マーク・サンドリッチ「踊らん哉」
渋谷にて。「映画史上の名作7」特集。37年、アメリカ。デジタル上映。
人気ショー・ダンサー、ジンジャー・ロジャースに、一方的に恋する、人気バレエ・ダンサー、フレッド・アステアの、恋愛合戦とダンス合戦。邦題は原題「Shall We Dance」の、名訳だなあ。
アステアとロジャース、フェリーニふうに言うとジンジャー&フレッドの、ダンスを見ているだけで、ただただ、ため息。優美かつ華麗。ホントに、ため息しか、出てこない。特に、ローラースケート・ダンスの楽しさたるや。
しかし、単なるダンス・ショーだけでは、一本の映画としては、退屈だ。アステアの演技も歌も愛嬌ある楽しさと、エバート・エヴァレット・ホートン(アステアのマネージャー役)の、ボケ演技が加わり、コメディ演技としても、一流になる。いや、ほんと、E.E.ホートンの、毎度毎度のボケギャグの顔を見ていると、癒されるなー。世界一のボケ顔や。あの、相手の無茶ぶりを平然と聞き流して、次の瞬間、驚くというホートンの、いつもの、ほのぼの定番ギャグが、楽しい。
ラストのダンスは、誤解から失踪したロジャースを思ったアステアが、バックダンサーたちに、ロジャースの顔をコピーしたマスクをかぶせ、華麗かつ不気味なマスク・ダンス。それを見たジンジャーが、自らの顔を模したマスクで加わり、いささかビザールなダンス・シーンになる趣向。マスクをとったジンジャーも、その顔はマスクのような、という倒錯的なクライマックス。傑作だ。
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by mukashinoeiga | 2012-09-03 00:12 | 旧作外国映画感想文 | Comments(0)