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三池崇史「藁の楯」+「極道戦国史 不動」

 ここ10年くらいの三池映画では、群を抜いて面白い。「DEAD OR ALIVE」以来の快作か。
 「忍たま乱太郎」「悪の教典」など、未見のママ言わせていただければ、突出して、面白い。
 日本映画離れした、ハリウッド・レヴェルに肉薄した、アクション快作だろう。オススメ。
 大沢たかお、松嶋菜々子、ナイス。
 ただし、もちろん、スーパーではない。そこが、ちと、カキンで。
 原作はマンガ「ビーバップ・ハイスクール」作者、映画「カルロス」「鉄と鉛」など監督(監督作は、みな、すばらしい)のきうちかずひろ(木内一裕)。
 変態連続殺人犯・藤原竜也と、それを警視庁まで、護送する大沢たかお・松嶋菜々子ら。車、新幹線、徒歩による、東京までの、ロード・アクション。ハリウッドに比べるまでもなく、アクション映画には弱い日本映画としては、かなり、がんばっていると思う。
 もちろん映画撮影に対する規制が、世界一きつい日本では、撮影できない部分は、台湾で撮影された。映画原作者・脚本家・監督・主演者を経験していた石原慎太郎が、都知事にいた時代に、その撮影に関する規制が溶けるか、と思われたが、ならなかった。
 この点に関しては、強く石原慎太郎を批判したい。お前は、映画に対する、裏切り者だ。
 犯人移送、要人移送については、これまで小説、映画でも、さまざまなものがあった。いずれも、面白いジャンルである。 
 なお、次の予告クリップのあとに、ラストシーンについての、ネタバレを、書きます。
『藁の楯 わらのたて』本予告

 ただし凶悪犯人役の藤原竜也は、笑顔が愛らしすきて、やばい感じが、まったくしないミスキャスト。このひと、演技も、昔っから、凡庸すぎるので(ニュアンスが、まったく、ないのよ)、サイコの雰囲気絶無。
 この役は、無名の、未知の、役者がやるべきだった。たとえば、初期三池映画で言えば、北村一輝のような。
 初期三池映画の、女を女と思わない、女性蔑視?の扱い、その「片鱗が「おばさんくさい」松嶋菜々子に、かすかに現れていて、うむ、やはり三池は、こうでなくっちゃ(笑)。ただし、松嶋菜々子自身は、めちゃくちゃカッコイイ、かつ、美しいことは、いうまでもない。
 この内容で、三池で、レイティングが、R12でもR15にもならないのは、明らかに「まずい」だろ。どっちみち、そういう縛りがあってもなくても、観客動員数は、変わらないはず。なら、どうして、「一般映画にする」必然性があったのか。ないだろ。
 SP大沢、松嶋の、直属上司の本田博太郎係長が、むさい無精ひげなのは、ちょっと。SPの直属上司なら、その対象は、上級クラスの政治家だったりするから、身だしなみは大事だろ。あえて、そこを、汚れキャラにするのは、意図バレバレだと思うが(笑)。

 そう、ラストシーンについての、ネタバレだった。
 ラスト、松嶋菜々子の遺児である少年が、にこっと微笑む。目当ての「優しいおじさん」を、見つけたせいだ。やっと、傷跡癒えた、大沢たかお・・・・が、松嶋の遺児と、仲良く生きていく・・・・なんだけど、ぼくは、その前のシーンがあったので、結構ドキドキして、見てましたね。
 その前のシーン、裁判での最後の弁明で、藤原竜也が、
「後悔、反省しています。どうせ、死刑になるんだったら、もっと、ヤっておけば、よかったかなって」
 だから、そのすぐあとのシーン、たぶん、大沢たかおなんだろうけれど、三池は、意図的に、大沢の顔をアップにしない。映画館の2列目で見ていても、大画面の中で「大沢の顔」は、米粒以下だ。果たして、大沢たかおなのか。判別できないのだ。この、判別されなさ具合は、わざとやっているはずだ。
 疑いだすと、なんとなく髪形も、違うような(笑)。まあ、長い入院生活で髪形くらいは変化するだろうが。
 ひょっとしたら、「新たなロリコン変態さん」が、「優しいおじさん」を装って、松嶋の遺児に「毒牙」を、むき出しにしているのではないか。むしろ、それこそが、三池映画の、タッチでは(笑)。母子二代にわたって、「変態さん」の犠牲になる、念入りのダメ押し?
 「一般映画」にするために、大沢たかお。と、見せかけて・・・・、ということだろうか。

◎おまけ◎比べ物にならない、三池の傑作の一本
Fudoh - The New Generation 極道戦国志 不動 (1997)


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by mukashinoeiga | 2013-05-03 23:49 | 傑作・快作の森 | Comments(0)

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