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鷹森立一「続浪曲子守唄」真田広之6歳千葉真一田中邦衛小山明子大原麗子嵐寛寿郎河津清三郎

 三原橋にて。「小山明子映画祭」特集。67年、東映。
 本特集のサブタイトルは「日本のヌーベルバーグ」、しかし、今回の2本立ては、ヌーベルバーグならぬ、ズブズブのB級娯楽映画。しかも「続浪曲子守唄」「続 女の警察」というゾクゾクする2本立てで。当方も、それぞれの第1作を未見のまま、ゾクゾクと続と続を見る。5/23(水)まで。
 ムショからいっしょに出所する、千葉真一と田中邦衛。いったん別れ別れになるのだが、のちに再会すると、わらじを脱いだ組と組が敵対しているので、敵対関係になるというのは、お約束で。
 邦衛は、いかにも悪いヤクザの親分・河津清三郎の客分となり、チバシンは、女物の腰巻を売る、香具師になる。寅さんとまでは行かないが、達者なタンカ売。そして、夫の親分を、河津に殺されて、跡目を継いでいる小山明子(with嵐寛寿郎)の、元に、身を寄せる。新潟県は十日町ロケ。狭い地域で、登場人物たちが再会するのは理不尽だが、お約束。
 本作のクレジット一枚目は、「千葉真一 下沢広之 大原麗子」と3名連記。小山明子は、トメで、単独表記。下沢広之は、千葉の息子役で、出番かなり多く、実質、チバシンとのダブル主演。この少年が、のちにチバシンともJACで師弟関係になる真田広之、6歳の姿だという。
 監督の鷹森立一も、たしかJAC(ジャパン・アクション・クラブと、今は、フルネームを言わないと、通じないか)時代のチバシン・真田ダブル主演アクション映画を監督したという記憶がある。因縁浅からぬ東映トリオだ。
 6歳の子役に、のちの真田のおもかげは・…あるといえばあるし、ないといえば、ワカラナイ。そうなのか、という程度。たしかに、きりりとした表情は、おもかげありか。笑った表情は、別人なのは、仕方ない。ホントの子供の顔。鈴木福クン系のやんちゃな顔と演技。6歳としては、天然の演技の好ましさ。
 これが、真田広之、大人になると、二枚目のアクション・スタアになるので、妙につっころばしの演技になってしまう。千葉真一も、本作の頃は好青年、なかなかいい。ところが、「仁義なき戦い」の伝説の怪演(「オメコの汁で、メシ喰ってるんで」杉作J太郎によれば、日本映画史上、最も下品な台詞)、石井輝男「直撃地獄拳」の珍演、をへて、これも、なぜかつっころばし風?の演技に移行・同化したかのような?印象。
 本作のチバシン、下沢広之、ほんとに好ましい。
 なお、本作は、当時の大ヒット曲、一節太郎(本作でも歌唱出演あり) 「浪曲子守唄」をフィーチャーしたものだが、確か、記憶では、
♪「逃~げた女房に、未練はないが~お乳、ほしがるこの子が、可愛い」
 しかし、下沢広之は乳児ではないし(乳児に、当然、演技は出来ない)、チバシンの妻は病死と説明される。ゆいいつ、チバシンが、服役中に息子を預けた娘が行方不明。彼女を探す目的で、チバシンは、各地を巡るタンカ売の香具師になったのだ。
 いい加減な、設定対応だ。
 この彼女に、大原麗子。クレジットでは、主役扱いなのに、出番は少ない。出番は少ないが、ホントにすばらしい。
 その切ない顔、声が、やはりいい。「切ない顔」をさせたら、彼女の右に出る女優は、いまい。
 しかし、ラストは、父と子の思い入れシーンがメイン。彼女は、一切登場しない。東映時代の大原麗子の、軽い扱いそのまま。現在の視点から見て、あまり惜しい、逸材の、軽い扱い。まあ、ヤンキー?な大原麗子が東映というのは、仕方がなかったのかもしれないが、ほかの映画会社であってみれば、という詮無い思い。
 なお、余談だが、今週発売中の「週刊ポスト」、「仁義なき戦い」座談会が、面白い。深作、無茶や(笑)。
◎追記◎お父ちゃんの千葉真一が、いきなり、息子を高い高い抱っこ。いきなり&チョー高い高い、これが、真田広之、初のアクションか(バカ)。

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by mukashinoeiga | 2012-05-23 20:14 | 舟木一夫と60年代アイドル | Comments(0)

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