ネットで拾った珍文:産経新聞

 いやあ、この起承転結の崩壊には、笑っちゃいましたよ。
★【日本人の座標軸(46)】今の青少年は「携帯を持ったサル」…スマホにない真の心の交流とは(1/3ページ) - 産経WEST★
 WEST大阪版だから、ぼくは紙媒体では、読めない。ネット時代ならではで、読めた。もっとも、それがお得かどうかは、また別の問題(笑)。以下引用。

 山上憶良が万葉集でこんな歌を詠んでいる。

 白銀(しろがね)も黄金(ごがね)も玉もなにせむに優れる宝子にしかめやも

 解説はいるまい。子供に勝る宝はないと歌っている。今から約1300年前、当時の子供の数は現在よりはるかに少なかったようだが、人間関係はむしろしっかりしていたようだ。
 今では連日のように子供が親に殺害されたり、虐待されたりする事件が起きている。近所同士が殺し合う事件も珍しくない。この歌が詠まれた頃は、電気も水道もない。
今思えば想像を超えた貧しい時代であったが、家族の絆ははるかに強かったのではなかろうか。
 過日、テレビを見ていると、女子高校生の4割が1日に6時間以上スマートフォンや携帯に時間をさいていると報道していた。多くの高校生や中学生が、平均数時間ネットを使っているという。
コミュニケーションは十分とれているように見えるが、それは仮想空間の世界で、現実は顔と顔が向き合った真の心の交流はないようだ。
 『ケータイを持ったサル「人間らしさ」の崩壊』(中公新書)を読んでいただきたい。今の青少年は携帯を持ったサルになっているのではなかろうか。
 大人も同じだ。東京に行ったおり、地下鉄に乗ると全員と言ってもよいほど、皆がケータイかスマホか知らないが、一心不乱になって親指を動かしておられた。
本を読んでいる人や会話をしている人はなく、「へー、何とまあ…」と思わず独り言を言ったことがあった。そうした体験をした数日後、偶然CS放送で映画「緑の小筺(こばこ)」を見た。概要は次の通りである。
 《ある日、妻のもとへ、夫が乗っている捕鯨船が難破したとの連絡が入る。思い悩んだ妻は床に伏してしまう。一人息子が「“お父さん早く帰ってきて”と書いた手紙をお父さんが作った木箱に入れて、家のそばの小川に流すと、お父さんに届くかもしれないね」と母に相談する。
雪の日の朝、願いを込めた手紙を、父が作った木箱に入れて小川に流す。木箱は川がいてついて止まったり、猿や野ウサギにけ飛ばされたりする。春になって氷が解けると、また流れ出す。
魚を釣っている少年に触られたりしながらダムを越えて、ようやく海に出る。最後は鯨に飲み込まれて胃袋の中に収る。
その木箱が偶然、捕鯨船上で鯨の胃袋を解体していた父の目にとまり、自分が作った木箱だと気づき、手紙を取り出して読む。父親は子供の願いに応えて故郷に帰り、久々に母子と再会する》
 有り得ないような話だが、私は小学生の頃、汗の臭いのする古い木造の体育館で、すきま風で波打つにわか作りのスクリーンに映されたセピア色のこの映画を、小さな胸をときめかせながら見たのを鮮明に覚えている。
もう70年近く昔の話だ。

 私が小学生の頃には、こんな歌がはやった。
 ♪とんとんとんからりと隣組 格子をあければ顔なじみ 廻して頂戴回覧板 知らせられたり 知らせたり…

 これが昔のコミュニティーの姿であった。近所同士の殺人事件などなかった。
今ではエベレストの頂上であろうと、地球の裏側であろうが、瞬時に携帯電話で話し合える時代になっている。しかし、その中に人間臭さや井戸端会議がみられない時代になったような気がする。

