人気ブログランキング | 話題のタグを見る

山田洋次・阿部勉「京都太秦物語」

 京橋にて。「映画監督 山田洋次」特集。10年、学校法人立命館=松竹、配給松竹。
 旧大映京都撮影所(いまは「羅生門」ベネチア映画祭グランプリの賞杯展示が現存するのみ)周りの商店街、および立命館大学構内を舞台にした、今では、いささか古風なラヴ・ストーリー。
 松竹のプロと、学生のコラボ。しかし、アマチュアっぽさは、ほとんどない。
 さらに言えば、監督は山田洋次と、彼の作品多数で助監督の阿部勉による共同。山田は名前貸しか監修程度なのか、それともしっかりコラボしているのかは、わからない。
 まあ、素人が見て、その内実がわかるようでは、どうしようもないけれど。
 商店街のクリーニング屋の娘と、豆腐屋の息子の恋物語。それに短期で立命館に来ている熱血助手が、娘に一目ぼれ。懸命にプロポーズして、娘心を動揺させる。
 それぞれの両親たち、商店街の人たちは、実際にこの町でクリーニング屋なり豆腐屋なりを営んでいる、実在の人たち。彼らが、子供相手に演技もし、ドキュメントで、素のままにインタヴューを受けたりする。
 大部分はフィクションのドラマに、時折素人のドキュメントが混じる。さらにややこしいのは、一応プロの芸能人(達者ではあるが、まだ、俳優というほどのキャリアはないだろう)が演じる子供たちも、また、インタヴューを受け、素人風に受け答えするさまが、シロウトっぽくなくて、気に障るという。
 この混在が、まあ気色はよろしくはないが、それほどには気にならない。純粋商業映画ではないので、山田洋次も、ちょっとヌーベルバーグしてみました、といったところか。やっぱり松竹ヌーベルバーグの大島渚たちを、少しは気にしてたんだねー、山田洋次(笑)。もっとも、このドキュメント挿入は、阿部勉パートか、いやいや、案外学生たちの提案・撮影で、山田も「まあ、学生たちの意見も取り入れてみるか、そういうコラボだしな」と、苦笑いの図なのかもね。
 満載の初々しさ、という点で、古風ではあるが。山田洋次おなじみのキャラ、まったく空気を読めないインテリさん(田中宗太郎)の、浮世ぱなれギャグ担当も、暑苦しくて、ブザマで、よい。ただし、いつもながらの類型的山田コメディ。

 ヒロイン海老瀬はなグッド。ややアマチュアっぽい絶叫演技が鼻につくも、新人女優としては、健闘している。
 彼女の今彼が、豆腐屋の息子。芸名はUSA。うさ、と読むらしいエグザイルの人らしい。よくわからん(笑)。
この彼が「売れない芸人」で、次から次へとオーディションに落ちている。こういうパターンは、よくあって、しかも「笑えない芸人」の、しけたパフォーマンスを、延々と見せられるのは、実につらいことなのよ(笑)。こういう、見ていてうんざりするような設定は、やめてほしい。観客のテンションを、確実に下げ続ける設定に、何の意味が(笑)。
 そんなUSAも、本芸であるらしいダンスでは、キレを見せる。まあだ、こっちのほうが、見ていて楽しい。
 なお、海老瀬はなの妹役の子が、白いセーラー服のお乳をぱっつんぱっつんに盛り上げていて、山田洋次映画史上最高(笑)の肉体派。西田麻衣。これも、完全自作でない上の、ちょっとした冒険か、学生の意見か(笑)。
 ただし、この姉妹役、二人とも演技はうまい。もっと、活躍してしかるべき。

西田麻衣 にしだまい - 赤紅內衣誘惑


京都太秦物語 予告編


学生予告編「京都太秦物語」1


学生予告編「京都太秦物語」2


★京都太秦物語|Movie Walker★

★新・今、そこにある映画★日本映画・外国映画の、新作感想兄弟ブログ。
★映画流れ者★当ブログへの感想・質問・指導・いちゃ問はこちらへ

★人気ブログランキング・日本映画★
↑↓クリックしていただければ、ランクが上がります(笑)。
にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
★にほんブログ村・名作なつかし映画★

by mukashinoeiga | 2014-02-02 09:08 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード