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島耕二「麗春花」

 京橋にて。「(再映)よみがえる日本映画~映画保存のための特別事業費による」特集。51年、新東宝=銀座ぷろだくしょん。
 たいへん可愛らしい島崎雪子が、ファザコンで。ファザコンのあまり、恋人?(で、あるような、ないような)伊豆肇との結婚もためらう。
 ところが、この父親は、愛人・三宅邦子の間に、男の子を作り、別家庭がある。
 父親だけでなく、母・花井蘭子も大好きな娘は、でも、その父親の「不倫」を肯定する。
 父親と愛人がデートしているのを見ると、ニコニコして、駆け寄ろうとして、伊豆肇に「ふたりを邪魔しちゃいけないよ」なんて、注意されたりする。
 ここら辺の、若い娘の心情描写が、かなりいい加減。ナンだろ、って言うくらいヘンなのだ。

 そして、どんでん返しに継ぐどんでん返し、出生の秘密の暴露が、なんとダブルで、妊娠堕胎の不思議など、どんでん返しのためのどんでん返しが、あまりにウザ過ぎて、もー、これは、感情逆なでしまくり。
当時としては、まぢめに?作っているのかもしれないが、今見ると、完全に、バカ映画といっていい。
 映画の描写は、それなりに好感触なのに、このでたらめきわまる書き飛ばし?の脚本(八田尚之)はなんなんだ。撮影の小原譲治もすばらしい。三宅と花井が対面で和室に座っているとき、三宅はふつうに写っているのに、花井の姿は完全シャドーで真っ黒。照明のマジック。素晴らしいセンス。
 なお、フィルムセンターのチラシには、島耕二は監督・出演とクレジット。島耕二はもともとと日本映画俳優学校第一期卒業生の俳優出身だ。どこに出ているのだろう。
 というのも、島崎雪子の父親役がなかなかいいのだが、誰だかわからない。でも、監督が父親役だと、ほぼ主演といっていい、気になる。こういうところも教えてくれないのは、フィルムセンターのイヤミなところ。
●追記●気になって確認したところ、春の本上映の際の案内には、「島が久々の主演で父親役」とありました。 早とちりでした。すいません。


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by mukashinoeiga | 2011-10-24 22:19 | 島耕二と行くメロドラ航路 | Comments(0)

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