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木村荘十二「海ッ子山ッ子」

 阿佐ヶ谷にて。「お茶の間からスクリーンへ!劇場版のお・た・の・し・み」特集。59年、桜映画社。
 日本映画データベースによれば、(当時の)配給=日活とのことだが、現在のプリントのクレジットには、日活のカンパニー・ロゴは、ない。16ミリ上映。2/4(火)まで上映中。
 静岡のとある漁村。新たに赴任した小学校の先生。という、最近何本も見ている学校赴任モノだが、今回の教師は、新米にあらず。青年とおじさんの中間位の、半ヴェテラン。よく知らない役者が演じている。
 で、ここの地域では海辺の子供たちと、山辺の子供たちが、反目し合っていて、合えばいつも喧嘩になる。
 表記は、ラピュタのチラシと下記Movie Walkerで異なり(画面ではどう表示されていたか、しかと記憶なし)、さらに映画の中では海っ子は、磯っ子と呼ばれていた。
 公募で選ばれた子役たちが素晴らしい。特に山っ子代表が最高。
 大人たちも、地味な俳優ばかりだが、よろしい。しかし神主役の小笠原章二郎、例によって喜怒哀楽の薄い表情で、ちょっと偏執狂じみたマスクもあり、こんなほのぼの映画に出ていても、油断がならない(笑)。脇役なのに、つっころばし、という稀有な人。
 この映画では、一番の有名俳優は、飯田蝶子か。歌も披露して、相変わらず好調。
 なお、個人的には、有田紀子の、かわいいバスガールが見られて楽しかった。有田紀子は木下恵介「野菊のごとき君なりき」で、薄幸のまま若死に、木下恵介「夕やけ雲」で病弱娘、暗い役が多いが、本作のふっくら健康美の彼女が、好ましい。この路線で、なぜもっと活躍できなかったのか、と。
 ただし、本作の最大の見所は、海っ子少年の飼い犬。超名犬。泳ぐわ、走るわ、大活躍。日本映画に出演した犬たちのなかでも、最高の「演技」を誇る。感動した(笑)。

★海っ子山っ子|Movie Walker★

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by mukashinoeiga | 2014-02-04 06:29 | 旧作日本映画感想文 | Comments(2)

Commented by なご壱 at 2014-02-08 06:17 x
製作は、今でも児童映画を作っている桜映画社ですが、配給は日活だったのですね。クレジットに第20回ベネチア映画祭サンジョルジュ賞受賞とクレジットされています。本当にこの映画では、テツという犬が大活躍しmすね。配役で紀州犬のテツとクレジットされていたのもうなずけます。俳優は地味な人が多かったですが、礒っ子のゴリラの父親役の新劇の松本克平がさすがの演技を見せていました。
Commented by mukashinoeiga at 2014-02-08 21:05
木村荘十二「海ッ子山ッ子」へのコメント、なご壱さん、ども。
 そうでした。冒頭クレジットで、受賞告知があったのに、どこの映画祭なのか忘れてしまい、御指摘、ありがとうです。
 あの名犬、おそらく地元の漁師に飼われていたのでしょう、船が接岸する際、自然に舳先に位置を取り、陸に上がるのが、ごくごく自然で、船に乗りなれている感じ。
 本当にクレバーな犬で。ほれぼれ。  昔の映画
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