎているぞ(笑)。
 夏八木は、こんな複雑なキャラを演じきるには、明らかに、体育会系ワンパタで、ニュアンスがなさ過ぎ(笑)。例によって、ガハハハ、とゴーカイに笑っているだけで、全然綾がない。曲がない。これじゃ、だめだろ。
 夏八木の娘・神保美喜は、何とか父の後妻を追い出したい、嫉妬に狂いつつ、キャラとしては実に地味な扱いしかされない。神代映画では、年頃の娘より、その母のほうがクローズ・アップされるのは、いつもの通り。
 ショーケンとのベッド・シーンでは、意外や、千恵子のほうは、乳首も乳もさらすが(倍賞千恵子唯一のヌードかな)、美津子はブラに守らせ。意外にも、この姉妹のイメージとは真逆に、実は千恵子のほうが、美津子より、その方面は発展型だったりして。
 では、あるのだが、セクシー・イメージのない千恵子のベッド・シーンは、見ていて、痛々しい。色気、まるで、ないんだもの。倍賞千恵子の乳を見ても、全然お得感がないのよ(泣)。暗い。暗すぎる。千恵子の乳。
 貧しさの中に、輝くのが、神代映画。その象徴が、貧乳・芹明香の輝き。しかし、倍賞千恵子の乳は、芹明香以上に大きいのだが、輝かない。倍賞千恵子の乳には、人を感動させるバック・グラウンドが、ないのだ。
e0178641_19374028.jpg その芹明香は、重ね重ねの覚醒剤逮捕の後、本作にちらりと後姿を見せる。しかしあまりにチラッと、過ぎて、最後のクレジットを見ないと、わからないほど。これ以後、芹明香はスクリーンから、消えていく。
 本作も、日活ロマンポルノで、芹明香と宮下順子で、見てみたかった。で、あるならば、傑作になったであろう。
 「恋文」同様、つまらないメロドラマ風の、うるさいBGMが、感興を、そぐ。ショーケンの、つぶやきめいた歌だけが、救いで。
 かっきりしたメロドラマを求められる松竹が、(当時の、だめだめな)東宝よりも、神代の体質に合わなかったのが、見ていて、はっきり、わかる。
 くっきり・はっきりのメロは、やはり、神代の体質では、ないのだった。
 なお、美津子の根室のライヴハウスでやる、小劇場風演劇の出演者に、まだアイドル?女優風の室井滋と、近藤芳正。このつまんねー小芝居の、作者クレジットが秋元康。まあ、芝居作者としては、大成しなかったのがわかる不出来さ。

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by mukashinoeiga | 2010-06-28 22:21 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)