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沢島忠「若さま侍捕物帖 黒い椿」

 京橋にて。「日本映画史横断⑥ 東映時代劇の世界Part 2」特集。61年、東映京都。あと1回の上映。
 うーム、面白い(笑)。東映時代劇史上、いや、すでに、世界映画史上といっても過言ではない(笑)それくらい、本作は、もっとも意外な真犯人モノなのだ(笑)。
 ラスボスが明らかになったとき(笑)ワタクシは、アッと驚きましたね。
 よりによって*****とは(笑)。
 以下、完全ネタバレあり。

若さま侍捕物帖 黒い椿(94分・35mm・カラー) <フィルムセンターHPより>
シリーズ第9作。静養のため伊豆大島を訪れた若さまの前に現れた1人の美女、そしてその周囲で起こる連続殺人事件。本格的な謎解きとどんでん返しが繰り広げられる「ロマンティック・スリラー」(沢島)で、最高作の呼び声も高い。
1961(東映京都)(監)沢島忠(原)城昌幸(脚)鷹沢和善、山崎大助(撮)山岸長樹(美)井川德道(音)鈴木静一(出)大川橋藏、丘さとみ、青山京子、山形勲、田中春男、河野秋武、沢村宗之助、阿部九州男、千秋実、坂東吉弥、水野浩、中村時之介、尾形伸之介、時田一男、金剛麗子

 いや、上記解説ほど、本格的謎解きとは思いませんが(笑)確かに、もんのすごい、どんでん返しでは、ある(笑)。
 だが、まず、もっていいたいのは、大川橋蔵の絶対的アイドル魅力。
 江戸の名探偵若様が、伊豆大島で静養というところからして、シリーズ第9作の、苦肉の作を思わせるが(笑)。
 この橋蔵が、水も滴るいい男。絵に描いたさわやかさ。しかし、さわやかでありながら、味は濃厚で。
 普通、さわやか若様なら、さっぱりきっぱり、なのだが、その方面に目配りしつつ、なおも濃厚風味。
 寒流、もとい韓流アイドルもはだしで逃げ出す、二律背反の魅力が充実。さすが橋蔵。
 さっぱりおろしポン酢の牛丼、というべきか(笑)。

 えっえっえっ。今メモ帳でこれを書いてるのだが「かんりゅう」でも「はんりゅう」でも、「韓流」と変換できず。かつてはイの一番に変換候補に上がっていたはずなのに。とうしたんだ、かんりゅう(笑)。ここまで落ちぶれたか韓流(笑)。韓流休題、もとい閑話休題。

 青山京子が女将の、宿屋兼酒場に長逗留の若様。釣りに行っても、釣れずな、リフレッシュぶり。
 ちなみにこの青山京子が、50年代東宝の、輝くアイドル女優から様変わり、ジミーな二十代女優として、中途半端なヴァンプ役。この時期東映では、いつもの地味な、しかし名前だけはあるから、第二線の脇役女優。往年のファンは、がっくりという風情。
 そして、その旅館番頭が、田中春男。江戸にあっても伊豆大島にあっても、常に関西弁。今回の特集パート1と2を、含めて常に東映時代劇に登場し、どの地域にいても、必ず関西弁。ぺらぺらしゃべるが、情けない軽輩ばかり。
 まさに、絵に描いた軽薄才子、こづるい小悪党、そういう、アクセントともいうべき小物ばかり快演している役者。

 このふたりの宿屋に橋蔵が投宿し、そこに奇怪な老婆、あこぎな網元、謎の修験者、怪しい人物が次々と現れるなかで、連続殺人が。
 そういった怪しげな人物満載の中で、真犯人が、いつも優しげな関西弁の、アクセント役者なんだからなあ(笑)。一本まいりました。ナイス・キャスティング。

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by mukashinoeiga | 2015-05-08 03:30 | 旧作日本映画感想文 | Comments(2)

Commented by なご壱 at 2015-05-10 06:17 x
昨日 鑑賞しましたが、フイルムセンターほぼ満席の盛況でした。若さまに犯人と見破られた時の田中春男は、さすがに悪役顔メイクでしたね。丘さともは、深きょんの若い時みたいで、可愛かったです。
Commented by mukashinoeiga at 2015-05-10 07:24
沢島忠「若さま侍捕物帖 黒い椿」へのコメント、なご壱さん、ども。
 アイドル橋蔵人気は、おとろえず、といったところでしょうか。悪役メイクに変化、とは、気づかなかった(笑)。
 丘さとみ、丸顔美人ですよね、ころころしてかわいい。 昔の映画
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