神山征二郎「三たびの海峡」仰天の仕掛け

 池袋にて。「渾身の役者魂 名優・三国連太郎を偲ぶ」特集。95年、アルゴ・ピクチャーズ。
 ★神山征二郎「三たびの海峡」出自のでたらめぶり★の、前フリに、引き続いての、映画の感想駄文。
 主人公・李鐘浩(新人、老年時代を三国連太郎)、永島敏行、有薗芳記、趙方豪ら、当時の日本国臣民、朝鮮系日本人らは、日本に自由意志で連れてこられ、しかし募集要項とはまったく違う過酷な労働、虐待を受けた。
 虐待したのは、日本人炭鉱管理者(隆大介)や、その手先となった、先輩格の朝鮮人同胞である。日本人管理者たちによる虐待も、ひどいが、先輩同胞による、同胞いじめも、ひどい。帝国日本軍時代、アジア各地でアジア人多数を虐待、虐殺されたとされるが、そのかなりが、実は朝鮮系日本人であるという説も、うなづける。朝鮮人の「事大主義」、つねに強い方につき、そのつよい宗主国に媚を売るかのように、その宗主国以上の残虐を繰り返す。
 その朝鮮先輩が怒りのあまり、からだを上下方向に強く震わせ、つまり「立ったままでのてんかん状態」?で、朝鮮後輩に、怒りの鉄拳。
 これが、話に聞く「火病」というものであろうか。この「朝鮮人のみに固有の精神病」描写は、映画では、はじめて見た気がする。もっとも「火病」という言葉を知らなければ、「怒りのあまり体を異常に震わせている」としか、認識できないであろう。
 この「火病」の朝鮮先輩を演じているのは、その顔かたちからしておそらく在日の新人であろう。クレジットで草薙という苗字のみ、認識。下は、読めなかった(日本映画情報システムで確認したら、草薙仁)。この人物の晩年を草薙幸二郎が演じている(病院のベッドで、三国にイヤミな見舞いを受ける)から、おそらく草薙幸二郎の息子あたりだろうか。なかなかの名演「火病」である。

 主人公・李鐘浩は、あまりに過酷な虐待に命からがら炭鉱から逃げ出し、朝鮮人部落の樹木希林、在日ヤクザ・白竜の助けを得て、朝鮮系ヤクザの「安川組」に、身を寄せる。組長夫婦に岩城滉一、伊佐山ひろ子とは、わかりやすい。みんなニコニコしていて、いかにも親切な在日ヤクザ一家、というのが、妙に、可笑しい。
 胡乱な顔つきは、たまに出入りしている程度の白竜くらい。
 で、この一家のやさしさを象徴しているのが、どう見ても朝鮮系には見えない、風間杜夫。朝鮮系には見えないばかりか、ヤクザにも見えない(笑)穏やかさ。岩城組長に命じられて、いやそれ以上の面倒見のよさで、主人公の面倒を見る。これがうわさに聞く「良心的日本人」というものであろうか(笑)。
 この映画、戦時中パートは、若手の李鐘浩、草薙仁が演じた役を、映画の現代では、三国連太郎や草薙幸二郎が、引き継いでいる。ところが善玉日本人・風間や、アクマな所業の日本人・隆大介は、老け作りメイクで、両方の時代に登場。ナンだろう、この本作における朝鮮人と日本人の「区別」は。
 日本人は、戦時中も現在も、その本質は、まったく変わっていません、ということか。まあ、朝鮮人は、時代によって、ころころ変わる、というのは、確かだが。
 さて善玉・風間、年下のはずの李を戦時中も親身に面倒を見ただけでなく、戦後も三国を「会長」「会長」としたい、まるで三国の従者のごとく、足の悪いのに、三国の過去彷徨に、付き合う。というか、付き従う。
 ああ、そういうことか。そういう仕掛けだったのか。
 戦時中パートの主人公・李鐘浩は、明らかに風間より、年下感。
 ところが、戦後パートでは、三国と、老け作り風間とは、重量感は、三国が段違い。老けメイク風間、軽すぎ。風間、三国にぺこぺこ。
さらにいえば、戦時中パートの主人公・李鐘浩は、炭鉱管理者・隆大介に、まったく手が出ない。
 ところが、戦後パートでは、三国と、老け作り隆大介とは、重量感は、三国が段違い。老けメイク隆大介、悪役としてもぺらっぺらっ。
 戦時中は、残念ながら、朝鮮人は、日本人に、完敗だった。
 しかし、戦後の朝鮮人は、違いまっせ。朝鮮人役・三国連太郎と、ぺらい老け作りメイクの風間・隆との、格の違いを見よ(笑)。というわけで、名優・三国は、この映画に起用された、と(笑)。日本人との現在における「格の違い」偽りの日朝逆転を見せ付けるために
 
 まあ、あだしごとは、さておき。
 主人公・李鐘浩が、安川組時代に相思相愛になる、日本人戦争未亡人に、当時絶頂の美貌の南野陽子。南野陽子が出てくると、とたんにアイドル映画調になるのが、可笑しい。まあ、彼女の演技も、アイドル調だが。
安い、記憶に残らない主題歌も流れる。歌っているのは、在日の歌手か。
 タイアップ臭がぷんぷんする、三流映画のつくり
 隆大介が過去の悪行をないことにして、いまや地元市長選の最有力候補、その過去を追及する三国、これは、過去に三国が追及される側を演じた内田吐夢「飢餓海峡」のパクリか。そういや、タイトルもパクリだ。
 その隆と三国が対決する、荒廃したボタ山のススキ?が、強風に渦巻くさまは、黒沢明「姿三四郎」そのまんま。
 きわめて重要なシーンとなるべきはずの、「李鐘浩と風間が、ボタ山に朝鮮人の墓を立てた」シーン、「南野陽子が、夫・李鐘浩を捨てて韓国から日本に逃げ帰る」シーンが、あとから、単に会話として回想されるだけなのは、ちょっとヘン。まあ、尺が長くなる、ということで削除されたのだろうが。
 結論。「良心的日本人」神山征日郎、もとい神山征二郎の、安い映画では、あったか。

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by mukashinoeiga | 2013-08-25 12:15 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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