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江崎実生「続 女の警察」小林旭郷瑛冶小山明子丘みつ子牧紀子小山ルミ青江三奈高品格崔蘭芳

 三原橋にて。「小山明子映画祭」特集。69年、日活。
 銀座で、バーやクラブやら7店を経営する、会社の、人事部長兼保安部長が、小林旭。人事の仕事は、要するにホステスのスカウトで。保安とは、ホステスたちのヨロズ揉め事相談。これを「女の警察」というわけだ。原作は、梶山季之。
江崎実生「続 女の警察」小林旭郷瑛冶小山明子丘みつ子牧紀子小山ルミ青江三奈高品格崔蘭芳_e0178641_663352.png で、弱い女の立場で受ける、男の暴力、無理やり借金漬けにされて、他店から強制的な引き抜き、というわなを、ずばずば断ち切る、小林旭に、ホステスたちはみんな、ホレるのも、道理という展開。
 手下の郷瑛冶(例によって快演)共々の、悪漢とのアクションは、従来どおりの日活アクション。で、従来どおりの日活アクションと違うのは、ヒーロー小林旭が、次々女と、キスシーン、ベッドシーン。

 特に、ホステス牧紀子とのベッドシーンは、日活アクションとしては濃厚で、もう少し裸とエロを強調すれば、そのまま、日活ロマンポルノになってしまうほど。もう、ほとんどロマンポルノ、という状態のベッドシーンだ。禁欲的な日活アクション(非濃厚キスさえほとんどなし)から、いきなりロマンポルノへ移行した日活のミッシング・リンクというべき作品か(笑)。
 なんせ、局所を隠すために、ベッド前にファンシーな置物があるなんて、ロマンポルノそのまま。牧紀子のあえぎ顔、脚の見せ具合、とても清純一筋日活アクションとは思えない、オドロキの展開で。これで旭の腰使い、牧の胸露出があれば、完全にロマンポルノだ。

 牧紀子! 本作のちょっと前まで、松竹で清純派スタアとして、鳴らした、あるいは鳴らしかけた(笑)松竹期待の新人スタアが、主演作も何本かあったのに、今や日活に流れて、クレジットも、その他大勢クラス。出番は、クレジットに比して結構あるのだが、どっかりした大人のマスクは、いまやかつての清純派より、色気を売りにして、来るべき日活ロマンポルノを準備するかのような、濃厚なベッドシーン。
 期待されたのは、日活女優にない妖艶さか。旭は、クラブのママ・小山明子ともキス、もっとも、小山明子は、同じ松竹でも、牧よりはランクが上な女優なので、キスどまり(笑)。ただし、結構濃厚なキス。
 さらに、崔蘭芳とも、キス。若かりし頃の回想シーンでの、丘みつ子(小山明子の妹という設定で、悪漢に、殺されている)とは、キスシーンは、なし。
 つまり、丘は清純派日活女優であり、ホステス役であっても、旭は日活女優とのキスシーンは、ありえないのだ。キスしたりベッドで絡んだりは、元松竹女優や、香港女優などの、トザマ女優ばかり。
 なお、ハーフ顔の美少女も、藤竜也の探偵さんの依頼人として登場。やっぱり、小山ルミ。彼女は、確か別の日活作品にも、松竹にも出たことがあるかに記憶しているが、あまりに若すぎて、清純派を維持。
 かすかに、日活映画特有の清純性を残しつつ、ロマンポルノへの移行を準備する。深い(笑)。

 なお、本作の特異性は、全編にわたって、女優、および旭の、瞳に星、つやつやリップに星、白い歯に星、アクセサリーに星、と、なんとなんと、おそらくほぼ全部のショットに、紗をかけて、撮影されている!
 なんか、全体に滲んだプリントだなあ(古いプリントであり、若干の退色)と、思ったら、そういうことなのね。こんな映画、始めて見たような。歌何曲か&演技いくつかの、青江三奈以下の、女優さんを、華やかなホステスに仕立てるためなのだろうか。それにしても、崔蘭芳の父・高品格(例によって片言の日本語)まで、紗、かけちゃあね(笑)。紗に構えすぎ映画。

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by mukashinoeiga | 2012-05-27 20:49 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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