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本多猪四郎「マタンゴ」円谷英二特撮

 池袋にて。「没後40年 特技監督・円谷英二の世界」特集。63年、東宝。
 「ガス人間第一号」の同時上映ゆえの再見。再々見か。
 「ガス人間」同様、<ゴジラのような巨大怪獣を出さずによりリアルな?特撮映画を>というコンセプトだと思う。大人向けの特撮映画、ということか。あるいは、ゴジラ映画より、より低予算で円谷特撮チームを活用できないか、つまり、「ゴジラ」シリーズほどの予算をかけずに、そこそこの映画が出来ないか、大作怪獣映画だけなら、特撮チームを遊ばせることになる、ということか。
 そこで恋愛要素、文芸映画要素を加え「ガス人間」、青春・冒険映画要素を加え「マタンゴ」。
 しかし「ガス人間」も大人向けに徹しきれず(?)、身についてしまったお子様ティスト、残念でしたね。もう、ちょっと、だったのに。でも、こっから、TV「ウルトラQ」へ、いけたのだ。
「原水爆に被爆して、巨大化したゴジラ。そろそろマンネリだ。次の企画を考えろ」
「原爆といえば、きのこ雲ですよね」
「そうだな」
「じゃ、きのこの怪獣ってのは、どうです?」
「おっ新発想だね(笑)。植物の怪獣ってのも、新機軸じゃないか」
「じゃ、巨大化したきのこ怪獣が、町を襲うと」
「いや、今回の予算では、ミニチュアはそうそう組めんよ」
「じゃ?」
「だからぁ、等身大よ等身大」
 てな、感じか(笑)。
 小泉博・久保明・土屋嘉男、水野久美、などの二線級で固め、矢代美紀なる新人もなかなかいい。
 きのこを食ったら、きのこになる、コンセプトが、いい。
 無人島モノとしても大駄作「東京島」のスタッフ・キャストに、見てから、作って欲しかった。「東京島」が、まるで民主党政権並みに、こんなミスしたらあかんやろ、というミスを数限りなく犯した、そのミスを、「マタンゴ」は、ほぼ、回避していく。
 もっとも、民主党も「東京島」も、はたから見ればミステークなのに、当人たちはしれっとして、むしろ功績と思っているフシもあり、ああ、鈍感な人はどこまで鈍感なのか、と自分を棚に上げて、思う。
 きのこを食って、丸々超え太って、肌の艶も美しい、水野久美の、ベスト・イメージ。
 飢餓の中の、妄想的飽食の幸福。やっぱり、きのこ、だよね(笑)、妄想のキモは。

by mukashinoeiga | 2010-12-18 00:02 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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