阿部豊「浮気の季節」益田喜頓岡田真澄赤木圭一郎白木マリ中原早苗吉行和子沢村みつ子小沢昭一

小気味いいホームドラマコメディ。
e0178641_354733.jpg 神保町にて「よみがえる赤木圭一郎 銀幕に輝く不滅の星(スター)」特集。59年、日活。
 東宝や大映が得意としたホームドラマコメディの日活版は珍しい。裕次郎はアクションものも青春ものもともに得意としたが、アクション偏重の赤木圭一郎が、この種ののほほん軽快コメディーに出るのも、さらに珍しい。
 最初はこの種のホームドラマコメディを得意としない日活らしくもたつくが、小ネタの連発で、だんだん良くなる法華の太鼓か。
 そもそも冒頭は、いかにも日活らしい、手慣れた拳銃強盗事件。ホームドラマコメディとしてはまことに異色のマクラが、いかにも日活で。

e0178641_354409.jpg2.浮気の季節S34('59)/日活/白黒/シネスコ/1時間25分 (神保町シアターHPより)
■監督:阿部豊■原作:松浦健郎■脚本:松浦健郎、山崎巌■撮影:岩佐一泉■音楽:大森盛太郎■美術:木村威夫■出演:益田喜頓、岡田真澄、赤木圭一郎、白木マリ、中原早苗、吉行和子、小沢昭一
定年間近の会社員・桐野(益田)は、男手ひとつで育てた三人娘の将来が気がかりだが、当の娘たちは父の再婚を企て大騒ぎ!思わぬ恋愛作戦が飛び出す恋の鞘当てを描いた愉快な明朗喜劇。赤木はストリッパーに恋する御曹司役。

e0178641_3552377.jpg これが東宝大映ならいかにも華やかなスタア総出演となるし、日活でも裕次郎北原芦川など出せば豪華なのだが、父親が益田喜頓、娘たちが新劇上がりの中原早苗、吉行和子とは、やや、安い造り。とはいえ、新劇上がりながら(笑)番茶も一番搾りで(笑)中原、吉行とも愛らしいのだが。
 赤木圭一郎も、この種ののほほんお坊ちゃんが柄にあって、大変好ましい。若死にしなければ、裕次郎並みに活躍したのに、つくづく惜しいなあ。
 その赤木の父親役・小川虎之助も、いつもに増して、あるいは例によって、大変愛らしい。ラブリー親父ナンヴァーワン役者ではあるまいか(笑)。赤木の恋人役・白木マリも彼女の代表作というべき、ベストパフォーマンス。  
 なお吉行和子、中原早苗姉妹の三女・沢村みつ子が、なかなかキュートで歌もうまいのに、その後伸びず、未知の人だったが、ググってみれば結構すごい人で。結局日本語オリジナルのヒット曲がないのが致命傷のオキュパイドジャパン歌手だったか。

Mitsuko Sawamura - ON LONDON BRIDGE

すてきなあなた 澤村美司子&沢村まみ

 なお貼り付けることができなかったが、ニコニコ動画It's De-Lovely-ジュディ・ガーランド&沢村みつ子という動画あり。
アップ主の説明では、50年代半ばの映像だと思います。ジュディ・ガーランドが日本人歌手とデュエットしている姿を初めて見ました。沢村みつ子は八月十五夜の茶屋ラスヴェガスで逢いましょうなどの映画に出演しています。歌っているのがコール・ポーターの曲ってとこがまた素敵。とのこと。

なお小川虎之助の会社、野呂圭介や柳瀬志郎が社員とあっては、到底まともな会社とは思われない(笑)。

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by mukashinoeiga | 2017-10-06 03:55 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(2)

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Commented by 御邪魔ビンラディン at 2017-10-08 12:21 x
どうも新東宝から日活に移ってからのジャッキー阿部カントクは、やや「格落ち」した扱いを受けていたような気配があって、たとえばこの映画や小沢昭一主演の「大出世物語」など、監督名が春原政久であったとしても、それほど不自然ではないんですね。
中原早苗が手がけるTV番組など、単発のスペシャル番組ならともかく、あんな企画が毎週成立するわけはないというところもありますが、そういった野暮なセンサクはともかく……、超一流のシェフが大衆食堂の定食を肩の力を抜いて作ったような感じの面白さの珍重すべき映画です。
そういえば、沢村みつ子さん、春原政久監督若水ヤエ子主演の添え物映画にも何本か出ておられます。  
柳瀬志郎という役者、いつもそのスジの方のオーラを発しているかと思いきや、裕次郎主演のサラリーマンものの裕次郎の同僚役(「青年の樹」だったかな)や吉永小百合の「明日は咲こう花咲こう」の寿司職人の役などでは、 完全にそのオーラが払拭されていて、さすがにプロの名脇役なのだな、という感を強く持ったことがあります。
Commented by mukashinoeiga at 2017-10-09 01:05
阿部豊「浮気の季節」へのコメント、お邪魔ビンラディンさん、ども。
たしかに阿部豊、春原政久化していますね。若いころはアメリカにわたる野心があったのに、年取ると、添え物のプログラムピクチャアに落ち着くという。
中原早苗のTV番組、犯人の住所も情報提供者の住所も堂々公開って、個人情報保護法はおろか以前の様相に目がくらむばかり。昔はファン雑誌に映画スタアの住所も平然と記載され、まあ平和な?時代でした。
春原政久監督若水ヤエ子主演の添え物映画は何本か見ていますが、沢村みつ子さん記憶にありません。記憶に残れなかったのもイマイチ大成できなかった敗因なのかも。
柳瀬志郎、例えば東宝だったら普通のあんちゃん役者だったかもしれませんね。  昔の映画
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