堀内真直「正々堂々」伊藤雄之助鳳八千代渡辺文雄千田是也三井弘次トニー谷大泉滉中村是好
クスリともできない喜劇ほど始末に困るものはない(笑)。
阿佐ヶ谷にて「豊かに実る 松竹文芸映画の秋」特集。59年、松竹大船。
笑えないながら、いろいろ工夫しているが、全く面白くない(笑)。
例えば木下恵介「カルメン純情す」ばりに、画面を傾けて撮るのだが、いきなり初めて、ある時点からいきなりやめる、何の戦略も感じられず。
字幕でも遊んでいるのも、おもしろ―もない。
そして、最大の欠陥は、それなりに面白い役者がバンバン出てくるのに、クスリがほんの数回のみ(笑)。
主演の市長・伊藤雄之助は全編顔芸、変顔の連発で、でも無駄に面白くないのね(笑)。
正々堂々 1959年(S34)/松竹大船/白黒/66分 (ラピュタ阿佐ヶ谷HPより)
■監督・脚本:堀内真直/原作:源氏鶏太/脚本:川辺一外/撮影:小原治夫/美術:森田郷平/音楽:木下忠司
■出演:伊藤雄之助、鳳八千代、渡辺文雄、千田是也、三井弘次、トニー谷、大泉滉、中村是好
億万長者の帰郷で、寄付金目当ての歓迎攻めに奔走するたぬき市長、きつね助役、むじな議員たち!市会は上を下への大騒ぎを繰り広げる──。欲の塊・伊藤雄之助市長ほか名バイプレイヤーたちが絶妙の演技を競う、源氏鶏太原作のコメディ篇。
ある事情から、三井弘次は「あ、そう」を連発するのだが、もちろん昭和天皇の真似なのだが、この連発する科白の管理が、口調の変化もまったく行き届かず、見ているこっちもイラつくほど。
ぼんやり思ったのは、渡辺文雄&三井弘次の、都会から来たある意味詐欺師コンビが、田舎の人たちをだますコメディというと、木下恵介「花咲く港」だなあ、と。いかにも松竹のお家芸だが、監督の名前が真直ではコメディは無理か(笑)。
先輩格の川島が撮ったらとも夢想する。
戦前松竹の好青年磯野秋雄がおっさんメイクで市議の一人とは、いささか感慨深い(笑)。もっとも若いころから老け顔だったが(上記不鮮明な集合写真の後列右端)。
感想駄文済みの大庭秀雄「稲妻」の、ついで見の本作だったが、ミッキー成瀬「稲妻」のリメイクを見に行ったら、ついで見もある意味リメイクだった(いささか強引な物言いだが)戦後松竹の企画不足とは、これまた牽強付会か。
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by mukashinoeiga | 2017-12-17 11:48 | 旧作日本映画感想文 | Comments(2)
しかし、川島雄三と源氏鶏太では水と油で、やっぱり合わないような気がしますね。「台風騒動記」や歌舞伎座映画「赤い陣羽織」からの続投で山本薩夫あたりにあてがうのが、このキャストとの相性が一番良いのではなかろうかと愚考いたします。あとは、新東宝出身の内川清一郎などという選択肢もありかな。
「台風騒動記」なるほど。ヤマサツいけますね。内川清一郎については、詳しくありません。また男性脇役陣の充実に比べても、女優の小粒感。 昔の映画