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傾向と対策:若尾文子特集

 10/2~22に、神保町で特集される「みつめていたい!若尾文子」は、OLD映画ファン、ないし、最近めったに、作られない、かっとんだ、娯楽映画を待望するファンは、必見の特集かと。
 レアもの多数。こんなレアものばかりの特集は、最近の名画座でも、珍しい。あるいみ、CS放送などの恩恵なのかもしれないが、TVモニターで、ほとんど見ない、ぼくみたいなものには、うれしいところ。
 いわゆる、世間公認の名作、というのは、木村憲吾「風癲老人日記」くらい。それくらい、レアなのだ。 
 全20作のうち、ぼくが見ているのは、たった7作。

●吉村公三郎「家庭の事情」>コミカル・ホームドラマとして、最高の面白さ
●木村恵吾「温泉女医」>コミカルな温泉もの。お気楽に楽しめる
●弓削太郎「女は抵抗する」>渡辺プロの名物副社長・渡辺美佐をモデルに、芸能モノ。まあ、面白い
●井上梅次「閉店時間」>面白い、デパート・ガールものコメディ。地味地味大映ティスト炸裂の好編
●田中重雄「愛河」>いや、よく、覚えていないが、そこそこ面白いメロドラ、なんじゃないかな、記憶では
●木村憲吾「風癲老人日記」>谷崎原作とティストは違うが、精神は引き継いでいるよ? 山村總絶品の快作
●三隅研次「雪の喪章」>三隅的には水準作だが、それはほかの監督が、撮れば、傑作で。
 

みんな、かなり・すごく・まあまあ、面白いのが、すごいよ。さすが、大映。
 で、のこりの13作については、ぼくが見ていない作品ばかりなので、どのくらい、見れるかな、というところ。
 ま、レア物というのは、忘れられるには、忘れられるだけの理由がある、すなわち凡作、という可能性もあるわけだが、なかには、とんでもない快作があるのかも。
 若尾文子、たとえどんな凡作でも、その映画以上の魅力を付与する、ザ・女優。
 大映プログラム・ピクチャアという場の、完璧なスタッフ・ワーク、たとえ監督がかなりの鈍であっても、映画は一定水準を保つ。これが、大映マジック。東宝、松竹、日活、東映などでは、まったく見られない、最低でも、低値安定、の魅力。大映では、なぜか、ほとんど、駄作が、ない。ふしぎだあ。
 そのタイトルも「悶え」「不倫」「女が愛して憎むとき」「実は熟したり」なんて、思い切りベタなタイトルもそそるが「鎮花祭」「珠はくだけず」「花の大障碍」「八月生まれの女」なんてのも「勝利と敗北」「鉄砲伝来記」なんてのも、いいし。
 ま、若尾文子なら、何でも、いいんだよね。

by mukashinoeiga | 2010-10-01 00:21 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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