神代辰巳「嗚呼!おんなたち 猥歌」

 池袋にて。「没後15年 映画ファンに愛されつづける 鬼才・神代辰巳」特集。81年・日活(現配給・新日本映像)。
e0178641_1630133.jpg 再見。どうせなら、もっと、楽しい神代映画を再見したかったのだが、スケジュール合わず。
「赫い髪の女」との、二本立て。
 内田裕也が売れないロック歌手、安岡力也が、その、しがないマネージャー。まるで演歌歌手みたいに、マチ場のレコード屋の店頭、その前の道路上で、歌のプロモ。誰も聴くものはいない。
 ソープに勤めながら、内田を支える角ゆり子、看護婦のセフレ中村れい子、本妻絵沢萌子、その四画関係。
 オマケのように、安岡の彼女・太田あや子(!)も、犯す。中村れい子、太田あや子、可愛かったよね。
 ロック歌手・サングラスをかけて決めポーズの、内田裕也は、これしか決めポーズがない。
 毎度毎度セックス・シーンでは、半開きの口をとんがらせ、目をつぶり、苦悶の表情。このワンパターンのみ。このドンくさい、貧相で、お粗末な表情で終始一貫通す。見ていてうんざりする、内田裕也苦悶のアクメ顔で。
 内田裕也、一応日本ロック歌手の大御所という、世間の認識だが、その歌は、イマイチ、どういう曲だったか、わからない。そもそも、聞いたことがない。
 本作では、何曲か、流れるが、まあ、はっきりいわなくても、下手。だいいち、声量が、ない。ロマンポルノとはいえ、映画主演で、その挿入曲、一応イージー・リスニングな、軽いバラードで、レコードもヒットさせようという算段だが、この歌謡曲なスローバラードのどこが、ロック野郎なんだか。
 人によく知られた流行歌を、しがなく、つぶやくように、あるいはがなるように、歌わせる神代が、一応プロの歌手を主演にして、当然その歌を茶化さずに、扱わなければ、ならないとしたら。
 猥雑にして、生き生きとした歌を「猥歌」というなら、とうとう内田裕也に、神代は「猥歌」を、歌わせえなかった、ということだろうか。まあ、もともとナベプロ上がりのハンパな流行歌手(しかし、ヒットは、ない)、東宝加山雄三の、定食・若大将映画にも出ているくらいの、ずぶずぶの歌謡曲ヒット歌手予備軍の、内田が、いかに、しがないロック歌手になりおおせるか、なりおおせなかったのか。気取りつつ、歌う内田裕也に、「猥歌」を歌いえるわけもなく。
 後の神代組常連のショーケンが、この時期のロマンポルノに出るわけはないのだが、見たかったなあ、若いショーケンと神代で。
 たとえば、80年代後半当たりに、ショーケン、ジュリー、岸部一徳あたりを使って、神代が撮ったら、夢のような歌謡映画の傑作/怪作が出来ただろう。
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by mukashinoeiga | 2010-07-04 00:00 | 神代辰巳猥歌 揺れた俗情 | Trackback | Comments(0)

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