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田中重雄「夜はいじわる」山本富士子中村鴈治郎船越英二川崎敬三北林谷栄

 阿佐ヶ谷にて。「昭和の銀幕に輝くヒロイン63・山本富士子」モーニング特集。61年・大映東京。
田中重雄「夜はいじわる」山本富士子中村鴈治郎船越英二川崎敬三北林谷栄_e0178641_6481739.png タイトルから想像される、セクシー・ピンク・コメディーではまったくなくて、和風ラヴコメ快作、なかなか面白い。4/21(土)までの上映。
 京橋で1940年代の田中重雄を見つつ、同時に阿佐ヶ谷モーニングで、60年前後の田中を見る、また楽しからずや。な~んてね。
 老舗鰹節屋の跡取り娘・山本富士子は、いい加減な父(現在の社長)中村鴈治郎の不渡り対策に追われる。鴈治郎は婿養子で、山本の祖母・北林谷栄会長に頭が上がらず、不渡りの責任を取らされて、会長に社長職を解任される。解任されても、娘よ、後は頼む、といい加減な鴈治郎。この鴈治郎が、なぜか、いつもの、関西弁では、ない。調子が狂ったのか、いつもの闊達さが鴈治郎に、ない。無理した?標準語の鴈治郎、不自然で、面白くともなんともないぞ。
 やはり田中重雄「東京おにぎり娘」では、なんと、関西弁の江戸っ子(幼い頃から長年、関西に丁稚奉公ゆえ)、本作でも、どうせ婿養子なんだから、東京の老舗の社長でも、関西弁でも、よかったのでは。とにかく、どんな映画に出ても、必ずザ・鴈治郎ワールドを展開する鴈治郎の、生彩が、ない。恐るべし、標準語効果?
 それはともかく、山本富士子VS船越英二VS川崎敬三の、和風ラヴコメの、素晴らしき可能性をかいま見させる快作ではある。コメディエンヌとしても、絶品の山本富士子。
 なお田中重雄「旅情」どうよう、山本富士子が挿入歌を熱唱するも、平凡な、かつ古臭い歌い方で、感興を殺ぐ。最後はあからさまにフランク・キャプラ「或る夜の出来事」のパクリ、というか、モロのいただきと言うか。芸がなくて、すいやせん、で。
 しかもドライなキャプラ版が、父親の一発の捨て台詞(「この結婚は、金で片がつく」とかの)で爆笑させたのに比べると、ウエットな日本映画では、エンエンつまらない説明シーンを連ねるという違いはあるが。

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by mukashinoeiga | 2012-04-21 01:33 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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