低脳おバカなシネマヴェーラ映写技師

 渋谷シネマヴェーラに、「日本のオジサマⅡ 佐分利信の世界」特集の、佐分利信「広場の孤独(廣場の孤獨)」吉村公三郎「誘惑」の2本立てを見に行った。
 「誘惑」は、既見作なので、時間の都合上、途中から入って、「誘惑」後半→「広場の孤独」→「誘惑」前半と、見ようと思う。
 ということで、「誘惑」後半に入ったら、なんだか、やたらと、音量が、でかい。サブリンもハラセツも怒鳴るように、しゃべっている、しっとりとしたメロドラマなのに。しかも昔のサントラなので、ノイズがガーガーうるさい。
 これは、恋愛ドラマとしては、つや消しだあな、と見ていた(いや、聞いていた)。
 で、「広場の孤独」のあと、「誘惑」前半が始まるや、なんだか、音声が異常に小さい
 すべてのせりふが、かろうじて聞き取れるほどの、ささやき声。
 伴奏音楽も、喫茶店のイージーリスニングのBGMより、小さい。
 いや、これより小音なら、せりふが聞き取れず、外に出て、抗議にしにいくレヴェル。
 しかし、耳を澄まして、聞き取れるレヴェル。
 ははあ、これは、前回の「爆音」を、客に抗議されて、低くしたな。
 しかし、ノイズ消去を目的にしたため、異常な微音に。過剰反応。
 バカだろ、シネマヴェーラ。
 爆音の次は超微音。「適切」という言葉は、シネマヴェーラの辞書には、ないのか。
 本作は、おそらくエリア一本のデンシティと呼ばれる旧世代サウンドトラック。並行した二本の、比較的細い線の帯のギザギザで音声を取り込んだものではなく、その前世代にあたる一本の太いサントラの「濃淡」で、音声を記録したものと思われる。
 デンシティのローテク・サントラなら、摩滅したフィルムなら、ノイズは、つねに、確実に「拾う」。
 だから、「適切な音量」は、聞き取りやすい音量であると同時に、いかに、よりノイズを低く聞かせるかの、せめぎあいであり、つまり、プリント一本一本の最適音量は、すべて、違う、と思わなければならない。
 シネマヴェーラは、おそらく、事前に、プリントの点検をして、その「画像」の劣悪を把握しているかと、思う。ならば、同時に、それぞれのプリントの、最適音量も、把握すべきである。これは、画像点検より、簡単であろう(ただし、技術的失敗から、いわゆるリールごとに違う可能性も、否定できないし、完璧なノイズ除去は、おそらく今回のように、超微音にするしかないのだが)。
 しかし、この極端に走った音量差は、観客には、完全に迷惑であろう。ほとんどの観客は、その一回の上映しか見ないのだから、一期一会の上映不適切は、個々の観客に、相当のダメージだろう。ぼくは、たまたま途中入場ゆえに、その極端なブレに気づいた。

 とは、いうものの、映画好きであるだけでなく、映画館好きでもあるぼくは、その上映ミスですら、楽しい(笑)ヘンタイでございます。
 正常かつ適切に上映された場合「だけではなく」、その「ズレ」「揺れ」「漏れ」「ボケ」も、ヴァリアントのひとつとして、楽しい(笑)。
 超微音で、すべてのせりふが、そこはかとないささやき声になるなか、ボーヨーとしたサブリンののほほん声が、かすかに聞こえ、ハラセツの愛らしいささやき声がほのかに聞こえる。
 微音映画祭として、個人的には、楽しんだ。
 にしても、シネマヴェーラ、ホントウにバカ(笑)。

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★
[PR]

by mukashinoeiga | 2014-10-22 23:34 | うわごと | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://mukasieiga.exblog.jp/tb/22496281
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前
URL
削除用パスワード