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「朝日映画ニュース」

 京橋にて。「フィルム・コレクションに見るNFCの40年」特集。34年、東京朝日新聞社。
 9分の中に、5~6本のニュース収録。宮様の結婚、行列の馬車とか、渋谷のハチ公像除幕式とか、陛下の閲兵式とか。一応トーキーなのだが、音楽は絶えず流れるにしろ、ナレーションは、最初に一言、二言。あとは、沈黙。
 いまの刺激的ナレーションのTVニュース・ショーに慣れていると、異様なのね。ナレがないからといって、映っている人の発言もないし。粛々と進んでいく。
 これでは、刺激が足りぬ、と、いまのニュース<ショー>は、扇情的なBGM(その方面では一長日ある映画やドラマの、)、扇情的なナレ、扇情的なスーパー・インポーズ、おなかいっぱいの山盛りだ。
 そして、もちろん、カメラに捕らえられたニュースというのは、厳密な意味では、最初から<一次資料>とはいえないのかもしれないが、いまのニュース・ショーは、どんどん<一次資料>から、離れていってしまうだろう。
 なお、何とか商会、の名もクレジットされていて、まだまだトーキーは、朝日新聞単独では、できなかったのか、とも思われる。
 続いて、
  ●「朝日映画ニュース 特集号 東郷元帥国葬」34年、朝日新聞社、10分。
 こちらは、特集号(”集号”は、旧字)つまり、号外的性格なのか、同じ年なのに、無声、それでも24ftpなのは、さすが?か。あるいは、一刻も早く全国に流すため、音入れを省略したのか、あるいは、葬儀なので、ここはちゃらちゃらしたトーキーは、やめようということか。
 今では、歴史上の人物たち、高橋是清、などが次々、駆けつけるさまを、淡々と、映し出す。
 いまなら、ひとりひとりに、クレジットをつけるだろうが、そんな親切一切なし。十秒くらいで、つぎづぎ入れ替わり立ち代りの、当時の政府高官たち、誰だ、こいつは、と推測するのも楽しいが、めまぐるしいぞ。はやりの歴史検定の、格好の問題になるかも。

by mukashinoeiga | 2010-08-21 22:37 | 旧作日本映画感想文 | Comments(0)

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