人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中平康「誘惑」芦川いづみ左幸子中原早苗轟夕起子渡辺美佐子

 神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール」特集。57年、日活。デジタル上映。
 なかなか面白い快作コメディ。下記のあおりを受けたら、見ざるをえんでしょ。

中平康「誘惑」芦川いづみ左幸子中原早苗轟夕起子渡辺美佐子_e0178641_042420.jpg2. 誘惑 <神保町シアターHPより>
S32('57)/日活/白黒/スタンダード/1時間34分
■監督:中平康■原作:伊藤整■脚本:大橋参吉■撮影:山崎善弘■音楽:黛敏郎■美術:松山崇■出演:左幸子、葉山良二、芦川いづみ、千田是也、中原早苗、轟夕起子、渡辺美佐子、安井昌二
芦川ファンから絶大な支持を得る恋愛コメディの傑作。銀座で画廊を営む杉本(千田)は、芸術家グループの若者達の中に、初恋の人と瓜二つ娘を見つけるが…。少ない出番ながら場をさらう芦川の鮮烈な登場を目撃せよ!*デジタル上映

 やはり、思ったとおり既見作ですが、まあ内容は、まったく覚えてないので、ノープロブレム、そういう問題か(笑)。ただ、張ったりめいたあおりは、いささかオーヴァー(笑)。
 銀座で洋装店主・千田是也は、店員・渡辺美佐子を見ながら、心の中で(化粧もせずに、なんて無愛想な女なんだ。売り上げか落ちているのは、この女のせいに違いない)と、つぶやく。
 美佐子は(まあ、あの人、あたしのこと、じっと見ている。あたしに気があるのかしら)と、どぎまぎ。
 まあ、そういう「内なる声」ナレを多用しつつも、千田是也・左幸子親子をめぐる、軽快喜劇。
 左幸子は、本人たる娘と、その亡き母の、一人二役。
 芦川いづみも、本人たる娘と、その亡き母の、一人二役。
中平康「誘惑」芦川いづみ左幸子中原早苗轟夕起子渡辺美佐子_e0178641_0412072.jpg芦川いづみは、相変わらず愛らしいが、ぼくには、左幸子のよさが、わからない。
 魚を思わせる人間離れ?した顔。
 がらがら声だが、大原麗子のような声のつやもない。
 番茶も出花で、若い娘らしいが、だからといって、出ずっぱりの主演映画を見ても、楽しくもなんともない。
 彼女の出番は、ぼくには何の感情も呼び起こさない。
 自分には何の興味もない生物を観察しているような無味乾燥。苦痛だとは思わないが、見ていること自体が、無意味。
 同じく渡辺美佐子。この時期日活では、助演女優として、大部ハバを利かしているのだが、おそらく新劇女優にしては、美人で、愛嬌がある、という理由で重宝にされているのだろうが、これまた何の感情も、呼び覚まさない(笑)。
 まあ、サセレシアさんにとっての、飯田蝶子や三好栄子みたいな存在(笑)とは、言いすぎですね、はい。

中平康「誘惑」芦川いづみ左幸子中原早苗轟夕起子渡辺美佐子_e0178641_0425191.png で、ぼくにとっての、興味外の、幸子、美佐子、それに中原早苗が、だいぶノシている映画で、芦川いづみ、轟夕起子のふたりだけが、イップクの清涼剤(笑)。
 なお、左幸子の芸術家仲間に、ちっとも青年らしさのない青年・天本英世。左幸子のパーティーに招かれる青年に、セリフなしの宍戸錠、二谷英明。エキストラ状態なのに、存在感(笑)。
 千田の旧友に、東郷青児、岡本太郎。Movie Walkerでは、それぞれ西郷赤児、山本次郎というツマラン役名で記載されているが、実際の映画では、東郷青児、岡本太郎。こちのほうが、よほどすっきり。
 東郷青児の演技は演技とはいえない素人モノだが、目がイッチャっている岡本太郎、変質者役などで、もっと映画に出てほしかった(笑)。
 なお、回想シーンで、二十代の青年を、ノーメイクで演じる千田の不気味さ(笑)。中原早苗が「裕ちゃんや慎ちゃん」というくらいなのだから、千田の青年時代は、いっそ特出で、裕次郎あたりにやらせれば、よかったのでは、ないか。
 寝ている芦川にキスする千田。ちょっとエグすぎだろ。まんま美女と野獣ではないか。
 昔のアイドル女優は、容赦なくひどいシチュを演じサセラレル、という一例で。

★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

★にほんブログ村日本映画(邦画)★

by mukashinoeiga | 2016-03-17 19:19 | 芦川いづみ:青春快談いづみ晴れるか | Comments(2)

Commented by サセレシア at 2017-03-17 20:36 x
いやいや私にとっての蝶子先生や栄子刀自というのは、大変恐れ多く僭越では御座いますが所謂「慈悲」の心情で御座いまして、そう、ムカエイさん的に当てはめると賀原夏子嬢のような位置付けになるのではないでしょうか。

左幸子は「飢餓海峡」が印象に残って居りますが、テレビ(フジ)版「飢餓海峡」も良かったですな。三条泰子もエロかったし….。

私にとって中平康というのは「Mr.エキセントリック」でしょうか。
「四季の愛欲」のインパクトが未だ忘れられませんよ。
Commented by mukashinoeiga at 2017-03-18 02:11
中平康「誘惑」芦川いづみへのコメント、サセレシアさん、ども。
 いやいや賀原夏子に嬢はないと思いますよ(笑)。それほど賀原夏子にこだわるところを見ますと、サセレシアさんこそ賀原夏子に(笑)。いや、絶対そうでしょう(笑)。
 「四季の愛欲」は、あんまり覚えていませんが、関係ないかもしれませんが(笑)、倉本總脚本のTVドラマ「六羽のかもめ」で、高橋英樹?が「非情の四季」というTVドラマに出て、極寒の海に入らせられて、「これがほんとの非常識だ」といったのを、思い出しました(笑)。 昔の映画
名前
URL
削除用パスワード