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滝沢英輔「雲に向かって起つ」石原裕次郎浅丘ルリ子山内賢三津田健佐々木孝丸井智雄大森義夫山田吾一

 阿佐ヶ谷にて。「記者物語-ペンに懸ける」特集。62年、日活。
 原作・石原慎太郎、主演・石原裕次郎。うーん、この頃の慎太郎は、まだ、新聞記者に、ヒーロー的側面を期待してたのね(笑)。
滝沢英輔「雲に向かって起つ」石原裕次郎浅丘ルリ子山内賢三津田健佐々木孝丸井智雄大森義夫山田吾一_e0178641_01252180.jpg 国会担当になった裕次郎記者。ああ、いいなあ。もちろん、傑作とか、問題作ではないんだけど、通常の日活アクションなんだけど、裕次郎の、おおらかで明朗、すがすがしいキャラが自然ににじみ出て、演出とか構成とかを超えて、<天然な人間の愛嬌>のすばらしさ。
 いや、裕次郎については、前々からそう感じていたんだけれど、実に久々に裕次郎映画を見て、ああ、やっぱり、いいなあ、と。天然の人間的魅力で、一本の映画を、もたせてしまう。ああ、すばらしい。
 見終わったあと、往事の裕次郎ファンのおばさまたちが、ああ、やっぱり、いいわあ、とはしゃいでいたのを、見ても、なんだか、うれしい。
 政界の黒幕・三津田健や、その手下のヤクザ・佐々木孝丸を、追い詰める裕次郎、これに併走するメガネっ子・浅丘ルリ子グループが、グッド。
 デスクに永井智雄、他社記者に大森義夫(「事件記者」では「~ジャよ」という、老記者)、トップ屋に山田吾一と、日活「事件記者」シリーズ(本特集でも、しっかり、上映)ゆかりの役者が出演。これも、なかなか、うれしい。
 美術・キムタケとしては、浅丘の弟・山内賢の歌うゴーゴー・バーのセットもナイス。キムタケ回想によれば、日活映画みたいな店を開きたいという、多々のリクエストがあり、現実の店開店の相談にも乗ったというが、こういう店なら、当時の経営者の目を引いたろう。ま、日活映画では、こういう店には、悪徳経営者・佐々木孝丸や、殺し屋のマネージャー・草薙幸二郎、凶暴な手下・近藤宏が、もれなく付いてくるのだが。
 とにかく、水準的な快作に、石原裕次郎という天然の魅力が付け加えられ、そこそこの快作が、絶対の魅力を持ちえるという。うまし。
 最後、三津田健がルリ子に、弁解ともいえぬ弁解をつぶやくのだが、それもいい(脚本は池田一郎、のちの隆慶一郎だ)。

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by mukashinoeiga | 2012-03-06 23:10 | 傑作・快作の森 | Comments(0)

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