武智鉄二「白日夢2」

 渋谷にて。「武智映画100年 孤高の表現者とそのむすめ」特集。87年、グローバル映画。
e0178641_22491023.jpg 本作が、18禁というのは、納得。映画の大部分が、セックスシーン。
 顔からして、お下劣なまでに、性欲満々なフェロモン顔の愛染恭子が主演。この、フェロモン顔が、お下劣大好きな武智映画に、合う合う。
 和服の若い女性が、突然の歯痛で「この近くに歯医者さんはありませんか?」、ということで歯科医院に行くと、女医さんが愛染。「抜歯しましょう」、これまたお下劣そうな看護婦ふたりに麻酔を命じると、部分麻酔にあらず、全身麻酔。かくて、和服の娘は、裸にされ、女医、看護婦のトリオに、からだじゅうを舐めまくられて・…。
 娘は、はだかで監禁されて、女に、犯されまくる。男にも、愛される。
 娘(霧浪千寿という、いかにも武智な、歌舞伎由来の芸名)、けっこう、かわいい。この後、活躍したのか、どうか。
 その彼女が、ベッドルームにはだかで監禁されて、ドアを開けると、海だったり、交通の激しい道路だったり、原色のお花畑だったりの、サイケな合成。うーむ、凡庸。
 ただし、彼女が、ついに部屋を脱出、深夜の無人の住宅街を、はだかで歩き、深夜のホームにはだかで立ち尽くし、やってきた江ノ電にはだかで乗る、という描写は、なかなかいい。
 乗った江ノ電電車は、ふつうの江ノ電だが、その内部は、なぜか昭和初期風の木造づくり。その古風な無人列車に、はだかの彼女。車窓には、沿線風景が流れる合成。
 その、マスクを切った合成場面が、質感の悪い、いかにも合成ですの、あからさま。そこに、愛染や若い男が出現して、彼女を責めたり、愛し合ったり。合成車窓をバックにしたこのやり取り、なんだか大林宣彦が、ポルノを撮っているみたいな味わい。いいなあ。
 ほとんど、意味もなく、菅貫太郎が、いくつかの役で、画面を彩る? 黒マントの怪人だったり、江ノ電の車掌だったり。

 また、セックスシーンでは、ほんらい日本の映画としては、ボカシが入る箇所に、合成画面。
 犯される霧浪千寿の、股間部分に、霧浪千寿の別角度からのあえぎ顔や、愛染恭子の舐めてる顔が、文字通りインサートされ、まあ、これはこれで、アイディア。無粋なぼかし、黒味より、はるかに、いい。
 しかも、股間のあえぎ顔が、微妙に、別角度、微妙に時差があり、これは、日本映画のボカシ史上、稀有なすばらしさ。
◎追記◎鈴木清順「殺しの烙印」。監督未詳のまま、おそらく編集・丹治睦夫が、(あるいは会社に命じられて)独断でつけた大胆な黒味(宍戸錠の股間などに)、といっても、大体は、鈴木清順、日活時代はあんまり編集に立ち会わないと公言している以上、俺は、そんなの知らない、なんていいワケは通じない。しかも、おそらく、原典は鈴木清順「けんかえれじい」(編集・丹治睦夫)の会津中学シーンでの、大胆な黒味だろう。というわけで、日本映画の黒味史上最強の黒味は、「殺しの烙印」「けんかえれじい」ね。

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by mukashinoeiga | 2012-08-03 10:28 | 旧作日本映画感想文 | Trackback | Comments(0)

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