◇足立勝美氏は5月8日に死去しました。ご冥福をお祈りします。
■足立勝美(あだち・かつみ) 兵庫県立高校教諭、県立「但馬文教府」の長、豊岡高校長などを務め、平成10年に退職。24年、瑞宝小綬章受章。『教育の座標軸』など著書多数。個人通信「座標」をホームページで発信。養父市八鹿町在住。鳥取大農学部卒。 (引用終わり)

 山上憶良→ケータイ→映画「緑の小筺」→とんとんとんからりと隣組、このつながりに、なんら有機的関連性が、あるのか。
 少なくとも、ぼくには、丸きりの理解不能で(笑)。
 まあ、「遺作」らしいから、載せるのは、人情かもしれんが(笑)。
 丸きりの、言語明瞭意味不明の典型で。
 そつなく、いろいろのエピソードを団子のように串刺しして、体裁よくもっともらしく、まとめる新聞コラムの典型的珍品と見た。

 なお「これが昔のコミュニティーの姿であった。近所同士の殺人事件などなかった。」という、聞き捨てならない嘘八百がさらりと書かれていますが、これはいわゆる八つ墓村事件のような大量殺人でない限り、全国紙が全国的な大事件として過剰報道などしなかっただけの話。その時々のメディアの都合ですね。
 なお島耕二「緑の小筐」は、感想駄文済みでございます(笑)。

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by mukashinoeiga | 2015-05-31 10:32 | うわごと | Trackback | Comments(4)

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Commented by お邪魔ビンラディン at 2015-05-31 23:13 x
産経も、名コラムニストで鳴らした石井英夫さん退職後は、人材不足が目に余るようになったということでしょうかね。
まぁ、産経の優秀な人材は、それなりのポストに就く見込がないと分かった頃合に、イデオロギー的に反対なはずの朝日新聞に札束をちらつかせられて引き抜かれるんですから、朝日の政治的主張がマユツバものだというのは、この一事を以て推し量ることができようといったものです。
Commented by mukashinoeiga at 2015-06-01 23:15
ネットで拾った珍文:産経新聞へのコメント、お邪魔ビンラディンさん、ども。

>石井英夫さん
 ま、石井英夫さんも、今の産経抄に比べれば、それなにとは、思いますが。

>まぁ、産経の優秀な人材は、それなりのポストに就く見込がないと分かった頃合に、イデオロギー的に反対なはずの朝日新聞に札束をちらつかせられて引き抜かれるんですから、朝日の政治的主張がマユツバものだというのは、この一事を以て推し量ることができようといったものです。

 おお、具体的には、どういった方が(笑)。 昔の映画


Commented by お邪魔ビンラディン at 2015-06-01 23:56 x
産経から朝日に移籍した例をネットでググると、前「記者教育担当部長」の岡田力さんという方がおられますね。
「報道記者の原点:記者入門ガイド」(リーダーズノート出版)でググってみて著者略歴を御覧あれ(リンクを貼ると投稿できないようなので、ちょっとご面倒をおかけします。)
年収が大幅アップになるから、誘われたら喜んで移籍する産経の記者は多いと察しられますし、朝日は朝日で、新人を育成する経費を節約できるので、見込に反して育たなかったエリートの代わりを他社から補充するわけです。
もっとも、昭和の終わり頃までは、三面記事の文章は産経がいちばんしっかりしていました。もっとも、産経は縮刷版がないから、大きい図書館に行ってもウラを取るのに一苦労ですが、開高健もそう言っていたといえば、「そんなものかな」と思っていただけましょうか?
Commented by mukashinoeiga at 2015-06-03 08:00
ネットで拾った珍文:産経新聞記事へのコメント、お邪魔ビンラディンさん、ども。
 なるほど。お詳しい。産経、もとい、参考になります。そうか、産経は金がないから、縮刷版も作れないのか(笑)。どうりで一時期、昔の政治コラムを再掲載する、主張記事の名画座をやっていたわけで。 昔の映画
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